2015年09月11日

全てが平気だ、ってふりをしてた フレンズ9-19その5

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俳優のジョーイは、自分が演じることになる恋愛シーンで、相手のことを本当に愛していると思わせるような演技ができるかどうか心配しています。
「今まで誰かに恋したことあるでしょ?」と言われたジョーイは、「一度だけ、君(レイチェル)にね」と答え、気まずくなったレイチェルが「その件については流しましょうか、、」と言った後、
レイチェル: Well, look, can't you just use that method-actor thing where you use your real-life memories to help you in your performance? (ねぇ、例の、メソッド・アクターってやつを使うことはできないの? 演技の役に立つように、実生活の記憶を使うっていう。)
ジョーイ: (looks at her for a moment) What the hell are you talking about?? ([レイチェルをしばらく見て] 一体何のことを言ってるの??)
レイチェル: (shakes her head) Alright, alright look, just uh... just try to remember how you felt when you were in love, and think about that when you're playing the scene. ([(だめだこりゃ、というように)頭を振って] わかった、ただ、ただ思い出そうとしてみて、あなたが恋していた時、どんな気持ちだったかを、そしてそのシーンを演じる時に、そのことを考えるのよ。)
ジョーイ: (approvingly) Oh! okay. Yeah, I think I can do that. Yeah. Okay, there's this party scene coming up. And Olivia and her husband are there and all Drake wants to do is grab her and kiss her, but he can't. And that makes me think about all those times when I wanted to grab you and kiss you, but you didn't know, so I would just pretend everything was cool, but really it was killing me. ([賛成するようにうなずいて] あぁ、オッケー。そうだよ、それならできそうだと思う。よし、オッケー。パーティーシーンが出てくるんだ。それでオリヴィアと彼女の夫がそこにいて、ドレイクがしたいことはただ、彼女をつかんで彼女にキスすることだけ、でも彼にはそれができない。そしてそれが俺に、あの頃のことを思い出させるんだ、君をつかんで君にキスしたいと思った時のこと。でも君は(そんなことを)知らないから、俺はただ、全てが平気だ[何でもない、何ともない、問題ない]ってふりをしてた。でも、本当にそれは、死ぬほどつらかったよ。)
レイチェル: (looks touched) Joey, you never... you never talked about that before. ([感動した様子で] ジョーイ、あなたは今まで、あなたは今までそんなこと話してくれたことなかったわ。)

その後、レイチェルは「こういうのは使えないの?」と言って、メソッドの話をしています。
ちょっと長い文章なので、前から順番にイメージすると、
can't you just use that method-actor thing は、「あの”メソッド・アクター”ってやつ(こと)をただ使うことはできないの?」
where you use your real-life memories to help you in your performance? の where は、その前の that method-actor thing を、関係副詞で繋げる形で、内容を詳しく説明していることになり、「そのメソッド・アクターってやつ(の中)では、演技の中であなたを助けるために、あなたの実生活の記憶(思い出)を使う」になるでしょう。
関係副詞 where を使うことで、「その(事柄の)中では、S が V する」のような形で説明できるわけですね。

method actor という言葉は、Macmillan Dictionary の中で、method acting の derived word 「派生語」として挙げられています。
元となった、method acting については、以下の語義で説明されています。
method acting [noun, uncountable, theatre, cinema] :
preparation for an acting role in which the actor gets real experience of the life of the type of character that he or she will play

つまり、「役柄を演じるための準備、その中で俳優は、自分が演じる予定のキャラクターのタイプの生活の実体験を得る」。

やや抽象的な表現ですが、レイチェルは、「自分の実生活の記憶を演技に活かす」みたいなことを言っていて、マクミランの語義は、「演技のための準備として、実生活で役柄の実体験を得る」→「役柄になりきって実生活を送ってみる」みたいなことになるでしょうか。

英辞郎にも以下の語義が出ていました。
method acting=メソッド・アクティング、俳優が自己の感情・経験を生かして演ずる役柄になりきろうとする演技手法
これは、レイチェルのセリフの内容にかなり近いですね。

