2015年11月20日

Dial it down! フレンズ9-24その3

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チャーリーと別れたことを、ジョーイはレイチェルに話します。「どうして俺はいつも間違った女の子ばっかり追いかけちゃうんだろ」というジョーイに対し、レイチェルは「いつも間違った女の子を追いかけてるわけじゃないわ」と言って、「前にジョーイは、私に告白してくれたけど、今では私もジョーイのことが好きよ」ということを伝えようとするのですが、ジョーイはなかなか気づいてくれません。
いったん部屋を出た後、レイチェルの気持ちにようやく気づいたジョーイは、、、
[Scene: Rachel's hotel room. Joey is standing at the door, facing Rachel]
ホテルのレイチェルの部屋。ジョーイはドアのところに立っている、レイチェルと向かい合って。
ジョーイ: You like me? (shuts the door) (レイチェルは俺を好きなの? [ドアを閉める])
レイチェル: (nearly whispering) Okay. Let's not make a big thing about this! ([ほとんどささやくように] いいわ。この件を大ごとにはしないようにしましょう!)
ジョーイ: (shocked) It's a huge thing! ([ショックを受けて] すっごい大ごとだよ!)
レイチェル: Okay, not working with me, Joe! Look, here's the thing. Lately, I have been having thoughts. (pauses) Musings, if you will! (ねぇ、私と話がかみ合ってないわよ、ジョーイ! あのね、こういうことなの。最近、ずっとある思いを持ってて[抱いてて]。[間があって] いうなれば「物思い」ね!)
ジョーイ: Well, for how long? (で、どのくらいの間?)
レイチェル: Oh, only like a month! (あぁ、たったの1か月くらいよ!)
ジョーイ: (outraged) A MONTH?? ([憤慨して] 1か月だって??)
レイチェル: What the... dial it down! (Joey goes to sit on the bed) Listen, okay, and maybe they're crazy thoughts, but sometimes I do. I have, I've been thinking about, you know, us! (looks at Joey, who's totally distraught) Okay, dial it up a little! (何を… 抑えて! [ジョーイはベッドに座りに行く] ねぇ、多分、おかしな考えだろうけど、でも時々、私はそんな風に思うのよ。ずっと、ほら、私たちのことを考えてばかりいるの! [ジョーイを見るが、彼は完全に困惑した様子] いいわ、もうちょっと、テンション上げて!)
ジョーイ: (stands up) Oh, you're right. Okay. I just have one question! ([立ち上がって] あぁ、レイチェルは正しいよ。わかった、ちょっと1つ質問があるんだけど!)
レイチェル: Shoot! (どうぞ!)
ジョーイ: (desperate) What the hell are you doin'??? ([絶望的な顔で] 一体、君は何やってんだよ??)

ジョーイは驚いた顔で、「レイチェルは俺のことが好きなの?」と言い、ドアを閉めます。
レイチェルはささやき声で、「この件については、a big thing (大ごと)にしないようにしましょう」と言うのですが、ジョーイは、big を huge に変えて、It's a huge thing! 「(big どころか) huge なことだよ!」のように返します。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、big の THESAURUS(シソーラス、類語)に、類語として、huge も出ており、
huge/enormous : extremely big
と説明されています。ただの big どころか、「極めて、とても、非常に」 big なことだよ、と言っていることになりますね。

not working with me の work with の基本語義は「〜と一緒に働く」ということですが、ここでは「連動する、連携する」のような意味で使われているように思います。
「そのあなたの発言は、私と連動していない」のようなことを言いたいんだろうなぁ、と。
この部分、DVDの日本語訳は、
(字幕)私の話 聞いてる?/(音声)ちゃんと、話、聞いてる?
となっていました。
レイチェルが「大ごとにするのはよしましょう」と言っているのに、ジョーイが「大ごとだよ」と言っている、レイチェルの発言を聞いていなかったかのようなジョーイのセリフを、そのように言っているわけで、「私が言っていることと、あなたの言っていることはちぐはぐで、全然かみ合ってない」と表現しているように思いました。

here's the thing は「こういうことなの」と、これからあることを説明しようとする時の前置きのフレーズ。
Lately, I have been having thoughts. Musings, if you will! について。
前半は「最近、私はずっと(ある)考えを持っている[持ち続けている]」。
後半の musings は「物思い(にふけること)」という意味。
muse という動詞が「熟考する、物思いにふける」という意味で、それに -ing をつけて名詞にしたものですね。

LAAD では、
muse : [intransitive] to think carefully about something for a long time
on/about/over
例) He mused on how different his life might have been.

つまり、「何かについて長い間、じっくり考えること」。例文は、「彼は、自分の人生がどんなに違っていたかもしれないかということについて、じっくり考えた」。

if you will は、英辞郎では以下のように出ています。
if you will=可能ならば、いうなれば
LAAD では、
if you will : (formal) used when choosing a word to describe something, which you think the person listening may not agree with, approve of, believe in etc.
例) She possessed all sorts of secret wisdom, or magic, if you will.

