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前回のエピソードで、結婚に対する考え方の違いから、フィービーとマイクは別れることになってしまいました。
マイクと別れたことで、フィービーはものすごく落ち込んでいる様子。
[Scene: Central Perk]
セントラルパーク。
フィービー: Hi. ([暗い声で] はーい。)
モニカ: Hey, Phoebe. How you doin'? You feelin' better? (はーい、フィービー。調子はどう? 気分は良くなってる?)
フィービー: Breaking up sucks! Oh, I really miss Mike! (別れるって最低よ! あぁ、ほんとにマイクが恋しいの。)
チャンドラー: Oh, I'm so sorry. (あぁ、つらいだろうね。)
フィービー: Oh God, I've tried everything to make myself feel better. I even tried writing a song about it... but... I can't think of anything that rhymes with: AARRGGHH!! (pause) Hey, Monica, I'm gonna need your help getting through this. (なんてこと。自分の気持ちがましになるように、あらゆることをしてみたの。そのことについて歌を書いてみようとすらしたわ、でも… これと韻を踏む言葉が何も浮かばないの。「あー!」よ。[間があって] ねぇ、モニカ、これを乗り切るために、あなたの助けが必要になるわ。)
チャンドラー: You're saying you're not gonna need my help? (僕の助けが必要になることはない、って言ってるのかな?)
フィービー: Well, no. When I get to the point where, you know, I'm ready to hear cruel, mocking jokes about Mike, I'm gonna come to you. (そうね、ないわ。マイクについての無慈悲な[キツい]あざけるような[ばかにしたような]ジョークを聞く準備ができているとこまで私が到達したら、あなたのところに行くわね。)
チャンドラー: Oh, good, 'cause I've already thought of 3... 4! I've just thought of a fourth. (he goes towards the counter) (あぁ、それは良かった。だって、俺はもう既に(そういうジョークを)3つ考えたから…(いや)4つだ。ちょうど4番目を思いついた。[チャンドラーはカウンターに向かう])
フィービー: Okay. I mean, I know I did the right thing. You know, Mike never wants to get married and I shouldn't be in a relationship that has no future. But... pretty soon, I'm gonna miss him so much. I'm gonna wanna see him again, and you have to stop me from doing that. (いいわ、ほら、私は正しいことをしたってわかってるのよ。ほら、マイクは決して結婚したいと思わないし、私は未来のない関係にいるべきじゃない。でも… すぐに、私は彼がものすごく恋しくなっちゃうの。もう一度彼に会いたいと思うことになるわ、だから私がそうすることをあなたは止める必要があるの[あなたに止めてほしいの]。)
モニカ: Okay, you got it! (オッケー、まかせて[了解]。)
フィービー: (after a pause) Unless.... Am I being too crazy about this? Alright, so, you know, there's no future. But that doesn't mean we still can't have fun. You know what? Forget what I said. ([間があって] でもこういうことなら話は別だけど… 私はこのことについてクレイジーになりすぎてるの? ほら、未来はないわ。でもそれが、私たちが楽しんじゃいけない、ってことにはならない。ねえ? 私が言ったことは忘れて。)
モニカ: Really? All right, if that's what you want... (ほんとに? いいわ、もしそれがあなたの望みなら…)
フィービー: That was a test, and you just failed. (今のはテストよ、で、あなたはテストに落ちた[失敗した]。)
モニカ: Damn it! Rookie mistake! (しまった! (今のは)初心者のミスよ!)
セントラルパークに入ってきたフィービーは、暗い声で挨拶しています。
その様子を見てモニカは、How you doin'? You feelin' better? と尋ねていますね。
どちらも、文法的に正しく書こうとすると、How are you doing? You're feeling better? になるところでしょうが、進行形を作るために存在する be動詞は、元々強く発音されないため、会話ではこのように省略されてしまうことも多いのですね。
DVD の英語字幕でも、How you doing? You feeling better? のように、be動詞のない形で表記されていますので、「小さく発音されているから聞こえない」というよりも、「元々、言葉として be動詞が発音されていない」ということになるでしょう。
How you doin'? というのは、ジョーイのナンパのセリフ(pick-up line)として、フレンズファンにはおなじみなので、(宣伝にようになって申し訳ないのですが)、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.242 でも、How you doin'? に絡める形で、be動詞の省略について説明させていただきました。
今回のシーンでは、モニカが How you doin'? と言っていますが、元々、How you doin'? 自体は、ジョーイ以外も普通に使う言い方であり、ジョーイのナンパのセリフが彼のキャッチフレーズとして有名になっているのは、あの「男の色気を出したような、独特の抑揚がついたあの言い方」を含めてのものだ、ということです。
Breaking up sucks! の suck という動詞は、フレンズによく出てきますが、「最低である」(= be terrible)という意味。
