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チャンドラーとモニカは、不妊検査のため、医院に来ています。
[Scene: doctor's waiting room]
医者の待合室。
チャンドラー: I have a weird feeling about this place. (pause) How do I know that they are not gonna secretly videotape me and put it all over the Internet? (この場所に、変な感じがするんだけど。[間があって] (医院の人たちが)密かに(こっそり)俺を録画して[隠し撮りして]、それをインターネットに載せる[上げる、公開する]ことはない、ってどうやってわかるの?[そういうことは絶対しないって断言できないじゃないか])
モニカ: Because, honey, and I mean this in the sweetest way possible, nobody's gonna wanna watch that. (だってね、ハニー、可能な限り最も優しい言い方であなたに言うと、誰もそんなの見たいとは思わないわよ。)
(a nurse walks in)
看護師が入ってくる。
看護師: Mr. Bing? (Chandler jumps up) Here you are! You'll go into that room and deposit your specimen into the container. (ビングさん? [チャンドラーは飛び上がる] ここにいるのね! あの部屋に入って、あなたの検体を容器(コンテナ)の中に置いて下さい。)
チャンドラー: Deposit my specimen? You know, usually I have to call a 900 number for that kind of talk. Thanks. Got it. (俺の検体を置く? ほら、普通、そういうトークをするには、900ナンバーに電話しないといけないだろ? [看護師にいやそうな顔をされて] ありがと。了解。)
モニカ: All right. Honey, my tests are down the hall. Are you sure you're gonna be okay? (いいわ、ハニー、私の検査は廊下の先であるわ[行なわれるわ]。あなた、ほんとに大丈夫?)
チャンドラー: Yeah, I guess! (あぁ、大丈夫だと思うよ!)
モニカ: Look, I know this is embarrassing, but nobody cares! No one here even knows you! (ねぇ、これが恥ずかしいってことはわかるわ。でも、気にする人なんかいないわ! ここには誰もあなたを知っている人すらいないのに!)
ジャニス: OH MY GOD!! (オー、マイ、ゴッド!)
チャンドラー: Oh, Come on! (あぁ、勘弁してよ!)
待合室で、チャンドラーはいらいら、そわそわしています。
「この場所について変な感情を持っている」というのは、「この場所って、何か変な感じがするんだよな」みたいなことですね。
How do I know that they are not gonna は、「彼ら(医院の関係者)が〜することはないと、どのようにして俺が知る?」→「彼らがそうしないって、どうして俺にわかる?」→「彼らがそうしないって、俺には言い切れない、断言できない。彼らはそうしちゃうかもしれない(が俺にはそれを知りようがない)」になるでしょう。
何をしないとも限らないと言っているのかが、secretly 以下で、
secretly videotape me 「俺を密かにビデオテープに録画する[隠し撮りする]」
and put it all over the Internet 「そしてそれ(撮ったビデオ)をインターネット上に出す」
になるでしょう。
videotape は「ビデオテープ」ということですが、me を目的語に取る形になっていることから、この場合は「人をビデオテープに撮る、人をビデオ撮影する」という動詞として使われていることもわかりますね。
チャンドラーは不妊検査のため、今から採取などをしないといけないわけですが、そういう行為をしているところを隠しカメラで撮られて、ネットに上げられたりしない、ってどうしてわかる? 医院がそういうことしようとしてるかもしれないじゃないか! と言っているわけですね。
それを聞いたモニカは、Because... 以下のセリフを言っていますが、「なぜならそれは」と理由を説明する部分は、nobody's 以下で、その間のセリフ、honey, and I mean this in the sweetest way possible は、その理由をはっきり言う前に、ワンクッション置いた感じの挿入文となっています。
Because, honey... 以下を訳すと、「だってね、ハニー、そして私はこのことを、可能な限り最も優しい方法で言うんだけどね」という感覚になるでしょう。
「可能な限り最も優しい方法(言い方)で言うと」というのはつまり、「どう表現しても、キツい表現になってしまいそうだけど、そこを精一杯優しく言ってあげるわね」と言っているニュアンスになります。
そんな前振りを付けて言ったその後のセリフは、nobody's gonna wanna watch that. 「誰もそれ(そんなもの)を見たいとは思わない。見たいと思うことにはならない」。
