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大学の卒業生(同窓生)サイトができて、ロスは自分の近況を書き込んでいたのですが、チャンドラーがいたずらでロスの代わりに「僕(ロス)は恐竜のクローンを作って、そのメス恐竜とエッチしてる」などと嘘の書き込みをします。
怒ったロスが仕返しのために、チャンドラーの近況として、as gay as the day is long 「徹底的に(とことん)ゲイ(である)」と書いたため(この英語表現については、後で解説します)、チャンドラーはその仕返しに、「ロスが若くして死んだ」という書き込みまでしてしまいました。
後日、ロスは、「お前がいたずらで書きこんだ”ロスは死んだ”という書き込みについては誰からも反応がなかったから、お前のいたずらは失敗だね」と言っていたのですが、次第に、「誰からも反応がないってことは、僕が死んでも誰も気に留めないの?」と不安になってしまいます。
「サイトにお悔やみを書いたりするやつはいないだろう。お葬式か追悼式(a funeral or a memorial service)があれば、大勢の人が来るだろうけど」と励ましたチャンドラーの言葉を受けて、ロスは「自分の追悼式を行う」と言い出します。
その後、実際に、チャンドラーとモニカの家で、ロスの追悼式のセッティングがされ、そこにトム・ゴードンという同級生がやってきます。
ロスがまず奥の部屋に隠れ、その後、コートを預かると言ってチャンドラーもロスのいる部屋に入り、二人でトムの様子をうかがっているところ。
モニカ: So did you know Ross well? (それで、ロスのことはよく知ってたの?)
トム: Oh, actually, I barely knew him. Yeah, I came because I heard Chandler's news. D'you know if he's seeing anyone? (あぁ、実は、彼のことはかろうじて知ってる程度だったんだよ。あぁ、僕が来たのは、チャンドラーのニュースを聞いたからでね。彼が誰かと付き合ってるかどうか、君は知ってる?)
モニカ: (a bit surprised) Yes, he is. Me. ([少し驚いて] えぇ、彼は付き合ってるわ。私よ。)
トム: What? You... You mean--? Oh! Can I ask you a personal question? Ho-how do you shave your beard so close? (何だって? 君… つまり…? おぉ! 君に個人的に質問をしていいかな? 君はどうやってそんなに短く(きれいに)ヒゲを剃るの?)
チャンドラー: (entering, very upset) Okay, Tommy! That's enough mourning for you! Here we go. Bye-bye. All right. (he shoves him out the door) ([部屋に入ってきて、非常に怒った様子で] オッケー、トミー! 君にとっての追悼(悼む)のはそれでもう十分だ! ほら。バイバイ。よーし。 [チャンドラーはトムをドアから押し出す)
トム: (before leaving) Hey, listen. Call me. ([去る前に] ねぇ、電話してよ。)
チャンドラー: Okay! (shuts the door behind Tom) (オッケー! [トムの後ろでドアを閉める])
ロス: (coming in) I'm dead and no one cares? ([部屋に入ってきて] 僕が死んでるのに、誰も気にしないの?)
モニカ: I look like a man?? (私は男に見えるの?)
チャンドラー: Please, one ridiculous problem at a time! (頼むよ、ばかげた問題は一度に一つにしてくれ!)
ロス: This isn't ridiculous. Look around, no one's here! (これはバカげたことじゃないよ! 周りを見てよ、ここには誰もいない!)
チャンドラー: You gave them one day's notice. Not everyone in our class checks the website everyday. And Monica, it's probably the way you stand! (知らせるのに1日与えただけだろ[告知してからたったの1日しか経ってないだろ]。俺らのクラスのみんなが毎日そのサイトを見てるわけじゃない。それからモニカ、多分(誤解された原因は)君の立ち方だよ。)
まず最初に、このシーンより前のシーンで出てきた表現ですが、ロスがチャンドラーの近況として書き込んだ as gay as the day is long という表現について。
この as the day is long という表現の意味については、以下の Wiktionary に詳しく出ていました。
Wiktionary : as the day is long
as the day is long : (idiomatic, intensifier) Unceasingly; very; thoroughly; to a very high degree.
