2015年08月24日

節操を持つような余裕はない フレンズ9-18その3

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チャンドラーがインターンとして働いている会社が、インターンのうち3名をアシスタントとして採用することになり、チャンドラーはずっと、その結果の電話が来るのを待っています。
ここまでの時点で、3名のうち2人の枠が埋まり、残り1枠あるのですが、「ボスの息子のチャーリーで決まりだろうな」とチャンドラーもほぼあきらめかけている状態。
また、今回のエピソードでは、「それぞれ50ドルずつ出し合ってくじを買って、どれかが当たればそれをみんなで山分けする」という話がメインプロットとなっており、最初参加を渋っていたロスも結局くじに参加することになるのですが、そんな時、モニカが自分たち夫婦の分として、こっそり20枚を余分に購入していたことが判明。
その件でモメているシーン。
ジョーイ: Hey, I was with you the whole time we were in Connecticut. When did you even get those? (なぁ、コネティカットにいた時、ずっと俺はモニカと一緒にいたのに。そんなのいつ買えたわけ?)
モニカ: When you were reading the dirty magazines without taking off the plastic! (あなたがエッチな雑誌をビニールを取らずに読んでた時よ!)
ジョーイ: (to Ross) I'll show you how. ([ロスに] やり方、(後で)見せてやるよ。)
レイチェル: Okay. Well, Monica, suppose one of your "special" tickets wins? How are you gonna feel when you win the lottery and you lose all your friends? (いいわ、モニカ、あなたの”特別な”券が当たったと考えてみて。あなたはどんな気持ちになるかしら、くじに当たって、友達全員をなくす時に。)
モニカ: Please. If I win the lottery, you guys are not gonna leave me. Someone gave me a basket of mini-muffins last week, and I couldn't get rid of you for 3 days! (やめてよ。もし私がくじに当たったら、あなたたちは私から離れて行かないわ。先週、ある人が私にミニマフィンひとカゴ(カゴに入ったマフィン)をくれた時、3日間、あなたたちを追い払うことができなかったんだから!)
レイチェル: Chandler, would you just tell her what she did was wrong? (チャンドラー、モニカがしたことは悪いことだって、ただモニカに言ってくれない?)
チャンドラー: (to Mon) She's right. You shouldn't have bought tickets just for us.... ([モニカに] レイチェルは正しい。君は俺たちだけのために[俺たち専用に]券を買うべきじゃなかったのに…)
モニカ: Ahhh! (shocked) (あー! [ショックを受ける])
チャンドラー: Let me finish. (to everyone else) However, it doesn't look like I'm gonna get this job so I can't afford to have principles. So screw you! The tickets are ours!! (takes tickets from Rachel) (最後まで言わせて。[他のみんなに] しかしながら、俺はこの仕事[採用の連絡待ちをしている仕事]をゲットできる様子がない。だから俺は節操(理念)を持つような余裕はないんだ。だから、お前らのことなんか知ったことか! その券は俺たちのものだ! [レイチェルから券を取る])
モニカ: There's the man I married!! ((さすが)私が結婚した男ね!)
レイチェル: All right. Believe me. If you win the lottery, it's the last you're gonna hear from us! (いいわ。ほんとよ。もしあなたがくじに当たったら、それが、私たちがあなたに連絡する最後になるわよ!)
モニカ: Fine! Don't be my friends! I'll buy new friends! Yeah, and then I'll pay for their plastic surgery so they look just like you! (いいわ! 私の友達でいなくていい! 新しい友達を買うもの! そうよ、その後、その人たちがあなたたちそっくり(の見かけ)になるように、その人たちの整形手術のお金を払うわ!)

ジョーイがコネティカットにくじを買いに行く際、モニカもポルシェの運転手として同行していました。
ですからジョーイは、「俺とモニカは、コネティカットでずーっと一緒にいたのに、いつ、自分たちだけの余分なくじを買うことができたわけ?」と尋ねているのですね。
それに対するモニカの返事が面白いです。
When you were reading the dirty magazines without taking off the plastic! は、「あなたがエッチな雑誌を読んでいる時、そのプラスチックを take off することなしに」というところですね。
take off は、take 「取る」+ off 「分離」なので、「取り外す」という感覚。
plastic は「プラスチック」ですが、この場合は日本語の「ビニール」のことですね。
日本語の「ビニール袋」は、英語では、a plastic bag になります。

このセリフから、ジョーイは、「ビニールで包まれたエッチな雑誌を、ビニールを取らずに読んでいた」ということがわかるわけですね。
その昔、「ビニ本」などという言葉もありましたが(今はもう死語でしょうか?)、英語においても、「ビニールに包まれたエッチな雑誌」というイメージはあるようですね。
本来、立ち読み防止のためにそういうビニールで包んであるのでしょうが、そのビニールがついた状態で読んでいた、ということなので、普通の立ち読みより難易度が高そうですし(笑)、ジョーイがそういうことに気を取られている間に、こっそり自分たちの分を買ったのよ、とモニカは言っていることになります。
くじを買うにはある程度の時間が必要なので、「ジョーイが胸の大きな女性に見とれている間に」くらいの時間では、なかなか購入は難しいですよね。
「ビニールがついた状態で雑誌を読んでた」ということだと、何とかして中身を見ようとジョーイが格闘しているさまも想像できますし、面白いセリフだなと思いました。

その後のジョーイのセリフもまた、面白いですね。
隣にいるロスに、I'll show you how. と言っているのですが、how は、how to read the dirty magazines without taking off the plastic ということですね。
「どうやってそれをするか(ビニールを取らずに雑誌を読むか)を、(後で)お前に(見せる形で)教えてやるよ」と言っていることになります。

