2016年05月18日

ビーズクッションに座っちゃったら フレンズ10-11その4

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シーンは、ロスとチャンドラーが大学生だったころのパーティーにフラッシュバックしています。
ロスに招待されて、高校生のモニカとレイチェルも来ています。
チャンドラー: Aren't you...? (君って…じゃなかったっけ?)
レイチェル: Yeah, Rachel. And this (points to Monica) is Ross' sister, Monica. We met at Thanksgiving. (looks around the room as if searching for something more interesting to do) . (そうよ、(私は)レイチェル。そしてこっちが[モニカを指さす] ロスの妹、モニカよ。私たち、感謝祭で会ったわ。[部屋を見回す、まるでもっと興味深いことを探しているかのように])
チャンドラー: (smiling at Monica) Right. (to Rachel) So how you doing? ([モニカに微笑みながら] そうだね。[レイチェルに] それで調子はどう?)
レイチェル: Bitchen. (イケてるわ。)
チャンドラー: Hi, Monica. (やあ、モニカ。)
モニカ: Hi, Chandler. It's really nice to see you. (rolls her eyes) NOT! (she and Rachel giggle a little and Chandler looks unimpressed) (はーい、チャンドラー。会えて嬉しいわ。[目をぐるっと回して] なーんて、うっそー! [モニカとレイチェルは少しクスクスと笑う。チャンドラーは何ら感銘を受けないという顔をする])
チャンドラー: O-kay. I'll see if I can find Ross. (Goes off to find Ross.) (オッケー。ロスがいるか見てくるよ。[ロスを探すためにそこを離れる])
モニカ: Oh, my God, Rach. Beanbag chairs. (なんてこと、レイチェル。ビーンバッグ・チェアー(ビーズ・クッション)よ。)
レイチェル: Oh. (あぁ。)
モニカ: Do NOT let me sit in one of those. We'll be here for days. (絶対に、ああいうの(の一つ)に私を座らせないでね。私たちが何日もここにいることになるわ[何日もここから離れられないわ]。)

レイチェルのことを認識したらしいチャンドラーに、レイチェルは自分たちの自己紹介をして、感謝祭で会ったわね、と言っています。
how you doing? と聞かれたレイチェルは、Bitchen. と答えます。
bitchen は、英辞郎では、→ bitchin と出ており、その bitchin/bitchin'/bitching というのは、
英辞郎では、以下のように説明されています。
bitching=【形】〈米俗〉素晴らしい、格好いい、すごい
・He is totally bitching. 彼はすっごく格好いい。
【副】〈米俗〉すごく、非常に


ネット俗語辞典である、Urban Dictionary でも、以下のように説明されています。
Bitchen : A term meaning good ; amazing ; fantabulous
例) Woah that cake looks totally bitchen.

つまり、「良い、素晴らしい、すごく素晴らしい(fantabulous = fantastic + fabulous)を意味する言葉」。例文は、「わぁ、そのケーキ、超最高って感じだね」。

この言葉の語源については、はっきり書いてあるものを見つけられなかったのですが、bitching という見た目から判断して、動詞 bitch の -ing 形だと考えられるでしょう。
bitch という単語は「雌犬」ということから、「あま、あばずれ女」という女性に対する蔑称として使われますが、動詞では「不平を言う」という意味があります。
そんな風に、「ネガティブなニュアンスの言葉を、良い意味で使う」というところに、この言葉の若者っぽさが出ている、ということだろうと思います。
意味としては、good/amazing のような言葉を答えているわけですが、そんな風に言いながらも、「なんかつまんない」みたいな態度で、高校生のレイチェルが背伸びして興味なさげな大人のふりをしているところに、面白さが出ているということでしょう。

次にチャンドラーはモニカに声を掛けます。
モニカは、「会えて嬉しいわ」と言った後、ト書きにあるように、目をぐるっと回して、大きな声で NOT! と付け足していますね。
このように、ある文章を言った後で、NOT! と付け加える表現は、「ノット・ジョーク」と言います。
「(文章)っていうのは、うそだよ〜ん」というニュアンスですね。

roll one's eyes というしぐさは、「あきれていることを示すために目をむく」という感じ。
このシーンの少し前、モニカがレイチェルに「チャンドラーは私のことを太ってるって言ったやつよ」と言っていたように、当時のモニカはチャンドラーに対してあまり良い感情を持っていないようでした。
ですから、「会えて嬉しいわ!」と挨拶し、さも再会を喜んでいるようなふりをしながら、その後、NOT! を付け足すことで、「って言うのは、うそよ〜ん。あなたに会えて嬉しいわけないじゃない」と言ったことになるでしょう。
「私たちを子ども扱いしないで。私たちだって、大学生と対等に会話できるのよ」とでも言いたげに、「年上をからかうようなジョーク」を言ってみせたつもりで、その後もくすくす笑いをしているのでしょう。
言われたチャンドラーの方は、そんなジョークちっとも面白くないといった様子で、憮然とした顔をしています。

チャンドラーがロスを探しに行った後、モニカは、beanbag chairs を発見します。
beanbag は「お手玉」。
日本のお手玉も、布の袋に小豆などを入れて作ったりすることから、お手玉のようなものを beanbag 「豆の袋」と表現するのはなんとなくわかりますね。
そして、今回のセリフに出てきた beanbag chair は、「(お手玉のように)中に豆が入った椅子」というようなニュアンスで、いわゆる「ビーズ・クッション」を指します。
Google の画像検索で、beanbag と入れて検索すると、そういうビーズ・クッションの画像ばかりがヒットします。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bean bag :
1. also bean bag chair a very large cloth or plastic bag that is filled with small balls of soft plastic and used as a chair
2. a small cloth bag filled with beans, used for throwing and catching in children's games

つまり、1. は「bean bag chair とも言う。大きな布またはビニール製の袋で、柔らかいプラスチックの小さなボールが詰まっており、椅子として使われる」。2. は「豆が詰まっている小さな布の袋で、子供の遊びで、投げたり受けたりするのに使われる」。
2. がいわゆる「お手玉遊びのお手玉」のことですね。
1. に、bean bag は、bean bag chair とも言う、と説明されていることからも、chair なしの bean bag だけでも、人が座るビーズ・クッションを表すことができる、ということになります。

ビーズ・クッションを見つけた後のモニカのセリフが面白いですね。
直訳すると、「ああいうビーズ・クッションの一つに私を座らせないで。私たちは何日もここにいることになる」になるでしょう。
ビーズ・クッションは座ると身体の形にフィットしてくれるので、非常に座り心地がいいですよね。
太っているモニカがあれに座ってしまうと、あまりの居心地の良さに、または身体にフィットし過ぎて、二度と立ち上がれなくなってしまう、という意味で、「私たちは何日もここにいることになる」→「いったん座ったら、再び立ち上がるのに、何日もかかってしまう」と言っていることになります。
ちょっとおまけの情報を付け加えておくと、このエピソードの最後のシーンで、踊っているモニカが、バランスを崩して、後ろに置いてあるビーズ・クッションに倒れるシーンが出てきます。
そのシーンがエピソード最後のオチになっているのも、ここで「ビーズ・クッションに座ったら、立ち上がるのに何日もかかる」というセリフがあったのを受けてのものだということですね。


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posted by Rach at 15:05| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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