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チャンドラーがインターンとして働いている会社で、3人のアシスタント採用枠があったのですが、チャンドラー以外の人がその3人に選ばれてしまいました。がっかりしていたチャンドラーでしたが、その後、上司から、「(アシスタントではなく)ジュニア・コピーライターとして君を採用したい」という電話がかかってきます。
チャンドラーは「ありがとう、僕を選んだことを後悔させませんから」と言って、大喜びでその電話を終えます。その直後のシーン。
(he idly goes to the sofa, starts browsing a magazine. Everybody stares at him)
チャンドラーはぼんやり[所在なげに]ソファに行き、雑誌をパラパラ読み始める。みんなは彼を見つめる。
チャンドラー: What? (pause) Oh, yeah, I'm gonna be a junior copywriter! (何かな? [間があって] あぁ、そうだよ、俺はジュニア・コピーライターになるんだ!)
みんな: (excited) Oh my God. Congratulations! ([興奮して] すごい。おめでとう!)
モニカ: Congratulations! Oh, sweetie, I'm so proud of you! (おめでとう! まぁ、スウィーティ、あなたをとっても誇りに思うわ!)
チャンドラー: Thanks. Does that mean I get the good loving tonight? (ありがと。それって、今夜、素敵に愛してもらえる、って意味かな?)
モニカ: You bet! No TV or anything! (she gets up from the sofa and goes to the kitchen area) (もちろん! テレビとかもなしよ[テレビも見ないわ]! [モニカはソファから立ち上がり、台所エリアに行く])
ジョーイ: (to Chandler) Hey, that is so great about the job. ([チャンドラーに] なぁ、その仕事の件、良かったな。)
チャンドラー: Thanks, man. (ありがと。)
ジョーイ: And I'd like to think I had a little something to do with it. (で、その件について俺もちょっと関係してるって思いたいんだけど。)
チャンドラー: Really? Why? (ほんとに? どうして?)
ジョーイ: Well, before with the wishbone. I didn't wish we would win the lottery. I wished you'd get the job. (うーんと、さっきのウィッシュボーンの時のこと。くじが当たりますように、って俺は願わなかった。俺はお前が仕事をゲットできますように、って願ったんだ。)
チャンドラー: (smiling, surprised) Oh, yeah? (looks towards the kitchen, worried) Listen, don't tell Monica. She'll rip your heart right out. ([微笑みながら、驚いて] え、そうなのか? [台所の方を向いて、心配そうに] なぁ、モニカには言うなよ。モニカがお前の心臓をむしり取るぞ[引きちぎるぞ]。)
ジョーイ: Oh, yeah. (あぁ、そうだな。)
ジュニア・コピーライターに採用する、という電話に対し、感謝の言葉を述べ嬉しそうに電話を切ったチャンドラーでしたが、すぐにフレンズたちに嬉しい結果を報告して、みんなで喜び合う、、のかと思いきや、自分からは何も発言せず、そのままソファに座って、雑誌をパラパラとめくっています。
ジョーイは手を広げ、他のフレンズたちに「一体どうなってるんだ?」みたいな顔を向けています。
みんなが自分の次の行動に注目しているのを待っていたかのように少し間を置いた後、チャンドラーは、「何? あぁ、そうだよ、俺はジュニア・コピーライターになるんだ!」と結果を報告しています。
みんなに口々にお祝いの言葉を言ってもらい、モニカにも「(夫の)あなたをとっても誇りに思うわ!」と言われて、チャンドラーは嬉しそうに、「それって、今夜、俺が the good loving をゲットする、って意味かな?」と尋ねています。
get the good loving はやや漠然とした表現ですが、「グッドな love すること(love する行為)を得る」ということなので、「素敵に愛し合えるかな、素敵に愛してもらえるかな」というようなニュアンスになるでしょう。
モニカは、「もちろん(You bet!)」と言うのですが、その後の一言がちょっと余計な感じで面白いです。
No TV or anything! は、「テレビとか(他の何かとか)もナシ!」ということで、そう言われたチャンドラーは、ちょっと恥ずかしそうにうつむいています。
「えぇ、もちろん、今夜はテレビとかも見ないわよ」とモニカが言ったことになるので、「普段は、テレビを見ながらエッチしている」らしいことが、この発言からわかる仕組みになるでしょう。
今夜はそんな「ながら状態」(笑)ではなく、テレビも消して、loving に集中するわよ、みたいなことをモニカは言ったわけですが、普段の実態がフレンズたちに知れてしまい、それでチャンドラーはうつむいた、ということになるわけですね。
