2016年06月01日

サムシング・ブルーになる フレンズ10-12その4

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雪が積もった屋外で、フィービーとマイクの結婚式が始まります。
司祭を務めることになったジョーイの代わりに、チャンドラーが父親代わりとしてフィービーをエスコートすることになり、ロスはマイクの犬チャピー(Chappy)を抱っこする役となります。
ロスと、フィービーの付き添い役(bridesmaid)のレイチェルが、まずは通路を歩いて行きます。
レイチェル: Jeez, Ross. You could've showered. (もう、ロス。シャワー浴びたら良かったのに。)
ロス: It's the dog. ((臭いのは)犬だよ。)
(we cut to Monica)
画面がモニカにカットする。
モニカ: Groomsman, groomsman? Why are you just standing there? Where is your bridesmaid? (into microphone) We've got a broken arrow! Bridesmaid down! (realizes) Oh, that's me. (グルームズマン(花婿の付添人)、グルームズマン? どうしてあなたはそんなところで突っ立ってるの? あなたの(ペアになる)ブライズメイドはどこ? [(ヘッドセットの)マイクロフォンに向かって] ブロークン・アロー[核弾頭紛失]! ブライズメイド撃墜[行方不明]! [気づいて] あぁ、それって私か。)
(She walks down the aisle with the groomsman. We cut to inside Central Perk, where Phoebe and Chandler are waiting.)
モニカは(ヘッドセットを外して)そのグルームズマンと一緒に通路を歩いて行く。セントラルパークの中に画面がカット。そこではフィービーとチャンドラーが待っている。
チャンドラー: Ready? (準備はいい?)
フィービー: (nervously) Okay. ([緊張した様子で] いいわ。)
チャンドラー: Okay. (よし。)
フィービー: Oh, wait. Oh, no. Wait. (あぁ、待って。だめ、待って。)
フィービーは上着を脱ぎ、薄いスミレ色のウェディングドレス姿になる。
チャンドラー: Wow! Aren't you gonna be cold? (わぉ! 寒くならない?)
フィービー: I don't care. I'll be my "something blue." (気にしないわ。私が(私の)「サムシング・ブルー」になるわ。)
チャンドラー: You look beautiful. (きれいだよ。)
フィービー: Thank you. (ありがとう。)

You could've showered. は、could have p.p. (過去分詞)の形で、「〜しようと思えばできたのに(実際にはそうしなかった)」という意味。
ですから、「(この式に参加する前に)あなたはシャワーを浴びることだってできたでしょうに」→「シャワー浴びてきたら良かったのに」と言っていることになります。
ロスが犬の抱っこ役を買って出た後、その犬が臭いことに気づいてロスはものすごく嫌な顔をしていたのですが、その犬の臭いをロスが発していると思ったレイチェルが、「あなた、臭うわよ。シャワーくらい浴びてきなさいよ」と言ったのですね。
臭い犬を抱っこしている上に、その臭いを自分のだと誤解されたロスは、「(臭うのは)僕じゃなくて犬だよ」と怒って言うことになります。

式直前になっても、相変わらずヘッドセットを付けているモニカは、そこに一人で立っているgroomsman(花婿付添人、マイクの友人が担当している)を見て、「あなた、どうしてそこにただ(突っ)立ってるの? あなたの[あなたとペアを組んで一緒に入場するはずの] bridesmaid(花嫁付添人)はどこ?」と問い詰めた後、ヘッドセットのマイクロフォンに向かって、We've got a broken arrow! Bridesmaid down! と、また軍隊っぽい口調で叫んでいます。
arrow は「矢」で、broken arrow を直訳すると「壊れた矢、折れた矢」というところですが、英辞郎には以下の意味が載っていました。
broken arrow=【2】核弾頭紛失を意味する暗号

「ブロークン・アロー」と言えば、そういうタイトルの映画もありましたね。
「ブロークン・アロー」(原題: Broken Arrow)は、クリスチャン・スレーター、ジョン・トラボルタ主演の1996年のアメリカ映画。
(私はこの映画を見ていないのですが)ステルス機から核弾頭が盗まれる話とのことですから、そういう暗号がタイトルになっているようですね。

英語版ウィキペディアの United States military nuclear incident terminology(つまり、「米軍の核(に関する)事故の用語」の一覧の中に、Broken Arrow が載っています↓
Wikipedia 英語版: United States military nuclear incident terminology#Broken_Arrow

引用させていただきますと、
Broken Arrow refers to an accidental event that involves nuclear weapons, warheads or components, but which does not create the risk of nuclear war.
つまり、「ブロークン・アローとは、核兵器、核弾頭、核構成部品にかかわる偶発事故(の出来事)のことを言うが、それは核戦争のリスクを生まない(もの)」。
which 〜 war までが太字表記になっていて、ここが用語のポイントだということですね。
核が関係する事故であるが、核戦争の危険性まではない、というレベルを指すことになります。

モニカは次に、Bridesmaid down! と言っています。
通常、"人 is down." という場合は、「倒れて、横になって」「病気になって、床について」「(精神的に)落ち込んで、気がふさいで、気が滅入って」のような意味で解釈可能ですが、今回は「ここにいるべき人が、気分または体調が悪くてダウンしている」というような意味ではなく、ここでも軍隊用語のイメージで、down と表現していることになるでしょう。
軍隊での会話で down というと、戦争映画「ブラックホーク・ダウン」(原題: Black Hawk Down)などの down を連想すればいいのかなと思います。
この映画は(これまた見ていないのですが)米軍ヘリコプターのブラックホークが撃墜される話とのことなので、down は「撃ち落とされた、撃墜された」ニュアンスということになるでしょう。

