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マイクがプロポーズする前に、その方法をけなしてしまったフィービーは、「もうこれで二度とプロポーズしてくれないわ」とフレンズたちに嘆いています。
モニカに、「女の方からプロポーズするのもアリよ」とアドバイスされて、フィービーは、マイクがやろうとしていた「バスケの試合の大きなスクリーンでプロポーズする」という方法を使って、フィービーの方からプロポーズします。
ですが、言われたマイクは困惑した表情で、さらには場内アナウンサーにも、
アナウンサー: Get a load of this. She's proposing to him! Guess we know who wears the pants in that family. (これをよくお聞き下さい。彼女が彼に[女性から男性に]プロポーズしています! (二人が結婚した)その家庭で、どちらが主導権を握るかわかりますよね。)
と言われてしまいます。
まわりの観客からも大ブーイングされ、フィービーは怒り、マイクはさらに困惑することになってしまった、、、その後のシーン。
[Scene: Mike and Phoebe at a restaurant.]
マイクとフィービーはレストランにいる。
フィービー: That woman at the game didn't know what she was talking about, Mike. Obviously, you have balls. (試合の時のあの女性は、自分の言っていることがわかってなかったのよ。マイク、間違いなく、あなたはタマありよ。)
マイク: Please, let's just forget the whole thing. (頼むよ、その件については全部忘れて。)
フィービー: (the waiter puts a piece of cake on the table) I would love it. Consider it forgotten. ([ウェイターがテーブルに一切れのケーキを置く] それがいいわね。もう忘れたわ。)
マイク: Thank you. (ありがとう。)
フィービー: But just so you know. However and whenever you decide to propose, I promise I'll say yes. Whether, whether, you know, it's at a basketball game, or in skywriting, or, you know, like some lame guy in a cheesy movie who hides it in the cake. (でも、言っとくけどね。どんな風に、そしていつあなたがプロポーズすることを決めたとしても、私はイエスって言うって約束するわ。ほら、バスケの試合でも、空中に文字を書いても、それから、それ(指輪)をケーキの中に隠したりするような、B級映画のダサい男みたいでもね。)
(Mike's face changes from happy to sad, and he looks at the cake, disappointed.)
マイクの顔が幸せから悲しみにに変わり、彼はがっかりした様子でケーキを見る。
フィービー: It's in the cake, isn't it? (指輪がそのケーキの中に入ってるのね?)
マイク: (puts on a fake smile) Where else would lame Mr. No Balls hide it? (he takes the ring from the cake, and cleans it with a napkin) ([作り笑いをして] ダサい「タマなし男」がそれを他のどこに隠すっていうの? [マイクはケーキから指輪を取って、それをナプキンで拭く])
フィービー: What's the matter with me? How do I keep ruining this? I'm sorry. I'm sorry! (私はどうしちゃったの? どうしてこういうのをダメにし続けちゃうの? ごめんなさい、ごめんなさい!)
フィービーは、「試合の時のあの女性は、自分の言っていることがわかってなかった」と言った後、you have balls. と言っています。
have balls は一般的には「根性がある、勇気がある」という意味で使われますが、元々のダイレクトな意味で表現すると、「(男性が)タマを持っている、タマがある」というような感覚になります。
フィービーが you have balls. と言った後、ラフトラック(観客の笑い声)が起こっているのも、そのような「タマがある」というニュアンスで使っていることがわかるからですね。
「試合の時のあの女性の発言はおかしいわ。だってあなたは間違いなくタマありだもの」みたいに言っているのは、「女性から男性にプロポーズしたことで、ブーイングを受けた」ことについての話ですね。
アナウンサーが言っていた、wear the pants (in the family) を直訳すると、「パンツをはく」ということですが、これは「(家庭での)主導権を握る、家を仕切る」という意味で、主語が女性の場合だと、「妻が夫を尻に敷く、かかあ天下である」という意味で使われます。
プロポーズの時点から、女性側がリードしているようでは、この先、結婚しても、女性がリードし続けるに違いない、夫は妻の言いなりになって、尻に敷かれるのは間違いない、みたいに、アナウンサーに言われてしまったわけですね。
レストランでのフィービーのセリフでは、That woman at the game となっていますが、アナウンサーは男性だったので、フィービーは(そのシーンには出てこなかったけれども)観客の女性の誰かが言った発言について、ここで語っていることになるでしょう。
「あの女性は自分が言ってることがわかってなかったのよ。あなたはタマありよ」と言っていることから考えて、He has no balls. 「あの男性はタマなしね」みたいにマイクのことをけなした、ヤジを飛ばした女性がいたであろうことが想像できるわけですね。
フィービーは「みんなが何て言おうと、あなたは立派な男よ」と慰めようとしているわけですが、マイクはその時のことは思い出したくもないらしく、「その件は全部忘れようよ」と言っています。
