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ロスの同僚のチャーリーは、「ジョーイと別れた」とロスに話します。
「ジョーイと私は違い過ぎる」(We're so different.)ということ以外にも、他の理由があると言ったチャーリーは、I started to realize that I was having feelings for someone... else. 「誰か他の人に対して、好きな気持ちを持っていると気づき始めた」と言うのですが、ちょうどその話をしている時に、他の教授たちがやってきます。
毎回恒例として、基調講演者はプールに投げ込まれることになっていて、基調講演者であるロスを見つけた他の教授たちは、ロスをプールに投げ込もうとします。
一緒にいるチャーリーも含め、君たち二人まとめてプールに投げ込むという手もある、と言われ、ロスはチャーリーと一緒に、その場を逃げ出しました。
その後のシーン。
[Scene: Hotel's bar. Ross is running to Charlie trying not to be seen with two cocktails in his hands. She's hidden behind a huge plant]
ホテルのバー。ロスは手に2つのカクテルを持ちながら、見つからないようにチャーリーのところに走って行く。チャーリーは大きな植物の後ろに隠れている。
チャーリー: They are still looking for us? (彼ら(他の教授たち)はまだ、私たちを探してる?)
ロス: Yeah. The bartender said that they split up into two search parties. The herbivores and the carnivores. Oh, look out. (あぁ。バーテンダーが言ってたよ、彼らは2つの捜索班に分かれた、って。草食班と肉食班だ。あぁ、気をつけて。)
(Three paleontologists walk by and Ross hugs Charlie trying not to be seen)
3人の古生物学者が近くを通りかかる。ロスはチャーリーが見えないように[見つからないように]、チャーリーをハグする。
ロス: I don't think they saw us. (僕らは見つからなかったと思うよ。)
チャーリー: I don't think they did. (私もそう思うわ。)
(They realize that they are hugging closely and he draws back)
自分たちが接近してハグしていることに気づき、ロスは後ろに下がる。
チャーリー: Hum, so, I started to tell you something earlier, hum... (pause) There was another reason that I realized it was time to end it with Joey. I kind of realized I... was starting to have feelings... for someone else. (あの、それでさっき私はあることを言いかけたんだけど… [間があって] ジョーイとの関係を終わりにする時だと気づいたのには、もう一つ理由があったの。気づいたっていうか… 私が(特別な)気持ちを持ち始めてるってことに… (ジョーイではない)他の誰かに対して。)
ロス: (apparently unruffled) Oh. Can I... can I ask who? ([一見、涼しい顔をして] あぁ。それが誰か尋ねてもいい?)
チャーリー: I think you know. (あなたはわかってると思うけど。)
ロス: I think I know too, but I've been really wrong about this stuff in the past, so.... (僕もわかってると思うけど、でも、過去にこういうことについてはよく間違えてきたから、だから…)
(Charlie kisses Ross, they stop for a moment and then he kisses her back)
チャーリーはロスにキスをする。二人はしばらく止まって(固まって)から、彼は彼女にキスを返す。
ロス: I'm sorry, we... we can't. (ごめん。僕たちは(こんなこと)できない。)
チャーリー: All right. All right. (そうね。わかった。)
ロス: I mean, you just went out with my best friend, you know? I just think it'd be a really, really bad idea. (pause) Or-or not! I mean-- (they kiss passionately) (つまり、君は僕の親友と付き合っていたばかりだろ? そういうことはほんとにほんとにいけない考えだと思うんだ。[間があって] もしくは、もしくは、そんなことない![いけない、ってことはない!] つまり… [二人は情熱的にキスする])
(Joey walks in and sees Ross and Charlie kissing. He gives a faint, rueful smile, then he seems to recollect something and suddenly he moves back to Rachel's room. He knocks on her door and she opens)
ジョーイが歩いてやってきて、ロスとチャーリーがキスしているのを見る。ジョーイはかすかな、悲しそうな微笑みを浮かべ、それから、何かを思い出した様子で、突然、レイチェルの部屋に戻る。ジョーイがレイチェルの部屋のドアをノックすると、レイチェルがドアを開ける。
レイチェル: What? (何?)
(Joey says nothing, but enters the room and kisses her. They are kissing passionately only to stop for a brief "oh" from Rachel. They continue their passionate kiss and Joey closes the door with his foot and it shuts in the camera's "face". And that's the end of the ninth season.)