つまり、「聞いている人が同意したり承認したり信じたりしないかもしれないようなことを述べるために、ある言葉を選ぶ時に使われる」。例文は、「彼女はさまざまな秘められた知恵、いうなれば魔法を持っていた」。

レイチェルが、have been having という「継続を表わす現在完了進行形」を使ったので、ジョーイは「ずっとそういう思いを持ってた、ってどのくらいの期間?」という意味で、for how long? 「どのくらいの間?」と尋ねます。
レイチェルは、大ごとにはしたくない、という気持ちから、「たったの(only)1ヶ月くらいよ」と答えるのですが、それを聞いたジョーイは怒ったように、「1か月だって?」と言っていますね。
ジョーイは以前、レイチェルのことを好きになって告白したけれど振られてしまった、それなのに、「ここ1か月間、レイチェルがずっと俺のことを好きだったなんて、1か月間もそれを黙ってたなんてどういうことだよ!?」という気持ちなのでしょう。

怒っているジョーイを見て、レイチェルは、dial it down! と言っています。
この dial it down というフレーズは、手持ちの辞書には載っていないのですが、ネット上の Macmillan Dictionary の以下のページに、From our crowdsourced Open Dictionary (大勢の人から集められたオープンな辞書より)という形で、以下の語義が載っていました。
Macmillan Dictionary: dial sth down
dial sth down PHRASAL VERB or dial it down
From our crowdsourced Open Dictionary
to reduce the tension or intensity of a situation

つまり、「ある状況のテンション(緊張)や激しさを減らすこと」。

DVDの日本語訳では、
(字幕)抑えて/(音声)ちょっとー。抑えてよ!
となっていましたが、確かにそのような、相手が「うわぁ〜!」と興奮気味になっているところを「抑えて(おさえて)」と言うようなニュアンスなんだろうと思います。
レイチェルのしぐさも、両手を下に下げる動きで、まさに「抑えて」と言っている感じですね。

dial という動詞は、LAAD では以下のように出ています。
dial : to press the buttons or turn the wheel on a telephone in order to make a telephone call
つまり、「電話をかけるために、電話のボタンを押す、またはホイールを回すこと」。
turn the wheel という表現がわかりやすいと思うのですが、dial がそのように「ホイールを回す」という感覚だとすると、「down する(下げる)方向にホイールを回す」というニュアンスから、「テンションが上がっているのを抑える、下げる」という意味になるのも、何となくわかる気がしますね。

「抑えて」と言われたジョーイはベッドに座り、その後、レイチェルが自分の気持ちを話すことになります。

maybe they're crazy thoughts, but sometimes I do. は、「多分、それはおかしな(ばかげた)考えかもしれないけど、でも時々、私は考えるの(考えちゃうの)」みたいなことですね。
they は、その前に言っていた、I have been having thoughts の thoughts を指すでしょう。
私がずっと持っているその思いというのは、おかしな思い(考え)かもしれないけど、と言った上で、sometimes I do. = sometimes I have (those) thoughts. 「時々、私はそういう思いを持つの」と言っていることになるでしょう。
I do. と言った後、I have, I've been thinking... と時制を変えて言い直していますが、I do. の後、I have been thinking のように「継続を表わす現在完了進行形」を用いることで、「そういう考えを持つの。そう、そういう考えをずーっと持ち続けてきたの」とそれが長期間継続していたこと、ずっとそればかり考えていたことを表現していることになります。

thinking about, you know, us! というのは、「ずっと考えてきたのよ、ほら、私たちのことを!」という意味ですが、about us と表現するだけで、「私とあなたにまつわるいろんなことを、あれこれ想像して考えてきた」というのがよくわかる気がします。
「私とあなたのことをずっと考えてきたの。私たちがどうなるか、どうすればいいのか、どうしたいのか、などなど」みたいなことをレイチェルは言っているのですが、さっきまで大騒ぎしていたジョーイは、困惑した様子で、何を言ったらいいかわからない、という顔で黙っているので、レイチェルは今度は、両手を上に上げるしぐさで、Okay, dial it up a little! と言っています。
先ほどの、dial it down の反対語として使っていることは明白ですね。
マクミランには、dial it/sth down は載っていますが、その反対語としての dial it/sth up は出ていませんので、「抑えて」という意味で dial it down を使うことはあっても、その反対の意味で dial it up を使うことは通常はない、と言えるように思います。
「さっきは、下げて、抑えて、って言ったけど、それは撤回するわ。今はもうちょっとテンション上げて」という意味で、dial it down の反対語として、造語っぽく dial it up と言った感覚になるのでしょう。
「アップする方向に、上向きにダイヤルを回せ」ということですから、そういう意味で使っていることはイメージできますね。
DVD日本語訳でも、
(字幕)テンション 上げて/(音声)少し、テンション上げて
となっていました。

レイチェルがどんな気持ちでいたかを聞いた後、ジョーイは「わかった。それで一つ質問があるんだけど」と言っています。
Shoot! は「(じゃあ)話して! どうぞ!」という意味。
それでジョーイが何か具体的なことを質問するのかと思ったら、What the hell are you doin'??? 「一体、君は何やってんだよ?」という、質問とも言えない質問だった、というオチですね。
聞きたいことはいろいろあるんでしょうけれど、ジョーイの頭の中はまだまだ混乱していて、「俺のことを1か月も好きで、それをずっと黙ってたなんて、一体レイチェルは何やってるんだよ? 俺が昔レイチェルが好きだったことを知ってるくせに!」みたいな思いで、それしか言えなかった、ということですね。


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posted by Rach at 16:13| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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