2015年07月29日

君のフォームに俺はウォーム フレンズ9-16その4

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生活費が底をついてきたモニカは、夫チャンドラーに内緒で、ジョーイに 2000ドルのお金を借りることにしました。
その後、夫のチャンドラーも、モニカに内緒でジョーイにお金を貸してくれと相談します。
チャンドラーたちが金欠なのを知っているジョーイは、即座に小切手を書くのですが、ジョーイの小切手帳を見たチャンドラーは、ジョーイがモニカにも 2000ドルの小切手を書いたと知り、「モニカも生活苦の理由で、ジョーイに金を借りに来たのか?」と尋ねます。
「チャンドラーには内緒にしてて」とモニカに言われていたジョーイは、本当のことを言えず、「モニカは boob job (豊胸手術)のために、俺に金を借りに来たんだ」と説明してしまいました。
その後のシーン。
(Chandler enters)
(ジョーイとレイチェルの家に)チャンドラーが入ってくる。
チャンドラー: Hey, Rach! There she is, my perfectly proportioned wife. (やぁ、レイチェル! 彼女はそこにいるんだね、俺の完璧なプロポーションの妻は。)
レイチェル: Don't look at me. I never get his jokes. ([モニカに] 私を見ないでよ。私はチャンドラーのジョークをわかったためしがないのよ。)
モニカ: Thank you? (ありがとう。)
チャンドラー: No, no. Don't thank me. Thank you. Do you know there's not one thing I would change about you? Not one single thing! And definitely not... two... single things. (いやいや、俺にありがとうって言わないで。俺が君にありがとう、だよ。君について変わって欲しいと俺が思っていることは1つもない、ってわかってる? たった1つもないんだ! 絶対にないんだよ、(たった1つと言うよりは)1つのものが2つ(二揃い)だけど。)
モニカ: Okay, you're being weird. Do you want sex, or did you do something bad? (いいわ、あなたは(今、様子が)ヘンね。エッチしたいの? それとも何か悪いことでもした?)
チャンドラー: No. No. No. I just love the way you look. I am warm, for your form. (違う違う違う。俺はただ、君の見た目(ルックス)が大好きなんだよ。俺はほてっちゃうよ(そそられちゃうよ)、君の姿(体つき)に。)

モニカがジョーイから 2000ドル借りた理由をチャンドラーから問い詰められたジョーイは、胸の大きな女性が目の前を通ったことにインスピレーションを受け(笑)、とっさに「豊胸手術(boob job)」と答えてしまったため、チャンドラーはそれが本当の理由だと信じてしまいます。
job はこのように「(美容)整形手術」という意味で使われることが多いですね。nose job なら「鼻の(美容)整形手術」という意味になります。
金欠で生活苦なのに、豊胸手術をするつもりのモニカが理解できず、それでチャンドラーはモニカの姿を見るなり、プロポーションがらみのセリフを言っているのですね。

There she is, my perfectly proportioned wife. の There she is は「彼女はそこにいるんだね、あぁ彼女はそこか」のようなニュアンス。
There you are. 「あなたはそこにいたのね」のような表現もありますね。
my perfectly proportioned wife. の 動詞 proportion は「〜が釣り合いの取れるようにする、〜を調和させる」という意味。
proportion は、日本語「プロポーション」として、「身体の各部分の釣り合い、バランス、均整」という意味で既に使われていますので、「完璧にプロポーションされた(完璧なプロポーションを持った)妻」と表現した方が、却ってわかりやすいですね。

いきなり、「完璧なプロポーションの俺の妻」と言われたモニカは、意味がわからず、「は?」という顔をしています。
モニカと視線が合ったレイチェルは、モニカに向かって、Don't look at me. I never get his jokes. と言っていますね。
1文目は文字通り、「私を見ないで」で、2文目を直訳すると、「私はチャンドラーのジョークを決して理解しない」になるでしょうか。
もう少し日本語っぽく言うと、「チャンドラーのジョークって、私にはいつもわからないのよ。チャンドラーのジョークがわかったためしがないのよ」みたいなことですね。
モニカがチャンドラーの意味不明発言を聞いた後に、私(レイチェル)の方を「今のどういう意味?」みたいな顔で見られても、私だってわからないわ、と答えたわけですが、「私にも今のジョークは意味がわからない」という今回限定の話ではなく、「私はいつもチャンドラーのジョークがわからない」みたいに、「さっきのジョークに限らず、チャンドラーのジョークって、毎回意味不明よね」と総括してしまっているという面白さです。

