2015年08月10日

天使のように眠ってる、あどけない君 フレンズ9-17その3

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ジョーイは、ペンギンのぬいぐるみのハグジーが、エマのベビーベッドの中にあるのを見て、「どうしてハグジーがエマのベッドにいるの?」と尋ねます。
エマがハグジーを気に入った様子なので、一緒に寝かせてる、と説明するレイチェル。
エマと寝てても構わないと言いながらも、その態度は明らかに「大事なハグジーをエマに取られて怒っている」様子だったジョーイは、その夜…
[Scene: Rachel's room. Rachel and Emma are sleeping; Joey sneaks in and approaches the crib]
レイチェルの部屋(寝室)。レイチェルとエマは眠っている。ジョーイは部屋の中に入ってきて、ベビーベッドに近づく。
ジョーイ: Look at you. All sweet and innocent, sleeping like an angel. With Emma's chubby little hands wrapped around ya. (he picks up Hugsy) It's okay, Emma. You stay asleep. (Emma cries) (君のその姿。ほんとに可愛らしくてあどけなくて、天使のように眠ってる。エマのぽっちゃりした小さな手が君に巻かれた状態でね。[ジョーイはハグジーを取り上げる] オッケー、エマ。そのまま眠ってなよ。[エマが泣く])
レイチェル: (threatening Joey with a scrunchy) Step away from the crib! I have a weapon! ([シュシュでジョーイを脅しながら] ベビーベッドから離れなさい! 私は武器を持ってるのよ!)
ジョーイ: It's okay! It's okay, Rach! It's me. Put down the scrunchie. (大丈夫、大丈夫だよ、レイチェル! 俺だよ。シュシュを下ろしてよ。)
レイチェル: What are you doing? (何やってるの?)
ジョーイ: Well, I heard Emma stirring, so I came in to make sure she could reach Huggsy. (いや、エマが起きている[身動きしている]のが聞こえたんで、それでエマが(確実に)ハグジーに手が届くように[エマの手の届くところにハグジーがいるように]するために、俺は(部屋に)入ってきたんだよ。)
レイチェル: Oh, oh thanks. Alright well, now that I'm up, I'm gonna go to the bathroom. (あぁ、ありがと。いいわ、今、私起きたから、お手洗いに行ってくるわね。)
ジョーイ: (placing Hugsy back in the crib) Okay, there you go, sweetie... (to Emma) This isn't over! ([ハグジーをベビーベッドに戻して] よし、ほら、スウィーティ… [エマに] これで終わりじゃないぞ!)

まずは、ペンギンのぬいぐるみのハグジーについて。
過去記事、紛らわしくないように俺が預かっとく フレンズ8-7その5 では、妊娠中のレイチェルのために、ジョーイがベビーベッドをセッティングしていたのですが、ベッドの中にハグジーが置いてあるのを見て、「(生まれてくる)赤ちゃんにハグジーをくれるの?」とレイチェルが喜んだところ、「これは赤ちゃんの場所を確認するために置いただけで、、」と理由を付けて、ジョーイは強引に取り返していました。
その時のジョーイの様子を見ても、「赤ちゃんにハグジーをあげるなんてとんでもない。誰にもハグジーは渡さないぞ!」という気持ちなのは明らかだったのですが、今回はジョーイが知らない間に、ハグジーがエマのものみたいにされてしまっていたので、口では「エマにあげるよ」みたいに言っておきながらも、ジョーイはイライラが隠せません。

このシーンでは、レイチェルとエマの寝室に入って来た後、心の中の独り言として、Look at you. 以下のセリフを言っています。
まず、Look at you. については、「君を見ろ、自分を見てみろ」ということですが、これは「君の姿を見てみろよ。君のその見た目の姿に注目だね」みたいな感じで、その姿にびっくりした、驚いた、感動した、などの時に使います。
このような、Look at you. は過去のフレンズに何度も登場していますが、以下の フレンズ1-23 のセリフが一番わかりやすいでしょうか。
ロスの元妻キャロルが出産する病院で、イケメンのお医者さんと知り合ったレイチェルが、服まで着替えて戻ってきたので、その姿に驚いた様子のフィービーが、
フィービー: Hey. Ooh, look at you, dressy-dress. (まぁ、あなたのその姿。ドレッシーなドレスねぇ。)
と言っていました。
良い意味なら、「あなたのその姿、とっても素敵ね」という褒め言葉となり、悪い意味なら、「何て格好(かっこう)をしてるんだ」という非難のニュアンスとしても使われるフレーズです。

Macmillan Dictionary にも、このような look at you についての説明が載っていました。
look at you (spoken)
b. used for telling someone that you are surprised or impressed by them
例) Look at you, all dressed up in a suit!

