2016年01月14日

俺たちほどの親友じゃなかった フレンズ10-3その6

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キスから先になかなか進めないジョーイとレイチェルは、部屋を訪ねてきたチャンドラーに、「チャンドラーとモニカも、最初のエッチの時は違和感覚えた?」と尋ねます。するとチャンドラーは「いや、正しいことだって感じた。今までそうしなかったのが不思議なくらいだった」と答えます。
チャンドラーが部屋を出て行った後、
レイチェル: Well, just because it happened that way for them doesn't mean it has to happen that way for us. (あぁ、チャンドラーとモニカにとってはそんな風だったからと言って、それが私たちにもそうならないといけないってことにはならないわ。)
ジョーイ: Yeah. Yeah, absolutely. I mean, just because something's difficult doesn't mean that you quit. (そうだよ、そうだよ、その通りだよ。ほら、ただ何かが難しいってだけで、それでやめるってことにはならないよな。)
レイチェル: Right, totally. (その通りよ、全く。)
ジョーイ: Yeah. And so we'll just keep trying and trying until we... do it. (そうだよ。だから俺たちはただトライし続けるんだよ、俺たちが…やるまで。)
レイチェル: Yeah, and if doesn't work, then we'll be just one of those couples that never have sex. (そうよ、そしてもしうまく行かなかったら、その時は、私たちはただ、エッチをしないああいうカップルの一つになるだけよ。)
ジョーイ: That's a... pla-an. (それも、一つの手だよ…ね。)
(They both stare for a while, and then look at each other)
二人ともしばらく視線が固まったままで、その後、お互いを見る。
ジョーイ: (sighs) Wow... I did not see this coming. ([ため息をついて] わぉ… こんなことになるとは思わなかった。)
レイチェル: I know. (そうね。)
ジョーイ: I don't know. I don't get it. I mean, I was so sure this is what I wanted. (わからない。理解できないよ。だって、これが俺の望んでいたことだって、俺は確信してたのに。)
レイチェル: Hmmm... Me too. (んー… 私もよ。)
(She puts her head on Joey's shoulder and Joey kisses her on her head.)
レイチェルはジョーイの肩に自分の頭をもたれて、ジョーイはレイチェルの頭にキスをする。
レイチェル: Well, how come Monica and Chandler could do it? (あぁ、どうしてモニカとチャンドラーにはできたのかしら?)
ジョーイ: I guess they weren't as good friends as we are. (思うに、あの二人は俺たちほどの親友じゃなかったんだよ。)
(Lifts her head from Joey's shoulder)
ジョーイの肩から自分の頭を上げて
レイチェル: Aah... I bet you're right. (あぁ… あなたの言うことが正しいと思うわ。)
(They look at each other for a while)
二人はしばらくお互いを見る。
ジョーイ: So.... (それじゃあ…)
レイチェル: Yeah. (そうね。)
ジョーイ: I love ya. (愛してるよ。)
レイチェル: Love you too... Alright, I'm going to bed. (私も愛してるわ… それじゃあ、ベッドに行くわね。)
ジョーイ: Yeah, me too. (あぁ、俺も。)
(Rachel gets up, and Joey tries to get up, but halfway up he sits down again.)
レイチェルは立ち上がる。そしてジョーイも立ち上がろうとするが、半分立ちあがったところで、また座る。
ジョーイ: Ooh, yeah. I'm not going anywhere for a while. (あぁ。しばらくはどこにも行けないや。)
(Joey takes the ice-bucket with the champagne bottle in it and puts it on his sore spot)
ジョーイは中にシャンパンの瓶が入った氷バケツを取り、それを自分の痛いところに当てる。

