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シーズン9 第22話
The One With The Donor (求む! 精子提供者)
原題は「ドナー(提供者)の話」
[Scene: Doctor Connelly's office]
ドクター・コネリーのオフィス。
チャンドラー: (looking at the picture of the female reproductive system) Wow! Fortunately, she has a very pretty face! ([女性生殖器系の図を見ながら] わぉ! 幸運なことに、この子(子宮の中の赤ちゃん)はすごく可愛い顔してるね!)
モニカ: Oh, I still can't believe this! My uterus is an inhospitable environment? I've always tried so hard to be a good hostess! (あぁ、こんなこと、私にはまだ信じられないわ! 私の子宮が居心地悪い(もてなしの悪い)環境ですって? 私は良いホステス(もてなし上手)になろうと、ずっと一生懸命、頑張ってきたのに!)
チャンドラー: Oh, I can't believe my sperm have low motility because, let me tell you, when I was growing up, they sure seemed to be in a hurry to get places!! (あぁ、俺の精子の動きが悪いなんて信じられないよ、だって、俺が成長期の頃には、そいつら(精子)は、場所に到着しようと急いでいるように確かに見えたよ!)
ドクター・コネリー(Doctor Connelly): (entering) Hi there. ([入ってきて] やあ、こんにちは。)
チャンドラー: Hi. (こんにちは。)
モニカ: Hi. (こんにちは。)
ドクター・コネリー: I'm sorry there wasn't better news from your tests last week but I wanted to talk to you about your options. (残念ながら、先週の君たちの検査から、より良い知らせ(情報)はなかった。でも、君たちの選択肢について、君たちに話したいと思ったのでね。)
モニカ: Okay. (はい。)
ドクター・コネリー: Well, first of all, even though your chances of conceiving through natural means aren't great, you never know, so keep having sex on a regular basis. (あぁ、まず最初に、自然な方法を通じて妊娠する可能性はあまりないとしても、どうなるかはわからないからね、だから、定期的に性交渉は続けるように。)
チャンドラー: Oh, DAMN IT! (あぁ、くそっ!(なんてこった!))
(Dr. Connelly glares at Chandler)
ドクター・コネリーはチャンドラーをにらむ。
モニカ: Don't worry. After a while, you'll tune it out. (ご心配なく。しばらくすれば、気に留めなくなりますよ。)
医院のオフィスで先生が来るのを待っている間、チャンドラーは壁に貼ってある女性生殖器の仕組みが書かれた図を見て、子宮の中で丸まっている胎児を手で指しながら、「幸運なことに、この子はすごく可愛い顔してるね。この子はすごく可愛い顔をしててラッキーだね」みたいなことを言っています。
図をまじまじ見ていて、述べた意見がそれ? みたいな面白さになるでしょう。
モニカは、「このことが、まだ私には信じられないわ。私の子宮がもてなしの悪い(居心地の悪い)環境ですって?」と言った後、I've always tried so hard to be a good hostess! と続けます。
hostess は「ホステス、女主人」のことですが、これは「客をもてなす女主人」というニュアンスですね。
モニカは、パーティーを開き、プロのシェフとしておいしい料理をふるまうなど、客をもてなすのが好きな女性なので、「うちに来て喜んでもらえるような、もてなし上手な女主人になるように、これまでものすごく頑張ってきたのに、そんな私の子宮が”もてなし下手、居心地悪い”って言われちゃうなんて、、」とがっかりしていることになります。
チャンドラーも自分の診断結果を信じられないと思っているようで、「俺も精子の運動性が悪いなんて信じられない」と言った後、because 以下でその理由を述べています。
let me tell you は「俺に言わせてくれ」ということですから、「ちょっとこれだけは言わせて、これだけは聞いて」みたいな挿入句ですね。
they sure seemed to be in a hurry to get places. は、they = my sperm で、get places は「場所に到達する」ですから、「俺が成長していた頃には(俺の成長期には)、俺の精子は場所に到達しようと急いでいるように確かに見えた」と言っていることになるでしょう。
DVDの日本語音声(吹替)では、「成長期の頃は、あいつら、競い合って飛び出してきた、っていうのにさぁ」と訳されていましたが、まさにそういうことでしょうね。
そんな話をしているところに、担当医のドクター・コネリーが入ってきます。
I'm sorry there wasn't better news from your tests last week を直訳すると、「残念ながら、先週の君たちの検査から、より良い知らせ(情報)はなかった」になるでしょうか。
better という比較級が使われているのは、恐らく、前回のエピソードの終わりでコネリーが電話連絡をした結果よりも良い結果がその後出た、ということはなかった、という意味だろうと思います。