つまり、「(口語) ある人に驚いた、または感銘を受けたことをその人に言うために使われる」。例文は、「あなたのその姿、スーツですっかりドレスアップしちゃって!」

これは、さきほど例に挙げた、dressy-dress のセリフとよく似た感じですね。
マクミランの例文では、"Look at you, all (dressed up)" という形になっていましたが、今回のジョーイのセリフも、"Look at you. All..." となっていて、「君のその姿。すっかり(全く・ほんとに)…で」と、目の前にいる相手の姿に感銘を受けている感覚になります。
「ほんとに可愛くてあどけなくて、天使のように眠ってる」とジョーイは言っていますが、innocent 「無垢な、純真な、あどけない」という形容詞や、「天使のように眠っている」という表現は、可愛らしい赤ちゃんを見た時の決まり文句でもありますので、このセリフを聞いた時には、「あぁ、ジョーイはエマの寝顔を見てそう言ってるんだな」と想像するわけですが、その後の With Emma's... の部分を聞いて、「ジョーイはエマのことを言ってるんじゃなかった」ことがわかるオチになっています。

With Emma's chubby little hands wrapped around ya (=you). を直訳すると、「エマのぽっちゃりした小さな手が、君の回りに wrap された状態で」になるでしょうか。
LAAD の wrap の項目には、以下の形が出ています。
wrap something around somebody/something [phrasal verb]
2. if you wrap your arms, legs, fingers etc. around something, you use them to hold it
例) He wrapped his arms around her waist.

つまり、「人が(自分の)腕、脚、指などを何かの回りに wrap するというのは、それを持つ[支える・抱く]ために、腕などを使うこと」。例文は、「彼は自分の腕で、彼女の腰を包んだ[腰に手を回して彼女を抱いた]」。

通常はこのように、S wrap one's arms/hands around something という形になるわけですが、「腕・手を(もの)の回りに巻く・まとう」の目的語部分の体の部位(今回は hands)を、With (Emma's chubby little) hands という形で始めているので、「(エマのぽっちゃりした小さな)手が、君に wrapped (巻かれた・巻かれている)状態で」のように、過去分詞形で表現されているわけですね。

「エマの手が君に巻かれている」→「エマの手が君を包んでいる」と表現していることで、ここでジョーイが言っている you は、エマの横にいるハグジーを指していることがわかる、というオチです。
寝室に入ってきた時に、「君って、無垢で天使のような寝顔だね」とジョーイが言っていたのは、赤ちゃんのエマのことではなく、ぬいぐるみのハグジーのことだったことがここでわかる、ということですね。

ジョーイは、エマの隣にいたハグジーを取り上げて、エマに、「いいよ、エマ。そのまま眠ってなよ」と言うのですが、気配に気づいたエマが泣き始めます。
エマの泣き声で、エマの母親であるレイチェルは飛び起きて、白く太いゴムのようなものを指にかけて、(ワンピースのウソップが使うような)パチンコのような感じで、ジョーイに狙いを定めています。
ト書きでは、scrunchy と表記されており、Google 画像検索をすれば一発でわかりますが、これは「シュシュ」のことですね。
英英辞典のロングマンやマクミランでは scrunchie と表記されていました。(実際、少し後にセリフの中で登場した時には、DVD英語字幕では、scrunchie と書かれています)
LAAD では、
scrunchie : a circular rubber band that is covered with cloth, used for holding hair in a ponytail
つまり、「布で覆われた丸いゴムの輪、ポニーテールの髪を留めるために使われる」。

シュシュでゴムパッチンみたいにしたところで、布製だし全然痛くなさそうですがw、レイチェルは寝ぼけ眼(まなこ)ながらも「ベビーベッド(crip)から離れなさい! 私は武器を持ってるのよ!」と、子供を守ろうとする母親として頑張っているのが何だか微笑ましいです。

ジョーイが慌てて、「レイチェル、俺だよ! そのシュシュを下ろしてよ!」と言ったので、相手がジョーイだとわかったレイチェルは、「何してるの?」と尋ねます。
エマからハグジーを取り返しに来た、とも言えず、ジョーイは別の理由を言っていますね。
I heard Emma stirring の stir は、他動詞では「(液体などを)かき混ぜる、かき回す」という意味で使われますが、ここでは自動詞で「動く、身動きする、起きる」という意味で使われています。
すやすや眠っていないといけない時間帯なのに、エマが何だかゴソゴソと起きているらしい、何だかむずかっているらしい様子が聞こえた、というところでしょう。
so I came in to make sure she could reach Huggsy. を直訳すると、「だから俺は(この部屋に)入ってきた。エマが(確実に・間違いなく)ハグジーに手が届くようにするために」。
夜中に目が覚めちゃったエマが寂しいと感じないように、エマの手の届くところにハグジーを置いてやろうと思ったんだよ、みたいなことですね。

とっさに考えたにしては、あまり不自然でもない言い訳でしたので、レイチェルもそれを信じ、「ありがとう」と言ってから、「今、ちょうど私も起きてるから(起きちゃったから)、トイレに行ってくるわ」と言って部屋を出て行きます。
レイチェルに目撃されて、エマを取り戻すことができないとわかったジョーイは、部屋から出て行くレイチェルを意識しながら、"Okay, there you go, sweetie..." 「よしよし、ほら、スウィーティ」と、さもエマに語りかけるかのように言いながら、元々あった場所にハグジーを置きます。
その後、レイチェルに聞こえないのをいいことに、エマに対して、This isn't over! 「これで終わりじゃないぞ。これで終わりじゃないからな!」みたいな捨てゼリフを言っていますね。
今回はレイチェルに邪魔されちゃったけど、また必ずハグジーを取り戻しに来るからな! とエマに宣言したような感じで、赤ちゃん相手にそんなことをムキになって言っている、ジョーイの子供っぽさがよく出たシーンだと思いました。


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posted by Rach at 16:42| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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