つまり、「(慣用的、強意語) 絶え間ない、非常に、徹底的に、非常に高い程度・度合まで」。
Wiktionary の [quotations ▼] の部分をクリックすると、実際の使用例がいくつか表示されます。
古くは 1598年のシェークスピアの作品 Much Ado about Nothing (邦題:から騒ぎ)に as merry as the day is long の形で登場しているようです。
そんなに古くからある表現なんだぁ〜と感心しつつ見て行くと、他にも、1872年のマーク・トウェインの旅行記 "Roughing It" (邦題:西部放浪記)にも、as industrious as the day is long という表現が出てくるそうです。
そういう超有名作家の用例が挙げられる中、2003年のところには、何と、今回のフレンズ9-17 のこのセリフが例として挙げられているのにびっくり^^
昔の文豪の作品から、最近のドラマに至るまで、さまざまな用例が挙げられているのがすごいなぁ、と思うのですが、古い作品であれ新しい作品であれ、「実在する作品での実際の使用例」が言葉のニュアンスを理解するのに一番わかりやすいということが、このことからもよくわかると思います。
上の Wiktionary の説明にもあるように、as the day is long = very, thoroughly ということですから、「(チャンドラーは)ゲイである」という表現よりもさらに強調した感じで、「ものすごく、徹底的に、とことん、揺るぎなく」ゲイである、のような表現をロスがいたずらで書きこんだことになるだろうと思います。
それでは、今回のシーンの説明に移ります。
チャンドラーとロスが別室に隠れて様子をうかがっている間、弔問客の応対をモニカ一人で行なっています。
モニカがトムに「ロスのことを良く知ってたの?」と尋ねると、トムは actually, I barely knew him. と答えます。
barely は「かろうじて、わずかに」なので、「ロスのことはかろうじて知っていた(程度である)」ということで、「よく知ってるわけではない」ことを説明していることになります。
ロスのことはほとんど知らないのに、ここに来た理由をその後説明していますが、「僕はチャンドラーのニュースを聞いたからここに来た」ということですね。
チャンドラーのニュースというのは、チャンドラーがゲイであることをカミングアウトした、というニュースのことで、その後、トムが、D'you know if he's seeing anyone? 「彼が誰かと付き合ってるかどうか、君は知ってる?」と聞いたことからも、「もしチャンドラーに付き合ってる人がいないのなら、僕がアプローチしようかな」と思っていることがわかります。
see はこのように、be seeing someone という進行形の形で、「人と付き合っている」という意味になりますね。
モニカは少し驚いたように、「えぇ、彼は付き合ってるわ」と言った後、Me. つまり、(He is seeing) me. 「彼は私と付き合ってるの」と答えます。
その答えを聞いたトムはとても驚いた様子で、モニカの姿を上から下まで見た後、「君に個人的な質問をしていいかな?」と言います。
how do you shave your beard so close? の close は「短く」というニュアンスになります。
研究社 新英和中辞典では、
close 【形】
(1) 〈衣服など〉ぴったり合った
a close coat 体にぴったりの上着
(2) 〈髪・芝生など〉短く刈った
a close haircut 短髪
have a close shave ひげをきれいにそる
という語義が載っています。
close は「近い、接近した」という意味があるので、衣服であれば「体との距離が近い」ということから「体にぴったり合った」という意味になり、芝生や髪の毛であれば、「地面や頭皮に近い」ということで「短く刈った」という意味になるわけですね。
今回のセリフは shave your beard so close という形になっているので、「ひげをそんなに短く剃る」のように、「短く」という副詞として使われていることになります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
close [adverb] : near to the surface of something
例) An electric razor doesn't really shave as close as a blade.
