2015年08月12日

物事はそんな風に始まる フレンズ9-17その4

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「マイクと別れたことが正しいとわかっていても、ついマイクに会いたくなってしまうから、そうなりそうになった時には私を止めて」と、モニカはフィービーに頼まれます。
それで、フィービーの見張り役として、モニカはフィービーの家にいます。
[Scene: Phoebe's apartment]
フィービーのアパートメント。
フィービー: God, I wish Mike were here. (あぁ、マイクがここにいてくれたらいいのに!)
モニカ: Okay, if Mike were here, what would the two of you be doing? (いいわ、もしマイクがここにいるとしたら、あなたたち二人は(今頃)何をしているところかしら?)
(Phoebe gives her a meaningful look)
フィービーは意味ありげな視線をモニカに送る。
モニカ: What are you, animals? It's 4 o'clock in the afternoon! (あなたたちって何? 動物(ケダモノ)? 午後4時なのよ!)
フィービー: I gotta call him. Just to talk to him. There's no harm in that. (彼に電話しなくちゃ。ただ話すだけよ。そんなの害ないわよね。)
モニカ: Phoebe, that's how it starts. "I don't need to eat the cake, I'll just smell the icing. Why not just a little sliver?" Or, "Okay, just a slice or two." And next thing you know, you're 210 pounds and you get wedged in going down the tunnel slide! Phoebe, honey, I know this is hard. But look, if you talk to him, then you're gonna wanna see him. And if you see him, you're gonna wanna get back together with him. And I know that's not what you want. (pause) All right, so give me your phone. (フィービー、そんな風に物事は始まるのよ。「ケーキを食べる必要なんかない。ただアイシング(糖衣)の匂いを嗅ぐだけよ。ちょっとひとかけくらいならいいじゃない」 もしくは、「いいわ、1切れか2切れだけ」。それから次に気づいた時には、210パウンド(ポンド)(95キロ)になってて、滑り台のトンネルを降りながら、そこに挟まっちゃうの[つっかえちゃうの]! フィービー、ハニー、これって辛いって私にもわかってるわ。でもね、もしあなたが彼と話したら、その後、あなたは彼に会いたくなる。そして、もし彼に会ったら、彼とよりを戻したくなる。それがあなたの望むことじじゃないって私にはわかるから。[間があって] いいわ、あなたの電話をちょうだい。)
フィービー: Here. (どうぞ[これよ]。)
モニカ: And now your cell. (それから、あなたの携帯も。)
フィービー: Okay. (she takes a huge, clearly obsolete cellphone she keeps in a closet and gives it to Monica) There you go. (いいわ。[フィービーは棚に入れてある、明らかに時代遅れの巨大な携帯電話を取り出し、それをモニカに渡す]
モニカ: This is your cell phone? (これがあなたの携帯電話?)
フィービー: Yes. (そうよ。)
モニカ: This is your current cell phone? (これがあなたの最新の(今使ってる)携帯電話なの?)
フィービー: Yes. It reminds me of a simpler time. (そうよ。よりシンプルだった時代を思い出させてくれるの。)

I wish Mike were here. は、典型的な「仮定法過去」ですね。
私の学生時代には、I wish I were a bird. 「私が鳥だったらいいのに」などの例文で習いましたが、「現在の事実とは反対の仮定」の例として、今回のような「(会うことの叶わない)彼が、今ここにいればいいのに」という例文で覚えた方が、より実感しやすいのではないかな、と私はいつも思っています。
if Mike were here, what would... も同じく仮定法過去ですね。
「今、マイクはここにいないけれど、もしも彼がここにいるとしたら」という「現在の事実とは反対の仮定」をした上で、「もしそうだとしたら、今頃二人は何をしてる(ところ)?」ということを、what would the two of you be doing? という would be doing の形で表現していることになります。

フィービーは、「ほら、わかるでしょ」みたいな視線をモニカに送っていますが、そういう動作は、英語のト書きでは、gives her a meaningful look と表現されています。
まさに直訳通りの、「意味ありげな視線を与える(送る)」ということですね。

今は何してるところ? と聞かれ、「ほら、わかるでしょ、あれよ」みたいな視線を送ったことから、それが「エッチ(行為)」のことだとわかったモニカは、あきれた顔で、What are you, animals? と言っています。
直訳すると、「あなた(たち)って何[何者]? 動物?」ということですが、これはDVDの日本語で訳されていたように「ケダモノ」という訳がふさわしいところですね。
二人きりだったら、まだ明るい午後4時からでもあなたたちはエッチしちゃうわけ? というところでしょう。

フィービーは、「マイクに電話しなくちゃ。ただ話すだけよ」と言っています。
There's no harm in that. は「そのこと(の中)に害はない」ですから、「そういうことしても(彼に電話したって)別に害なんかないわよね」ということですね。
「電話くらい構わないわよね」と言うフィービーに、モニカは、that's how it starts. と言っています。
that's how it starts. は「物事がどのように始まるか、というのがそれである」というところで、「そんな風に(物事は)始まる(のよ)」ということですね。
「これくらいなら問題ないわよね、構わないわよね」というのがきっかけで、どんどんエスカレートしてしまうことを言っていることになります。

