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エマの1歳の誕生日パーティーのため、みんな集まったのですが、誕生日ケーキが注文した内容と違う、ということで、レイチェルはケーキ取り替えのため、車でニュージャージーに向かっています。
途中スピード違反で捕まり、免許を持っていなかったことで、ロスが免許を届けることになり、なかなかパーティーが始まらないことにしびれを切らしたフレンズたちは口々に「ここから出たい、帰りたい」と言い始め、ロスに命じられたジョーイが、みんなを部屋から出さないように奮闘しているところ。
ジュディ(ゲラーママ): Well, we'd better get going. It's late. Jack's not allowed to drive at night anymore. He has trouble staying in his lane. (あの、私たち帰った方がいいと思うの。遅いから。ジャックはもう夜に運転させられないのよ。自分の(走っている)車線をキープすることができないの。)
ジャック: Last winter I went up on a church lawn and drove right through a manger scene. The papers thought it was a hate crime. (去年の冬、私は教会の芝生に乗り上げて、キリスト降誕の場面[シーン・情景]にまともに突っ込んでしまったんだ。新聞は(宗教に起因する)憎悪犯罪だと考えた(ようだよ)。)
ジュディ: Anyway, it was lovely seeing you. (とにかく、会えて良かったわ。)
ジョーイ: Okay! (Opens the door for them) (わかりました! [二人のためにドアを開ける])
ジュディ: Bye. Bye, dear. (バイバイ。)
ジョーイ: Nighty-night! (おやすみ!)
ジュディ: Nighty-night! (おやすみ!)
ジョーイ: Bye, bye. (バイバイ!)
フィービー: Joey? How could you just let them leave? (ジョーイ? どうしてただ二人を行かせることができるの?[どうしてあっさり二人を行かせたりするの?])
ジョーイ: Hey, hey, hey, hey! I'm not gonna mess with Jack. He's a great man. He fought for our country. (おいおいおいおい! 俺はジャックを困らせるつもりはないんだよ。彼は偉大な人なんだ。我が祖国のために戦ったんだぞ。)
モニカ: No, he didn't! He pretended to be a Quaker to get out of Korea. (いいえ、パパは戦ってないわ! 朝鮮戦争から逃れるために、クエーカー教徒のふりをしたのよ。)
ロスとモニカのママ(ゲラーママ)であるジュディは、「私たち、帰った方がいいわ。遅いから」と言って、夫ジャック(ゲラーパパ)と一緒に帰ろうとしています。
「遅いから帰った方がいい」と言った理由として、「ジャックはもう、夜に運転することが許されていない[夜に運転させられない]」と言った後、He has trouble staying in his lane. と続けます。
have trouble doing は「〜するのに苦労する、〜することがうまくいかない」という感覚ですね。
ですから、「彼の車線(自分が運転して走っている車線)にとどまるのに苦労する」→「自分が走っている車線をキープすることができない」→「一つの車線を走れなくて、2つの車線をフラフラする、車線をはみ出してしまう」と言っていることになるでしょう。
そう言われたジャックは、自分が去年の冬、車を運転していてどんなことになったかを説明しています。
drive right through は、ドライブスルーというカタカナからもイメージが湧くように、「〜(のど真ん中)を車で通り抜ける」という感覚で、「車でまともに突っ込む」みたいなことでしょう。
直訳すると、「去年の冬、教会の芝生に乗り上げて、a manger scene の中を車で通り抜けた」というようなことですね。
manger は「飼い葉桶(かいばおけ)」。
scene というのは、a love scene 「ラブシーン」などの「シーン、場面」という単語ですが、今回の言葉はまさに直訳通りの「飼い葉桶の場面」という意味が実体をよく表わしているように思います。
「a manger (飼い葉桶)に突っ込んだ」なら、別に scene という単語は必要ないので、このセリフを聞いた時も見た時も、その scene という単語がわざわざ付いていることが何だか気になってしまいますよね。
私もこの scene が気になったので、a manger scene で何かの意味になるのかなと思い、"manger scene" で Google 検索してみたところ、以下の英語版ウィキペディアがヒットしました。
Wikipedia 英語版: Nativity scene
a manger scene としても知られている、a nativity scene というのは、英語版ウィキペディアの説明を引用させていただくと、
... is the special exhibition, particularly during the Christmas season, of art objects representing the scene of the birth of Jesus.