次のレイチェルの、suppose one of your "special" tickets wins? は、「あなたの”特別な”(自分たちだけのために買った)くじの券(チケット)の一つが当たるのを想像してみて」ということ。
その後、「あなたはどんな風に感じることになるかしら、あなたがくじに当たって、友達全員をなくす時に」と言っています。
みんなで買おうと約束したのに、自分たちの分を余計に買って、それが当たったりしたら、あなた(ここにいる)友達全員なくすわよ、という脅しのようなセリフですね。

モニカは、「やめてよ(よしてよ)。もし私がくじに当たれば、あなたたちは私を leave しない」と言っています。
leave someone は「人から去る、人を見捨てる、人を置いていく」というニュアンスなので、「レイチェルは私が友達をなくす、って言うけど、私がくじに当たったら、あなたたちが私から離れるわけがない」と言っていることになります。
続いて、ある例として、「ミニマフィンのバスケット1つ、ひとかごのミニマフィン」を、先週、誰かが私にくれた時、私は3日間も、あなたたちを get rid of できなかった、と言っています。
get rid of は「(望ましくないものを)取り除く、追い払う」というニュアンス。
マフィンを1かご分、もらった時でさえ、私のところに入り浸ってたくせに、くじが当たったら、私と友達やめるわけない、と言いたいわけですね。

モニカに言っても話にならないと思ったらしいレイチェルは、夫チャンドラーに、「モニカがしたことは悪いことだと、夫のあなたからモニカに言ってやってよ」と言います。
すると、チャンドラーが「彼女(レイチェル)(の言っていること)は正しい。ただ自分たちだけのために、くじの券を買うべきじゃなかった(のに)…」とモニカに言うので、モニカは、「夫のあなたが私の敵になるのー?」という抗議の顔で、あー! と声を出すのですが、チャンドラーは、Let me finish. 「俺に最後まで終えさせて」→「俺の話を最後まで言わせて(まだ話は終わってない)」と言い、他の人に向かって、However 以下のセリフを言います。

it doesn't look like I'm gonna get this job so I can't afford to have principles. の前半は、「俺はこの仕事をゲットできるようには見えない(思えない)」、後半は、「だから俺は princeples を持つ余裕がない」になりますね。

principle は「原理、原則」または「主義、理念」という意味で使われますが、今回の場合は「節操」という訳語がふさわしいように思います。
研究社 新英和中辞典では、
principle=【U】 [しばしば複数形で] (正悪の基準となる)道義、節操、徳義
a person of principle 節操のある人
He has no principles. 彼は節操がない


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
principle : a moral rule or set of ideas about right and wrong, which influences you to behave in a particular way
例) He'll do anything for money. The man has no principles.

つまり、「善悪についての道徳ルール、または、まとまった考え、それは人がある方法で行動するように促す」。例文は、「彼は金のためなら何でもする。あの男は節操がない」。

このロングマンの例文は、まさに今のチャンドラー夫妻の行動を語っているようですがw、「金のためなら何でもする」的な節操のなさを語るのに、principles という単語が使われることがよくわかる例ですね。

screw you! は人をののしる言葉。
Macmillan Dictionary では、
screw you/her/him etc [phrase, offensive] : used for expressing your anger
つまり、「(侮辱的) 自分の怒りを表現するために使われる」。

相手に対して怒っている時に使う表現なので、場面によっていろいろな訳が可能でしょうが、今回ならば、「お前らのことなんか知ったことか! お前らなんかどうにでもなれ!」的な訳になるのかな、と思います。

開き直ったようなチャンドラーは、「その券は俺たちのものだ!」と言って、レイチェルの手から券を奪い返しています。
There's the man I married!! を直訳すると、「そこに、私が結婚した男がいる!」「そこにいるのは、私が結婚した男!」というところでしょうか。
「よくぞ言ったわ、それでこそ私が夫として選んだ男よ」という感覚でしょうね。
「やった!」という感じで、お互いの手をパチッと叩き合う二人を見て、レイチェルは、If you win the lottery... 以下のセリフを言っていますが、「もしあなたがくじに当たれば、それが、あなたが hear from us することになる最後である」ということですね。
hear from 人は、「(人)から連絡・通信・便りがある」という意味。
「私たちから連絡があることの最後である」ということですから、くじに当たった後は、もう私たちからはあなたに連絡しない、あなたとは縁を切るわ、絶交よ、と言っていることになります。

Don't be my friends. は、「私の友達でいないで」→「私の友達をやめて」というニュアンス。
友達をやめてもらって結構よ、だって私は(くじで当たったお金で)新しい友達を買うから! ということですね。
その後のセリフ、I'll pay for their plastic surgery so they look just like you! について。
前から順番にイメージすると、「私は彼らの整形手術にお金を払う、そうすれば彼らはちょうどあなたたちのような見かけになる」というところですね。
日本語っぽく訳すと、「新しい友達にあなたたちそっくりになるように整形手術をさせて、そのお金は私が払うわ」と言っていることになります。
「あなたたちがいなくなっても代わりはいるもの」的な発言をしているのですが、わざわざ同じ顔に整形させるとか言っているのが面白いですね。
まだくじに当たってもいないのに、「お金さえあれば、あなたたちのそっくり人間だって作れるんだから」という、先走ったような勝ち誇り感と、「そばにいる友達は、やっぱりこのフレンズたちの顔であって欲しいと思っている」ような、憎まれ口を叩きながらも、長年友達である人への愛着みたいなものが出てしまっている点が、何だか面白いなと思いました。


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posted by Rach at 13:13| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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