その後、モニカはセリフ口調で、「最初はこれだけだったのが、どんな風にエスカレートしていくか」を説明することになるのですが、その例が恋愛の話ではなく、食べ物の話になっているのがモニカらしくて面白いですね。
子供の頃や学生時代、大食漢でものすごく太っていたモニカなので、「我慢しないと最後にはこうなってしまう」という例え話もそれ系のものになってしまうということです。

モニカの例え話の最初は、「そのケーキを食べる必要はないわ。ただアイシングの匂いを嗅ぐだけよ」となっています。
icing は「お菓子にかかっている糖衣」のこと。
sliver は動詞では「〜を細長く切る」という意味で、名詞では「細長い小片」を指します。
ですから、Why not just a little sliver? は「ちょっとだけの細長い小片(ひとかけ)は、どうしてだめなの?」→「ちょっとしたかけらくらいなら(食べても)いいじゃない、構わないじゃない」と言っていることになります。

それがどんどんエスカレートして、「小片」だったのが、今度は a slice or two 「(ケーキの)一切れか、ふた切れ」になっています。
next thing you know は「(人が)知る、次のこと」ということですから、「次に気がつくと、次に気がついた時には」。
1 pound = 0.454 kg なので、210 pounds は、約95kg ですね。
Google 検索ボックスに数値を入力すると、単位変換もしてくれますので(便利!)、それで調べた結果は、
210ポンド = 95.2543977 キログラム
と表示されました。

slide は「滑り台」なので、you get wedged in going down the tunnel slide は、「滑り台のトンネルを降りながら、つっかえる」という意味になります。
wedge は名詞で「くさび」のことで、動詞では「くさびで留める、くさびのように無理に割り込ませる・押し込む」という意味になるため、get wedged in は、「くさびのように挟まってしまう、つっかえてしまう」ということになるのですね。

最初は「匂いを嗅ぐだけだから問題ない」と言っていたのが、最後には95キロの身体になって、滑り台のトンネルにつっかえちゃうまでになる、という、「ちょっとだけ、から始まる恐ろしさ」を、モニカ流に「食欲と肥満」に絡めて語ったことになります。

モニカは、フィービーの気持ちがよくわかる、というように、「これが辛い(つらい)って私にもわかるわ」と理解を示した上で、でももし彼と話したら、と話を続けています。
「彼と話したら、あなたは彼と会いたいと思うようになる。もし彼に会ったら、彼とよりを戻したいと思うようになる」と言い、「それ(マイクとよりを戻すこと)はあなたの望むことじゃないって、私にはわかるから」と言っています。
フィービーも、「彼と別れたことは正しい。彼とよりを戻すべきではない」とわかっているので、そう言われてしまうと、「彼に電話しても別に構わないわよね」とは言えなくなってしまいますね。

電話が近くにあると、電話をかけてしまいそうなフィービーを見かねて、モニカは「あなたの電話を私に渡して」と言っています。
電話の子機を預かったモニカは、「あなたの携帯も(渡して)」と言います。
cell または cell phone は携帯電話のことですね。

「携帯も預かるわ」と言われたフィービーは、立ちあがって、戸棚の下の扉を開け、そこから電話を取り出すのですが、画面に映った電話が、あまりにもデカいので、観客も笑っています。
ト書きにあるように、まさに、a huge, clearly obsolete cellphone 「巨大な、明らかに時代遅れの(旧式の)携帯電話」で、一昔前のトランシーバーみたいな感じです。

モニカは信じられないという顔で、「これがあなたの携帯電話?」と尋ねるのですが、フィービーはしれっとした顔で、「そうよ」と答えます。
モニカは念押しする形で、再度質問しますが、current は「現在の、現行の」ということですから、This is your current cell phone? は「これが、あなたが現在使っている携帯電話?」と言っていることになりますね。
モニカは、「こんな旧式を使ってるわけないと思うけど」と言いたいわけですが、フィービーはここでも頑張って、「そうよ」と肯定し、It reminds me of a simpler time. と言っています。
直訳すると、「それ(その電話)は、私に、よりシンプルな時代を思い出させる」になるでしょう。
それを使っていると、「昔は、今みたいに複雑じゃなくて、何もかもがシンプルだったなぁ〜」と思い出させてくれるのよ、そういう気持ちにさせてくれるから、今だに私はそれを使ってるのよ、と言っていることになります。

フィービーの説明に納得していないながらも、とりあえずその大きな電話を自分のバッグにしまうモニカに笑ってしまうのですが、この後、「フィービーのバッグの中に、今の携帯があるはず」とモニカに察しをつけられ、結局、フィービーが今使っている携帯はモニカに取り上げられてしまうことになります。

「携帯も出して」と言われて、デカすぎる旧式の携帯を出すのはいかにもコメディっぽいところですが、そういう「見るだけで笑える部分」も楽しみつつ、「これってあなたの電話?」、さらには「これってあなたが今使ってる電話?」と追いつめて行くモニカと、そんな旧式の電話を使っている理由をフィービーが英語でどう説明しているかも同時に楽しんでいただければと思います。


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posted by Rach at 17:50| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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