つまり、「何かの表面に近い」。例文は、「電気かみそりは、刃(ブレード)ほどにはそれほど短く剃れない」。
この例文はちょうど、ひげ剃りなどの状況を語っている感じでわかりやすいと思うのですが、電動ひげ剃り(電動シェーバー)は、自分が手で剃るタイプのT字カミソリのブレードほどにはきれいに剃れない、ということですね。
ひげそりのCMなどで、「剃り残しなし!」「深剃り」のような宣伝文句がありますが、そのように「ひげの剃り残しがない(ように見える)状態になるよう、地肌のギリギリの長さにひげを短く剃る」という感覚が、shave your beard so close になるようです。
「君はどうやって(どのようにして)そんなに短く(剃り残しがないようにきれいに)ひげを剃るの?」と言われたことから、トムがモニカを男だと勘違いしていることがわかる、ということですね。
「チャンドラーはゲイだとカミングアウトした。目の前のこの人は、チャンドラーと付き合っているのは自分だと言っている」、つまり、「この人女性に見えたけど、実際は男なんだ!」とトムは考えた、ということです。
男に間違えられたと知ったモニカは、唖然とした顔をしていますが、その会話を別室で聞いていたチャンドラーは、急いで部屋から出てきて、トムを押し出すような形で、帰るのを促しています。
That's enough mourning for you! の mourning は、「哀悼、喪」という意味。
動詞 mourn は「哀悼する、弔う、喪に服する」という意味になります。
「君にとっては、今ので十分な哀悼だ」→「君の哀悼の意は、今ので十分だよ(十分哀悼してくれたから、もうこれ以上は必要ないよ)」と言っていることになります。
そう言って、勢いよく彼をドアの外に押し出すのですが、去り際に、トムに「電話して」と言われたチャンドラーは、嫌そうな気持ちをあらわにした鼻にかかった声で、Okay! と言って、勢いよくドアを閉めることになります。
トムが帰った後、ロスは奥の部屋から出てきて、I'm dead and no one cares? と言っています。
直訳すると、「僕は死んでいる、そして誰も(それを)気にしない?」ということですから、「僕が死んだっていうのに、誰もそのことを気にかけてくれないの?」というところですね。
モニカはモニカで、男に間違われたことに腹を立て、I look like a man?? 「私は男みたいに見えるの?」と言っています。
その次のチャンドラーのセリフが面白いですね。
Please, one ridiculous problem at a time! を直訳すると、「頼むよ(お願いだよ)、一回に1つのバカげた問題」のようになるでしょうか。
つまりは、「頼むから、バカげた問題は、一度に一つにしてくれ」→「一度に、バカげた問題を2つも俺にぶつけないでくれ」ということですね。
ridiculous と表現されたことにロスは怒った様子で、「これはばかげたことじゃない」と言い、「周りを見てよ。ここには誰もいない!」と言っています。
自分が死んだと嘘までついて追悼式を開催しているのに、弔問客が一人も来ないなんて、、とショックを受けているわけですね。
「追悼式なのに誰も来ないなんて」「男と間違えられるなんて」と怒っている二人に対して、チャンドラーは見解を述べています。
You gave them one day's notice. の notice は「通知、告知」ですね。
「ロスは彼ら(同窓生)に1日の告知を与えた」ということですから、つまりは、「お前が追悼式の告知をしてからまだ1日しか経っていない」ということになります。
notice は、give a week's notice は「1週間前に解雇・退職の通知をする」という形でよく使われますね。
Not everyone in our class checks the website everyday. の not everyone は「みんなが〜なわけではない」という部分否定ですから、「俺たちのクラスのみんなが、その(同窓会)ウェブサイトを毎日チェックしているわけではない」になります。
追悼式の通知・告知をしてから一日しか経っていないので、毎日見てない人はその告知を知らないんだから、、ということです。
男に間違えられたモニカに対しては、it's probably the way you stand! 「多分、君の立ち方だ」と言っています。
君の立ち方、立ち姿が、男に間違えられた原因だ、という感覚ですね。
そう言われたモニカは、自分の脚の方に目をやった後、腕組みしていたのをやめ、少し開いていたらしい脚を揃えるように閉じています。
きっとそいつとしゃべってる時に、堂々とした男のような立ち姿をしてたとかだろ、みたいに、夫チャンドラーに指摘されてしまった、ということですね。
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2015年08月17日
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