レイチェルはそういう method acting とか method actor という演技手法について、どこかでちらっと聞いたことがあったのでしょう。
実際にそういう経験をしたことないっていうのなら、似たような記憶を使って演技に役立ててみたらどう? とアドバイスしているわけですね。
そう言われたジョーイは、しばらーくレイチェルの顔を見つめてから、「一体、何のことを言ってんの?」みたいに返します。
演技のプロであるはずの俳優のジョーイの方が、method actor という言葉を知らなかった、、というオチですね。

レイチェルは、「こりゃだめだ」というように首を振って、メソッドの話ではなく、具体的にこうすればいいのでは? という内容を提案しています。
just try to remember how you felt when you were in love, and think about that when you're playing the scene. は、「あなたが恋していた時、どんな気持ちだったかをただ思い出そうとしてみて。そしてあなたがそのシーンを演じる時にそれを考えて」ということですね。

レイチェルに噛み砕いて説明してもらってようやくわかったジョーイは、「それならできそうだ」と言って、早速シーンの説明を始めます。
その内容は、「パーティーシーンがある(始まる)。オリヴィアと彼の夫がそこにいる」ということですね。
all Drake wants to do is grab her and kiss her, but he can't. の all Drake wants to do は、「ドレイクがしたいと思うことの全ては」ということですから、「ドレイクがしたいことは、ただ〜することだけだ」という意味になり、全体としては、「ドレイクがしたいのはただ、彼女をつかんでキスすることだけ。でも彼にはそれはできない」と言っていることになります。
grab は「つかむ、ひっつかむ」というニュアンスで、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
grab : to take hold of someone or something with a sudden or violent movement
と出ています。
つまり、「突然の、または乱暴な動きで、誰かや何かをつかむこと」。
with a sudden or violent movement という部分がポイントで、そういう荒々しいニュアンスの動詞を使うことで、このシーンにおけるドレイクの、オリヴィアに対する熱い想い、そうしたくてもできないというもどかしさが表現されていることになるでしょう。

そんな風に、ドレイクが演じるシーンの説明をした後に、ジョーイは、that makes me think about all those times when... と話を続けています。
直訳すると、「そのこと(そういうシーン)が俺に、〜した全ての時について思わせる」ということなので、つまりは、「そのシーンで俺は、〜した全ての時のことを考えるんだよ」と言っていることになるでしょう。
when 以下は、「俺が君をつかんでキスしたいと思った時」なので、ジョーイは、「ドレイクがオリヴィアをつかんでキスしたいと思うシーンの脚本を読むと、昔、俺がレイチェルをつかんでキスしたいと思った時のことを思い出すんだ」と言っていることになります。
「好きになって告白して振られて、結局また元の友達同士の関係に戻った」とはいえ、本人を目の前にしての非常に大胆な発言になりますね^^
ジョーイの話はそこで終わらず、「君をつかんでキスしたかったけど、君は(俺がそんな気持ちでいることを)知らなかったから、だから俺はただ、全てが cool だっていうふりをしたものだった。だけど本当にそれは(死ぬほど)苦しかったよ」と言うことになります。
everything was cool の cool は、ここでは「平気な、冷静な、何ともない」という感覚が近いでしょう。
自分自身の気持ちはもちろん、レイチェルと一緒にいて起こったいろいろな出来事も含め、全てが「何でもないよ。大騒ぎするようなことないよ」という感じで冷静さを装っていた、みたいなことですね。
really it was killing me の be killing me は「主語が俺を(死ぬほど)苦しめる」という意味で、体のどこかが痛い場合にも使ったりしますが、今回は really と強調の言葉も入っていますので、まさに「(文字通り)死ぬほど苦しかった」と言っている感覚になるでしょう。

「君をつかんでキスしたかった」に始まり、「そんな気持ちを隠して、何でもない風を装うのはすごく苦しかった」とまで言われたレイチェルは、とても驚いた顔で、「ジョーイ、あなた、今までそんなこと話してくれたことなかったわ」と言っています。
「あなたがそんな気持ちでいたことを、今初めて知った」「あなたが私に対してそんな気持ちでいてくれてたなんて、私全然知らなかったわ」ということですね。


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posted by Rach at 15:42| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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