2015年12月16日

Chill! 冷静になれ! フレンズ10-2その1

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シーズン10 第2話
The One Where Ross Is Fine (ダブルデートは楽しい!?)
原題は「ロスが大丈夫な話」


前のエピソードの続きからです。
ジョーイとレイチェルがキスしているところに、ロスがエマを連れて入って来たので、ロスは二人のキスを目撃してしまいます。
ジョーイ: Okay, Ross. I realize that you didn't expect to walk in and see that, but.... Let me explain, okay? (オッケー、ロス。入ってきて、そういうのを見るって思ってなかっただろうってわかるけど… 説明させてくれる?)
レイチェル: We weren't doing anything! (私たち、何もしてなかったわ!)
ジョーイ: Rach, he just saw us. (レイチェル、彼は俺たちを見たんだぞ。)
レイチェル: Shhh. (シー。)
ジョーイ: But what you saw, that is the extent of it, okay? One kiss. (でもロスが見たのは、あれがその範囲・限界なんだ[あれ以上のことは何もしていない]。1回のキスだけだ。)
レイチェル: No, come on, that is a lie! We also kissed in Barbados. (いいえ、ちょっと、それは嘘よ! 私たちはバルバドスでもキスしたわ。)
ジョーイ (to Rachel): Dude, chill! (to Ross) Okay, we also kissed in Barbados, but we didn't plan it, okay? And the only reason that that happened was because I saw you kissing Charlie. ([レイチェルに] おい、落ち着けよ[冷静になれよ]! [ロスに] わかった、俺たちはバルバドスでもキスした。でも、そんなつもりじゃなかったんだよ、な? それで、それが起こった唯一の理由は、ロスがチャーリーとキスしてるところを俺が見たからなんだ。)
レイチェル: Yeah, you started it! I have got to chill. (そうよ、あなたが始めたのよ![きっかけはあなたよ!] 私、落ち着かないといけないわね。)
ジョーイ: Look, we probably should have talked to you about this before it ever happened. But.... (なぁ、多分俺たち、こういうことが起こる前に、このことをお前に話しておくべきだったのに。でも…)
レイチェル: Oh, we feel so terrible about this, Ross. (あぁ、私たち、この件については本当に申し訳なく思ってるわ、ロス。)
ジョーイ: Yeah. But it did happen. So.... (そうだよ。でも起こっちゃったんだ。だから…)
(Ross looks shocked and says nothing.)
ロスはショックを受けた様子で、何も言わない。
ジョーイ: Ross? (ロス?)
レイチェル: Ross? (to Joey) Can we just close the door? (ロス? [ジョーイに] ただドアを閉めちゃうってこと、可能?)

キスしているところをロスに目撃されてしまったので、ジョーイはロスに説明しようとしています。
I realize that you didn't expect to walk in and see that, but... は、「ロスが入ってきて、今のようなことを見るって予期してなかった、って俺にはわかるけど」ということで、「予期せぬものを見て、きっと驚いてるだろうと思うけど(俺から説明させて欲しい)」というニュアンスですね。

「俺から説明させて」とジョーイが言った直後に、横にいたレイチェルが、「私たち、何もしてなかったわ!」と言うので、観客からもラフトラック(笑い声)が起こっています。
ジョーイが「ロスは俺たち(がキスしてるの)を見たんだぞ」と言っている通り、ばっちりロスに目撃されてしまったにもかかわらず、ここまで大胆に「私たち、なんにもしてない」と主張しているレイチェルに笑ってしまいます。
「してない、なんて言ったところで、実際、俺たち見られちゃったんだし」と言っても、まだしらばっくれて、「シー」と言うのもまた面白いですね。
「あれこれ言わずに黙ってたら、バレないわ」とでも思っている様子で、目撃したロスが動揺しているのと同じく、目撃された方のレイチェルもかなりパニクっている、正常な状況判断ができなくなっていることがわかります。

レイチェルはすっとぼけようとしていますが、ジョーイはロスにきちんと状況を話そうと頑張ります。
But what you saw, that is the extent of it, okay? One kiss. を機械的に直訳すると、「でも、ロスが見たことは、あれがそれの範囲・限度なんだよ、いいか? 1つのキスだ」みたいになるでしょうか。
「あれがその範囲・限度」というのは、あれ(今ロスが目撃したこと)以上の広がりがない、あれを超えるような行為はない、というようなニュアンスになるでしょう。
DVDの日本語音声では「だけど、今、見たとこ止まり(どまり)だよ。キスは一度だけだ。」となっていましたが、まさにそういうことでしょうね。
「今、俺たちがキスしてるのを見て、それ以上のことまで既にしてるんじゃないかと思ってるかもしれないけど、あのキスが俺たちがしていることの範囲の限界で、それ以上のことはしていない。俺たちがしたのは、今のキス1回だけ」と説明していることになります。

