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ラブラブがますます強まったフィービーとマイク。
フィービーと片時も離れたくないあまり、自宅にも帰りたくないと思ったマイクは、「一緒に暮らさない?」と提案、フィービーも即答でオッケーします。
同居することをフレンズたちに報告した際、「結婚も近そうね」と言われ、まんざらでもないフィービーでしたが、マイクはフィービーに「同居はしても、結婚は二度としない。前の結婚が最悪だったから」と、結婚の意志は全くないことを説明します。
フィービーもそれを理解したつもりでしたが、結婚についてロスに相談するなど、完全には気持ちが整理できていない様子。
それでも同居の準備は着々と進み、フレンズたちがマイクの大きなカウチをフィービーの部屋に運びこもうとしているシーン。
フィービー: Just one last time on... the marriage thing. There's no wiggle room? None at all? (結婚のことについて、最後にもう一度だけ。気持ちが変わるチャンスはないの? 全然ないの?)
マイク: No, but you don't want to get married either, right? (ないね、でも、君も結婚したいわけじゃないんだろ?)
フィービー: Right. Except that I do want to get married. (そうね。私は実際には結婚したいと思っている、ってことを除いてはね。)
ジョーイ: (voice strained) Couldn't have this conversation down at the truck, huh? ([ピリピリした声で] この会話、下のトラックのところで、できなかったのか? なぁ?)
マイク: What? You wanna get married? (何? 君は結婚したいの?)
フィービー: Someday. (いつかね。)
チャンドラー: Aaaaand....... hernia. (そしてー… ヘルニアだ。)
フィービー: I haven't exactly had a normal life. And I never really felt I was missing out on anything. But it just feels like now it's my turn to have some of the regular stuff. (私はこれまで、必ずしも普通の人生は送って来なかったわ。そして何かのチャンスを見逃していると感じたこともなかった。でもただこう感じるのよ、今、私が普通のことを持つ番だ、って。)
Just one last time on... the marriage thing. は「結婚のことについて、ただ最後にもう一度」というところですね。
There's no wiggle room? の wiggle は、動詞で「くねくね(ぴくぴく)動く(動かす)。小刻みに動く(動かす)」という意味。
room は一般的には「部屋」と訳されることが多いですが、「場所、あき」「余地、機会」という意味でも使われます。
There's plenty of room for improvement. なら、「改善の余地は大いにある」ということですね。
今回の There's no wiggle room? を直訳すると、「小刻みに動く余地(機会)はないの?」という感じになりますので、「少しでも気持ちが動く(気持ちが変わる)ことはないの?」と尋ねていることになるでしょう。
wiggle room というフレーズは、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、項目として出ていました。
wiggle room [noun, uncountable] (informal) : the chance to make small changes to a statement, decision, or agreement
例) The company has tried to leave itself some wiggle room in the contract.
つまり、「発言、決心、同意に対して、小さな変更を行うチャンス」。例文は、「その会社は、契約の中で、自らに少しの変更のチャンス(余地)を残しておこうとした」。
ですから、フィービーの There's no wiggle room? None at all? というセリフは、マイクが「同居はしても、結婚する意志は全くない」と言ったその気持ちについて、その決意が少しでも変わることはないの? 全くないの? と問うていることになります。
No は、「ないの?」と聞かれたことについて、「(確かに)ない」と答えるニュアンス。
but 以下は、「でも君も結婚したくないんだよね?」。
結婚しない、という話を、マイクがフィービーに初めて告げた時、「結婚しないのなら、同居もやめるべき?」と言ったマイクの発言に対して、フィービーは、"Oh, I definitely don't wanna get married. No, I just wanted to make sure you didn't want to, too." と言っていました。
訳すと、「あぁ、私は絶対に、結婚したくなんかないわ。私はただ、あなたも結婚したくないと思ってるかどうかを確認したかっただけなのよ」ということですね。
フィービーが実際にそう言っていたことから、マイクも「君もあんな風に、結婚はしたくない、って言ってたよね」とここで確認していることになります。
それを受けてのフィービーの、Right. Except that I do want to get married. について。
