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フレンズたちは、モニカの家にやってきて、「チャンドラーが浮気してるかも」と告げます。
そこにチャンドラーが帰ってきて、
チャンドラー: Hey! (やあ!)
ジョーイ: (to Chandler) You son of a bitch! ([チャンドラーに] この最低男!)
チャンドラー: Is it me, or have the greetings gone downhill around here? (それって俺のこと? それとも、この辺では、挨拶の言葉が低下しちゃったのかな?)
モニカ: (goes to Chandler) Phoebe and Rachel saw you with Nancy today and... em... They think you're having an affair. ([チャンドラーのところに行って] フィービーとレイチェルは、あなたが今日ナンシーと一緒にいるところを見たのよ。その… みんなはあなたが浮気してると思ってるの。)
レイチェル: Who's Nancy? (ナンシーって誰?)
ロス: What's going on? (どういうことなの?)
モニカ: (turns to them) Okay. Alright, you guys, you better sit down. This is-- This is pretty big. ([みんなの方を向く] いいわ、よし、みんな、座った方がいいわ。これは…これはかなり大ごとなの。)
チャンドラー: Yeah. (motions them to sit and they do) I'm not having an affair. Nancy is our realtor. (そうなんだ。[みんなに、座ろう、というしぐさをし、みんな座る] 俺は浮気はしてない。ナンシーは俺たちの不動産屋さんなんだ。)
ジョーイ: I knew he couldn't be with a woman for 45 minutes!! (チャンドラーが女性と一緒に45分もいられるわけないってわかってた!)
フィービー: Why do you have a realtor? (どうして不動産屋さんがいるの?)
モニカ: Uhm, she has been showing us houses outside of the city. (あのー、彼女はずっと、郊外の家々を私たちに見せてくれてるのよ。)
ジョーイ: (clearly shocked) What? ([明らかにショックを受けた様子で] 何だって?)
レイチェル: Are you serious? (マジなの?)
モニカ: When we found out that we're gonna get this baby, Chandler and I started talking and we decided that we didn't want to raise a kid in the city. (赤ちゃんをもらえるってわかった時に、チャンドラーと私は話し合いを始めたの、そして、都会で子供を育てたくない、って決めたのよ。)
フィービー: So you're-- So you're gonna move? (それじゃあ、あなたたちは… それじゃあ、あなたたちは引っ越すつもりなの?)
ロス: Oh, my God. (なんてこった。)
ジョーイ: Shouldn't we all vote on stuff like this?! (こういうことは投票[多数決]で決めるべきじゃないのか?)
家に帰ってきたチャンドラーに向かって、ジョーイはいきなり、You son of a bitch! と言います。
観客からはラフトラック(笑い声)が起こっていますね。
son of a bitch は「ろくでなし、最低男」のように、相手をけなし、ののしる言葉。
部屋に入ってきた相手に、何の事情も説明せず、いきなり、「この最低男め!」と言ったので、観客も「いきなり、それかい」的に笑ったことになるでしょう。
会うなり、そんなひどい言葉で挨拶されたことになるチャンドラーが返したセリフ、Is it me, or have the greetings gone downhill around here? が面白いですね。
Is it me? は、「それは俺(のこと)?」という感覚で、ジョーイが言った son of a bitch というのは俺を指しているのか? と尋ねたことになります。
「それは俺のこと? それとも、、」の後の文章、have the greetings gone downhill around here? について。
Have 主語 gone...? は現在完了形の疑問文。
greeting は「挨拶」、複数形の greetings は「挨拶の言葉」。
downhill は「ダウンヒル」というカタカナからも想像できる通り、形容詞「下りの、下り坂の」、副詞「下りに(くだりに)、下がって(さがって)」という意味になります。
「下がる」は「悪化する」という意味にもなるので、go downhill は「下り方向に行く、坂を下る」→「悪化する、悪くなる」という意味で使われます。
ですからチャンドラーのセリフの後半は、「このあたりでは、挨拶の言葉が悪くなったの?」→「このあたりでは最近、そんなひどい言葉が挨拶になったの?」ということになります。
「最低男! っていうのは俺のことを指して言っているのか、それともこの辺では、こういうののしり言葉が挨拶として使われるようになっちゃったのかなぁ?」と言っていることになるでしょう。
何でそんなことを言われたのか意味がわからないチャンドラーに、モニカは事情を説明します。
「あなたがナンシーと一緒にいるところを、フィービーとレイチェルが見たのよ」と言うのを聞いて、みんなは驚きの表情を見せています。
浮気相手かと思っていたのに、モニカはその女性のことを知っている様子なので、一体どういうことなの? という気持ちになっているわけですね。
モニカは真面目な顔で、You better sit down. This is pretty big. と言います。
You better は You had better 「あなた(たち)は〜した方がよい」ですね。
You had better の had が省略されて、You'd better になり、さらにはその -'d も省略されて、You better となったのがこの形です。
主語の You さえ省略されて、いきなり Better で始まる場合も、セリフにはよく登場します。
This is pretty big. は「これはかなり大きい」ですから、「これから話すことは、かなり大ごとよ。大きな話よ」ということ。
みんなを座らせた後、チャンドラーは「俺は浮気はしてない。ナンシーは俺たちの realtor だ」と説明します。
realtor は「不動産(仲買)業者、不動産屋」。
その後、ジョーイが、I knew... のセリフを言うのが面白いですね。
I knew he couldn't be with a woman for 45 minutes!! を直訳すると、「チャンドラーが女性と45分間も一緒にいることはできないだろうとわかってた」になるでしょう。
DVDの日本語訳では、「やっぱな。こいつが45分ももつわけないと思った」となっていましたが、まさにそういうことですね。
「浮気相手の女性だと思っていたのは、不動産業者だった」というニュースは、フレンズたちには「?!」となるニュースなのですが、ジョーイはとにかく「チャンドラーが45分も? って不思議に思ってたけど、やっぱり俺の思った通りだった!」と勝ち誇ったように、そっち方面のことばかりを言っている面白さになるでしょう。
「どうして不動産屋さんがいるの?」と聞かれたモニカが、「私たちにずっと、郊外の家々を見せてくれている」と言ったので、フレンズたちはショックを受けています。
不動産業者にそういう家を見せてもらっている、ということは、郊外の家に住みたいと思っていることがわかるからですね。
When we found out that.. の文章のメインの構造は、「私たちが…とわかった時、話し合いを始めて、〜したくないと決心した」になります。
養子縁組が決まって、赤ちゃんをもらえる、とわかった時に、夫婦で話し合いを始めて、「都会で子供を育てたくない」と二人で決めた、ということですね。
「都会で子供を育てたくないから、郊外で家を探している」→「今住んでいるマンハッタンから、郊外に引っ越す」ことは明らかなので、フィービーが「引っ越すつもりなの?」と言った後も、フレンズたちは口々にそのニュースを受け入れられないというような発言をすることになります。
ショックを受けているフレンズたちではありますが、そこはコメディなので、次に続く発言は、観客の笑いを誘うものとなっています。
ジョーイの、Shouldn't we all vote on stuff like this?! は、「このようなことについては、俺たちみんなで投票すべきじゃないのか?」ですから、「都会から郊外に引っ越す、みたいな、そんな大事なことは、お前ら二人だけで決めちゃうんじゃなくて、フレンズみんなの意見を聞くべきだ。フレンズ6人で投票して、多数決で決めるべきだ」と言っていることになるわけですね。
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2016年04月26日
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