そこでもまた、レイチェルが余計な口を挟んで、事態をさらにややこしくしていますね。
「これ以上のことはしてない。この1回のキス以外は何もしてない」みたいに言ったジョーイに対して、「キスが1回だけなんて、そんなの嘘よ! 私たちはバルバドスでもキスしたわ」と、ロスの目の前で言ってしまいます。
茫然としているロスをこれ以上傷つけないようにと、ジョーイが頑張って説明しようとしているのに、「言わなくてもいい情報」を言ってしまうレイチェルに、ジョーイも、Dude, chill! と言っています。
dude はもっぱら男性に対する呼び掛け語として使われる言葉で、ここでは男の連れに注意するように、「おい、ちょっと」と言っている感じですね。
ここでは「さっきまで情熱的にキスしていた大好きな女性」という感情は忘れて、失言を繰り返す相手に「おい、こら」的に呼び掛けた感じになるでしょう。

chill は名詞で「冷え、冷たさ、寒さ、寒気」という意味で、動詞では、他動詞「冷やす」、自動詞「冷える」という意味になります。
ここでは、パニクって熱くなっている感じの人に、「落ち着け、パニクってるのを冷ませ」と言っている感覚になります。
日本語の「冷静になれ」という言葉にも「冷める、冷たい」という漢字が使われていますし、興奮して熱くなっていることに対して「冷」(chill)という言葉が落ち着きを表わすのは、日米共通の感覚と言える気がしますね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
chill [intransitive] also chill out : (spoken, informal) used to tell someone to be calm instead of feeling angry or nervous
例) Shelly, just chill out, okay?

つまり、「怒ったり、ナーバスになったりしないで、落ち着くようにと人に言う時に使われる」。例文は「シェリー、ちょっと落ち着きなよ、ね?」

過去記事、フレンズ2-14その20 では、
レイチェル: Where's Chip? Why isn't he here yet? (チップはどこ? どうして彼はまだ来てないの?)
ロイ(モニカのデート相手): He'll be here, okay? Take a chill pill. (彼はここに来るよ、わかった? ちょっと落ち着きなよ。)
のように、Take a chill pill. という表現が出てきました。
a chill pill は「鎮静剤」という意味で、「鎮静剤を飲めよ」ということはすなわち、「落ち着けよ」ということですね。
LAAD では、
take a chill pill : (spoken) used to tell someone to stop being excited, nervous, or angry
つまり、「興奮したり、ナーバスになったり、怒ったりするのをやめろと人に言う時に使われる」。

「このキス1回しかしてない」とジョーイが説明したのに、レイチェルが正直に(笑)「バルバドスでもしたでしょ!」みたいに言ったことから、ジョーイもそれ以上嘘はつけず、「確かに俺たちはバルバドスでもキスした。でも、それを plan していなかった」と説明します。
キスなんてするつもりはなかったけど、成り行きで、流れで、そうなっちゃったんだ、みたいなことですね。
the only reason... 以下を直訳すると、「それが起こった唯一の理由は、ロスがチャーリーとキスしているところを俺が見たからだ」になります。
「俺の元カノのチャーリーとお前(ロス)がキスしてるところを目撃しちゃったってことが、俺がレイチェルとキスすることになった、たった一つの理由だ」ということで、そんな場面を目撃さえしなければ、レイチェルとキスすることにはならなかった、と言っていることになるでしょう。

「二人のキスを見て、俺は動揺して、、」みたいなことをジョーイは言いたいのでしょうし、ジョーイの言い方にロスを非難するような感じも全くありませんが、「ロスとチャーリーのキスを見たのが原因」とジョーイが言ったことを受けて、レイチェルは、「そうよ、あなたがそれを始めたのよ!」みたいに言っています。
こんなことになったのも、チャーリーとキスをしたあなたが原因なんだからね! みたいな口調でそう言った後、今回はレイチェル自身も自分がまだパニクっていることを自覚したようで、即座に、「私、落ち着かないといけない(落ち着け、私)」と言って、余計なことを口走ってしまう自分に言い聞かせるようにしています。

we probably should have talked to you about this before it ever happened. の should have p.p. は「(過去のあの時)〜すべきだったのに(実際にはそうしなかった)」というニュアンスですから、「それが起こってしまう前に、このことについて、お前に話をしておくべきだった」という意味になります。
レイチェルも、「このことについては、本当に悪いと(申し訳ないと)思ってるわ」と言っていますね。
そうやって謝る二人ですが、ロスは何を言われても、全く言葉を発しようとはしません。
今回のシーンは、ジョーイとレイチェルがロスに対して、謝ったり弁解したりしている、というやりとりなのですが、ロスは画面には映っているものの、目を見開いて驚いた顔をしたままで、全くの無言です。
セリフだけを文字で見ていると、ロスがそこにいるのかどうかわからないほど無言で、ただただ驚いて声も出ない、何も言えない様子を時折カメラが映すことで、ロスがどれほどショックを受けているかがわかる、という演出になっていると言えるでしょう。
自分たちのことを説明するのに精一杯だったジョーイとレイチェルですが、何を言っても全く反応しないロスのことを少し冷静に見ることができるようになったようで、あげく、レイチェルが、「ただ(このまま)ドアを閉めちゃうことできるかしら?」みたいにジョーイに言っています。
話を聞いているのか聞いていないのかもわからないほど、固まったままなので、このままドアの外に締め出して、何もなかったことにしちゃおっか、みたいな感じですね。


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posted by Rach at 14:17| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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