2015年08月26日

謝罪のために電話しています フレンズ9-18その4

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チャンドラーとモニカが、自分たち夫婦のくじを、別にこっそり買っていたので、それを渡す渡さないで、フレンズたちは券の奪い合いとなります。
そんな醜い争いを見かねたフィービーは、くじの券を入れたボウルを持ってベランダに出た後、「喧嘩をやめないなら、このボウルを下の通りに投げ捨てる」と脅します。
それでみんなの喧嘩が収まるのですが、不意に出てきたハトに驚いたフィービーがボウルを下に落としてしまい、通りに散らばった券をみんなで回収することになります。
半分ほどしか回収できずに、部屋に戻ってきたフレンズたち。
チャンドラー: (looking at the answering machine) Hey, there's two messages. This could be from work! ([留守電を見て] おい、2つ(留守電)メッセージがある。これは会社からかも!)
モニカ: Oh, play them! (まぁ、再生して!)
チャンドラー: Okay. Here we go! (he pushes the play button) (オッケー。よしいくぞ! [再生ボタンを押す])
メッセージ: (Phoebe's voice) Hello. Th-this is the pigeon from the balcony calling to apologize. (they all turns to look at Phoebe) I sh.. I shouldn't have knocked the tickets out of the pretty lady's hand. It-it was all my fault. Not hers. Bye. Coo. ([フィービーの声で] こんにちは。こちらは[僕は]バルコニーのハトで謝罪のために電話しています。 [全員がフィービーを見る] 僕は、可愛い女性の手から券を叩き落とすべきじゃなかった。全て僕の責任でした。彼女のせいじゃない。さよなら。クー。)
(they all keep staring at Phoebe)
全員がフィービーを見つめ続ける。
フィービー: Well, I bet that was very hard for him to do. (そうね、今のは彼にとっては、とっても辛いことだったわね。)
2番目のメッセージ: Hey, Chandler, it's Charlie. (よぉ、チャンドラー。チャーリーだ。)
チャンドラー: This is it. Shhh! (これがそうだ[ついに来た、いよいよだ]。シー!)
2番目のメッセージ: Listen, oh... it turns out I got the last spot. I'm really sorry, man. It was a lot of fun working with you. Give me a call if you want. (聞いてくれ、最後の枠(ポスト)は僕がゲットしたとわかった。ほんとにすまない[or 君には本当に残念なことだったと思う]。君と一緒に働くのはとっても楽しかった。良かったら、電話をくれ。)
モニカ: Oh Gosh, I am so sorry, honey. (なんてこと、ほんとに残念ね、ハニー。)
全員: Oh, so sorry, man! Sorry! (あぁ、ほんとに残念だよ。残念だ。)

通りに散らばったくじを集めて、部屋に戻ってきた後、留守電があったことにチャンドラーは気付き、「これは職場からの可能性がある(職場からかもしれない)!」と言っています。
モニカも「(留守電を)再生して」と言い、チャンドラーが再生ボタンを押すと、録音されたメッセージが流れ始めます。
職場からの採用の連絡かと思いきや、流れて来たのは、いつもとやや口調が異なるものの、フィービーの声であることがわかります。
ちょっと、言葉に詰まりながら話している、そのメッセージの内容について。
this is the pigeon from the balcony calling to apologize. を直訳すると、「こちらは(今電話している僕は)、謝罪のために電話している、バルコニーのハトです」になるでしょうか。
「バルコニーのハト」というのは、少し前にバルコニーにいるフィービーを驚かせ、結果、ガラスのボウルを下に落とすことになってしまった原因のハトですが、その時の状況を細かく説明しなくても、the pigeon from the balcony で、意味は十分通じる、ということですね。
「ハトです」と名乗っていても、ハトが言葉を話すわけも、また電話してくるわけもない上、声が明らかにフィービーのものなので、フレンズたちは全員、フィービーの方を見ます。
留守電のメッセージはまだ続いていて、shouldn't have p.p. (過去分詞)の形で、「僕は(あの時)〜すべきじゃなかったのに(そうしてしまった)」という反省と後悔の念を述べています。
knocked the tickets out of the pretty lady's hand の knock 〜 out of は「叩いて落とす、払い落とす」という感覚。
フィービーは、自分の失敗を棚に上げ、「僕が彼女の手から券を叩き落とすべきじゃなかった」と言っているのですが、ハトのふりをしているどさくさに紛れて、自分の手のことを「可愛い女性の手から」と表現しているのも面白いです。
it was all my fault. Not hers. の Not hers. は、It was not her fault. 「彼女のせいじゃなかった」ということですね。
そして最後に、Bye. と言った後、Coo. と「さもハトみたいな声」をおまけにつけているという、フィービーのチープな演出にも笑ってしまいます。
「全部、ハトの僕が悪い。ボウルを持っていた彼女は何も悪くない」とハトのふりをしてメッセージを吹き込むことで、責任逃れをしているのが明らかなフィービーを、フレンズたちは、じーっと見続けています。

