2015年09月30日

Have mercy! フレンズ9-20その6

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は3位、「にほんブログ村」は9位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


アパートメントの屋上で行われているソープオペラのパーティーで、レイチェルは、出演俳優から電話番号をもらったりしています。
それを見たモニカは、
モニカ: (to Rachel) Look at you with all the guys! ([レイチェルに] あの男性たちと一緒にいるなんて[うまくやってるなんて]、あなたってすごいわね!)
レイチェル: Yeah! (そうでしょ。)
モニカ: I guess you've forgotten all about Joey? (あなたはジョーイのことをすっかり忘れちゃったみたいね。)
レイチェル: Yeah, well, I guess I have forgotten about Joey. And clearly, you've forgotten about Chandler! (そうね、ジョーイのことは忘れちゃったみたい。そして明らかに、あなたはチャンドラーのことを忘れちゃってるわね。)
モニカ: Please. Chandler's the love of my life. (At which point a man in leather pants walks by) ... oooh, leather pants! Have mercy! (Follows the man in the leather) (よしてよ。チャンドラーは私の運命の恋人よ。[その時、革パンをはいた男性が近くを歩いて通る] うぅ〜、革パンよ! どうかお慈悲を! [革の男性の後についていく])

Look at you with all the guys! を直訳すると、「あの男性全てと一緒のあなたを見てよ!」みたいになるでしょうか。
DVDの日本語訳では、「なんなの、あなた。モテモテじゃん」と訳されていましたが、まさにそんな感じですね。
マシューを始め、他の俳優たちともいい感じになっている様子のレイチェルを見て、「あの男性たちと一緒にいるあなた自身を見てみてよ!」→「あんな大勢の男性にモテモテなんて、あなたって何てすごいの!」と褒めている感覚ですね。

I guess you've forgotten all about Joey? は、「あなたはジョーイに関する全てのことを(すっかり)忘れてしまった(完了形)と思う」というところ。
そう言われたレイチェルは、ほぼ同じ内容を繰り返す形で、I guess I have forgotten about Joey. 「私はジョーイのことを忘れてしまった、と思う」と返します。
ソープオペラの俳優たちと仲良くしている間に、ジョーイに対する気持ちは忘れてしまえた、というところですね。
「ジョーイのことは忘れられたみたい」と言った後、And clearly, you've forgotten about Chandler! とレイチェルはモニカに言っています。
「そして、明らかに、あなたはチャンドラーのことを忘れてしまっているわね」ということで、既婚者であるあなたが、ソープオペラの俳優とキャッキャ言って騒いでる、夫のチャンドラーのこと、あなたすっかり忘れてるでしょ、と言っていることになります。

Please. Chandler's the love of my life. の Please. は「やめてよ、よしてよ(そんなこと言うの)」というニュアンスですね。
the love of one's life という表現は、過去のフレンズ、彼は君の運命の恋人だ フレンズ5-24その2 にも、
チャンドラー: I know he's the love of your life. (リチャードは君の運命の恋人だって、俺は知ってるんだぞ。)
というセリフで出てきました。
そこでも、the love of one's life という表現について解説したのですが、love は抽象的な「愛」というよりも「恋人、愛しい人」を意味していて、「人生の恋人」みたいな感覚で使っているように思います。
もう少し自然な日本語にすると、「運命の恋人、運命の人」みたいな意味でしょう。

夫チャンドラーのことをすっかり忘れてるわね、と言われて、モニカは、「よしてよ、チャンドラーは私の運命の恋人・運命の人よ」と答えたのですが、そんなことを言っている時に、すぐそばを革パンの男性が通って行ったのを見て、「うぅ〜、レザーパンツ(革パン)よ!」と叫んだ後、Have mercy! と言いながら、その革パン男性の後を追うようについていきます。
「チャンドラーが最愛の人よ」と言ったばかりなのに、かっこいい男性が通過するとふらふらついていってしまう、という面白さですね。

mercy は名詞で「慈悲、情け」という意味で、have mercy (on) は「(〜に)慈悲をかける、情けをかける」という意味になります。

Macmillan Dictionary では、
have mercy (on someone) : to treat someone in a kind way instead of a cruel way
つまり、「残酷な(無慈悲な)やり方の代わりに、優しいやり方で人を扱うこと」。

今回のモニカのセリフは、チャンドラーを運命の恋人だと言っておきながら、それに背くような言動をした自分について、「神よ、こんな私を許したまえ、どうかお慈悲を」と言っている感覚なのだろうと思います。