つまり、「特にクリスマスシーズンの間の、イエスの誕生の場面(シーン)を描いた芸術品の展示である」ということになります。
nativity は「出生、誕生」という意味で、特に the Nativity だと「キリストの降誕(祭)」という意味で使われます。
Wikipedia 日本語版: キリストの降誕 の「降誕の情景」の中でも詳しく説明されていますが、生まれたイエスを「飼い葉桶に寝かせた」ので、飼い葉桶という言葉が、イエスの降誕のイメージとして使われていることになるわけですね。
ウィキペディアの説明を引用させていただくと、
キリスト降誕の情景は上記を基本に描かれるが、カトリック教会やその影響の強い国々では人形で再現する。(これを「飼い葉桶」の意味で、イタリア語ではプレゼピオ、フランス語ではクレッシュ、ドイツ語ではクリッペ、英語ではクリブ、スペイン語ではベレンと言う。)多くはミニチュアであるが、実物大の人形と小屋が仮設されるところもある。
このウィキペディア内で「キリスト降誕の情景」と表現されているのが、a nativity scene であり、今回のセリフの a manger scene に当たるということです。
「人形で再現。多くはミニチュアだが、実物大の人形と小屋が仮設される場合もある」ということなので、今回、ジャックが車で突っ込んだのも、ミニチュアではなくて、「実物大の人形と小屋で再現したキリスト降誕のシーン(場面・情景)」だったのだろうと思われます。
そういう人形の飾りをなぎ倒しながら、車でそこを通り抜けてしまった、という感覚なのでしょうね。
そういうことを意識してもう一度セリフを見てみると、ジャックは、Last year ではなく、わざわざ Last winter と季節を限定して述べています。
「冬、つまりクリスマスシーズンだから、教会にはキリスト降誕を再現したものが飾られている」という流れになっていたわけですね(細やかな脚本だわw)
キリスト降誕を再現したものの中に、車を突っ込んでしまった、の後に続けて、ジャックは、The papers thought it was a hate crime. と言っています。
直訳すると、「新聞(各紙)は、それは憎悪犯罪(ヘイトクライム)だと考えた」ということですね。
hate crime は「宗教対立、人種差別などに起因する憎悪犯罪」のことですから、このジャックのセリフは、「教会に設置してあるキリスト降誕の場面を壊したのはキリスト教に反発する宗教の者による犯行だ」と新聞は考えたようだ、と言っていることになるでしょう。
ジャックはたまたまそういうものにぶつかってしまっただけなのですが、「わざと、キリスト教の象徴的なものを狙った、宗教的嫌がらせ行為」だと新聞に報道されてしまった、と言っているわけですね。
それを聞いた観客の反応は、「後からじわじわと笑いが来て、その笑いが後を引いている」感じになっています。
その笑いの反応から、「キリスト降誕の場面に車をぶつけた」→「宗教的な嫌がらせ犯罪だと誤解された」という「流れ」が笑いに繋がっているということがよくわかる気がします。
「とにかく会えて良かったわ」と言ってジャックとジュディ夫婦が帰るのをジョーイは見送っています。
「誰も外に出すな!」とロスに言われていたのに、エマの祖父母に当たる二人をすんなり返したことで、足止めされているフィービーは、不公平だとでも言うように、How could you...? のセリフを言っています。
直訳すると、「どのようにして、ただあの二人を行かせたりすることがあなたにはできるの?」みたいなことで、「どうしてあんなにあっさり二人を行かせたりするの?」と「どうしてそんなことができるのか私には信じられない」というニュアンスが込められている感覚ですね。
mess with は「〜に干渉する、邪魔する、迷惑をかける」なので、ジョーイは「俺はジャックを困らせることはしない。彼は偉大な男なんだよ」と言っていることになります。
何故ジョーイがジャックに対してそう思っているかについては、その後のセリフにあるように、「彼は我が国(我が祖国アメリカ)のために戦った」ということですね。
「お国のために戦ってくれた人なんだから、意見を尊重してあげなくちゃ」と言った感じになりますが、それを聞いていたジャックの娘であるモニカは、「いいえ、彼(パパ)は戦ってないわ」と言っています。
その後の He pretended to be a Quaker to get out of Korea. を直訳すると、「朝鮮(戦争の兵役)から逃れるために、彼はクエーカー(教徒)のふりをした」になりますね。
祖国のために戦ったうんぬんの話をしているので、Korean War のように war 「戦争」という言葉を使わなくても、戦争のことだとわかる仕組みになるでしょう。
クエーカー教徒については、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: クエーカー
ウィキペディアの中の「平和主義」という項目の中で、
多くの良心的兵役拒否者、非暴力の提唱者、反戦活動家は、友会徒である。
という記述があります。(友会徒とはクエーカーの自称)
兵役拒否者の中には、そのようにクエーカー教徒が多い、ということが広く認識されているので、このセリフでも、「パパはクエーカー教徒のふりをして、兵役から逃れた」と表現されているわけですね。
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2016年01月29日
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