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[Scene: Monica's apartment. Joey enters the room]
モニカのアパートメント。ジョーイが部屋に入ってくる。
ジョーイ: Hey, finished my recommendation. (he hands it over to Chandler) Here. And I think you'll be very, very happy. It's the longest I ever spent on a computer without looking at porn. (やあ、俺の推薦状、(書き)終わったよ。[それをチャンドラーに手渡す] ほら。お前たちがすごくすごく喜ぶだろうと思うよ。ポルノを見ずにコンピューターを使った時間としては最長だ。)
チャンドラー: (reading) I don't... uh... understand. ([読みながら] わからない[理解できない]んだけど。)
ジョーイ: (sounding very proud of himself) Some of the words are a little too sophisticated for ya? ([自分を非常に誇らしげに思っている様子で] お前たちにはちょっと洗練され過ぎた言葉があるかな。)
モニカ: (also reading it) It doesn't make any sense. ([モニカもそれを読みながら] 全く意味が通じないわ[全く意味不明だわ]。)
ジョーイ: Well, of course it does! It's smart! I used a the-saurus! (もちろん意味は通じるさ[意味が通じるに決まってるさ]! 賢いんだ[賢い文だ]! 俺は、ズィ・ソーラス(ザ・サウルス)を使ったんだぞ!)
チャンドラー: On every word? (あらゆる単語に?)
ジョーイ: Yep! (ああ!)
モニカ: Alright, what was this sentence originally? (shows the sentence to Joey) (いいわ、この文章は元々何だったの? [その文章をジョーイに見せる])
ジョーイ: Oh, "They are warm, nice, people with big hearts." (あぁ、「彼らは温かく、優しい、大きな心を持った人たちです。」)
チャンドラー: And that became, "They are humid, prepossessing Homo Sapiens... with full-sized aortic pumps." (そしてそれがこうなったんだ、「彼らは湿潤(温暖)で、人の心をとらえるようなホモ・サピエンスです… フルサイズの大動脈ポンプ(心臓)を持った。」)
ジョーイ: Yeah. Yeah. And hey, I really mean it, dude. (そうそう。それでほら、俺は心からそう思ってるからね。)
モニカ: All right, Joey, I don't think we can use this. (いいわ、ジョーイ、これは使えないと思うの。)
ジョーイ: Why not? (どうしてダメなの?)
モニカ: Well, because you signed it: "Baby kangaroo Tribbiani." (Joey makes a 'and-what's-wrong-with-that' look) Hey, why don't you stop worrying about sounding smart and just be yourself! (それはあなたがサインしたからよ、”赤ちゃんカンガルー・トリビアーニ”って。[ジョーイは、”で、それの何が悪いの?”という顔をする] ねぇ、賢そうに見えることを気にするのはやめて、ただあなたらしくいたらどう?)
チャンドラー: You know what? You don't need a thesaurus. Just write from here. (points at his own heart) Your full-sized aortic pump. (ねぇ? ジョーイには類語辞典なんか必要ないよ。ただここから書けばいいんだ。[自分自身の心臓を指さして] お前のフルサイズの大動脈ポンプからね。)
部屋に入ってきたジョーイは、「俺の[俺が書くことになっていた]推薦状を(書き)終えたよ」と言って、それをチャンドラーに手渡しています。
「お前たちがすごくすごくハッピーになるだろうと思う」というのは、「それを読んだらきっと喜んでくれると思うよ」ということですね。
It's the longest... の文を直訳すると、「ポルノを見ることなしに、俺が今までコンピューターで時間を過ごした中で最も長い」になるでしょう。
つまり、「エッチなサイトを見たりしないで、こんなに長くコンピューターに向かっていたのは初めて」と言っているわけですね。
その推薦状を読んでいたチャンドラーは、「理解できないんだけど」と言っています。
そう言われたジョーイは、「お前らにとっては、その言葉のいくつかは、ちょっと洗練されすぎてるかな」みたいに、得意げな顔で返します。
ロスに教えてもらった類語辞典(シソーラス)を使って、できるだけ賢く聞こえるような単語に置き換えたことから、「置き換えた単語が難しすぎて、お前らにはわかんないかもね」と言っているのですね。
