2016年05月23日

何でお前のベッドに寝かせたりするんだよ? フレンズ10-11その6

皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は7位です。
ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ


ロスとチャンドラーが大学生だった頃のパーティーの夜に、酔いつぶれて寝てしまったレイチェルにキスした、と言うロス。
チャンドラー: Oh wait... What bed did you say she was on? (あぁ、待って。どのベッドに彼女が寝てた、って言った?)
ロス: Mine. (僕のベッドだ。)
チャンドラー: I'm pretty sure I put her on my bed. (俺は間違いなく、彼女を俺のベッドに寝かせたぞ。)
ロス: No, she was definitely on my bed. (いいや、彼女は絶対に僕のベッドにいたよ。)
チャンドラー: Why would I kiss a girl and then put her on your bed? (どうして俺が、女の子にキスした後で、お前のベッドに彼女を寝かせたりするんだよ?)
ロス: Well, then who was on my bed? (それじゃあ、僕のベッドにいたのは誰?)
モニカ: (screeching) OH! Oh, oh! (holding her hand in front of her mouth) ([金切り声を上げて] あぁ! あぁ、あぁ! [口の前を自分の手で覆う])
ロス: (realizing) NO! No, no! ([気づいて] 違う! 違う、違う!)
モニカ: YES! (Chandler gets an "oh no!" look on his face) (そうなのよ! [チャンドラーは顔に”オー、ノー!”という表情を浮かべる])
ロス: You were under the pile of coats? (お前はコートの山の下にいたのか?)
モニカ: I was the pile of coats! (私がコートの山だったのよ!)
ロス: OH MY GOD! (なんてこった!)
モニカ: You were my midnight mystery kisser?! (真夜中にキスした神秘的な人はあなただったの?)
ロス: You were my first kiss with Rachel?! (お前がレイチェルとのファーストキスだったのか?)
モニカ: You were my first kiss ever?! (あなたが私の人生最初のファーストキスだったの?)
チャンドラー: What did I marry into?! (何て家の人間と、俺は結婚したんだ?!)

チャンドラーは、「お前はさっき、レイチェルがどのベッドに寝てた、って言ってた?」と尋ねます。
mine = my bed と答えるロスに、チャンドラーは、I'm pretty sure... と言っていますね。
pretty sure は「かなり確かである、まず間違いない」という感覚。
「俺は彼女を俺のベッドに置いた(寝かせた)のは間違いない」と確信を持って言ったチャンドラーに対し、ロスの方も、definitely 「絶対に」を使って、「レイチェルは僕のベッドにいた」と主張します。

Why would I kiss a girl and then put her on your bed? について。
まず、kiss a girl and then put her on your bed は、「ある女の子にキスをして、それから彼女をお前のベッドに寝かせる」になりますね。
レイチェルに関する出来事に限定しているわけではなく、一般的に誰か女の子とキスした場合に、その子をお前のベッドに寝かせる、ということについて話をしていることになります。
そして、Why would I...? のように would が使われているのは、「どうして(そういう状況になった時に)俺がそういうことをするんだよ[どうして俺がそういうことをしようと思うんだよ・考えるんだよ]」のような、「そういう状況になったと仮定した場合の自分の意志」を表している感覚になるでしょう。
Why did I kiss a girl... のように、ここで did を使ってしまうと、「どうして俺は(あの時)キスした女の子をお前のベッドに寝かせたのか?」という意味になり、「その時、俺が、”キスした子を(自分のベッドじゃなく)お前のベッドに寝かせた」のが「実際に起こったこと(事実)」になってしまいます。
ここでチャンドラーが言いたいのは、「その時の俺がどうしてそういうことを(実際に)したか? 俺がそんなことをした理由は何か?」(Why did I...?)ではなくて、「俺が何でそんなことをしようと思うんだよ?[そんなことするはずないじゃん]」なので、did ではなく、would を使っているということになります。
「考えてもみろよ、ある子とキスして、それを自分のベッドじゃなく他人のベッドにわざわざ寝かせたりするかぁ?」というように、「そういう状況になった時、普通はそんな行動は取らないだろ?」という意味で、一般的に a girl と表現した上で、Why would I...? 「どうして俺がそんなことしたりするんだ?」と言っているわけですね。

then who was on my bed? は、「それじゃあ、僕のベッドにいたのは誰?」ということ。
チャンドラーが僕のベッドにレイチェルを寝かしたんじゃなかったとしたら、あの時、僕のベッドに寝ていた人、僕がキスしちゃった人は一体誰だったの? ということです。
その会話を聞いていたモニカは何かに気づいたように、Oh, oh! と言いながら、手で口を覆っています。
そのモニカの反応を見れば、「レイチェルじゃないとしたら、レイチェルと一緒にパーティーに来ていたモニカだった」ということが、観客にもそしてロスにもわかりますね。
「キスしたのは、レイチェルじゃなく、実の妹のモニカだった」というような驚愕の事実を認めたくないロスは、「そんなはずない。違う違う」と必死に否定するのですが、モニカははっきりと、YES! 「(違わない)そうなのよ!」と認めます。