チャンドラーとモニカも、最初のエッチの時にギクシャクした、と言われたら、ジョーイとレイチェルも「友達から恋人になる時は、誰でもそんなものなんだ」と思って安心できたのですが、「チャンドラーとモニカのカップルは、自分たちとは違う」とわかって、その後、二人はいろいろと話し合うことになります。
レイチェルもジョーイも、just because A doesn't mean B という表現を使っていますね。
文字通り、「ただ A だからと言って、それが B を意味しない[B を意味するわけじゃない]」ということで、「いくら A だと言っても、それが B になるって決まったわけじゃない」というようなことですね。
レイチェルのセリフは、「チャンドラーとモニカにとってそんな風になったからと言って、それが、私たちにもそんな風になるってことじゃない」、ジョーイのセリフは、「何かが難しいからって、それで、やめる、ってことにはならない」になるでしょう。
それぞれ、「チャンドラーとモニカがそうだったからって、私たちもそうとは限らない」、「難しいからってやめる、ってそんなのおかしいよな」みたいなことですね。
二人はお互い、「そうだ、そうよ」と言葉を掛け合い、その後、ジョーイは、And so we'll just keep trying and trying until we... do it. と言っています。
keep trying and trying は「トライにトライを続ける」という感覚ですから、「トライし続ける、あきらめずに頑張り続ける」ということですね。
いつまで頑張るかが、until we do it で、つまり「俺たちがエッチするまで(エッチできるようになるまで)」あきらめずに頑張ろうと言っていることになります。

その後、レイチェルは、「そしてもしうまく行かなかったら」と言って、we'll be just one of those couples that never have sex. と言います。
それを聞いたジョーイはすぐさま、That's a plan. と言おうとするのですが、その言葉を言っている途中に、その話のおかしさに気づいたため、That's a... pla-an. のように、尻すぼみ的な言い方をすることになります。
セリフの内容を見ていくと、レイチェルの方は、「もし何回もトライして、それでもうまく行かなかったら(結局エッチすることができなかったら)、その時は、私たちは、エッチをしないああいうカップルの一つにになるだけよ」ということですね。
つまり、「よくあるセックスレスカップルに、私たちもなればいいじゃない」みたいなことを言っているわけですが、そういうのは大抵、倦怠期の夫婦とかの話でしょうし、今付き合い出したばかりの二人が、一度もエッチしないままで、そういうカップルになってしまう、というのは、やはり変ですよね。
レイチェルが、「もしうまく行かなかったら、こんな風になればいいだけよ」と解決案を提示したかのような発言だったので、その口調に合わせてジョーイもとりあえずは、「それは一つのプラン(一つの案)だね」と言いかけたのですが、その内容がおかしいことに、さすがのジョーイも(笑)途中で気づき、言葉に詰まってしまったことになります。

自分たちの発言に対して、あらためて、「そういうのって変だよね、おかしいよね」と気づいてしまった二人は、しばらく呆然と宙を見つめた後、お互い顔を見合わせています。
ため息をついたジョーイが、I did not see this coming. と言っていますが、これは直訳すると、「こんなことが来るとは思わなかった・思ってなかった」というところでしょう。
これまでのフレンズに何度か出てきた、I didn't see that coming. の that が this になった変形バージョンのようなものですね。
I didn't see that coming. は、そう来るとは思わなかった フレンズ4-19その2 で説明していますが、誰かが意外なことを言った時、意外な返しをしてきた時に、「お、そう来たか」「そう来るとは思わなかった」のようなニュアンスで使うフレーズです。
誰かが少し前にしたことや言った言葉について言う場合には、そのように that を使うことになりますが、今回は、自分たちに突き付けられた今のこの状況・この現実のことを言っているので、I did not see this coming. 「こんなことが来るとは思ってなかった」→「こんなことになるとは(夢にも)思わなかった」と、今、直面している事実が信じられないものである、想定外のものであると言っていることになります。

レイチェルが I know. と同意した後、ジョーイは、「わからないよ。理解できないよ」と言って、「だって、俺は確信してたんだ、これが俺の望んでいたことだって」と言っています。
レイチェルと恋愛関係を進めることが、男女として愛し合うことが、俺の望みだ、って、俺は確信してたのに(どうしてこんな風になっちゃったんだろう)」ということですね。

自分たちと同じように、「友達から恋人」という経過をたどったチャンドラーとモニカのことを、「どうしてあの二人にはできたのかしら?」とレイチェルは言っています。
かなりの間があって、ジョーイは自分の考えを述べていますが、そのセリフにはちょっと泣けてしまいます。
I guess they weren't as good friends as we are. を直訳すると、「チャンドラーとモニカは、俺たち(がそうである)ほど、良い友達(親友)じゃなかったんだと俺は思う」になるでしょう。
「俺たちは友達として仲が良すぎて、ずっとこのまま友達でいたい、この関係を壊したくないという思いが強すぎちゃうんだよ、きっと」みたいに言ってみせたことになるでしょう。

