2015年09月09日

自分を悪く言って褒め言葉をもらう フレンズ9-19その4

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[Scene: Joey and Rachel's apartment, Rachel walks in]
ジョーイとレイチェルのアパートメント。レイチェルが入ってくる。
レイチェル: Hey! (はーい!)
ジョーイ: Hey! (よお!)
レイチェル: Joey, do you have peanut butter on the back of your head? (ジョーイ、あなた、頭の後ろにピーナツバターをつけてる?)
ジョーイ: (Touches the back of his head and licks his fingers) Oh, man! I thought I got it all! ([自分の頭の後ろを触って、指を舐める] あぁ、なんてこった! 全部取ったと思ってたのに!)
レイチェル: (looks puzzled) How...? How? ([困惑した様子で] どうやって…? どうやって?)
ジョーイ: I was making a peanut butter smoothie, right? (俺はピーナツバタースムージーを作ってたんだよ、な?)
レイチェル: uh-huh. (えぇ。)
ジョーイ: And I couldn't find this little plastic thingy (holds up plastic thing) that goes in the top of the blender. And I thought, "Well, how important can that be?" Right? Turns out, very! (で、このちっちゃなプラスチックのやつが見つからなかったんだ [プラスチックのものを掲げる]、ブレンダー(ミキサー)の上にはめるやつね。それで俺は思ったんだよ、「ふん、それがどんなに重要だってことがあるんだよ?[そんなに重要じゃないだろう]」って。な? で、わかったんだ、すごく(重要だ)、って。)
レイチェル: (to herself) Wow, definitely just Drake. ([独り言で] わぉ、間違いなくドレイクね。)
ジョーイ: What? (何?)
レイチェル: What... how's it going with Drake? (えー、ドレイクの件はどんな感じ?)
ジョーイ: Oh... I don't think it's going very well. (あぁ… あまりうまくいってないんだ。)
レイチェル: What? That scene I saw was so good! (何ですって? 私が見たあのシーンは、すっごく良かったのに!)
ジョーイ: Well, I'm feeling really insecure about the one we are shooting tomorrow.... (うーん、明日、俺たちが撮影するものについて、俺はすっごく不安を感じてるんだよ。)
レイチェル: Joey, is this that thing you do when you say you're bad so I'll give you a compliment? (ジョーイ、これってあなたが(いつも)やる例のこと? あなたが自分のことを悪く言って、私があなたを褒める、っていう時の?)
ジョーイ: A little. Yeah, no, I really am worried, you know. I mean, I have to make it convincing that I'm in love with Olivia. (ちょっとね。あぁ、でも、俺は本当に心配してるんだよ。ほら、俺がオリヴィアに恋してるってことを、なるほどと思わせないといけないからね。)
レイチェル: So? (だから?)
ジョーイ: So... I've never played that! (だから… 俺はそういうの演技したことないんだよ!)
レイチェル: Ooh! Honey, it can't be that hard. I mean, you've been in love before? (まぁ、ハニー。そんなに難しいはずないわよ。ほら、これまで恋したことあるでしょ?)
ジョーイ: Uh... well... just once... with you.... (あぁ、そうだね、一回だけ…君に…)
レイチェル: Okay. Well, this could be a little awkward. I'm just gonna blow past it. (いいわ、そうね、これはちょっと気まずいことになりそうね。それは流すことにするわ。)
ジョーイ: Okay. Yeah. (オッケー。そうだね。)

ドアを入ってきたレイチェルは、ジョーイの頭の後ろにピーナツバターがついているのに気づき、「あなた、頭の後ろにピーナツバターつけてる?」と言っています。
そう言われたジョーイは、頭の後ろを指で触って、その指をペロッと舐めて、確かにピーナツバターであることを確認した後、Oh, man! I thought I got it all! と言っています。
I thought I got it all! を直訳すると、「俺はそれを全部ゲットした(とった)と思ってたのに!」みたいなことですね。
ピーナツバターは全部(ふいて)とった、と思ってたのに、まだ残ってたのか、と言っていることがわかります。
そばにあったタオルで頭の後ろをごしごし拭いているジョーイに、レイチェルは、How...? How? と尋ねていますね。
How? は「どのようにして?」ということですから、「何をどんな風にしてて、頭の後ろにピーナツバターがついたりしたのよ?」と尋ねていることになるでしょう。
どうしてそんなところにつくのか全くもってわかんない、という気持ちから、How?... Ah, how? のように2回尋ねるのがまた面白いですね。

