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バルバドスで、デビッドがフィービーにプロポーズしようとしていたその時、マイクが現れ、「フィービーが聞かなければならないことがある(これから僕が言うことを、フィービーに聞いてもらいたい)」と言います。
デビッド: (annoyed) Okay. Would you care for my seat as well? ([ムッとした様子で] わかったよ。(そのうえ)僕の席も欲しい?[僕の席にも座りたい?])
マイク: Actually, yeah, that'd be great. (実は、そうだね、それはありがたい。)
デビッド: Well, that's fair, you've had a long trip. (he leaves his seat to Mike, and stands there looking for a chair. He finally goes to Monica and Chandler's table) (あぁ、それがフェアだよね。君は長い旅をしてきたところだから。[デビッドはマイクに席を譲り、椅子を探しながらそこに立っている。彼は最終的に、モニカとチャンドラーのテーブルのところに行く])
マイク: Phoebe, I love you. I mean, I've missed you so much these last few months. And I thought we were apart for a good reason, but then I suddenly realized that there was no reason good enough to keep me from spending the rest of my life with you. (フィービー、愛してる。この2、3か月、君のことがすっごく恋しかった。僕たちは十分な理由があって別れたけれど、でもその後、気づいたんだ。残りの人生を君と過ごすことができないような十分な理由なんかない、ってことに。)
(Phoebe looks very flattered)
フィービーはとても嬉しそうな顔をする。
マイク: Now, I don't actually have a ring. (今は、実は指輪は持ってないんだけど。)
デビッド: I have a ring. (僕は指輪を持ってるよ。)
チャンドラー: I wouldn't brag too much about that thing, big guy. (俺ならそんなものを、そんなに[必要以上に]自慢したりしないけどな、大物さん。)
マイク: But, Phoebe... will you marry me? (でも、フィービー… 僕と結婚してくれる?)
フィービー: (smiles at him happily for a few seconds before answering) No! ([答える前に、2、3秒、マイクに幸せそうに微笑んで] いいえ![ノーよ!])
デビッド: Uhm... Ha ha! (あー… ハハ!)
Would you care for my seat as well? の care for は「〜が欲しい、〜を欲する」という意味で、Would you care for a drink? 「お飲物はいかがですか?」の形でよく使われますね。
as well は「そのうえ、おまけに」ということですから、「そのうえ、君は僕の席も必要かな?」と言っているニュアンスになります。
デビッドはマイクに、自分がプロポーズしていたところを邪魔されて、「僕の話を先に聞いて欲しい」と言われたわけですが、マイクの要望通り、先に順番を譲ってあげることにしたので、「そのうえ」、この席に座りたいのなら、それも譲ってあげるよ、と言った感覚が、as well に出ていると思います。
マイクはその申し出を、「実は、そうしてくれると(ほんとに)ありがたい」と言って、席に座らせてもらうことになります。
恋のライバルであるマイクに順番も席も譲ったデビッドは、以前からのキャラ通り、本当にお人よしだと思うのですが、その後のセリフもまた、デビッドっぽくて面白いですね。
that's fair, you've had a long trip. は、「それ(デビッドが席に座ること)はフェア(公正)だ、君は長い旅をしてきたんだから」ということ。
NYからバルバドスまで飛んできて、今、到着したばかりの君だから、その君が立ち話をするんじゃ、公正さに欠けるよね、長旅で疲れている君が椅子に座るのがフェアだよね、と言ったことになるわけですね。
席を立ったデビッドが、隣のテーブルのチャンドラーとモニカのところに行った後、マイクは目の前のフィービーに語りかけます。
最初に I love you. という言葉を言って、自分の気持ちは以前と変わらず、今も君を愛していると告げた後、I've missed you so much these last few months. と言っています。
「この(ここ最近の、直近の)2、3ヶ月、僕は君がすごく恋しかった」と現在完了形の継続を使って、君と離れていた数か月、君のことをずっと恋しく思っていた、君がいなくてとても寂しかった、と説明しています。
その後の、And I thought... 以下のセリフは、非常に長い文章になっているのですが、これがマイクが一番言いたかったことであり、マイクがここに来ることを決心した理由でもあるので、前から順番にイメージして、解説していきたいと思います。
And I thought we were apart for a good reason の a good reason は「もっともな・十分な理由」というニュアンスですから、「僕たちは十分な理由があって別れた(離れた)と僕は思っていた」になります。
I thought (A), but then I suddenly realized that (B) という構造は、「僕は A だと思っていたけど、それから(その後)突然、僕は B だと気づいた・わかった」という意味ですね。
