2016年01月02日

モーバイルにまで電話してごめん フレンズ10-3その1

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あけましておめでとうございます!
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。


シーズン10 第3話
The One With Ross's Tan (レイチェル&ジョーイの甘い夜)
原題は「ロスの日焼けの話」


セントラルパークにフィービーが入ってきます。
フィービー: Oh, you won't believe who moved back to town. (あぁ、ここ(この町)に誰か帰ってきたか、信じられないと思うわ[信じられない人が帰ってくるのよ]。)
モニカ: I know. Amanda! Ah! She called me too! She's the worst! (知ってる。アマンダね! あぁ! 彼女は私にも電話してきたの! 彼女って最悪よね!)
チャンドラー: Who's Amanda? (アマンダって誰?)
モニカ: She's this girl who used to live in the building before you did. Then she moved to England and she picked up this fake British accent. On the machine this is her message: (she apes Amanda using an awful British accent) "Monica, darling! It's Amanda calling!" (あなたが住む前にアパートメント(の建物)に住んでいた子よ。それから彼女はイングランドに引っ越して、変なイギリスなまり(ブリティッシュ・アクセント)を身につけた[覚えた]の。留守電にあった彼女のメッセージはこんなのよ。(ひどい[下手な]イギリスなまりを使って、アマンダの真似をする) ”モニカ、ダーリン! もしもし、アマンダよ!”)
チャンドラー: Are you trying to do a British accent? ((それで)イギリスなまりをしようとしてるわけ?)
モニカ: (pause) (to Phoebe) Chandler gets pedicures! ([間があって][フィービーに] チャンドラーはペディキュアをしてるのよ!)
チャンドラー: Just so I know, how many more of those can I expect? (ちなみに、こういうのをあと何回、予期することができる?[あと何回、聞かないといけないの?])
フィービー: You know what Amanda said to me when she got me on the phone? (apes Amanda in a British accent) "Oh, so sorry to catch you on your Mo-Bile!" If-if you don't wanna get me on my mo-Bile, don't call me on my mo-Bile! (私が電話に出た時、彼女が私に何て言ったか知ってる? [イギリスなまりのアマンダの真似をして] ”あぁ、ほんとにごめんなさい、あなたのモーバイルに電話しちゃって!” もしモーバイルに電話してまで私をつかまえたくなかったら、私のモーバイルに電話するな、っての!)
モニカ: I know, and she's always bragging about all the famous people she's met. (そうよね、で、アマンダはいつも、自分が会ったことのある有名人の自慢ばっかりしてるのよ。)
フィービー: Oh, I know! "Oh...I slept with Billy Joel". All right, who hasn't? (えぇ、そうよね! 「あぁ… 私、ビリー・ジョエルと寝たの」。そうよね、誰が寝たことないっての?)

セントラルパークに入ってきたフィービーが「信じられないような人が(聞いたら、あの人が? と驚くような人が)帰ってきたのよ」と言うのを聞いて、モニカは「知ってる。アマンダよね」と言い、「彼女、私のところにも電話してきたの。彼女って最悪よね!」と言っています。
フィービーがその情報を知っていたことから、「あぁ、フィービーのところにもアマンダから電話があったのね」という意味を込めて、「私のところにも電話があった」という意味で too をつけていることになります。

アマンダという人物を知らない様子のチャンドラーが、「それ誰?」と尋ねると、モニカは、その女性のことを説明しています。
She's this girl who used to live... の this は、不定冠詞 a のようなニュアンスの this ですね。
あなたがこのアパートメントの建物に住む前に、かつて住んでいたある女の子・女性なの、と説明していることになります。
「それから彼女はイングランドに引っ越して(移り住んで)、fake British accent を pick up した」と説明します。
fake British accent は「にせのイギリスなまり」というところで、イギリスっぽいアクセントを真似ているようで、その実、でたらめ、みたいなニュアンスが込められていると言えるでしょう。
pick up は「持ち上げる、拾い上げる」が基本語義ですが、ここでは「獲得する、身につける」という意味で使われています。