顛末を尋ねられたジョーイは、状況を説明し始めます。
「俺はピーナツバタースムージーを作ってたんだよ」と言って、I couldn't find... のセリフを言っています。
前から順番にイメージすると、まずは「俺はこの小さなプラスチックのやつを見つけることができなかった」になりますね。
this little plastic thingy と言いながら、ト書きにあるように「プラスチックのものを掲げて」いますが、それはミキサーの白い蓋の中央にさらにはめ込む感じの透明な物体のことでした。
ト書きの後の、that goes in the top of the blender は、前の this little plastic thingy にかかっており、「この小さなプラスチックのやつ」を、関係代名詞 that を使ってさらに詳しく説明していることになります。
goes in the top of the blender は、「ブレンダー(混ぜるもの、日本語で言うところの「ミキサー」)の上に入る」というところなので、「ミキサーの上にはまる」と表現していることになるでしょう。
英語の語順としては、「この小さなプラスチックのやつが見つからなくて」と言いながら実物をレイチェルに見せ、「それって、ミキサーの上に入る部品なんだけどさ」と言いながら、実際に白い蓋の上にはめ込んでみせている、という流れになります。
このように、関係代名詞で情報を追加している感覚が英語っぽいところですね。

次の、And I thought, "Well, how important can that be?" Right? Turns out, very! について。
how important can that be? を直訳すると、「それ(見つからないその透明プラスチック部品)がどれほど重要になりうると言うんだ?」というところでしょうか?
「どれほど重要だっての?」→「そんなに重要なわけない、重要なはずがない」という反語のニュアンスですね。
Turns out, very! も直訳してみると、「(結果)〜だとわかる、非常に(だと)」という感覚になるでしょう。
つまり、「そんなに重要ってことないだろ」と軽く考えて、その透明プラスチックなしで使ってみたところ、「使ってみたら、そのプラスチックが非常に重要(very important)であるとわかった」と言っていることになります。
そのセリフを聞くことで、「頭の後ろにピーナツバターがついていたのは、蓋にはめ込む小さな部品をつけずに使って、ミキサーの中身が飛び出てしまったから」という一連の流れがわかる、という仕組みですね。
「蓋に部品をつけなかったから、中身が飛び出た」的な表現は一切ありませんが、「大事じゃないと思ってたら、すっごく大事だとわかった」というセリフでそのことがわかってしまう、というのが、セリフとしてとても洒落ていて、面白いなと思いました。

また、Turns out, very! という短い表現だけで「足りてしまう」ところが、ものすごくネイティブの英語っぽくて、実にかっこいいなぁ〜と思うわけです。
日本人の口からはなかなか出てこない表現だなぁ、と。
「どれほど・どんだけ重要だって言うんだ?」という反語の後なので、「その important の度合(how important)が、very important だったとわかった」と表現している、important は言わずに、very だけでその how の度合を言っていることがわかる、ということですね。
how important? という問いに対する答えが、very (important) だったということで、それを Turns out, very! だけで表現しているところが、ネイティブの会話っぽいと思うわけです。