I thought 「僕は〜だと思っていた」という「過去形」は、「そんな風に思っていたけれど、実際には違った、違っていることが後で分かった」という流れを示唆しており、今回のマイクのセリフも、その流れ通りの展開になっていることがわかります。
何に気づいたかが、that 以下の there was で説明されていますが、前から順番に意味を取って行くと、
there was no reason =理由はなかった
good enough to =〜するのに十分な、もっともな(理由)
keep me from spending the rest of my life with you =僕が残りの人生を君と過ごさせないようにする
となります。
keep someone from doing は、「人に〜させないようにする、人が〜することを避けさせる」という意味ですね。
自然な日本語として組み立てると、「僕が残りの人生を君と過ごすことができないようにするのに十分なもっともな理由など何もなかった、ということに僕は気づいたんだ」と言っていることになります。
「正当な理由があって別れたと思っていたけど、残りの人生を君と一緒に過ごしちゃいけないなんて理由は何もない、ってことに気づいたんだ」ということで、「どうして大好きな君と離れて残りの人生を過ごさなければいけないのか、そうしなければいけない理由なんて何もないのに」とマイクは言いたいわけですね。
マイクのその言葉を聞いたフィービーは、ト書きにあるように、とても嬉しそうな顔をしています。
「今は実は(プロポーズするための)指輪を持ってないんだけど」とマイクが言うと、横でそれを聞いていたデビッドが、マイクの方に近づいて、I have a ring. 「僕は指輪を持ってるよ」と、少し得意気な様子で口を挟んでくるのが面白いですね。
それを聞いたチャンドラーは、I wouldn't brag too much about that thing, big guy. と言っています。
brag about は「〜を自慢する」で、I wouldn't は「もし僕が君の立場なら、僕なら自慢しないけど」のような仮定のニュアンスが込められています。
I wouldn't 「僕なら(そんな風には)しない」と表現することで、「そんなことしない方がいいと思うけど」と忠告してあげている感覚になるのですね。
チャンドラーがなぜ、「俺ならその指輪のことをそんなに必要以上に自慢したりしない」と言っているかと言うと、このエピソードの前半で、デビッドがチャンドラーに指輪のことを説明するシーンがあったからです。
そのシーンをここでご紹介しておくと、
デビッド: So, ehm... I'm proposing to Pheobe tonight. (Removes a ring box from his pocket and opens it to show Chandler the ring) (それで、その… 僕は今夜、フィービーにプロポーズするつもりなんだ。[ポケットから指輪の箱を取り出して、チャンドラーに指輪を見せるためにそれを開ける])
チャンドラー: Tonight?! (looks at the ring) Isn't an engagement ring supposed to have a diamond? (squints at the ring to emphasize how tiny the diamond is) (今夜?! [指輪を見る] 婚約指輪は、ダイヤモンドがついてるもんじゃなかったっけ? [そのダイヤモンドがどれほど小さいかを強調するために、その指輪を目を細めて見る])
デビッド: That's uhm... one-seventieth of a carat. And the clarity is uhm... is quite poor. (それはその… 70分の1カラット(のダイヤ)なんだ。そして透明度は…かなり悪い。)
チャンドラー: (slaps him on the shoulder) Nice! (goes to Monica) ([デビッドの肩を叩いて] ナイス! [モニカのところに行く])
小さなダイヤしかついていなくて、ダイヤの透明度も低い、という指輪であることを、デビッドはチャンドラーに恥ずかしそうに報告していましたが、自分がそんな風に言っていた指輪のことを、ここでそんなに自慢し過ぎない方がいいんじゃない? 俺ならそんな指輪なら、自慢しないけどね、と言っていることになります。
big guy という呼び掛け語は、文字通り「ビッグ・ガイ、大物、大したやつ」みたいな感じですが、これは、安い指輪しか用意できなかったことを自虐的に言っていたデビッドを、わざと反対の「大物さん」と皮肉っぽく呼んでいることになるでしょう。
「今は指輪は持ってないけど、でも…」と言ったマイクは、「フィービー、僕と結婚してくれる?(will you marry me?)」という決め台詞を言います。
ドラマや映画でよく見る場面だと、指輪を見せながら、ひざまずいて Will you marry me? というところですが、今は指輪を持っていないこともあるのでしょう、ひざまずいたりはせず、テーブルに座った状態で、まっすぐ正面のフィービーに向かって、そのセリフを言っています。
それを聞いたフィービーは、ト書きにあるように「答える前に、2、3秒マイクに微笑んで」います。
つまり、「2、3秒ほど、幸せそうな顔でマイクに微笑んだ後で、プロポーズに対して返事した」ということですが、そんな幸せそうな顔をしていたのに、口から出た答えは、No! でした。
この表情からすると、間違いなくイエスと言いそうな雰囲気だったのに、No! という意外な返事だったことにマイクは驚き、そばで聞いていたデビッドは、「ざまあみろ」と言いたい様子で、Ha ha! と得意気な顔でマイクに言っているのも面白いですね。
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