皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は4位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
電話の子機も、携帯電話も取り上げられたフィービーでしたが、マイクに会いたい気持ちが募り、モニカに隠れて、親機のスピーカーフォン(a speakerphone on the base unit)を使って、マイクに電話をかけてしまいます。
マイクがフィービーの家に来てしまった後も、「友達以上の会話」にならないように、間に入って、恋愛話を何とかそらそうと頑張っているモニカ。
[Scene: Phoebe's apartment: Phoebe, Monica and Mike sitting on the couch]
フィービーのアパートメント。フィービー、モニカ、マイクがカウチに座っている。
(Monica is getting up from the couch)
モニカがカウチから立ち上がる。
モニカ: Alright, you two. I'm gonna go to the bathroom. Now I don't want anything going on while I'm gone. Here's a few things you can discuss: Mucus, fungus, and the idea of me and Ross doing it. (いいわ、お二人さん。私は今からお手洗いに行くわ。私が行っている[席を外している]間に、何も起こって欲しくないの。これがあなたたちが話題にできる(2、3個の)事柄よ。粘液、菌類、そして私とロスがヤッてる(エッチしてる)って考え。)
モニカがトイレに行き、フィービーとマイクは二人きりになる。
マイク: I've missed you so much! No, I'm not gonna ask you to get back together because I know we want different things, but.... Just to be with you one more night. (君のことが、ものすごく恋しかったよ! いや、僕は君によりを戻そうとお願いするつもりはないんだ。だって僕たちは違うものを求めてるってわかってるから。でも… ただもう一晩、君と一緒にいたいんだ。)
フィービー: I know, I want that too. But IS that gonna make it too hard? (えぇ、私もそれを望んでるわ。でも、それって(状況を)あまりにも辛く(つらく)することになるんじゃない?)
マイク: It can't be any harder than this. I mean, If I had known the last time I saw you would be the last time, I-- I would have stopped to memorize your face, the way you moved. Everything about you. If I had known the last time I kissed you would be the last time... I never would have stopped. (これよりもっと辛いことなんてありえないよ。この前、君を見たのが(僕らにとっての)最後の時だともし僕にわかっていたのなら、君の顔や、君の動き、君についての全てのことを記憶するために、僕は止まっただろうに。この前、君にキスしたのが、最後の時だとわかっていたなら、僕は決して(キスを)やめなかったのに。)
モニカ: (running back into the room) Kiss him, you fool!! ([部屋に走って戻ってきて] 彼にキスしなさいよ、このおバカ!)
フィービー: What? (何?)
モニカ: Didn't you hear that speech? If you don't kiss him, then I will! (今の話、聞いてなかったの? もしあなたが彼にキスしないなら、私がするわよ!)
フィービー: Oh, I missed you so much! (she kisses Mike) (あぁ、私もあなたがすっごく恋しかった! [フィービーはマイクにキスする])
フィービーとマイクがまた恋愛モードに戻ってしまうのを阻止するため、ずっと二人の間に座っていたモニカでしたが、「トイレに行く」と言って立ち上がります。
Now I don't want anything going on while I'm gone. は、「私が行ってしまっている間[私がいなくなっている間]に、何も起こって欲しくない」ですね。
Here's a few things you can discuss: は、「これが、あなたたちが議論することができる[話題にすることが許される]2、3の事柄である」というところ。
その後、3つの事柄を挙げていますが、mucus は「(分泌する)粘液」、fungus は「菌類、真菌類」を指します。
ねちょねちょするものや菌など、ぞぞぉ〜っとするものを二人にイメージさせることで、いや〜な感じを抱かせ、二人がいちゃいちゃする気持ちを失せさせようという作戦のようです。
最初の2つを聞いただけでげんなりしてしまいますが、日本のお笑いにおなじみの三段落ちと同様に、ここでも3番目に一番キツいネタが用意されているのがポイントとなるでしょう。