フィービーもそれに同意する形で、I would love it. Consider it forgotten. と言うことになります。
I would love it. は「私もそうしたい、それがいいと思う」という感覚。
Consider it forgotten. は、Consider it to be forgotten. 「それを忘れられたとみなして・考えて」の to be が省略された形と考えればよいでしょう。
「それはもう忘れられたと考えて」→「もう忘れたわ。忘れたから安心してね」という感覚ですね。
同じような形の決まり文句として、Consider it done. というものがありますが、それも「それが済んだ(もの)と考えて」という意味から、人に頼まれごとをした場合の了解の返事「わかった。任せて。喜んでそうするよ」として使われます。
その後フィービーは、「どんな風に、いつ、あなたがプロポーズするって決めても、私は必ずイエスと言うわ」と言っています。
「今度プロポーズされた時には、どんな状況でもイエスって言うからね」ということをフィービーの方から言うことで、すっかりプロポーズすることが怖くなっているであろうマイクを励ました感じになるでしょう。
その後、whether A or B or C 「A であろうと、B であろうと、(はたまた)C であろうと(いずれにしても)」と譲歩の副詞節を使っています。
A, B, C みたいなプロポーズであっても、私はイエスって言うからね、ということで、「バスケの試合でも」を筆頭に、その後、2つの例を挙げています。
skywriting は、「空に書く(こと)」という意味から、何となくイメージが湧きますが、「飛行機で空中に文字を書くこと」ですね。
3番目の例の、like some lame guy in a cheesy movie who hides it in the cake について。
cheesy は「安っぽい、低級の、B級の」なので、「それをケーキの中に隠す、B級映画の(ある)ダサい男のように」と言っていることになります。
「it をケーキの中に隠す」と表現していますが、これは映画などでよく見かける「指輪をケーキの中に隠す」ことを指しています。
「B級映画のダサい男みたいに」と言っているように、安っぽい映画でよく見かけるシーンなので、あえて a ring と表現しなくても、it だけでわかるわけですね。
アリー my Love (原題: Ally McBeal)の、シーズン4第22話「運命のいたずら」(原題: Home Again)にも、そういうシーンがありました。
「安っぽい映画で、ダサい男がよくやるような、ケーキの中に指輪っていうプロポーズであっても、私はイエスって言うわよ」みたいに「ダサいプロポーズの例」として挙げたわけですが、それを聞いたマイクががっかりした顔で、今運ばれてきたばかりの目の前のケーキに視線を落としたので、フィービーはまた、自分が失言したことに気づきます。
ここでも、a ring ではなく、it を使って、It's in the cake, isn't it? 「それがそのケーキの中に入ってるのね?」とフィービーは尋ねることになります。
「試合の大スクリーンでのプロポーズ」に続き、「ケーキの中に指輪」というプロポーズもけなされてしまったマイクは、寂しそうな作り笑いを浮かべて、Where else would lame Mr. No Balls hide it? と言っています。
直訳すると、「ダサい、ミスター・ノー・ボールズが、それを他のどこに隠すっていうの?」みたいな感じですね。
前回の「大スクリーンでのプロポーズ」で、no balls のように言われたことを受けて、「男らしさのかけらもないダサい僕が指輪を隠すといったら、(同じような男がよくやる)ケーキの中に隠す以外にはないだろ? それ以外のおしゃれな場所に隠すわけないだろ」みたいなところですね。
no balls や lame という言葉を使って、自分のプロポーズのダサさ加減を自虐的に言ってみせている感覚です。
またもや、マイクがやろうとしていたプロポーズを、直前にけなしてしまったことで、フィービーは、「私ったら一体どうしちゃったの?」と言っています。
How do I keep ruining this? を直訳すると、「どのようにして、私はこれをダメにし続けるの?」ということですから、マイクがプロポーズしようとするのをことごとくダメにしてしまうという自分の言動が自分自身で信じられないと言っているニュアンスになるわけですね。
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そんなわけでまた勝手コメントさせてもらいますことお許しください。
今回のシーンでフィービーがThat woman at the game didn't know what she was talking about・・と言っていますが、このthat woman はフィービー自身のことではないでしょうか?「あの女は自分で何を言っているのかわからなかったのよ。(トチっちゃって皆から尻に敷かれるとかいろいろ言われちゃったけど)あなたはもちろんタマありよ。」という感じかと思います。フィービーがいろいろと弁解がましいので、マイクはPlease, let's just forget the whole thing. と返したのかと思いますがいかがでしょうか?that woman に該当する女はシーンの中には他にいなかったと思います。
いつもご丁寧に解説していただき本当にお世話になっております。
こんにちは。コメントありがとうございます。
拙ブログに対する温かいお言葉、本当にありがとうございます。いつもそのように言葉を尽くして拙ブログに対して高い評価のお言葉をいただけること、本当に光栄でとても嬉しく思っております。
このブログも開始してから10年を過ぎましたが、2005年の記事などに今でもコメントやご質問をいただけることは、本当にありがたいことだと日々感じています。一つ一つの記事がずっと生き続けてくれるのを実感できているからこそ、現在投稿中の記事にも全力投球できるのですね。その記事も、こちらが一方的に発信してそれでおしまい、ではなくて、読者の方々の反応をいただけることでさらに内容が膨らみ、「フレンズ英語攻略ガイド」というデータベースとしての意味もより高まってくれています。私が自分を「ブロガー」と名乗ってこられたのも、ブログを読んで下さり応援して下さる読者の方あってこそです。本当にありがとうございます!
