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男性陣3人だけがセントラルパークにいるシーン。
チャンドラー: (sitting down on the couch) Ok. ([カウチに座りながら] よし。)
ジョーイ: All right. So how did it go at the fertility clinic? (よし。それで、不妊治療クリニックではどうだった?)
チャンドラー: Not as much fun as last time. Apparently, you only get porn if you're giving a sperm sample. (こないだほどには楽しくなかったよ。どうやら、精子サンプルを提供する場合のみ、ポルノが見られるようなんだよね。)
ロス: So-so what did the doctor say? (で、それで、医者は何て言ってたの?)
チャンドラー: Well, there's surrogacy, but Monica's dreamt her whole life of carrying a child, and she just felt that watching a surrogate would be... too hard for her. (うーん、代理母(っていう選択肢)があるんだけど、でも、モニカは(人生)ずっと、子供を身ごもることを夢見てきたから、代理母を見ていることはその…自分にとってあまりにも辛すぎるだろうってモニカは感じたんだ。)
ジョーイ: So you're ruling out surrogacy? (じゃあ、surrogacy(代理母)は除外するんだな?)
チャンドラー: Yeah. (あぁ。)
ジョーイ: So I don't have to learn what that means? (それじゃあ、それ(その言葉)がどんな意味かを俺は知る[学ぶ]必要はないな?)
チャンドラー: Aside from adoption, the only other choice is insemination, so... we're talking about sperm donors. (養子は別として、他の唯一の選択肢は(人工)授精なんだ。それで…俺たちは、精子提供者について話し合ってるんだよ。)
ジョーイ: Enough said. I'm there for you, man. Where is she, upstairs? (十分わかった。お前らのために俺はいるんだぞ。彼女はどこだ? 上の階か?)
チャンドラー: (stopping Joey) ah-ha! ([ジョーイを止めながら] ちょっと!)
ロス: How do you feel about all this? (この件に関してはどんな気持ちなの?)
チャンドラー: I wish there was an easier way for us to have a child, but I don't think there is one. (俺たちが子供を持つ、もっと簡単が方法があればいいのに、って思うよ。でも、(そういうものは)1つもないだろうって思うんだ。)
ジョーイ: Come on, Ross, be a good guy. Step up and do it! (おい、ロス、いい男になれよ! 一段階進んで、行動を起こせ!)
ロス: (puzzled) What? ([困惑した様子で] 何?)
(Joey moves close to Ross and whispers something in his ear)
ジョーイはロスに近づいて、何かを彼の耳にささやく。
ロス: (looking astonished) What? NO! I'm not gonna give them Ben! ([非常に驚いた様子で] 何だって? ダメだよ! 二人にベンはあげないよ!)
So how did it go at the fertility clinic? は、「不妊治療クリニックでは、どうだった?」と、クリニックでの様子を尋ねる感覚ですね。
how did it go at...? を直訳すると、「(その場所)では、状況はどのように進んだか?」と言っていることになりますので、そこでどのようなことが起こったかを尋ねる質問になるわけです。
俳優であるジョーイに対して、"How did the audition go?" 「オーディションはどうだった?」と尋ねるセリフもよくありますが、そのバリエーションということになります。
Not as much fun as last time. は、not as ... as 「同じほど〜ではない」ということですから、「こないだの(一番最近の)時と同じほどの fun (楽しみ、楽しいこと)ではなかった」、つまり、「今回は、前回ほど、楽しくなかったな」と言っていることになります。
何がどのように楽しくなかったかを、続いて説明していますが、その内容は、「どうやら、精子サンプルを提供する予定の場合のみ、ポルノがゲットできる、ということらしい」ということですね。