あまりにもバカバカしいことを言っているジョーイを見て、レイチェルはジョーイに聞こえない感じの独り言で、Wow, definitely just Drake. と言っています。
definitely は「明確に、はっきりと」「間違いなく、紛れもなく」ということで、just にも「ちょうど、まさに、まさしく」「まったく、本当に」という意味がありますので、definitely just のように2つ重ねることで、「まさしく」という意味をより強調しているニュアンスになるのかな、と思います。
これは前回の記事のシーンで、「レイチェルはジョーイが好きなんじゃなくて、ドレイクが好きなのよ」とモニカに言われたことに対する、自分の中での答えですね。
ミキサーを完全に蓋することなく回して、髪の毛にピーナツバターをつけちゃった、お子ちゃまのようなジョーイを見て、「夢の中でキスしたいと思ったのは、やっぱりジョーイに対してじゃなくて、ドレイクに対してだった」ということを、自分の中で確認した感覚です。

「ドレイクの件はどんな感じに進んでる? どんな感じにいってる?」と聞かれて、ジョーイは、「あんまりうまくいってない」と答えます。
レイチェルに「私が見たシーン、良かったのに!」と言われても、「明日撮影するものについて、不安を感じてる」とジョーイは言うのですが、それに対するレイチェルの返事が面白いですね。

is this that thing you do when you say you're bad so I'll give you a compliment? を前から順番にイメージすると、「これはあなたが(普段よく)やる、あのこと[例のこと]?」、when 以下は「あなたが”俺はひどい”と言って、それで私があなたに賛辞(褒め言葉)を与える時の」になるでしょう。
つまり、「自分のことを良くないと言うことで、私から褒め言葉を貰おうとする、あなたがよくやる例のあの手口?」みたいにレイチェルは言ったことになりますね。
そんな風に言われて、ジョーイも、「まぁ、ちょっとね」と答えるのですが、その後、「本当に不安なんだ」と正直な気持ちを述べています。

I have to make it convincing that I'm in love with Olivia. の convincing は「説得力のある、なるほどと思わせる」という形容詞ですね。
動詞 convince は「人を納得させる」という他動詞ですから、現在分詞で「人を納得させるような」という意味から、そういう形容詞として使われることになります。
make it convincing that は、that 節を it という仮目的語として置いた形で、つまりは、that 節の内容を、なるほどと思わせなければならない、と言っていることになります。
ですから、「俺がオリヴィアに恋している[オリヴィアを愛している]ということを、なるほどと思わせなければならない」→「俺がオリヴィアを愛していると、みんなが納得するような演技をしなければならない」「ドレイクは本当にオリヴィアに恋している、と視聴者に思ってもらえるような演技をしなければならない」ということですね。

レイチェルはそんなことが何が大変なのよ、とでも言うように、So? 「だから?」と言うのですが、ジョーイは So を受ける形で、「だから… 俺はそういう演技を今までしたことがないんだ(だからうまくできるか心配なんだ)」と返します。
レイチェルは、「そんなに難しいはずないわよ」と言って、「今までに(誰かに)恋したこと、(誰かを)愛したことあるでしょ?」と言っています。
そう言われたジョーイは、言葉に詰まりながら、just once 「1回だけ」、with you 「君に(恋したことがある)」と答えます。
with you と言った時の寂しそうなジョーイの顔が何だかとっても切ないですね。
過去記事、冗談だ。うまい冗談だったわ フレンズ8-16その6 で、レイチェルに恋してしまったジョーイが、勇気を振り絞って告白するけれど振られてしまった、というシーンがあったように、「君のことを好きになったことがあるけど(あれは振られてしまったし)」みたいに言われたことになるわけで、その当事者のレイチェルにしてみれば、ひたすら気まずいことになってしまいますね。
それで、this could be a little awkward. 「これはちょっと気まずいことになりそう」と言い、I'm just gonna blow past it. と言います。
blow past というフレーズは、手持ちの辞書には載っていなかったのですが、blow「吹く」+ past「過ぎて、通り越して」ということですから、むりやり日本語にすると、「吹き過ぎる、吹き飛ばして過ぎる」という感覚になるでしょうか。
DVDの日本語訳では、
(字幕)気まずいから今のは流すわ/(音声)あそう。気まずい感じになりそうだから、今のは流すわね
と訳されていましたが、「(聞かなかったものとして、そこにこだわらないで)流す」という感覚が確かに近いと思いました。


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posted by Rach at 15:25| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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