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チャンドラーとモニカのアパートメントに入ってきたフィービーは、マジソン・スクエア・ガーデンで起こった出来事を、フレンズたちに話して聞かせています。
フィービー: We were at the game. And this guy proposed to his girlfriend on the big screen thing.... (私とマイクは試合を見ていたの。それで、ある男性が彼女にプロポースしたのよ、大きなスクリーン(のやつ)で…)
レイチェル: Oh, that is so tacky. (あぁ、あれはすっごく悪趣味よね。)
フィービー: Well, that's what I said. But it turns out Mike was planning on proposing to me that same way last night! (えぇ、私もそう言ったのよ。でも、昨日の晩、マイクが私に、それと同じ方法でプロポーズするつもりだったことがわかったのよ。)
モニカ: Oh, my God. Mike was gonna propose? (なんてこと。マイクはプロポーズするつもりだったの?)
レイチェル: Phoebe, that's huge! (フィービー、それっておおごとよ!)
ロス: Well, do you wanna marry him? (あぁ、君は彼と結婚したいの?)
フィービー: Yeah, I really do! Yes. But after I dumped on the way he was gonna propose to me, I don't think he's ever gonna ask again! I mean, I said no in Barbados, and now this? (うん、本当に結婚したいわ! そうよ。でも、彼が私にプロポーズしようとしていたやり方をけなした後じゃ、彼がもう一度、申し込んでくれるとは思えないわ! ほら、私はバルバドスでもノーと言ったでしょ、それで今はこれでしょ?)
チャンドラー: She's right! If I were a guy and.... (stops himself mid-sentence...everyone stares at him) Did I just say, "If I were a guy"? (フィービーの意見は正しいよ!もし俺が男なら… [文の途中で自分の発言を止める、みんながチャンドラーをじっと見る] 今、俺、「もし俺が男なら」って言った?)
モニカ: Maybe you don't need him to propose to you. Maybe you could propose to him! (多分、マイクからあなたにプロポーズしてもらう必要なんかないわよ。あなたが彼にプロポーズすることもできるんじゃない?)
フィービー: Oh, I don't know. I don't know. Isn't that a little desperate? (あぁ、どうかな。わからないわ。それってちょっと、必死じゃない[がっついてない]?)
モニカ: I proposed to Chandler! (Phoebe stops herself from laughing) Alright, moving on. (私は(私から)チャンドラーにプロポーズしたわ! [フィービーは笑っていたのをやめる] いいわ、続けましょう。)
チャンドラー: Oh, I don't think it was desperate. I think it was amazing! (あぁ、俺はがっついてたとは思わない。素晴らしかったと思うよ!)
モニカ: Thank you. (ありがとう。)
フィービーは、「私たちは試合を見ていて、その時に、ある男性がプロポーズした」と説明しています。
this guy = a guy 「ある男性」というニュアンスですね。
on the big screen thing の thing は、「〜のようなもの、〜のようなやつ」という感覚。
あのスクリーンの名前としては、ただ、the big screen と表現すればそれで良いわけでしょうが、男性陣ほどスポーツ観戦に詳しいわけではないので、専門的な名前や正式名称を知らないという意味で断言を避け、「あのビッグ・スクリーンみたいなやつ」と表現した感覚になるでしょう。
「大きなスクリーンでプロポーズした」という説明で、そういう演出のプロポーズだとわかったレイチェルは、「あぁ、あれはすっごく悪趣味(tacky)よね」とけなしています。
tacky という形容詞は、マイクと試合を見ている時にもフィービーが使っていた言葉ですね。
それでフィービーは、that's what I said. 「それ(今のレイチェルの発言)は、私が言ったことである」→「私も(あの時)そう言ったの[今レイチェルが言ったように、tacky だと言ったの]」と説明することになります。
「ね、ああいうプロポーズって、tacky だと思うでしょ? 私も実際にそう言ったのよ、でも…」と続けて、「昨日の晩、マイクが私に、それと同じ方法でプロポーズするつもりだったことがわかったの」と言っています。
フィービーから propose という言葉が出たので、フレンズたちは、「そうなの? それっておおごとよ!」と大騒ぎしています。
ロスに、「フィービー(の方)は、マイクと結婚したいと思ってるわけ?」と聞かれたフィービーは、「私は本当に結婚したいと思ってるわ! そうよ」と肯定するのですが、その後、But after... のセリフを言っています。
シンプルな構造にすると、「私が〜した後(では)、彼が…するとは思えない」ということですね。
dump は「ダンプカー」のダンプで、他動詞としては、「ごみなどを(投げ)捨てる、どさりと下ろす」という意味があります。