ブライズメイドが見当たらないことを「核弾頭紛失」に例え、彼女がいないことを「彼女は撃墜された(だから行方不明で連絡が取れない)」と軍隊風に言ってみせた感覚になるでしょうね。

そんな風に軍人用語を使って騒いでいたモニカでしたが、モニカ自身がそのブライズメイド役だったことに自分で気づいて、「あぁ、それって私だわ」と言ってヘッドセットを取り、ペア役のグルームズマンと腕を組んで歩いて行くことになります。

セントラルパークの中に画面がカットし、そこにいる花嫁フィービーと、父親役のチャンドラーが映ります。
緊張した面持ちのフィービーは、チャンドラーに促されて、Okay. と言うのですが、出て行く前に待って、と言って、カラフルな上着を脱ぎ始めます。
中は薄いスミレ色のドレスで、肩以外の部分は、腕も胸も大きく見せる形になっています。
フィービーのスタイルの良さがよくわかる素敵なドレスで、観客からはため息のようなものも聞こえます。
「フィービー、すっごくきれい!」とみんなが思うと同時に、「外は雪が積もってるから、このドレスじゃ寒そう、、」とみんなが感じるのは間違いない、露出度の高いドレスなので、見ているチャンドラーもその美しさに感動しながらも、「外に出たら「寒い」ってことにならない?」と尋ねます。

それに対するフィービーの返事が絶妙ですね。
「(寒いことなんか)気にしないわ」と言った後のセリフ、I'll be my "something blue." を直訳すると、「私は私の”サムシング・ブルー”になるわ」ということですが、この something blue というのは、「結婚式で花嫁が身につけると幸せになれるというサムシング・フォー(something four)」の1つですね。
結婚式の話になるとよく登場するアイテムで、過去記事、サムシング・フォー フレンズ7-6その6 でも詳しく説明しています。
something four は、something old 「何か古いもの」、something new 「何か新しいもの」、something borrowed 「何か借りたもの」、something blue 「何か青いもの」。
一般的には、その過去記事でも触れたように「白いガーターに青いリボン飾りをつける」ことで something blue とすることが多いようですが、フィービーは「こんな露出度の高いドレスで、雪の積もった外に出たら、凍えて青ざめちゃうけど、自分が青くなることで、私が私自身の something blue になってやるわ!」みたいに言ってみせたという、「結婚式だからこそのジョーク」を言ったことになります。
脚本的には、フィービーにこのセリフを言わせるために、「寒い場所で、露出度の高いドレスで結婚式をすることになる」いう話の展開にしたのではないか、という気もしますね^^
結婚式の伝統とフィービーのキャラがうまい具合にマッチした、感動と笑いの素敵なセリフになっていると思います。


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posted by Rach at 16:39| Comment(2) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさんこんにちは。いよいよフィービーが結婚ですね。実は私はDVD最後の回まで見ていないのでこの先の成り行きは良く知らないのですが、もうマイクと別れないと思うので、そういう意味ではFriendsのメンバーファミリーに最後に正式に入ってきたのはマイクということになるのでしょうか?この街頭での雪と氷の中での結婚式は雰囲気ありますね。本当にNYCのどこかの街角で行われているようなしっくりくる感覚です。Ministerのジョーイもここではおちゃらけていないで良い雰囲気出していました。
さて、解説していただいたsomething blueという言葉を私は理解できませんでした。Blueとフィービーが言ったので、暗い雰囲気か、少しエッチ系のblueなのかな?とか適当に思っていたら、こんな意味があったのですね。シリーズ7でもちゃんと解説してくれていたのに。でも今回でもう忘れません。
こういう風にRachさんが深堀りし、展開していただいた言葉や状況や背景など、非常に数多く奥深く教えていただきました。改めて感謝です。これは文化のレベルなのだろうと思っております。本当にシリーズもあと少しを残すのみなりましたが、引き続きもう少しの間よろしくお願い申し上げます。

Posted by Koroyakun at 2016年06月04日 11:38
Koroyakunさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
フレンズはどうしてもメンバー内の恋愛話が多くなりますから、フィービーと結婚するマイクの存在は新鮮ですね。
やはりどこか普通とは違う結婚式になったところがいかにもフィービーっぽいですが、それがロマンティックで美しいものとなったのは素直に良かったなぁと思います。Minister 役のジョーイも素敵でしたよね。

英語の blue には、a blue film のようなエッチ系のイメージもありますが(日本語だと「ピンク」になるところで、国による色のイメージの違いは面白いです)、今回の場合は、blue with cold 「寒さで青ざめた」の意味で使っているわけですね。

something four のような結婚にまつわる伝統のお話は、我々女子(爆)には特に印象深いですし、私が披露宴でドレスを着た時のガーターにも青いリボンがついていたこともあって、something blue は余計に強く印象に残っていました(その青リボン付きガーターは、今も家にあります^^)

私があれこれ書いた解説を「文化のレベル」とまで言っていただけてとても光栄で嬉しく思います。ドラマで出会った様々な事柄をいろいろなツールを使って深堀りできることは楽しいし、それをシェアして一緒に楽しんでいただけることはもっと楽しいことだと感じています。
気が付けばもうあと6話なんですね。まだまだ解説したいセリフがたくさん残っているので、自分でもさらに楽しみながら続けて行きたいと思います。

いつも高い評価と温かいお言葉の数々、本当にありがとうございます。こちらこそ引き続きよろしくお願いいたします!(^^)
Posted by Rach at 2016年06月06日 19:42
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