モニカが立って台所に行った後、ジョーイは「仕事の件、ほんとに良かったな」と言って、And I'd like to think... のセリフを言っています。
have something to do with は、「〜と関係・かかわりがある」という意味なので、訳すと、「俺がその件について少し関係があった、って俺は思いたい(んだけど)」というところですね。
「チャンドラーが採用されたことについて、俺もちょっと関係してるんだけどね」と言うジョーイに、チャンドラーが理由を尋ねると、ジョーイは、「さっきのウィッシュボーンの時。俺は、俺たちがくじに当たりますように、って願わなかった。俺はお前が仕事をゲットしますように、って願った」と説明しています。
願いが叶うというウィッシュボーンをする時に、くじの当たりではなく、チャンドラーが採用されることを願った、ということですね。
ジョーイがフィービーとウィッシュボーンをするシーンは、過去記事、フレンズ9-18その2 で説明しましたが、その時ジョーイは、モニカに何度聞かれても、願い事の内容を言おうとはしませんでした。
「しゃべってしまうと願い事が叶わなくなるから」という理由だけで、「当然それを願っているだろうとみんなが思っている”くじに当たりますように”というわかりきった願い事」を言うのを(まるで子供のように)拒んでいたのかと思いきや、エピソードの最後で「ジョーイは実はくじ以外のことを願っていた」ということがわかる、という展開になっているわけですね。
今そのことを打ち明けているジョーイの表情からも、それは本当のことだとわかりますし、その話を聞いたチャンドラーもとても嬉しそうな顔をしています。
観客からも、「あぁ、そうだったんだ〜」というような軽いどよめきが起こっていて、私もこのシーンを初めて見た時に、何だかとってもほっこりした気持ちになったのを覚えています。
ウィッシュボーンのシーンで、くどいほど「願い事を言わない」と頑張っていたのは、「しつこすぎるやりとり」で笑いを取るだけではなく、最後のこの微笑ましいシーンに繋げるための伏線になっていた、ということですね。
ジョーイの話を嬉しそうに聞いていたチャンドラーですが、台所にいるモニカの方を見て、ちょっと不安気な表情になり、「なぁ、モニカには(今の話を)言うなよ」と言った後、She'll rip your heart right out. と言っています。
rip は「引き裂く、剥ぎ取る、もぎ取る」という感覚で、out 「外に」が付いていることから、「体の中にある心臓を、体から引きちぎって外に出す」ようなニュアンスになります。
right は「まったく、すっかり」という意味の強意語で、そのニュアンスを和訳に出そうとすると、「心臓を”完全に・すっかり・ごっそり”むしり取られる」という感じになるでしょうか。
ですから、チャンドラーは、「ジョーイが、くじの当たりじゃなくて、俺の採用の方を願ってたなんてモニカに知れたら、モニカはお前の心臓を引きちぎるぞ」と物騒なことを言っていることになるわけですね。
ちなみに、この rip somebody's heart out という表現には、また別の意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tear/rip somebody's heart out : to make someone feel extremely upset
例) It just tears your heart out to see how they live.
つまり、「人を、非常に動転・動揺する気持ちにさせること」。例文は、「彼らがどんな風に暮らしている(生活している)かを見ることは、君を動揺させる。[彼らがどんな風に暮らしているかを見れば、君は動揺するだろう(君の心は乱れるだろう)」。
upset の基本的な意味は「ひっくり返す」ということですから、feel extremely upset だと、気持ちが通常の状態ではなく、混乱している様子を表していることになりますね。
動揺してパニクっている場合には、日本語でも「心臓がドキドキする、バクバクする」「心臓が飛び出そう」「心臓が掴まれたみたい」などと表現することがありますが、英語の場合も、「人の心臓を(体内から)引きちぎって出す」という意味の tear/rip somebody's heart out という表現は、そのように「心を動揺させる、狼狽させる」という意味を持つ、ということになります。
ただ今回のチャンドラーのセリフの場合は、「そんなことをモニカに言ったら、モニカに殺されるぞ」的な意味で、「心臓をえぐり取られるぞ」と表現した、という理解で良いと思います。
ジョーイも「怖いね」という顔で Oh, yeah. と言った後、二人は嬉しそうに握手を交わすことになります。
もちろんモニカも、妻として、チャンドラーの採用を心から願っていたと思われますが、「くじが当たりますように」とみんなが願掛けをしている時に、ジョーイが別のことを願っていたと知ったら、勝ち負けにうるさいモニカ(笑)のことですから、「この状況なら(大金が当たるかもしれない)くじの願いをするのが当然でしょ!」みたいに激怒しそうな気がしますね。
キャラ立ちしているおかげで、「ジョーイは素直にチャンドラーの就職を願うけれど、モニカは”くじか夫の就職か?”と問われたら、くじを選ぶかもしれない(!)」と視聴者も思えるので、この最後のセリフの「それを言ったらモニカに殺されるぞ」的なセリフにも、納得して笑えてしまうわけですね。
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2015年08月31日
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