急に言われたことには驚きつつも、「完璧なプロポーションの妻」という表現はやはり褒め言葉なのは間違いないので、モニカは不審な様子ながら、Thank you? 「まぁ、一応、ありがとう、って言っとくわね」みたいな感じで、感謝の言葉を返します。

それに対してチャンドラーは、Don't thank me. Thank you. と言っています。
モニカが自分に「ありがとう」と感謝したことに対して、「君が俺に感謝しないで。感謝するのは俺の方だよ」と言ったニュアンスになります。

その後の、Do you know there's not one thing... の文章について。
1文目を直訳すると、「君について、俺が変えよう[変えたい]と思うことは1つもない、ってわかってる?」という感じですね。
Not one single thing! は not one thing 「1つもない」という表現の「1つも」を、さらに single で強調したニュアンスで、「たった1つのものさえ(変えたいと思うものは)ないんだ」と言っている感覚になります。
そんな風に、「変えたいと思うものはたったの1つもない」と何度か言った後、And definitely not... two... single things. と言っていますね。
チャンドラーはモニカが豊胸手術をするつもりだと思い込んでいるので、モニカの胸(boobs/breasts)を変えてほしくない、という意味で、「君については、何一つ変えて欲しくない」と言っているわけですが、胸というのは、boobs/breasts と表現することからもわかるように「同じものが対になっている複数形」ですから、「正確に言うと、たった1つ、じゃなくて、シングルのものが2つ(というペア)」だと言い換えたことになるわけです。
モニカとレイチェルは何のことかわからないでしょうが、観客や視聴者はチャンドラーが「胸」の話をしていることがわかっているので、「いや、1つじゃなくて、シングルが2つだな」と言い直したそのコネタ的なジョークに笑ってしまうわけですね。

You're being weird. は、「あなたは(今現在)ヘンである」という感覚。
You're weird. なら「あなたってヘンね」のように、相手の性格が(常に)ヘンである、と言っている感じになりますが、このように、are being と be動詞を進行形にすると、「今この瞬間、あなたはそういう状態である」という、一時的な状態を指すことになります。

チャンドラーの(今の)様子がおかしい、と言った後のモニカのセリフも面白いですね。
「エッチしたいの? それとも何か悪いことをしたの?」ということで、「完璧なプロポーションの俺の妻。俺は君に感謝したいんだ」みたいに、いきなりベタ褒めのセリフを繰り出す夫に、「そんなにやたらと褒めるのは、私とエッチしたいわけ? それとも悪いことをして怒られそうだから先にご機嫌を取ってるの?」みたいに言ったことになります。

チャンドラーはそれを否定して、I just love the way you look. と言っています。
「俺はただ、君の見た目の感じ・様子が大好きなんだ(愛してるんだ)」ということで、「君の見た目・ルックスが好き」と、外見が好きなことを言っていることになります。

その後の、I am warm, for your form. について。
チャンドラーは、ちょっと気取った感じで、I am warm... for your form. と言っています。
聞いているモニカとレイチェルは「何言ってんだか」みたいな顔をしていますが、このセリフの後、観客はかなりウケていますね。
この部分、DVDの日本語訳では「燃えちゃうよ、そのボディーに」と訳されていましたが、そういうニュアンスだろうと私も思いました。

warm は「暖かい、温かい」という意味ですが、研究社 新英和中辞典では、以下のような意味も出ていました。
warm
〈体が〉ほてる、熱くなる、〈運動など〉体をぽかぽかさせる、軽く汗をかかせる
好色な、挑発的な、扇情的な


また、form は「フォーム」で「形、型」と訳されることが多いですが、「姿、外観、体つき」という意味としても使われます。
研究社 新英和中辞典では、
a woman of delicate form きゃしゃな体つきの女性
という例も出ていました。

ですから、I am warm, for your form. は、「俺は(体が)ほてる・熱くなる、君の体つきに対して」という意味になり、「君の身体(ボディー)に、俺は燃えちゃうよ」という意味になる、ということですね。
意味としてはそういう内容なのですが、それが warm と form が韻を踏んだ形になっているのが、このセリフのポイントと言えるでしょう。
ここでもまた、モニカとレイチェルには何のことかさっぱりわからないでしょうが、観客と視聴者には、チャンドラーが「韻を踏んで、うまく言ってみただろ」とちょっと得意気な様子がわかる、という楽しさになるでしょうね。


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posted by Rach at 16:31| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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