ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。


マッサージのチェーン店の無料招待券をもらったレイチェルは、そのマッサージ店に行こうと思っていたのですが、チェーン店を嫌っているフィービーに、券を破られてしまいます。
ビリビリに破られた券をテープで貼っ付けて、チェーン店のサービスを受けに来たレイチェルですが、その店を嫌っていたはずのフィービーが「お給料が良いから」という理由でそこで働いていました。
チェーン店をけなしてしまった手前、レイチェルに見つかったらやばいと思ったフィービーは、レイチェルがマッサージ台で下を向いているのをいいことに、謎のスウェーデン人のふりをしてごまかすのですが、台の穴から見えた靴が、フィービーが自慢していた新品の靴だったので、レイチェルはそれがフィービーだと気付きます。
様々な会話をふっかけて、フィービーであることを白状させようとしたのですが、なかなか自白しないフィービーに、レイチェルは顔を上げて、フィービーの名前を叫びます。
レイチェル: (now lifts her head) Phoebe!! ([そこで、自分の頭を上げて] フィービー!)
フィービー: You know it's me? (私だって知ってたの?)
レイチェル: Well, for like a half an hour! Man, you can lie about Sweden! (えぇ、半時間(30分)くらいね。なんてこと、スウェーデン人のふりなんかできるのね!)
フィービー: How, how can you come here? (どうやって(どのようにして)ここに来られたの?)
レイチェル: How could you not tell me you worked here? (あなたがここで働いていることを私に言わなかったなんて、どうしてそんなことができたの?[言わなかったなんて信じられない])
フィービー: I don't have to tell you everything! (全てをあなたに話す必要はないわ。)
レイチェル: Yes, you do, if you're gonna make me feel guilty for getting a free massage! (いいえ、あなたは話す必要があるわ、あなたが無料のマッサージをしてもらうことで私に罪悪感を持つように仕向けているのならね。)
フィービー: Tip's not included. (チップは含まれていないわよ[チップは別途必要よ]。)
レイチェル: Oh! Phoebe, why did you lie to me about working here? (もう! フィービー、ここで働いていることについて、なぜ私に嘘をついたの?)
フィービー: Because I was ashamed, okay? I sold out for the cash! And then they give me benefits, like medical and dental and a four-oh-wunk (401K). But, you know, you pay a price. Now I'm this corporate stooge and punching a clock and Ugh! Paying taxes! (だって恥ずかしかったんだもん、でしょ? 私はお金(現金)のために自分を売ったの! それからここは手当をくれるのよ、医療とか歯科とか 401K とか。でも、ほら、代価(代償)を払うの。今や私は、こんな企業の手先となり、タイムレコーダーを押して[タイムカードに打刻して]、それから、あー! 税金を払ってる!)
レイチェルが顔を上げて、「フィービー!」と名前を呼ぶので、スウェーデン人のふりをしてうまく騙せていたと思っていたフィービーは、You know it's me? 「私だってわかってたの? 知ってるの?」と驚きの声を上げています。
「半時間ほどね」と言った後、you can lie about Sweden! と言っていますが、直訳すると、「あなたはスウェーデンについて嘘をつける」になりますね。
化けの皮をはがそうとしたレイチェルに、スウェーデンのことをあれこれ質問されたフィービーは、適当なことを答え、でたらめな国歌まで歌っていました。
それを見ている観客や視聴者は、その嘘のクオリティーの低さに笑ってしまうわけですが、レイチェルは、その質の悪さに気づくこともなく、「フィービー、あなた、なかなか、スウェーデンの嘘、うまいじゃない」と言った面白さになるわけですね。
how can you come here? を直訳すると、「どのようにして、あなたはここに来られたの?」ですね。
Why did you come here? 「どうしてここに来たの?」という理由を尋ねているのではなくて、フィービーがここの無料サービス券をビリビリに破ったにもかかわらず、どうして来ることができたのか? を問うていることになるでしょう。
レイチェルはそれには答えず、逆に、How could you not tell me you worked here? と言っています。
これもくどい感じで直訳すると、「あなたがここで働いていることを私に言わない、ってことが、あなたにはどのようにして可能だったの?」というところでしょうか。
レイチェルがここのサービス券を持っていた時、自分がそこで働いていることも言わずに、フィービーが券を破ってしまったことを怒っているわけですが、「自分が働いているくせに、それを黙ってたなんてどうしてあなたにはそんなことができるの? そんなことするなんて信じられない」と言っているニュアンスになります。
「ここで働いてることを言わなかったなんて、信じられない」と言われたフィービーは、「(友達だからって)あなたに全てを(何もかも)話す必要はない」と答えます。
「人に全てを話す必要はない」というのは、場合によっては正論ですが、レイチェルはもっともな理由でフィービーを非難しています。
Yes, you do は、Yes, you have to tell me ということで、「あなたに話す必要はない」という発言に反論して、「いいえ、あなたは私に話さないといけないわ」と言っていることになります。
その後、if という条件付けをして、「もしあなたが、無料のマッサージを受けることで私が罪悪感を持つ(覚える)ようにしているのであれば」と言っています。
確かに、何でもかんでも話す必要はないのかもしれない、でもあなたは、チェーン店のサービス券で、無料のマッサージを受けようとした私を非難して、罪の意識を感じさせたんだから、それでそこの店で働いていることを黙ってるなんて、最低よ! と言っていることになるのですね。