On the machine this is her message を直訳すると、「留守電で[留守電において]、これが彼女のメッセージである」ということですが、もう少しこなれた日本語にすると、「留守電に、彼女はこんなメッセージを残してたのよ」というところですね。
ト書きの ape は「サル、類人猿」で、「人まねをする人」という意味もあることから、動詞では「〜をまねる、人まねをする」という意味で使われます。
チャールトン・ヘストン主演の1968年の映画「猿の惑星」の原題は、Planet of the Apes ですね。(そう言えば、今年は申年(さるどし)で、新年最初の記事に ape という単語が登場するのは何だかタイムリー^^)

日本語にも「猿真似(さるまね)」という言葉がありますが、人間に近い動物である猿が人を真似る、という感覚は、日本語の猿真似、英語の ape に共通していると言えるでしょう。

Macmillan Dictionary では、
ape [transitive] : to copy someone, especially the way they behave or speak
例) You can't just ape other singers if you want to be a successful recording artist.

つまり、「もし成功したレコーディングアーティストになりたければ、他の歌手をただ真似していてはいけない」。

アマンダのひどい(下手な)イギリスなまりを真似て、モニカが、"Monica, darling! It's Amanda calling!" と言った後、それを聞いたチャンドラーが、「モニカはイギリスなまりをしようとしてるの?」と言っていることから、「それで、イギリスなまりをやってるつもり?」と言っていることになるでしょう。

「アマンダってこんな口調なのよ〜」とモニカは言いたいようですが、「彼女の真似をいやそうな顔してやってるだけで、その変顔だけが際立ってる」みたいにチャンドラーは言いたいのだろうと思います。
「それは確かに、イギリスっぽさを出そうとしてるけど、変なイギリスなまりだよね」と言ってもらえたら、モニカも真似した甲斐があるのですが、「モニカが言ってる、アマンダの変なイギリスなまりってそれ?」みたいにケチを付けられた形になったので、モニカはムッとして、「チャンドラーはペディキュアしてるのよ」とフィービーに暴露することになります。

ここで、「チャンドラーはペディキュアをしてる」という話が出てきたのは、今回のエピソードのオープニング後のシーンからの流れになっています。モニカの脚がきれいに日焼けしているのを見たロスが驚き、
ロス: How did you get so tan? (どうやってそんなに日焼けしたの?)
チャンドラー: She went to one of those spray-on tan places. (例の(よくある)スプレー式の日焼け店に行ったんだよ。)
ロス: Eh, you got a spray-on tan? (え、スプレー式で焼いたの?)
モニカ: Chandler gets pedicures! (チャンドラーはペディキュアをしてる!)

スプレー式日焼けの店で焼いたことを暴露されたのがモニカは気に入らなかったようで、それで仕返しのように「ええ、確かに私はスプレー式の日焼け店で焼いたけど、チャンドラーなんか足にペディキュアしてるのよ!」と暴露し返したことになります。

Just so I know, how many more of those can I expect? を直訳すると、「ちなみに(参考までに聞くけど)、そういうものをもうあと何回、俺は予期することができるの?」になるでしょうか。
expect は何かが起こることを「予期する」ということですが、それが良いことであれば「期待する」で、悪いことであれば「予想する」、あるいは「覚悟する」と表現しても良いでしょうね。
「あと何回予期することができるのかな?」みたいに言っているのは、「あと何回聞かなきゃいけないわけ?」というのを皮肉っぽく言っていることになるでしょう。
ロスとの会話中に暴露された上、またここでもフィービーに暴露されたことを受けて、「一体、何回、俺のペディキュアの話を暴露すれば気が済むの? この先、何回、俺はその話を聞かないといけないのかな?」と言ったことになります。

You know what Amanda said... の when she got me on the phone は、「アマンダが電話で私をゲットした時」みたいなことで、「電話で私をつかまえた時」→「アマンダが私に電話をかけてきて、私と話した時」ということになります。
モニカの場合は、直接電話で話したわけではなく、留守電にメッセージが入っていたわけですが、フィービーはアマンダから電話がかかってきて、実際に彼女と話したことが、she got me on the phone という表現からもわかる、ということですね。