こうやってわざわざ来てもらったけれど、この前伝えた結果よりも何か良い結果が新たに出たわけではないんだけれどね、と言っている感覚になるでしょう。
そう言った後、「でも君たちの選択肢について君たちに話をしたかったんだ」と続けます。
「残念ながら、こないだ伝えたよりも何かより良い結果が出たわけではないけれど、その結果を踏まえて、今後の選択肢について君たちに話しておきたいと思ったから君たちを呼んだ」のように、今回の話し合いのテーマを言っていることになるでしょう。
first of all... 以下のセリフは少し長めですが、大きな流れを言うと、even though SV, you never know, so keep doing... という構造になりますね。
you never know は「決してわからない」ということですから、「先のことは誰にも分からない、何とも言えない、どうなるかわからない」という意味。
ですから、「例え〜だとしても、どうなるかはわからない、だから…を続けなさい」と言っていることになります。
それぞれの項目を細かく見ていくと、means は「手段、方法」なので、through natural means は「自然な方法を通じて」、conceive は「思う、考える」と訳されることが多いですが、この場合は「子供を宿す、妊娠する」という意味。
ですから、your chances of conceiving through natural means aren't great は、「自然な方法で子供ができる可能性は大きくはない」→「可能性は少ない」と言っていることになります。
検査結果は、自然妊娠の可能性は少ないと出たけれど、と言った上で、「でも先のことは誰にもわからないからね。それが絶対とは言えないからね」という意味で you never know を挿入して、「だから、on a regular basis (定期的なベースで、定期的に)、性交渉を続けなさい」とアドバイスしていることになります。
自然妊娠の可能性が低いとわかった夫婦に対して、「無理と決まったわけじゃないから、これまで通り、行為は続けていいよ」と言ってあげた感じですが、それに対してチャンドラーは、少し大きな声で、Oh, DAMN IT! と言っています。
Damn it! は「くそっ!」と悔しがる、残念がる時に発する言葉ですから、文字通りの意味だと、「性交渉を続けていい」と言われたことに対して、「せっかくやめられると思ったのに、まだ続けないといけないの?」みたいに、モニカとそういう行為をすることをいやがっているかのように言っているセリフとなります。
それを言った後、チャンドラーは少しニヤっと笑っている(俺、今、面白いこと言ったよね、というような顔をしている)ので、それが本心ではなく冗談であることもわかるのですが、先生としては気落ちしているだろう二人に希望を持たせる発言をしたのに、そんな風にいきなりジョークで返されたので、無言でチャンドラーをにらんでいます。
その後、夫の発言に動じる様子もなく、Don't worry. After a while, you'll tune it out. と言っているのも、こういうことに慣れているモニカらしいですね。
you'll tune it out の部分、ネットスクリプトでは、he'll tune it out となっていましたが、正しくは you'll tune it out のように主語が you となります(DVD字幕では you'll となっていますし、実際の音声も you'll と発音されています)。
「ご心配なく。しばらくすれば[経てば]、あなたは tune it out するでしょう[しますよ]」と言っていることになりますが、tune out は、研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
tune out 《【他】+【副】》
(1) 〈雑音などを〉(ダイヤルを調整して)聞こえなくする
(2) 《米俗》〈…に〉関心を示さなくなる、〈…を〉無視する
動詞の tune は「調子を合わせる」「周波数を合わせる」という意味ですから、「out になるように合わせる」ということから、上の語義にあるように「ダイヤルを調節して聞こえなくする」という意味になり、そこから「対象となるものを(自分で調節して)聞こえなくする」→「〜に関心を示さなくなる、〜を無視する」という意味としても使われるわけですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tune out [phrasal verb] (informal) : to ignore or stop listening to someone or something
tune somebody/something ⇔ out
例) Liz didn't like what we were talking about, so she tuned us out.
つまり、「誰かや何かを無視する、または聞くのをやめる」。例文は、「リズは我々の話していること(内容・話題)が好きではなかったので、我々を無視した」。
Macmillan Dictionary では、
tune out [phrasal verb] (informal) : to stop paying attention
例) I just tune out and let Chrissie take over.
つまり、「注意を払う[気に留める]ことをやめること」。例文は、「私はただ気に留めず、クリッシーに引き継ぎさせた[任せた]」。
チャンドラーのこのジョークを聞いて、最初はいちいち反応してしまいたくなるかもしれませんが、こういうことが続くうちに、ジョークにいちいち関心を示さなくなりますよ、無視できるようになりますよ、気に留めなく(気にならなく)なりますよ、と言っているわけですね。
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2015年10月19日
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