get a free massage 「無料のマッサージを受ける」という表現を使ったレイチェルに対して、Tip's not included. 「チップは含まれていないわよ」と答えるのも面白いですね。
無料と言ったって、サービスを施した私に対して、別途チップは払ってもらう必要があるんだけど、みたいに言っていることになり、怒っているレイチェルに対して、そんなしれっとした返しをするところがフィービーらしいとも言えるでしょう。
why did you lie to me about working here? は「ここで働いていることについてなぜあなたは私に嘘をついたの?」ということで、シンプルに嘘をついた理由を尋ねる文ですね。
理由を聞かれたフィービーは、定番通り、Because... を使って、「だって私は恥ずかしかったから」と答えます。
I sold out for the cash! について。
sell out は「商品などを売り切る、売り尽くす」という意味で使われることが多く、be sold out 「売り切れた(売り切られた、売り尽くされた)」という意味の Sold out. 「ソールドアウト」は、もう日本語になっていますね。
目的語を取って、「(金などのために)(人)を売る」という意味にもなりますし、自動詞的に「身売りする」という意味にもなります。
今回は「私は金のために自分を身売りした」という感覚ですね。
売り切れる方の sell out の out は、out of fuel 「燃料切れ」の out の感覚で、「ものが不足して、なくなって」というニュアンスになるでしょう。
「人を売る、(自分を)身売りする」方の sell out の out は「外に差し出す」という感覚になるのでしょうね。
その後、「彼ら(雇ってくれるこの店・会社)は、私に benefits をくれる」とも言っています。
benefit はまず「利益」という意味で習いますが、ここでは、「(社会保障制度の)手当、給付」のことですね。
その後、like medical and dental 「医療とか歯科とか」のような言葉が続いていることからも、医療給付的なものを言っていることがわかります。
そしてその次のセリフですが、その部分、ネットスクリプトでは、and a 401K. そして DVD字幕では、a four-oh-wunk. と表示されています。
実際のフィービーの発音も、「ア・フォー・オゥ・ワンク」という感じですね。
フィービーがそのように発音したのを聞いて、レイチェルは、「ん?」という顔をして、観客のラフトラック(笑い声)もかなり起こっているのですが、これは、401k のことをよく知らないフィービーが、正確には、four-oh-one-K [kei] と発音する(LAAD で確認済み)ところを、4-0-wunk のように、1k を wunk という単語だと思って発音している、という面白さなのかなぁ、と思いました。
401k というのは、アメリカの企業年金制度(確定拠出年金)のことで、日本でも2001年に同様の制度が開始した際には、「日本版401k」という表現もよく耳にしました。
LAAD の説明では、
401K : a way of saving money for your retirement that is handled through the company where you work
つまり、「自分が働く会社を介して取り扱われる、退職のためにお金を貯蓄する方法」。
フィービーは、「手当もくれるし、年金も、、」と言いたいわけですが、正確な用語を知らずに発音を間違えているので、レイチェルは「ん?」となっているし、観客も笑っている、ということですね。
you pay a price の pay a price は文字通り「代価を払う」ということで、この場合は「何かを得ることに対して代償を支払っている」「得たものがある分だけ、犠牲も払っている」という感覚になるでしょう。
you pay a price. は主語が you になっていますが、これは、「自分の体験を語る時に you を使う」というものですね。
「会社は手当や年金をくれるけど、その分、代償を払うことにもなる」という「自分の体験」を、you know, you pay a price. 「ほらね、わかるでしょ、代償を払うことになっちゃうのよ」と相手にイメージさせる、という効果ですね。
Now I'm this... 「今や私はこんな〜になって」という表現で、自分がこんな者に成り下がってしまった、的な話を続けています。
stooge は「手先、傀儡(かいらい)」という意味。
ですから、corporate stooge は「企業の手先」ということですね。
LAAD では、
stooge : (disapproving, informal) someone who is used by someone else to do something unpleasant, dishonest, or illegal
つまり、「(非難の言葉、インフォーマル) 不快な、不正な、不法なことを行う誰か他の人によって使われる人」。
disapproving とあるように、非難のニュアンスのある言葉、すなわち悪口ですから、まさに日本語の「手先」という言葉に通じるものがありますね。
punch a clock は「タイムレコーダーを押す、タイムカードに打刻する」という意味。
LAAD では、
punch the clock : (informal) to record the time that you start or finish work by putting a card into a special machine
つまり、「特別な機械にカードを入れることで、仕事を始める時間、または仕事を終わる時間を記録すること」。
出社時、退社時にタイムカードに時刻を打つ(打刻する)ということで、フィービーとしては、そういう行為がいかにも「いち従業員として、会社に雇われている」というイメージを強くするのでしょう。
その後、Ugh! と嫌そうな声を上げてから、Paying taxes! とも言っています。
手当を貰える代わりに、税金もしっかり取られてしまう、ということで、自由人フィービーにとっては耐えられないことのようです。
これまでフリーランスで働いていたマッサージ師の仕事では、どうやら税金を払っていないらしいこともわかる、という面白さになるでしょうね。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。