その3番目は、最初の2つのように「単語で一語」ではなく、the idea of someone doing... 「人が〜しているという考え・案」という形になっています。
the idea of me and Ross doing it の do it は、恋愛がらみの話では「エッチする」という意味ですね。
お下品に言うと、「ヤる」という感覚ですから、the idea of... は、「私とロスがヤっているという考え」になります。
私と(実の兄の)ロスがエッチしてるところを想像してみたらぞっとして、エッチする気もなくなるでしょ? みたいなことで、自らを犠牲にして(笑)、「ぞっとする想像」の例に自分を登場させたモニカに笑ってしまいますね。
モニカがトイレに立った後、マイクはフィービーに、「君のことが、ものすごく恋しかった!」と言います。
その後、すぐに、「いや、(こんなことを言っているけど)僕はよりを戻したいと君にお願いしようとしてるんじゃない。だって僕たちは違うものを欲してる[求めてる]から」と言っています。
but.... Just to be with you one more night. は、「でも、ただ、君ともう一晩、一緒にいることだけ」。
その前に、we want different things という表現を使っていますので、ここでは、その want のイメージを残した状態で、I just want to be with you... と言っていることになるでしょう。
その次のフィービーのセリフでも、I want that too. と言っていることからも、マイクが want to be with you の意味で言っていることが確認できますね。
But IS that gonna make it too hard? のように、ネットスクリプトでは、IS が大文字で書かれていますが、これは実際の音声でフィービーがその部分を強調して話していることを示しています。
直訳すると、「そのこと(もう一晩、二人が一緒にいること)が状況をあまりに辛く(ハードに)することになる(のでは)?」になるでしょう。
もう一晩一緒にいたい、という気持ちは私も同じだけれど、そうすることでまた別れがより一層辛くなる、この状況がさらに辛くなる気がすると、フィービーは思っていることになります。
It can't be any harder than this. は「これ以上、さらに辛くなることはありえない」ですから、「今のこの状況より、辛くなることなんかないよ。これ以上、辛くなりようがないよ」ということ。
その後、If I had known the last time... というセリフが続いていますが、これは典型的な「仮定法過去完了」ですね。
「過去の事実に反対の仮定」を表し、「もしあの時〜だったのなら、…しただろうに」という意味になります。
If I had known the last time I saw you would be the last time は、「この前君を見た(the last time I saw you)のが、(僕らにとって)最後の時(the last time)だと、もし僕にわかっていたなら[もし僕が知っていたなら]」になりますね。
the last time という言葉が2回登場していますが、前半に出てくる方は、「今に至るまでで、君に会った最後の時」という「直近のこの前」という感覚で、後半に出てくる方は、「君と僕の関係においての最後の時」という感覚になるでしょう。
この last の感覚については、以下の、研究社 新英和中辞典の説明が非常にわかりやすいと思います。
last 【形】[通例 the 〜] (時間・順序が)最後の、終わりの、最終の (⇔first) (類語:last は連続したもののいちばん最後のものを表わすが、その一連の事物の完了・終結を必ずしも示さない)
つまり、前半の the last time は「時間・順序が最後の」(直近の)ということで、後半の the last time は「一連の事物の完了・終結」を指している、ということになりますね。
ですから、そのニュアンスの違いを汲んで訳すと、「この前、君にキスした時が、僕らの関係にとっての最後の時だとわかっていたら」になるように思うわけです。
I would have stopped to memorize your face, the way you moved. Everything about you. を前から順番にイメージしていくと、「僕は…を記憶するために止まっただろうに。君の顔、君の動き方(しぐさ)、君に関する全てを」となります。
他動詞 memorize 「記憶する」の目的語が3つ並んだ感じになりますが、「君の顔、君のしぐさ」と言った後、そういう個々の事柄を一つ一つ挙げていたらきりがないという感じで、「君に関するすべてを」と少し間を置いて、まとめた形になるでしょう。
このセリフでのポイントは、stop to にあるように思います。
動名詞と to不定詞の違いの話で、stop もよく例に出されますが、stop doing は「〜することをやめる、〜するのをやめる」という意味になり、stop to do は「〜するために(立ち)止まる。(立ち)止まって〜する」という意味になります。
このセリフでも、stopped to memorize を、stopped memorizing の意味に勘違いしてしまうと、「君の顔、しぐさを記憶するのを僕はやめただろうに」となってしまい、「これが最後なのに、フィービーのすべてを記憶することを断念すんのかーい!」となってしまいますね^^