ジョーイは何も言わずに部屋に入り、レイチェルにキスする。二人が情熱的なキスをした後、いったんキスをやめて、レイチェルが一言 oh と言うが、また情熱的なキスを続け、ジョーイが足でドアを閉め、カメラの目の前でドアは閉まる。そしてそれが第9シーズンの終わりとなる。
私たちを追いかけている教授たちは、まだ私たちを探しているかしら? とチャーリーが尋ねると、ロスは、「彼らは2つの捜索班に分かれた、ってバーテンダーが言ってた」と答えます。
split up into two search parties は「(集団が)2つの捜索グループに分かれた」ということで、日本語の「二手に分かれる」という感覚ですね。
The herbivores and the carnivores. について。
herbivore は「草食動物」、carnivore は「肉食動物」という意味。
自分たちを追いかけている教授はみんな古生物学者たちで、ロスと同じように恐竜を研究している学者たち、という設定なのでしょう。
それで二手に分かれる場合にも、研究対象の違いで分かれることになり、1班は草食恐竜を研究しているグループ、もう1班は肉食恐竜を研究しているグループとなった、というような、恐竜に絡めたオチになっている、ということですね。
herbivore や carnivore という単語そのものは日頃見かけないかもしれませんが、まずは一つ目の herbivore については、herb は「ハーブ、草」なので、何となくピンと来た方もいたかもしれません。
carnivore の方も、carnival 「カーニバル、謝肉祭」を連想させますが、carne というのがイタリア語で「肉」(meat)という意味なんだそうです。
こちらも、カーニバル(謝肉祭)の語源を知っていた方なら、「肉」に関する言葉だとわかったかもしれませんね。
恐竜の研究をしているロスが、「草」「肉」関係の単語を言っていれば、「草食恐竜」「肉食恐竜」のことかな、という連想も働くように思うので、この単語そのものズバリを知っていなくても、音の感じでわかることも可能なセリフだったと言える気がします。
その教授たちが近くを通りかかったので、ロスは見つからないように、チャーリーを引き寄せます。
I don't think they saw us. を直訳すると、「彼らが僕たちを見たとは、僕は思わない」ですから、つまりは、「僕らは彼らに見つからなかったと思う」と言っていることになります。
チャーリーもそれに同意した後、二人はお互いが密着していたことに気づき、少し離れて、気まずさから逃れるようにカクテルを飲みます。
チャーリーは、先ほど言いかけた話の続きとして、「少し前に私はあなたにあることを言おうとしていた」と言った後、「ジョーイとのこと(関係)を終わらせる時だと私が気づいた、もう一つ(別の)理由があった」と言って、I kind of realized... のセリフを言っています。
kind of は「〜のような、〜みたいな、〜っていうか」のように、言葉の断定を避けるニュアンスですね。
「私は他の誰かに対して(特別な)気持ちを持ち始めていた、っていうことに気づいた、っていうか、、」みたいなニュアンスになります。
ト書きの apparently unruffled について。
apparently は「どうやら」という訳語で訳されることが多いですが、ここでは「一見したところ・見たところ(では)」という感覚が近いですね。
ruffle は「くしゃくしゃにする」という他動詞で、「人(の心など)をかき乱す、いら立たせる」という意味にもなります。
ですから、unruffled は「かき乱されないで」という意味となり、すなわち、「落ち着いて、平穏で、冷静で、涼しい顔で」というような意味になるのですね。
「ジョーイとは違う、別の誰かを好きになり始めてる」と言いながら、チャーリーはロスを見つめているので、ロスもそれが自分のことだとはわかっているわけですが、そこで素直に嬉しそうな顔をしたり、照れたりするのではなく、一見、平静を装って、「それって誰のことか、尋ねてもいいかな?」と、「他の誰かが今の時点ではわからない」ような様子を見せている、他人事のようにその言葉を聞いているふりをしているわけですね。
そんな風に言われたチャーリーは、ダイレクトにそれがロスであるとは言わず、I think you know. 「あなたはわかっている(それが誰のことか知っている)と私は思う(けど)」のように言っています。
「あなただって、わかってるくせに(私の口からはっきり言わせたいの?)」みたいな気持ちですね。
そう言われたロスは、「僕もわかってると思うけど」と言った後、but I've been really wrong about this stuff in the past, so.... と続けます。