break up は「(恋愛関係にあった人が)別れる」という意味で、恋愛ドラマ頻出表現ですね。
「別れるってことは、もう最低!」みたいに言って、「本当にマイクが恋しいの。マイクがいなくてとっても寂しいの」と言っています。
その後、フィービーは、「気持ちがましになるように、すべてのこと(あらゆること)をした。そのことについて曲を書こうとさえした」と言っています。
I can't think of anything that rhymes with: AARRGGHH!! を直訳すると、「あーっ! と韻を踏むものを何も思いつかなかった」になります。
マイクと別れたことについて、歌を作ろうと思っても、出てくる言葉は「あーっ!」という、やりきれない叫び声ばかりで、あーっ!と韻を踏む歌詞ができなくて、曲を作ることができなかった、と言っていることになるでしょう。
「これ(この状態)を乗り切るために、あなたの助けが必要になる」とフィービーがモニカに言ったので、モニカの隣に座っているチャンドラーは、「それって、俺の助けは必要ない、ってこと?」みたいに尋ねています。
フィービーは、Well, no. 「そうね、要らないわね」みたいに返事した上で、When...., I'm gonna come to you. 「〜する時には、あなたのところに来る(行く)わね」と言っています。
「今はとりあえずあなたの助けは不要だけど、〜の時には、あなたの助けが必要になるから、あなたのところに行くわ」と言っている感覚ですね。
日本語ではそのように、「あなたのところに行くわ」と「行く」という単語を使うところですが、英語ではこのように、「イメージしているところに向かう、近づく」場合は、come を使うことになります。
When 以下で、「こういう時にはチャンドラーのところに行く」と説明していることになりますが、それはどんな時かということを、前から順番にイメージしていくと、
「私が(where 以下の)ポイント(地点)に達する時、そのポイントでは、ほら、マイクに関するキツくてあざけるようなジョークを聞く準備が私にできている[心構えができている]」
になるでしょう。
あなたがマイクのことをバカにするような辛辣なジョークを言うのを、私が聞けるくらいの心境になったら、あなたのところに行ってそういうジョークを聞かせてもらうわね、ということですね。
そう言われたチャンドラーは、「そりゃ良かった。だって俺はもう既に、3つ思いついたから」みたいに言うのですが、3 (three) の後、すぐに 4 (four) と言い直しています。
英語の語順に合わせた感じで言うと、「だって俺は既に思いついたからね、3つを、いや4つを!」みたいなことですね。
4つ、と言い直したことについて、「今、こうして話している間に、ちょうど4番目を思ついたんだ」とも付け加えています。
チャンドラーがカウンターに行ったため、残ったフィービーとモニカは、さきほどの「モニカの助けが必要」の件について話し合っています。
別れたことについて、「私は正しいことをしたってわかってるの」と言っていますが、アメリカのドラマでは、別れる別れないの話の時に、I did the right thing. という表現がよく出てくる気がします。
フレンズ2-8その10 でも、ジュリーと別れてきたロスが、
ロス: I did the right thing. (僕はするべきことをしたんだ。)
と言っていましたね。
フィービーは「マイクは結婚したくないと思っているし、私は未来のない関係にいるべきではない」と、自分の判断の理由を述べています。
その後、「でもすぐに、彼をものすごく恋しくなっちゃうの、彼に会いたくなっちゃうの。だから、私がそうしようとするのを[彼に会おうとするのを]あなたに止めてもらわないと」と言っていますね。
別れたことは正しいと、理屈では、頭では、わかってるんだけど、彼に会いたいという気持ちが抑えられない、ということですね。
モニカはその頼みを即座に了解するのですが、頼んだ方のフィービーが、Unless... 「もし…なら話は別だけど」と、話を別の方向から切り出してきます。
「私が彼に会いに行きそうになったら、絶対に止めてよね!」と頼んだ後に、Unless と続けているということは、「でも、こんな風に考えたら、止めてもらう必要はないのかも。別に会ってもいいのかも」という話の流れになることが想像できます。
そういう話の方向性を意識しながら、後のセリフを見てみると、まず最初のセリフは、「私はこの件について、クレイジーになり過ぎてるのかもしれないわよね?」となりますね。
つまり、「彼と会っちゃいけないんだ! とあまりにもムキになり過ぎているけれど、もっとお気楽に考えてもいいんじゃないのかしら?」と自分で言っていることになるでしょう。
there's no future. But that doesn't mean we still can't have fun. を直訳すると、「未来はない。でも、そのことが[未来がない]ということが)私たち[私とマイク]が(依然としてこれから先も)楽しめないということを意味しない」になるでしょう。
もう少し日本語っぽく訳すと、「未来がないからって、それで、私とマイクが楽しんじゃいけないっていうことにはならない」というところですね。
未来がないとわかっていても、好きな者同士、一緒にいて人生を楽しんでも構わないわよね? と言っていることになるでしょう。
「彼とは会わない」と言ったことと真逆の内容を、つい本音として漏らしてしまった感じのフィービーは、「私がこんなこと言ってちゃいけないわよね」とでも言うように、「私が今言ったことは忘れて」とモニカに言います。
フィービーの揺れる女心を読み取ったモニカは、女性としてその気持ちに共感した様子で、「ほんとに(いいの)? もしそれが(未来はなくても、マイクと楽しんでもいい、という話が)あなたの望むことなら…(そうしたらいいんじゃないの?)」と言いかけるのですが、フィービーは、「今のはテストよ。そしてあなたはそのテストに落ちた(失敗した、しくじった)」と言い放ちます。
自分のことを親身になって心配してくれている相手に対して、何とも意地悪な返しですが(深刻な会話の中にこういう部分が挿入されるのが、コメディーとも言えますが)、モニカは、フィービーのトリックに引っ掛かったことが悔しかった様子で、「しまった!」と言った後、Rookie mistake! と言っています。
rookie は「ルーキー」で、「新人、初心者」ですから、「初心者のミスよ。今のは私が(こういうことに慣れてなくて)初心者だったからミスしたのよ!」と言い訳した感覚になるでしょう。
今は最初でうっかり引っ掛かっちゃったけど、これからは引っ掛からないんだからね、と宣言している感じもあり、負けず嫌いのモニカらしいセリフだなと思いました。
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