モニカもそれを読んで、「全く意味が通じない、意味をなさない、意味不明」と言っています。
of course it does! は、その前にモニカが、It doesn't make any sense. と言ったことを受けて、その否定文を肯定文にして反論していることになります。
つまり、of course it makes sense! 「(モニカは意味が通じないって言うけど)もちろん意味は通じるさ[意味は通じるに決まってるさ]!」ということですね。
「賢い文章なんだ」と言って、「俺は、the-saurus を使った」と言っています。
ジョーイの発音は、「ズィ・ソーラス」みたいに、the と saurus の間を区切った感じになっています。
類語辞典という意味の thesaurus は、the の部分は濁らない th なので、thesaurus という言葉をよく知らないジョーイは、ちょっと似たような発音の言葉を言ってみせたことになるでしょう。
saurus というのは、恐竜の名前の語尾につく言葉ですね。
例えば、ティラノサウルスなら、tyrannosaurus となりますが、日本人がローマ字で「サウルス」と呼んでしまいがちな部分は、英語の発音では「ソーラス」になります。
ですから、ジョーイが、the-saurus みたいに区切って言ったのは、「ザ・サウルス」のような恐竜っぽいイメージの言葉として発した感覚なんだろうと思います。
ジョーイは「ズィ・ソーラス」とちょっと変わった発音をしましたが、それでもそれが類語辞典の thesaurus を指していることはチャンドラーにも容易に理解できたようで、チャンドラーはあきれた様子で、「あらゆる単語に(シソーラスを使ったのか)?」と尋ねます。
モニカは、「この文章は元々何だったの?」と言って、文章をジョーイに見せています。
ジョーイは、「彼ら(チャンドラーとモニカ)は、温かく、優しく、大きな心を持った人々です」という、元々の文章の内容を伝えます。
続いてチャンドラーが、And that became 「そしてそれが…になった」と言っていることから、そのような一般的な推薦文が、ジョーイが類語辞典を使ったことで、こんな文章になってしまった、ということが以下に続くと想像できます。
その「変換された文章」を聞くと、各単語に類語辞典を使った、ということがよくわかりますね。
warm が humid になったのは、「人の性格が温かい」という意味だったのが、「気候・空気などが湿潤である」という「温暖」のイメージの単語に置き換わってしまっているということです。
prepossessing は辞書には「魅力のある、人の心をとらえる(ような)」という意味が出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
prepossessing : [adjective, formal] looking attractive or pleasant
つまり、「(フォーマル) 魅力的、または良い感じに見える」。
Cambridge Dictionaries Online には、以下のように例文も出ていました。
prepossessing : interesting, attractive, or impressive
例) He wasn't a very prepossessing sort of person.
つまり、「興味深い、魅力的である、印象的である」。例文は「彼はそんなに魅力的なタイプの人ではなかった」。
この例文にあるように、「人が魅力的である」という意味で使うことはできるようなので、ジョーイの表現は用法として間違いなわけではないようですが、ただ、nice は nice でいいだろうし、何か変えるにしても、kind くらいで良かったところを、辞書にもわざわざ formal と但し書きがあるような「長い綴りの難しそうに見える単語」に変えてしまった「やりすぎ感」が面白さのポイントになっているのだろうと思います。
people もわざわざホモ・サピエンスという「種の名前」に変えられており、with big hearts に関しては、full-sized aortic pumps 「フルサイズの大動脈ポンプ」に変換されています。
「心」という意味を「心臓」という意味に捉え、それを難しく学術的に表現したらこうなった、というところですね。
「ネイティブでそれはありえないだろ!」的なレベルにまで変換されているところが、コメディにありがちな笑いのポイントになっているわけですが、実は日本人が「単語の置き換え」で英文を作る場合には、この手の間違いは結構起きる可能性もあるのではないか、という意味で、なかなか興味深いように思います。
シソーラスに出てきた同義語に置き換えるのと、和英辞典で調べた単語をそのまま当てはめるのは、行動としては同じことになると思うわけですね。
言葉としては同じような意味の形容詞であっても、「人の形容には使わない」という用法の単語もありますし、話し言葉にそぐわないフォーマルすぎる単語を使うと浮いてしまうし、、というような、「ただ当てはめればいい、置き換えればいい、というものではない」ということを少し意識させてくれるように思いました^^
あらゆる言葉を類義語で変換しまくったせいでイミフな文章になっていても、ジョーイは「類語辞典で難しい言葉に変えて、賢い文章になった」と信じているようで、反省するどころか、And hey, I really mean it, dude. と言っています。
「それで、ほら、(そこに書いたことは)俺は本気でそう思ってるからな」みたいな感じですね。