前回のエピソードでは(ブログ解説では飛ばしてしまったのですが)、クリニックで鉢合わせしたジャニスのセリフに以下のものがありました。
ジャニス: Oh! Sid is still in his room. I don't allow porn at home, so this is like a vacation for him. (まぁ! シド(ジャニスの夫)はまだ彼の部屋にいるわ。私は家でポルノを禁止してるから、彼にとってはこれは休暇みたいなものね。)
そのジャニスのセリフも、「彼はまだ部屋から出てこないけど、ポルノ鑑賞に夢中なんじゃないかしら。うちでは見ることができないから」と言っているわけですが、そんな風に、不妊治療クリニックに行くとポルノなどが見られたりする、ということは、こんな風にエッチ系のジョークとして使われることも多いですね。
「医者は何て言ってたの?」と聞かれたチャンドラーは、自分たち夫婦の状況を語り始めます。
「代理母(という方法)はあるんだけど」と言った後の、チャンドラーのセリフが何だかとても切ないですね。
前から順番に意味を見ていくと、Monica's dreamt her whole life of (doing) の has dreamt は、dream の現在完了形で、「彼女は、これまでの人生(の間じゅう)ずっと、〜することを夢見てきた」という「完了形の継続」の意味になります。
carry a child は「(女性が)子をはらむ、みごもる」なので、「モニカは今までずっと、子供をみごもることを夢見続けていた」ということですね。
she just felt that は「彼女はただこう(that 以下だと)感じた、思った」。
watching a surrogate の a surrogate は、a surrogate mother ということで、このように、mother をつけなくても、a surrogate という名詞形で「代理母」という意味で使うことができます。
代理母に関する名詞では、上に出てきた surrogacy もありますが、それは「代理母をする・行うということ(役割)」などの「事柄」を示す言葉であり、a surrogate は、a surrogate mother のことですから、まさに赤ちゃんをお腹に抱えている「みごもった女性」という「人」を示す言葉になります。
watch は、他の「見る」の意味である、see や look との違いとして、「動いているものを観察する」というニュアンスがありますので、watching a surrogate をくどく訳すと、「代理母(をしている女性)が動いている様子を見る・観察する」といった感覚になるでしょう。
too hard for her は「彼女(モニカ)にとって、あまりに辛すぎる」ですから、「代理母の姿を見ることは、自分にとってあまりにも辛すぎるだろうと、モニカはただ感じた」と言っていることになりますね。
自分の子供がその人のお腹にいると思えば、見ないではいられない、でも、私のお腹で育てたかった、という思いが強いので、代理母のお腹が日々大きくなっていく様子をずっと見ている(watch)のはきっと辛いだろうと今想像するだけでもわかる、と言っていることになるわけで、非常に切ないセリフになっていると思います。
So you're ruling out surrogacy? の rule out は「除外する」なので、「モニカがそう思ってるんだったら、いろいろな選択肢の中で、surrogacy っていうのは除外するんだな? 選択肢から外すつもりなんだな?」と尋ねていることになります。
そのジョーイの質問は、この話の流れからすると自然なものなのですが、その後の So I don't have to learn what that means? がここでのオチとなっています。
「それじゃあ、俺はそれ(その surrogacy という言葉)がどんな意味かを学ぶ(知る)必要はないんだな?」ということで、そのセリフから、「その言葉の意味を知らなかったんだけど、選択肢の候補から外れたんなら、これ以降の話にも出てこないだろうし、俺はその意味を知らないままでも構わないよな」と言ったことになります。
チャンドラーは選択肢の話を続けて、「養子は別にすると、(代理母の案が消えたので)他の唯一の選択肢が人工授精となる。それで俺たちは精子提供者について話し合ってるんだ」と言います。
精子提供者の話が出たところで、ジョーイはチャンドラーの話を遮るように、Enough said. と言っています。
直訳すると、「十分に言われた」ということですから、「もう何も言わなくていい。もう十分だ。よくわかった」という意味になりますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
enough said : used to say that there is no need to say any more because you understand everything
例) "Of course he got the job. His father's a Senetor." "Enough said."