ジョーイのこのセリフは、「俺とレイチェルは、ほんとに気が合う、大切な友達である」ということを言っているとても素敵なセリフですが、比較に出された(笑)チャンドラーとモニカのカップルは、まさに今ジョーイが言っているようなことを、自分たちで言っていました。
チャンドラーとモニカが結ばれたのは、ロスとエミリーの結婚式が行われたロンドンで、二人がベッドインしているシーンがフレンズ4-24 に出てきていましたが、その時に、実際にどういう状況だったのかという詳しい話は、かなり後のエピソード、フレンズ7-16 で語られることになります。
二人が結婚式を挙げることが決まり、ジョーイが牧師役をすることになるのですが、ジョーイが「ロンドンでの二人のなれそめを教えて」と言ったことで、フレンズ4-24 の時、二人はどんな様子だったのか、が、フレンズ7-16 の中で映像として流れます。
ベッドに入った二人が、それぞれ服を脱いで裸になり、シーツの下のお互いの裸を見合うシーン。
お互い、相手の裸の姿に目を丸くした後、
チャンドラー: Well, I think it's safe to say that our friendship is effectively ruined. (あぁ、俺たちの友情は、事実上、壊れたと言って間違いないね。)
モニカ: Eh, we weren't that close anyway! (あー、私たち、どの道、そんなに親しくなかったもん。)
チャンドラー: Eh! (そうだね!)
と言っていました。
ちょっと冗談めかして言っていますが、「これで俺たちの友情は壊れた」「構わないわ、どのみちそんなに親しい友人でもなかったんだし」みたいに言っていて、それは今回のジョーイの「チャンドラーとモニカは、俺たちほどの親友じゃなかった」というセリフに通じるところがありますね。
フレンズ7-16 のそのシーンのイメージが残っていた人は、今回のジョーイのセリフも何の違和感もなく受け入れられるように思います。

また、フレンズ7-16 のベッドインする前のシーンでは、ベッドの上に座りキスしていた時、
モニカ: (breaking the kiss) Y'know what's weird? ([キスをやめて] 何が変だと思う?)
チャンドラー: What? (何?)
モニカ: This doesn't feel weird! (これ(二人でキスしてること)が変な感じしないの!)
チャンドラー: I know. (わかるよ。)
モニカ: You're a really good kisser. (あなたってほんとにキスが上手ね。)
というやりとりもありました。
その流れで、ベッドインして、二人は結ばれたわけですが、今回のエピソード、フレンズ10-3 で、「初めての時、変な感じ、違和感はなかった」とチャンドラーが言っていたのも、このフレンズ7-16 のシーンで裏付けられていると言えそうです。

今回のエピソードに戻ります。
「チャンドラーとモニカは、俺たちほどの親友じゃなかったんだよ」というジョーイの言葉にレイチェルも同意して、二人はしばらく見つめ合っています。
その後、ジョーイとレイチェルが、"I love ya." "Love you too." と「友達として」優しい顔で言い合うのがとても素敵ですね。

レイチェルは、ベッドに行くわ、と言って自分の部屋に向かい、ジョーイも「俺も」と言って立ち上がろうとしますが、立ち上がれなくてまた座ってしまいます。
「しばらくはどこにも行けないや」と言って、シャンパンが入った氷バケツを股の上に置いて、エンドクレジット、、となるのですが、これは「大事な部分がレイチェルの膝で押しつぶされてしまった」話の続きですね。
まだ痛くて立ち上がれそうにないから、ちょっとこれで冷やしとく、というところです。
うまく先に進めない二人は、ムード作りのためにシャンパンを冷やしていたのですが、それはこの「大事な部分を冷やす」ために使う伏線だったことがわかるわけで、ちょっとしんみりしつつも、こうして最後は笑いで落とすところが、いかにもフレンズっぽいエンディングだと思いました。


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posted by Rach at 17:13| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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