「これは使えないわ」いうモニカに、「どうしてダメなの?」とジョーイはが尋ねると、モニカは、さらにこの推薦状のダメな点を指摘します。
because you signed it: は、「だってあなたはその推薦状に〜ってサインしたから」ということで、サインの内容は、Baby kangaroo Tribbiani となっています。
DVDの日本語字幕では、”赤ちゃんカンガルー”に「ジョーイ」というルビをふることで、「ジョーイ=赤ちゃんカンガルー」という意味であることを示しています。
その日本語訳の通り、joey という単語にはそういう意味があるようですね。
まず、英辞郎に、
joey=【1-名】〈豪〉カンガルーの子、幼児
という意味が出ています。
LAAD には載っていませんでしたが、Macmillan Dictionary には、
joey : a young kangaroo, wallaby, or possum
と出ていました。
カンガルーに限らず、「若い(子供の)カンガルー、ワラビー、ポッサム」のことを joey というようですね。
ちょっと脱線になりますが、過去記事、俺の提案を聞き入れなかった フレンズ8-22その3 で、ジョーイが出演した映画のプレミアで、チャンドラーが爆睡しているのを見て怒ったジョーイが、「カンガルーが出てくるシーンはどうだった?」と嘘のシーンをでっち上げて、チャンドラーが上映中に寝ていたことを指摘するシーンがありました。
その後、それはただの引っかけだけではなく、「カンガルーを出すように提案したけど却下された」というオチがついていたのですが、唐突な感じで出てきたカンガルーというアイテムも、もしかしたら joey=赤ちゃんカンガルー、という「かすかな、かすかな、名前繋がり」だったのかもしれないなぁ、、などと思ったりもします(ただの偶然かもしれませんがw)。
自分の名前まで変換しているジョーイに、モニカはそう指摘したわけですが、ジョーイはト書きにあるように、「それの何がいけないの? どこが問題なの?」みたいな顔をしてみせています。
自分の間違いに気づいていないジョーイに対し、モニカは「賢く聞こえるようにすることについて気にするのはやめて、ただあなたのままでいたらどう?」と提案しています。
無理に賢い文に見せようとすることはやめて、素のあなたのままで、文を書いてくれたらいいのよ、ということですね。
チャンドラーもそれに続いて、「お前には類語辞典なんか必要ないよ。ただここから書けばいいんだ」みたいに言って、自分自身の心臓部分を指しています。
つまり、「自分の心で思ったままを素直に書けばいいんだ」ということですが、そこはチャンドラーらしく、皮肉たっぷりに、「ここ、つまり、”お前のフルサイズの大動脈ポンプ”(から)ね」と付け加えるのを忘れません。
類語辞典なんかを使って技術に流れるんじゃなくて、素直に心のままに書けばいい、というのは、しごくもっともな説得ですが、「心から(思ったことを)、心のままに」と表現をジョークのオチにするために、ジョーイの推薦状の中に、「心」=「大動脈ポンプ(心臓)」という言葉を盛り込んでおいた、という伏線だったと言えるでしょうね。
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いつもブログ更新ありがとうございます。
「秋の夜長」の季節になってきました。ドラマ観賞にぴったりですね(^^)
さて、文法的にちょっと気になる部分があります。
S10-05(The One Where Rachel's Sister Baby-sits)の12〜13分くらいのシーン。
レイチェルとジョーイがエイミーの同居について話をしている場面です。
レイチェル: I want to help Amy the way you guys helped me.
これは第三文型でthe wayは関係副詞なんでしょうか?helpの後にwithがある文はよく見かけるのですが。
Rachさんのお考えをお聞かせいただけると有難いのですが。宜しくお願いいたします。
こんにちは。コメントありがとうございます。
そして、こちらこそブログをお読みいただき本当にありがとうございます。
涼しくなって、実に良い季節になりました。芸術の秋、ドラマの秋ですね(^^)
それではご質問について(シーンの時間を書いていただけたこと、助かります)。
この the way は、in the way の in が省略された形と考えれば良いかと思います。
研究社 新英和中辞典では、
way=方法
(2) [前置詞 in を略して副詞的に用いて] (…の)やり方で、(…)ふうに
Do it this way. こんなふうにやりなさい.
この例文も、Do it in this way. 「それをこのやり方で・この方法でやりなさい」ということで、それをレイチェルのセリフに当てはめると、
I want to help Amy in the way you guys helped me. (あなたたちが私を助けてくれた(のと同じ)方法で[あなたたちが私を助けてくれたように]、私はエイミーを助けたいの。)
ということになると思います。
なるほど!納得です。
省略・倒置・強調があると引っかかることが多いです。
しかしRachさんのおかげで一つ経験値が高まりました。
また今週末はゆっくりとした夜を過ごせそうです。
海外ドラマをゆっくり堪能したいと思います。
ご丁寧なお返事ありがとうございます。
なるほど!と納得していただけて嬉しいです(^^)
(お返事が遅くなり、もう週末が半分過ぎてしまったのですが、、)海外ドラマで是非、素敵な週末をお過ごしくださいね♪