歩いている場合は「立ち止まる」になるでしょうが、ここでマイクが言っているのは、「あの時は引っ越しの途中で別れ話になってしまい、流れのままに、なしくずし的に別れてしまったけれど、あの時、ずるずるとした別れになってしまうのではなく、君の全てを記憶するために、その時行動していたことは全てやめて、ちゃんと君と向き合う時間を設けるべきだった、みたいな意味で「あの時、君の全てを記憶するために僕は止まるべきだった」と言っているように私は感じました。
「あれが最後だとわかっていたら、あの時、(立ち)止まって、君の全てを記憶しただろうに」という感動的なセリフを言った後、If I had known the last time I 動詞の過去形 you would be the last time... という同じ形の文章を言っていますね。
先ほどは saw だったところが、今度は kissed になっているので、「この前、君を見たのが、最後だとわかっていたら」が、「この前、君にキスしたのが、最後だとわかっていたら」と言っていることになります。
そして、今回もまた、stop という文章が続いていますが、これは「君を最後に見た時」に出てきた stop のような「〜するために(立ち)止まる」という意味とは異なり、stop doing の方のニュアンスになると思います。
stopped で文章は終わっていますが、つまりは、stopped kissing ということで、I never would have stopped kissing. 「(あれが最後のキスだとわかっていたら)僕はキス(するの)を決してやめなかっただろうに」と言っていることになります。
I saw you と I kissed you の文章は、よく似た構造の文章が2つ続いていますが、saw の方は、I would have stopped to memorize という肯定文、kissed の方は、I never would have stopped という否定文になっています。
両方とも、「あれが最後だとわかっていたら、僕はこうしたのに…」という内容を語っていて、その方向性は同じはずですので、片方が肯定文、もう片方が否定文であれば、stop が異なるニュアンスで使われていることがわかる、ということですね。
「最後だとわかっていたら、〜するために止まったのに」と言った後、「最後だとわかっていたら、〜するのを止めなかった(やめなかった)のに」という「同じ stop という動詞を使った対比」が、マイクのセリフのポイントである、という気がします。
I saw you のセリフの方を解釈しようとした時に、I would have stopped to memorize your face という表現が、「少し ”持って回った” ”回りくどい” 言い方」だという気が何となく私にはしたのですね。
I would have memorized your face 「君の顔を記憶しただろうに」というシンプルな形で良さそうなところを、どうしてわざわざ stopped to memorize のように表現したのかなぁ、と思ったのですが、kissed の方の文章で stopped が出てきたのを見た時に、「これとドラマティックに対比させるために、わざと、stop to do の形にしたわけか!」と私は思ったわけです。
「〜するために止まっただろうに」と言った後で、キスの話については「止めなかっただろうに、やめなかっただろうに」と、また同じ stop という動詞を使って表現することで、「キスをやめなかった、あれが最後のキスなら、僕はずっとずっとキスしてた」と言っている内容が、より情熱的に響くという効果が出るんだろうなぁ、と。
この最後のセリフも、意味としては、I never would have stopped kissing. ということですが、あえて kissing という言葉を言わずに、stopped. で止めているところに、stop という動詞を強調し、2つの stop の対比を劇的にさせる効果があるように思いました。
そんな風に stop という動詞を使うことで、I saw you のセリフ以上に、I kissed you のセリフがよりロマンティックなものとなったため、トイレに行っていたモニカが走って戻ってきて、「彼にキスしなさいよ、(この)おバカ!」みたいに言うことにもなるのですね。
急に出てきたモニカに、フィービーの方が逆に素(す)の顔になっているのも面白いですが、モニカは、あまりのロマンティックなセリフに興奮冷めやらぬ様子で、「今のスピーチ(話)、あなたは聞いてなかったの?」と言い、If you don't kiss him, then I will! と言っています。
「もしあなたがマイクにキスしないのなら、私が(代わりに)キスするわ!」ということで、こんなロマンティックなことを言われてキスしようとしないあなたが信じられない、あなたがしないなら私がしちゃうわよ、とにかくさっさと彼にキスしちゃいなさいよ! と促しているわけですね。
そう言われたフィービーは、やっと、「私もあなたがものすごく恋しかった!」と言って、二人はキスすることになります。
フィービーとマイクがよりを戻すのを何が何でも阻止する! と頑張っていたモニカが、kissed のセリフで、一転、態度を変えることになったわけで、それほどの破壊力のあったマイクのセリフがどれほど情熱的でロマンティックかということを英語で感じられたりすると、いい感じ♪かな、と思います。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
2015年08月14日
この記事へのコメント
コメントを書く