チャンドラーが、「俺のそういう秘密の行為を撮影されて、ネットに上げられたらどうしよう?」と心配しているので、モニカは、「そんなものを誰がネットに上げるもんですか。そんなの、誰が見たいっての? そんなの、見たい人がいるとでも思ってるのー?」みたいに、いつものようにキャンキャンと容赦なく言いたいのでしょうが、感情的に言うことは避け、「できる限り優しい言い方で表現してあげるわね」と言った上で、「誰もそれを見たいとは思わない」という事実だけを淡々と述べた感じになるでしょう。
言い方そのものはキツい感じではないのですが、言っている内容はそのものズバリで結構キツいよね、みたいな面白さですね。
二人がそんな話をしているところに、看護師さんが入ってきます。
看護師は、採取用のカップをチャンドラーに手渡しながら、You'll go into that room and... とこの後の指示をしています。
deposit は「〜を預ける」「〜を(…に)置く」。
specimen は「見本、標本」という意味ですが、今回の場合は、「(検査の対象となる)検体、サンプル」というところですね。
「あなたの検体を置いて(預けて)」と言われたことを受けて、「俺の検体を置け、ですか?」と繰り返した後、チャンドラーは、「そんな類のトークのためには、普通、a 900 number に電話しないといけない」みたいに言っています。
この部分、DVDの日本語訳では「ダイヤルQ2」と訳されていましたが、まさにそれと同じニュアンスですね。
「ダイヤルQ2」と言っても、若い方はご存じないかもしれませんが、「アダルト向け音声が聞けるサービスで、情報料として通常の電話料金以上の料金がかかる」という電話サービスでした。
サービスが始まったのが1989年とのことで(当時私は大学生)、そのサービスを利用した人が高額請求されたなどというニュースを当時よく耳にしたものでした。
そのアメリカ版が、チャンドラーの言っている、a 900 number ということで、以下のウィキペディアに詳しい説明があります。
Wikipedia 英語版: Premium-rate telephone number
premium rate というのは「割り増し料金」ということで、通常の通話料以外に別料金がかかる電話番号ということですね。
北米のアメリカとカナダの例として、英語版ウィキペディアでは、以下のように説明されています。
A 1-900 telephone number, in the North American Numbering Plan, has the form 1-900-###-####, and is often called a 900 number or a 1-900 number ("one-nine-hundred").
チャンドラーのセリフ通り、アメリカではこういう有料通話サービスを、a 900 number (または、a 1-900 number)と呼んでいることがこの説明でわかりますね。
そのウィキペディアには、アジア圏の例も挙がっていて、日本のところには以下の説明がありました。
In Japan, premium rate telephone number service is known as "DIAL Q2" and begin with the prefix 0990 followed by six digits.
やはり、アメリカの 900 number は、日本で言うところの「ダイヤルQ2」であることがここからもよくわかりますね。
看護師さんは、不妊検査の説明として、通常通りの説明をしているだけですが、チャンドラーはそういう会話をしていることが恥ずかしいのでしょうね、どうしてもジョークに逃げたくなって、「あなたの検体を預けて」みたいな会話って、アダルト有料電話での会話みたいですね、などと言ってしまったわけです。
相手の看護師さんは、年配のベテランという感じで、チャンドラーのそのジョークにニコリともせず、真顔でチャンドラーを見つめています。
それでチャンドラーは、それ以上、おふざけを言うのはやめて、「ありがと。了解(わかった)」と小さな声で言うことになります。
モニカはチャンドラーに、「私の検査は down the hall である(行われる)」と言っています。
down の基本的な意味は、「下へ、低い方へ」という意味で、方位で言うと「南へ」になります。
この場合は、厳密な方位を言っているのではなくて、「(今いるここから)離れて、離れたところへ」「ここから離れて、向こうに行った先」という感覚になります。
ですから、down the hall は「廊下の先で(に)、廊下を行った所で(に)」ということですね。
廊下を行ったところにある部屋で私の検査は行われる、私はあなたと違う場所で検査を受ける、ということで、それで「私は一緒にいられないけど、あなた一人で大丈夫?」と尋ねているわけですね。
「大丈夫だと思う」と答えるチャンドラーに対して、モニカは励ましの言葉をかけています。
「これ(こういう検査を受けること)が恥ずかしいってことはわかるわ。でも、誰も気にしない(気にする人なんか誰もいない)! ここではあなたを知っている人すら誰もいないのよ!」ということですね。
そういう言葉を言いながら、チャンドラーの首に手を回してハグし、そして軽くキスをするのですが、そういう二人の背後から、あのおなじみの声が聞こえてきたので、観客も大爆笑、拍手と歓声も起こっています。
出てきただけでこれほど喜ばれるって、ジャニスは本当に「おいしいキャラ」ですね。
シーズン8では、フレンズ8-23, 8-24 (エマの出産のためにレイチェルが入院した時)に出てきましたので、ほぼ1年ぶりの登場となります。
「ここには誰も知ってる人なんかいないんだから」とモニカが励ました矢先、「誰よりも会いたくない人に会ってしまった」チャンドラーの衝撃いかばかりか、という面白さなわけですね。
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2015年10月09日
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