先ほどのモニカ同様、フィービーもイギリスなまりのアマンダの真似をしています(ここでもト書きでは ape が使われていますね)。
Oh, so sorry to catch you on your Mo-Bile! は、「あぁ、ほんとにごめんなさい。あなたの Mo-Bile であなたをつかまえて」ということですから、要は、「あなたに連絡を取るのに、あなたのモバイルにまで電話しちゃって、ほんとにごめんなさいね〜!」と言っていることになります。
フィービーが、ことさら、Mo-Bile の発音を大げさに言っていることからもわかるように、これが「イギリスなまり」の象徴っぽい言葉となっています。

フレンズでは携帯電話のことは、cell phone と呼ぶことが多いですが、mobile phone も携帯電話という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
mobile phone : a small phone that you can carry around with you. The usual American word is cell phone.
つまり、「持ち歩くことが可能な小さな電話。通常のアメリカ英語は、cell phone である」。

そんな風に、アメリカ人なら普通、cell phone と言うところ、アマンダは、mobile (phone) という言葉を使っているところに、「イギリスかぶれ」になっていることが出ている、ということですね。
また、mobile という単語は、「モゥバル」みたいに発音するのがアメリカ式で、それを「モゥバイル(マゥバイル)」みたいに発音するのがイギリス式発音になります。
携帯電話のことを、mobile (phone) と表現するだけでなく、その発音もイギリス風にしているのが、このセリフのポイントということですね。
聞いているモニカも、その「モゥバイル」の発音を聞いて、嫌そうな顔をしています。

その後も、mobile という単語が出てくるたびに、わざとイギリス風の「モゥバイル」と発音を強調しているのが面白いですね。
if you don't wanna get me on my mo-Bile, don't call me on my mo-Bile! を直訳すると、「私のモーバイルにに電話して私をつかまえたくなかったら、私のモーバイルに電話するな!」になりますね。
「モーバイルにまで電話しちゃって、ほんとごめんなさいねぇ〜」と、イギリス発音を強調するアマンダのことを、「ごめんと思うなら、あなたが言うその”モーバイル”とやらに電話してくるなよ!」と、「モーバイル、モーバイルって、イギリスアピールがしつこい!」という気持ちを、そのセリフで表現したことになるでしょう。
言っているフィービーも、「この言い方がイライラすんのよね!」という様子で、キーッとなっていますね。

モニカは、アマンダの別の嫌なところを挙げています。
she's always bragging about のように、always+進行形は、「いつも〜してばかりいる」という主語に対する話者の不平・不満が出た表現になります。
つまり、「アマンダは、自分が会ったことのある有名な人々(有名人)(すべて)について、自慢してばかりいる」ということですね。
フィービーはそれに同意して、そう言えばアマンダはこんなこと言ってたわ、というように、「あぁ、私、ビリー・ジョエルと寝たの!」と言っています。
「ビリー・ジョエルと寝た」とはまた、大きく出たな! という感じで笑えてしまうのですが、このセリフの本当のオチはその次の All right, who hasn't? の方ですね。
who hasn't = who hasn't slept with... ということで、直訳すると、「そうよね。ビリーと寝たことない人って誰なの? ビリーと寝たことない人なんているっての?」みたいなことを言っていることになります。
Who cares? 「誰が気にするっての?」→「誰も気にしないわ」になるように、Who hasn't? 「誰がそうしたことないっての?」→「みんなそうしてるわ」と言っていることになるという、反語ですね。
実在する有名な歌手であるビリーのことを、そんな風にジョークにしてしまっていいのかなぁ〜と心配にもなりますが、昨年2015年(ビリーは66歳)の独立記念日に、33歳年下の恋人と結婚した、というニュースもあったようですから、モテ男のイメージのある有名人のジョークとして許されるということなのかなぁ、と思ったりもしました^^


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posted by Rach at 14:24| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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