フレンズでは「(人を)ふる」という意味で使われることが多いですね。
今回の文では、dump on の形になっていますが、dump on で「〜をけなす、批判する」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
dump on [phrasal verb] (informal) :
dump on somebody
to criticize someone very strongly and often unfairly
つまり、「非常に強く、しばしば不当に、人を批判すること」。
ロングマンの例では、dump on+人、の形になっていますが、今回のセリフでは、それを the way he was gonnna 「彼が〜しようとした方法」に対して使っていることになるでしょう。
つまり、「彼は、大きなスクリーンを使ってプロポーズしようとしていたのに、その方法を私がけなしてしまった後では、彼がもう一度、私にプロポーズしてくれるとは思えないわ」ということですね。
さらにそれが初めてのことではなく、わざわざバルバドスまで追いかけてプロポーズしてくれたマイクに対して、フィービーは既に一度、ノーと言っていますので、「バルバドスでもノーと言って、今はこんな風にプロポーズする前に方法をけなしちゃって」と言っていることになります。
それを聞いていたチャンドラーは、「フィービー(の言うこと)は正しいよ!」と言った後に、If I were a guy and.... と話を続けようとするのですが、そこまで言ったところで発言をストップし、フレンズたちも「今、何て言った?」という顔でチャンドラーを見つめています。
If I were a guy というのは、典型的な「仮定法過去」ですね。
現在の事実とは異なる仮定をする場合に、過去形の were が使われる、ということで、If I were... のように、「仮定法過去」を使ったということは、すなわち、「実際には、I am a guy ではない」と言っていることになってしまうわけです。
実際には男であるはずの(笑)チャンドラーが、仮定法過去を使って、「(事実とは異なり)もし俺が男なら」のように表現したので、フレンズたちも「え?」となったわけですね。
「もし俺が男なら、、って、じゃあチャンドラーは男じゃないわけ? 自分で男じゃないって認めたわけ?」とツッコミたくなるわけです。
チャンドラーも、自身の発言のおかしさに気づき、「今、俺、「もし俺が男なら」って言ったよね?」と、自らその発言の奇妙さについて語ることになります。
ゲイ疑惑をもたれたり、女子っぽい部分があることを指摘されたりするチャンドラーなので、こういう「自爆したかのような発言」がジョークになるわけですね。
モニカは、Maybe 「多分(〜なんじゃないかしら、〜だと思うわ)」を使って、プロポーズについてのアドバイスをしています。
最初の文を直訳すると、「(多分)あなたは、彼にプロポーズしてもらう必要がない」ですね。
2つ目の文は、「(多分)あなたが彼にプロポーズできる」になります。
「1回目は断って、2回目は方法をけなしちゃって、もう二度とマイクはプロポーズしてくれないわ」と言ったのを受けて、「別に彼にプロポーズしてもらわなくても、あなたから彼にプロポーズすればいいのよ」と助言したことになります。
それを聞いたフィービーは、「どうかしらね、わからないわ」と言った後、「それってちょっと desperate じゃない?」と言っています。
アメリカの人気ドラマ「デスパレートな妻たち(原題: Desperate Housewives)」というのもありますから、「デスパレート」というカタカナでもイメージはわきますが、日本語だと「必死の、死に物狂いの」というところですね。
DVDの日本語音声では、「だって、それってなんか、がっついてない?」と訳されていましたが、「がっつく、がっついている」というニュアンスも、このセリフにはよく合っていますよね。
フィービーに言わせると、「女の方からプロポーズするなんて、必死すぎる、がっついてるように見える」ということですが、そう言われたモニカは、「私はチャンドラーにプロポーズしたわ!」と言っています。
「がっついてるみたいでかっこ悪いと言いたいようだけど、私たちの場合は、女の私からプロポーズしたんだけど!」と言っているわけですね。
「私からチャンドラーにプロポーズした」というのは、過去記事、可能だと思った以上に幸せにする フレンズ6-25その6 に出てきましたね。
モニカが片膝をつくこのシーンは、何度見ても泣けてしまう、フレンズ屈指の名シーンだと思うのですが、それを後のエピソードで、ジョークの流れとして使うところもまた、フレンズっぽくていいですね。
この、フレンズ6-25 でのプロポーズシーンは、ジョーイが扉を閉めた後、チャンドラーとモニカが二人きりになった後で行われたものではありましたが、「どんな風にプロポーズしたのか」という詳しい状況について、他のフレンズたちにも後ほど話して聞かせたことでしょうし、「最初はモニカの方からプロポーズしようとした」ということも、フィービーは多分、知っていたのではないかと思います。
モニカとしては、「私がチャンドラーにプロポーズしたことを知っていて、その私の前で、”女の方からプロポーズなんて、がっついてない?”なんて言うわけ?」という気持ちだったのでしょう。
そんな風に怒っているモニカを見て、チャンドラーは「俺は(あのプロポーズが)がっついた必死なものだとは思わなかったよ。素晴らしいと、素敵だと思ったよ」とフォローし、モニカも素直に「ありがとう」と返すことになるわけですね。
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2016年02月10日
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