つまり、「全てを理解したので、それ以上言う必要がない、ということを言うために使われる」。例文は、「もちろん彼はその仕事をゲットしたさ。彼の父親は上院議員だぜ」「よくわかった(それ以上は何も言わなくていい)」。
その後、ジョーイは、I'm there for you, man. Where is she, upstairs? と言っています。
前半を直訳すると、「俺はお前(たち)のために(そこに)いるんだぞ」というところですね。
there というのは具体的な場所を指すよりも漠然なニュアンスで、フレンズのオープニングの I'll Be There For You のように、「君のために、そっちに(君のそばに、君の近くに、君の方に、君のところに)いてあげるよ」という感覚になるでしょう。
「お前(ら)のために俺はいるんだぜ」と言った直後に、「モニカはどこだ? この上(階上)か?」と尋ねており、要は、「モニカは今、上の自分の家にいるのか?」と聞いたことになります。
そうやって、モニカの部屋に向かおうとするジョーイを、チャンドラーが止めていますね。
ジョーイは、「精子提供者が必要だってことだから、俺にそれを提供してくれ、って言いたいんだな?」と勝手に勘違いし、ジョーイは直接(笑)それを提供するために、つまり、モニカとエッチをするために、部屋に向かおうとした、ということですね。
すぐ、「そっち系」の方向に早合点してしまうところが、ジョーイらしいセリフになっていると思います。
ロスは「この件に関しては、どういう気持ちなの?」と尋ねています。
その質問に、チャンドラーは、I wish there was... というセリフで答えます。
I wish there was というのは、I wish I were a bird. 「私が鳥だったらなぁ」などで説明される典型的な仮定法過去ですね。
訳すと、「俺たちが子供を持つための、(ある)もっと簡単な方法があればいいのに」となります。
今、チャンドラーとモニカには、限られた選択肢しかなく、そのどれもが簡単な方法ではありません。
「今、医者から言われているよりも、もっと簡単な方法」は、現実には存在しないため、「現実には不可能な願望を表す」 I wish there was という仮定法が使われていることになります。
普通は、「もっと簡単な方法があればいいのに」という仮定法で表現されていれば、実際にはそんな方法はないことが十分示唆されるのですが、今回のセリフでは、その後、はっきりと「(実際には)そういう方法はないと思う」と言っています。
日本語でも、「もっと簡単な方法があればいいのに、、」という形で文章を切ると、実際にはそんな方法はないらしいことが示唆されますが、それをさらに強めるように、「そういう方法があるとは思えないんだ、そういう方法はないと思うんだ」ということを、わざわざ付け足した形になるでしょう。
本当にそんな方法があったらいいのに! と思っているけれど、実際にはない、ということを、自分自身に言い聞かせるために言ったのかもしれない、という気もしますし、また、フレンズの脚本の流れ的に言うと、この後、「それより簡単な方法なんてないよね」を受ける形で、ジョーイがロスに話を振るので、その流れをスムーズにするための一文だったのかな、という気もします。
「簡単な方法なんてない」というチャンドラーの話を聞いたジョーイは、ロスに向かって、「おい、ロス。いい男になれよ」と言った後、Step up and do it! と言っています。
step up は「ステップアップ」というカタカナのイメージがあるように、「上がる、登る」というのが基本語義で、そこから「強める、強化する」というような意味にもなります。
今回は、一段上の段階に上がって、それをしろ、という感覚かなと思いました。
今までしなかったようなことにトライしてみろ、やってみろ、みたいなことかなぁ、と。
そう言われたロスは困惑した表情で、「何のこと?」と尋ね、ジョーイはロスの耳に何やらささやいています。
ジョーイが言った内容は聞こえないのですが、その後のロスのセリフで、ジョーイが言ったことがわかる、という仕組みですね。
ロスのセリフは、「何だって? ダメだよ! 僕は(自分の息子の)ベンを彼ら(チャンドラーとモニカ)にあげたりしない!」と言っているので、ジョーイが、「お前の息子のベンを、二人にあげたら?」などと提案したことがわかるわけですね。
フレンズはコメディなので、こんなシリアスな話題でもところどころでジョークが入ってきますが、それが「深刻な話が重苦しくなりすぎるのを避ける」効果となっているんだろうなぁ、と思いました。
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2015年10月23日
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