それから、今回のシーンのセリフについてのコメントもありがとうございます。過去のある場面での自分のことを、That woman at the game 「あの試合のあの女性」のように、距離感を出して客観的に表現する、という手法は確かにありますよね。いただいたコメントを読ませていただき、私ももう一度、じっくり考えてみました。
That woman at the game didn't know what she was talking about, Mike. Obviously, you have balls. というセリフは、「あの試合のあの女性は、自分が何を言っているかわかってなかったのよ、マイク。明らかに、あなたはタマありよ」ということですね。
「あの女性は何もわからずにいい加減なことを言っていた。(彼女の発言は間違いで)あなたは間違いなく、タマを持ってるわ」というところで、Obviously 「明らかに」という言葉を入れていることで、「彼女が何と言おうが、あなたはタマあり」→「その彼女は、”マイクはタマなし”的な発言をした」ということが示唆されているように感じました。
「かかあ天下になる。尻に敷かれる」と言ったのは男性アナウンサーで、他の観客の発言は、セリフとしては聞こえてきませんでしたが、あそこでブーイングしていた人の中に、”プロポーズされた方の男性はタマなしね”と言った人がいた、ということが、フィービーのそのセリフからわかった、という面白さであるように私は思うわけです。
フィービーは、画面に "Mike will you marry me?" と映し出される中、ひざまずいて "Mike Hannigan, will you marry me?" と言い、そこまでは特に問題も失敗もなく、フィービーとしては「うまく行った」と思ったのでしょうが、男性側のマイクは「人前で女性からプロポーズされたこと」を男性として恥ずかしいものと捉え、観客も同様に「男の方に度胸・意気地がないからこうなった」という空気になっていましたよね。
フィービー一人だけが強気で、「ブーイングしてるあんたらに、こっちがブーイングだわよ!」みたいに言うところでシーンは終わっていましたので、フィービーとしては今この時も「あの時の自分の言動は間違っていない」という気持ちだろうと思います。ですから、「何を言っているか自分でわかってなかった(わけがわからず、適当なことを言っていた)」というのは、フィービー自身のことを指しているようには思えない気がするのですね。フィービーはマイクのことを「男らしくない」と言ったわけではないので、「あの時の私はわけがわからなくて変なことを口走ってしまったのよ。間違いなくあなたはタマありだからね」という流れでは、フィービーの言動と合わない気がするのです。
フィービーは「女から男にプロポーズすることの何が悪いの? それで男が情けないと言われる筋合いなんかないわ!」という気持ちもあって、「あなたは何も悪くない。誰が何と言ってもあなたは男らしい男よ」と慰めようとしているのでしょうが、マイクとしては「自分が用意していたプロポーズが失敗して、あげく、女性のフィービーの方から人前でプロポーズされることになってしまった」ことが、プロポーズの失敗にさらに追い打ちをかけることになって、男としてものすごく惨めにみっともなく感じてしまったのでしょう。それで「あなたは男らしいわよ」と励ますフィービーに対して、「そんなことを言われたら、余計に惨めになるから、もうその話は持ち出さないで」的に、その話を切ろうとした、ということなんだろうと思います。
that woman at the game の文は「あの女は何を言ってるか自分でわかってなかったのよ」で、それだけでは発言の内容はわかりませんが、その後に続けて、「明らかに(実際に、本当に)あなたにはタマがあるから(あなたは男らしい男性だから)」と言ったことで、「その女の問題発言が”タマなし発言”的なものだったことがわかる」というオチになっているという仕組みなんだろうと思うのです。
that woman の発言をシーンとしては見せずに、フィービーのセリフだけで、「その手の balls 発言をした女性があの場にいた」ことを示す形のオチだった、ということになるように私は思いました。
いつも記事をしっかりお読みいただき本当にありがとうございます。貴重なご意見ありがとうございました。これからもどうかよろしくお願いします(^^)