I bet that was very hard for him to do. を直訳すると、「私は思う、今のは、彼がするには非常につらかった、と」というところでしょうか。
もう少し日本語っぽくすると、「今の行動は、彼にとっては(するのが)辛いことだったでしょうね」というところでしょう。
フィービーのしらばっくれ具合にみんなが唖然としている中、2番目のメッセージが流れ始めます。
チャーリーと名乗るので、採用の連絡だとわかり、チャンドラーは This is it. と言っていますね。
This is it. は、待ちに待っていたものが来た! という時に、「ついに来た、いよいよだ」などのニュアンスで使われるセリフですが、今回の場合は、「これがそうだ」みたいにシンプルに訳しても良い感じがしました。
This is it. というフレーズについては、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の 69ページ以降で詳しく解説させていただいたのですが、This 「これ」(今回の場合は、この2番目のメッセージ)= it 「チャンドラーが頭の中でイメージしているもの」(今回の場合は、チャンドラーが待っている採用の連絡電話)という等式で考えるとわかりやすいかと思います。

チャンドラーは「これがそうだ。このメッセージが俺が待っていた連絡だ!」と言って、みんなに静かにするように、Shhh! と言い、留守電メッセージの続きを聞くのですが、電話の内容は、it turns out I got the last spot. というものでした。
直訳すると、「僕(チャーリー)が最後のスポット(採用枠)をゲットした、ということが判明する(判明した、わかった)」ということになります。
このように、It turns out (that) は、「that 以下ということがわかる、結局 that 以下ということになる」という意味になりますが、日本語だと「〜だということがわかった」のように過去形で表現したくなる場合でも、英語ではこのように、It turns out という現在形で表現されることが多いです(過去のフレンズのセリフでも、turns out という現在形の使用例が多く出てきました)。
この件については、「turn out を過去形にしてしまうと、「そのことがわかった、判明したのが過去の時点」であることを表すことになってしまうので、現在形を使っている」のだろうと私は考えています。
今回のセリフも、「少し前に自分がその枠をゲットした(過去)ということが(今)判明する(今判明したばかり)」というような、「仕事をゲットした」と「その事実が判明した」時点の時差みたいなものがありますので、I got という過去形よりも新しい時制である現在形の turns out を使うのがふさわしいということなのかな、と思いました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の turn out に出てくる例文にも、
It turns out that Nancy didn't want to come anyway.
という文が出ており、訳すと、「とにかくナンシーは来たくなかった、ということがわかる」になりますが、これも日本語の感覚だと、「とにかくナンシーは来たくなかった、ということがわかった」のように「わかった」という過去形で表現したくなりますよね。
逆に言うと、「過去にこういう出来事があった、過去にこういう状態だったことが、今(ついさっき)わかった、判明した」という場合には、It turns out that SV(過去形) の形で表現するのが英語らしい、ということになるだろうと思います。

その後、チャーリーは、I'm really sorry. と言っています。
この場合の sorry は、「自分が採用となり、結果チャンドラーが不採用となった」ことから、「申し訳ない、すまない」という謝罪のニュアンスで理解しても良いように思いますし、また、「その決定を下したのは自分ではない」ことから「謝罪」というよりはむしろ「同情、共感」のニュアンスで理解しても良いようにも思います。
後者の場合だと、「採用されることを期待して待っていた君には、本当に残念なことだと思う」という感覚になりますね。

チャーリーというのは、なかなかしっかりした人のようで、そういう「相手が採用されず自分が採用されてしまった」という非常に気まずい報告の電話をしなければならない中でも、「君と一緒に働いたことは、a lot of fun (たくさんの楽しみ)だった」、つまり「とっても楽しかった」と表現しています。
そして、Give me a call if you want. を直訳すると、「僕に電話して、もし君が望むなら」になるでしょう。
不採用と知って、とても人と話せる気持ちにはなれない、ということも見越して、「もし良かったら、もし僕と話したいなら、電話くれていいよ」みたいに、if you want を最後に付けることで、強制ではなく、電話のするしないを相手の選択にゆだねた形になっているわけですね。

留守電のメッセージを再生しているので、チャーリーが最後の枠をゲットした、ということは、フレンズたちにも聞こえています。
その残念なニュースを聞いて、妻のモニカは、Oh Gosh, I am so sorry, honey. と言い、他のフレンズたちも、sorry という言葉を次々と言っていますね。
先ほどのチャーリーの sorry の場合は、「僕が枠を奪ってしまってすまない」という謝罪の気持ちの可能性があると述べましたが、今回のフレンズたちの sorry は、「謝罪ではない同情・共感」であることは明らかですね。
こちらは、残念なニュースがあった人に対して「残念だったね」と声を掛ける感覚になります。


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posted by Rach at 12:57| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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