wrong about は「〜について間違う・誤解する」なので、「僕は過去に、こういうことについてよく誤解してきたから」と言っていることになります。
「僕に気があるのかと期待したら、別の男が好きだった」みたいな経験をしたことある、という話で、「僕は初対面でチャーリーが好きになったのに、チャーリーは僕ではなく、ジョーイを選んだ」ということも、このセリフと繋がっている感じですね。
「多分、チャーリーは僕のことを言ってくれてるんだと思うけど、いつもみたいに僕が誤解してるだけだと困るんで、、」みたいにロスが言ったことになるので、チャーリーは、自分からロスにキスすることで、その答えを教えます。
チャーリーにキスされた後、少しの間があり、ロスもチャーリーにキスを返すのですが、ロスは「ごめん。僕らはこんなことできない(こんなこと、しちゃいけない)」と言います。
you just went out with my best friend は、「君はちょっと前まで、僕の親友と付き合っていた(ばかり)」という感覚ですね。
僕の親友と付き合って、さっき別れたばかりなのに、その直後に僕たちがそういう関係に進もうとするのは、悪い考えだ、いけないことだ、とロスは諭すように言います。
ですが、その後、しばらくの間があった後、やはり拒みきれなかった様子で、or not! と言っています。
or not は、その前の「(二人が付き合おうとすることは)悪い考えだ」に続く言葉として、「もしくは、悪い考えじゃない」と、前言撤回していることになりますね。
そう言って、今度はロスの方から、情熱的なキスをします。
その直後にジョーイがそこに歩いてきて、ロスとチャーリーのキスを目撃することになります。
それ以降は、ほとんどト書きでの説明になりますが、その中にも、勉強になる表現がたくさん含まれていますので、いくつか注目してみたいと思います。
a rueful smile は「悲しげな微笑み」、recollect は「思い出す、回想する」ですね。
別れたばかりの元カノが、他の男性と、それも自分の親友であり、彼女にお似合いだろうとジョーイ自身も思っているロスと、キスしているところを見ると、やはり、「悲しげな微笑み」を浮かべることになってしまうでしょうね。
そんな二人の姿を見て、「何かを思い出し」、突然、レイチェルの部屋に戻る、とありますが、先ほどのレイチェルとの話の中で、「レイチェルの元彼のロスに対して、こんなことはできない」と言ったけれど、そのロスが自分の元カノとキスしているのを見て、ジョーイの中で何かが吹っ切れた、という描写ですね。
その後、ト書きにあるように、ジョーイはレイチェルの部屋を訪れ、ドアを開けたレイチェルに何も言わずキスをします。
ドアが閉まるシーンのト書きでは、it shuts in the camera's "face" の表現が面白いですね。
in someone's face は「(人の)面前(めんぜん)で」という意味で、it shuts in his face であれば、「彼の面前でドアが閉まる」という意味になりますが、この場合は、閉まるドアの前にいるのは人ではなくて、シーンを映しているカメラなので、「そのカメラの面前でドアが閉まって、中の様子がわからなくなる」というのを、in the camera's "face" 「カメラの”面前”で」と擬人っぽく表現しているわけですね。
ジョーイがレイチェルにキスして、カメラの面前でドアが閉まってしまう、、というのが、ト書きに書かれている通り、「第9シーズンの終わり」となります。
各シーズンの終わりには、「次はどうなるんだろう〜?」とハラハラしてしまう「クリフハンガー」状態で「来シーズンに続く、、」となることが多いですが、今回のものも、ものすごく次が気になってしまいますよね。
、、ということで、今回の記事でシーズン9は終了し、次回から、シーズン10に入ります。
フレンズは次のシーズン10で終了しますので、シーズン10がファイナル・シーズンとなります。
幸せな気持ちで、ファイナルのシーズン10に入ることができることを、とても嬉しく思っております。
ここまで続けて来られたのも、読んで下さり、応援して下さる読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
シーズン9までお読み下さり、ありがとうございました。
次回から入るシーズン10は、全部で18話あります。残り18話も、全力で頑張りますので、引き続きシーズン10でも、どうかよろしくお願いいたします(^^)
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2015年11月30日
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