その後の兄妹の会話、"You were under the pile of coats?" "I was the pile of coats!" というのも面白いです。
pile は「堆積、積み重ね、積み重なり、山」なので、under the pile of coats は「コートの山の下(にいる)」。
これは、前回記事のシーンで、ロスが "She was lying on my bed, all buried in peoples' coats." (レイチェルは僕のベッドで寝ていた、みんなのコートにすっかり埋もれてね。)と説明したことと繋がっています。
「コートの山に埋もれてた人物は、お前(モニカ)なのか?」とロスが尋ねたことに対して、モニカは「(私はコートの山に埋もれてたんじゃなくて)私(自身)がそのコートの山だったのよ」と答えたことになります。
身体の上にコートが積み上げられていたのかと思ったら、その山のようなふくらみは、激太りのモニカの身体だった、と言っているわけですね。

その事実を知ってショックのロスに、モニカは、You were my midnight mystery kisser?! と言っています。
midnight mystery kisser を直訳すると、「真夜中の、謎に包まれた、キスする(した)人」ですね。
「真夜中にキスしてきた、謎の人、あれはあなただったの?!」と言っていることになります。
モニカの中では、ロマンティックに my midnight mystery kisser というイメージで記憶に残っていた人が、「レイチェルと間違えてキスしてきた、自分の兄だった」とわかって、嘘でしょう?! と叫びたくなる気持ちなのですね。
次にロスが、You were my first kiss with Rachel?! 「レイチェルとのファーストキスはお前だったのか?」と言うと、モニカもまた、You were my first kiss ever?! 「私の人生最初のキスがあなた(兄さん)だったの?」と返します。
ever は最上級と結びついて「今まで、これまで」という意味で使われますので、my first kiss ever は「それまでの人生で最初のキス」という感覚。
ロスは「レイチェルとの初キスがお前だったとは」と言っているわけですが、モニカの方はさらに最悪で「誰とのファーストキス、とかじゃなくて、とにかく人生最初のキスだったのに、それが兄さんだったなんて!」と言っていることになります。
「レイチェルとのファーストキスが、、」とかって嘆いているけど、こっちは人生初めてのキスだったんだから、もっとショックが大きいわよ! と返していることになるでしょう。

兄ロスと妹モニカがそんな会話をしているのを聞いて、チャンドラーは、What did I marry into?! と叫んでいます。
marry はまず、「(人)と結婚する」という他動詞として使われますね。
プロポーズの定番、Will you marry me? はまさにその他動詞です。
と同時に、自動詞で「結婚する、嫁ぐ(とつぐ)」という意味があり、中に入るというニュアンスの前置詞 into と結びついた marry into の場合は、「(ある家に)嫁ぐ、結婚して(ある家・家族の)一員となる」という意味になります。
「結婚してその家の中に入る」というニュアンスから、女性であれば「(ある家に)嫁入りする、嫁ぐ」になり、男性であれば「(ある家の)婿になる、婿入りする」のようなニュアンスが出るでしょう。
男女が対等な形で結婚する、というよりも、「結婚することで、相手の家の一員になる」というニュアンスが、marry into には出ている、ということですね。
ですから、チャンドラーのセリフを直訳すると、「俺は何(どんな家)に婿入りしたんだ?」みたいなことになりますが、実際のところは「嫁入り、婿入り」というような古風な婚姻でもないわけですし、もう少し実際の状況に合わせて訳すと、「なんて家の人と、俺は結婚したんだ?」と言っている感じになるでしょう。
兄と妹でキスしたとか言って大騒ぎしている、そんなとんでもないゲラー家の人と俺は結婚しちゃったんだ、、「何て家の人間と俺は結婚しちゃったんだろう!」という気持ちが、What did I marry into?! に出ている、ということです。
結婚相手のモニカ一人だけが問題なのではなく、その兄も含めて問題であることを、「自分が結婚した相手の家は、とんでもない家だ」のように表現していることになるわけですね。

この What did I marry into? というセリフは、全く同じ形で、今回のエピソードのオープニング前のシーンに出てきていました。
ジョーイが「ピラミッド」というクイズ番組に出ると聞いた後、「ピラミッドは一番好きなクイズ番組よ」という話から、ロスとモニカのゲラー兄妹は、
ロス: Except for "Match Game". (Match Game を別にすればね[Match Game が一番だけどね]。)
モニカ: Or "Win, Lose or Draw". (または、Win, Lose or Draw ね[Win, Lose or Draw もいいわね]。)
のような、「子供の頃からクイズ番組マニアだった」っぽい会話をしていました。
それを見ていたチャンドラーが、「何て兄妹だ。何て家庭の人間と俺は結婚したんだ?」という意味で、What did I marry into? と言っていたのですが、オープニング前のシーンで使われていたそのセリフが、エンディング・クレジット前のオチでまた使われる、という、コメディによくあるパターンになっている、ということですね。


ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。
人気ブログランキングへ にほんブログ村 英語ブログへ
posted by Rach at 17:48| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。