Have mercy. というセリフで思い出すのは、シットコム「フルハウス」。
ジョン・ステイモス演じるジェシーがよく使っていたフレーズでした。
シーズン1で、私の記憶にあるだけでも、以下のエピソードに出てきました。(かっこ内は、そのセリフが出てきた時間です^^)
1-1 (14:48), 1-5 (9:48), 1-6 (3:53), 1-6 (8:45), 1-8 (8:06), 1-14 (2:42), 1-14 (24:06), 1-19 (5:41)
ちょっと変わったところでは、
1-6 (17:43) で、ジョーイ・グラッドストーンが、ジェシーのセリフの真似として、
I threw the babe on the back of the bike, popped a wheelie, and said, "Have mercy."
と言うシーンがあったり、
1-19 (8:32) では、シャワーカーテンから顔を出した女性を見て、(ジェシーではなく)ダニーが Have mercy. (字幕:ドッキリ!/吹替:びっくりしたなぁ〜)と言うシーンもあったりしました。

ジェシーが使うのは大抵、「女性を見た時」もしくは「女性にセクシーなことを言われた時」ですね。
ドアを開けると、そこにガールフレンドが立っていて、驚いた様子で、"Vanessa. Have mercy." みたいに言うパターンや、"I'm gonna go take a shower and I'll be thinking about you." 「シャワーを浴びてくるわね、(そこで)あなたのことを考えてるわ」と言われて、その女性が去った後に、"Have mercy!" とつぶやくようなパターンが多いです。
日本語訳はその時々によって違った訳がつけられていて、「マイッたな」「神よ」「すげえな」「たまんねえ」「ドッキリ!」みたいな感じのものでした。

このジェシーの "Have mercy." はしょっちゅう出てくるので、これがジェシーの口癖、決め台詞であることは、英語音声で見ている人なら、すぐに気付くだろうと思います。
それを裏付けるように、1-1 (14:48) で "Vanessa. Have mercy." というシーンのDVDの音声解説(副音声)でも、「ジョンの初めての "Have mercy" だ。彼が考えた決めゼリフだ」と説明されていました(ジョンとは、ジェシー演じる俳優ジョン・ステイモスのこと)。

今回のフレンズのモニカのセリフの場合は、「夫がいるのに他の男性に見とれちゃってごめんなさい」的な意味の「どうかお慈悲を」というニュアンスになるでしょうが、フルハウスのジェシーの場合は「お慈悲を」というよりも、「驚き、感嘆」のニュアンスで使っている感覚ですね。

LAAD には、名詞の mercy 以外に、以下の「間投詞、感嘆詞」の語義も出ていました。
mercy also mercy me [interjection] (old-fashioned) : used to show strong emotions, especially when you are shocked, surprised, or frightened
つまり、「(古い表現) 強い感情を示すのに使われる、特にショックを受けた時、驚いた時、恐怖を感じた時に」。

上の説明では、そういう強い感情を表すのに、"Mercy!" または "Mercy me!" という形で使われる、ということになりますが、フルハウスのジェシーが使っている、"Have mercy!" というニュアンスも、それらの感覚に近い「強い感情を表す言葉」になるような気がしました。

ちなみに、「フルハウス」のスピンオフシリーズが、2016年より配信開始される、というニュースもありましたね(タイトルは、「フラー・ハウス」(Fuller House)だそうです)。
そこでもやはり、ジェシーの "Have mercy!" を聞くことができるんでしょうねぇ^^
また、もうすぐこのブログで解説することになる フレンズ9-22 に、ジェシー役のジョン・ステイモスがゲスト出演します。
その少し前のタイミングで、ジェシーの口癖の、Have mercy! が出てきたのが、何だかとても楽しいな♪ と思いました。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 15:17| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、おはようございます。

>Have mercy. というセリフで思い出すのは、シットコム「フルハウス」。
>ジョン・ステイモス演じるジェシーがよく使っていたフレーズでした。

そうですね。何かといえば「メッシー、メッシー」って言ってたような気がします。(笑)

あとフルハウスで私の印象に残っているセリフはジョーイの「Cut it out.」です。
「カッリィーラゥ」・・・tが3つもあるのに全然出てこない。なんでや?

後日、語尾にあるtは「舌や唇の準備だけして、音は出さずに終わりにする。」
(「英語舌のつくり方/野中泉著」P.18)とか、フラップt(同P.61)を知ったわけですが、
当時はジョーイの個人的な癖かなと思ってました。(^^;)

では。
Posted by aki-kiyo at 2015年10月02日 10:45
aki-kiyoさんへ
コメントありがとうございます。

ジェシーの Have mercy. と、ジョーイの Cut it out. (+はさみの仕草)は、それぞれの決め台詞として有名ですよね。(フレンズにもフルハウスにも、Joey というキャラがいるのは、なんとも紛らわしいですが…笑)

Cut it out. が「カリラゥ」みたいに聞こえるのは、Check it out. のことを「チェキラ」と言ったりするのと同じ原理ですね。Let It Go のことも、こぞって「レリゴー」と言っていましたが、身近な言葉から、フラップ/t/ を意識するようになることは、とても良いことだと思います。

語尾の t の消失を真似ることで、発音がまたネイティブに近づいた感じになりますし、発音の本で発音の基礎をしっかり学んだ上で、生の英語に触れるようにしていけば、リスニングもスピーキングも上達して行ってくれるだろうと思っています。
Posted by Rach at 2015年10月03日 12:02
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。