直訳すると、「その通り。私が実際には(本当に)結婚したいと思っていることは除いて」になるでしょう。
マイクの文章と繋げる形で、フィービーのセリフを文章にすると、「あなたの言っていることは正しい(その通り)。ただ「私が本当は結婚したいと思っている」ことは除いてね」。
Right. といったんは、マイクの発言を肯定するように言った後で、「ただし、この点は除いてね」と、except that 以下の点では、right ではないと言っていることになるのですが、その内容が、I do want to のように、want to を do で強調しているので、「”私は本当はとても結婚したいと思っている”ということを除いて」と言っていることになります。
except that のように、何かの一部を除外条件として挙げているように見えて、マイクの発言全部に対する否定を述べている形ですね。
このような、except の使い方は、過去のフレンズでも出てきました。
過去記事、加入ではなく共同設立 フレンズ8-9その5 では、ロスとウィル(演じるのはブラピ)の会話で、
ロス: But if you think about it, the "I Hate Rachel Club" was really the "I Love Rachel" Club. (でも考えてみたら、「レイチェル大嫌いクラブ[レイチェルを憎んでるクラブ]」は本当は「レイチェル大好きクラブ[レイチェルを愛してるクラブ])だったんだよ。)
ウィル: Uh, except that it was really the "I Hate Rachel Club." (あー、それが本当に「レイチェル大嫌いクラブ」であったということを除いてはね。)
というものがありました。
それも、いったんはロスの発言を受け入れたような形にしておいてから、「実際には〜だったことを除いてはね」と表現して、ロスの発言を完全にひっくり返すという表現になっていたわけですね。
今回のフィービーのセリフも、マイクの言葉をいったんは受けたような風の返事だったけれど、Except that を使って、それを全否定したことになります。
そのような二人の会話を聞いていたジョーイの発言、Couldn't have this conversation down at the truck, huh? について。
これは、省略されている主語を入れると、You couldn't have... になるでしょう。
重たい荷物を俺たちに運ばせているこのタイミングで、そんな会話をしているフィービーとマイクに対して、「君ら(フィービーとマイク)は、こういう(結婚したいかどうかという)会話を、下(階下)のトラックの(いる)ところで、できなかったのか?」というところですね。
もしこれが、(You) could have had this conversation... という、could + have + p.p. (過去分詞)の形だったなら、「君らは、こういう会話を、階下のトラックのところでできただろうに(実際にはそうしなかった)」というニュアンスになるでしょうが、今回は、couldn't have であり、have p.p. の形ではないので、「この会話を階下で持てなかった(できなかった)のか?」という文字通りのシンプルな意味になる、ということですね。
上の階まで重い荷物を運ばせる前に、そういうややこしい話を済ますことできなかった? 済ましておいて欲しかった、と言っていることになるでしょう。
「実際には結婚したいと思ってる」とフィービーが言うので、マイクは驚いたように、「何だって? 君は結婚したいわけ?」と尋ね、フィービーは、Someday. 「いつかね」と答えます。
そんな会話をしている二人の横で、チャンドラーは、重たい家具が腰にこたえたようで、「そして…(そんな会話をしている間に)俺はヘルニアだ」みたいに言っています。
実際の英語の発音は、ヘルニアではなく、「ハーニア」みたいな感じになっていることにも注意したいですね。
フィービーはその後、自分の気持ちを語っています。
I haven't exactly had a normal life. の not exactly は「必ずしも〜ではない」という部分否定。
直訳すると、「私はこれまで、必ずしも普通の人生を持ってきたわけではなかった」になるでしょう。
フィービーは、他のフレンズたちと比べても、波乱万丈な人生を送ってきているので、「私の人生は、普通の人生ってわけじゃなかったわ」と言っているわけですね。
And I never really felt I was missing out on anything. について。
miss out on は、「〜のチャンス・好機を逃す、〜の機会を失う・見逃す」なので、全体としては、「私は何かのチャンスを逃していたと本当に感じたことはなかった」になるでしょう。
But it just feels like now... の my turn は「私の番・順番」なので、「でもただこんな風に感じるの、今、(いくらかの)普通のことを、私が持つ番だ、って」という意味になります。
フィービーは一風変わった人生を送ってきたこともあり、そのことで「何かを逃してきた」という風に感じたこともなかった、と言っているのですが、そんな私も今やっと、人と同じことをしたいという気持ちになった、私が普通になってもいい番だと思えた、と言っていることになりますね。
いつもマイペースで独自路線を歩んでいるフィービーが、normal で regular なことに対する憧れの気持ちを真剣な表情で述べているところに、フィービーの本気度が感じられ、切ないシーンだな、と思います。
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2015年07月31日
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