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シーズン10 第13話
The One Where Joey Speaks French (ロスのセックス禁止令)
原題は「ジョーイがフランス語を話す話」
レイチェルのパパ(ドクター・グリーン)が心臓発作(heart attack)で倒れて病院に入院したので、レイチェルとロスはお見舞いに来ています。
レイチェル: Oh! (They enter. Rachel sees his father, lying on a bed, with tubes, drip and everything) Oh! Oh, my God! Ohhh, ohhh, wow. That ear and nose hair trimmer I got him was just money down the drain, huh? (あぁ! [ロスとレイチェルは中に入る。レイチェルは自分の父が、チューブや点滴を付けてベッドに横たわっているのを見る] あぁ、なんてこと! まぁ。私がパパに買ってあげたあの耳毛・鼻毛トリマーは、ただお金をどぶに捨てたようなものだったのね?)
看護師: Ms. Green? Your father's doctor's on the phone if you'd like to speak to him. (グリーンさんですか? あなたのお父さんの担当医と電話が繋がっていますよ、もし話したいと思われるなら。)
レイチェル: Oh, great, Are you gonna be okay? (あぁ、良かった、[ロスに] あなたは大丈夫?)
ロス: He's unconscious. I think we'll be just fine! (君のパパは意識がない。僕たち[君のパパと僕]は、全く問題ないと思うよ!)
レイチェル: (leaving): Okay. ([立ち去りながら] それじゃあ。)
(Ross goes into the room where Dr. Green is lying unconscious. He turns on the TV, puts his feet on the bed and starts watching a dinosaur movie where the dinosaur is caught by two cowboys. Dr. Green awakes.)
ロスはドクター・グリーンが意識なく横たわっている部屋に入る。ロスはテレビをつけ、自分の足をベッドの上に乗せ、恐竜が2人のカウボーイに捕まえられる映画を見始める。ドクター・グリーンが目を覚ます。
ロス: Did the TV wake you? (そのテレビ(の音)で起こしちゃいましたか?)
ドクター・グリーン: No. When you put your feet up on my bed, you tugged on my catheter. (いいや。君が私のベッドに足を置いた時、君が私のカテーテルを(急に・強く)引っ張ったんだ[君のせいでカテーテルが引っ張られたんだ]。)
ロス: Ouchy. (あいたたた。)
ベッドで寝ているパパを見て、レイチェルはショックを受けていますが、そんな深刻な中でも、レイチェルの、That ear and nose hair trimmer... は笑えるセリフになっています。
trimmer は「トリマー」で、ペットの毛をカットしたり整えたりする職業のことを日本語でもトリマーと言いますね。
また、「不要な部分をカットすること」をトリミングとも言いますが、そのような trimmer, trimming の元となっている動詞 trim には、「〜を刈り込んで手入れする・整える」という意味があります。
ですから、ear and nose hair trimmer は「耳毛や鼻毛を刈り込んで整える器具」→「耳毛・鼻毛トリマー(カッター)」ということですね。
日本語では今訳したように「〜毛カッター」と呼ぶことが多いように思いますが、「毛を刈り込んできれいに整える」という意味では、トリマーという言葉の方がふさわしいわけで、アメリカのアマゾンなどでも実際に、Ear and Nose Trimmer という名前で商品が販売されていました。
drain は「ドレーン、下水溝、排水溝」なので、money down the drain は「排水溝に流れ落ちる金」というようなイメージ。
その日本語から連想されるように、money down the drain はいわゆる「金をどぶに捨てるようなものである」という意味になります(ちなみに「どぶ」を漢字で書くと「溝」(排水溝の溝)になるので、日本語の表現そのまんま英語にした感じなんですね)。
ですから、That ear and nose hair trimmer I got him was just money down the drain, huh? という文全体は、「私が彼(パパ)に買ってあげた、あの耳毛・鼻毛トリマーは、ただお金をどぶに捨てたようなものだった」になります。
「せっかくトリマーを買ってあげたのに、役に立ってない」ということですから、耳毛も鼻毛も全然手入れされていなくて、伸び放題である、と言っていることになるわけですね。
倒れたパパが心配で動揺しているようなのに、気になったのはそこ?! という面白さになるでしょう。
看護師さんが「ご希望なら、あなたのお父さんの担当医と電話で話せますよ」と言うので、レイチェルはそれに従い、ロスを残して電話しに行くことにします。
レイチェルのパパ(ドクター・ゲラー)とロスとは仲が悪いので、「あなたをここで一人で残して大丈夫?」のようにレイチェルは言うのですが、ロスは「パパは今意識がないから、僕たち大丈夫だと思うよ」と返します。
顔を見るとイヤミや皮肉ばかり言われるけど、意識がなくて眠っているからトラブルにはならないよ、ということです。
レイチェルが去った後、ロスはト書きにあるように、テレビをつけて、足をどかっとパパのベッドの上に乗せて、映画を見ています。
この映画について、ト書きでは「2人のカウボーイに恐竜が捕まえられる、恐竜映画」と説明されていますが、IMDb (Internet Movie Database)の情報によると、この映画は、1969年のアメリカ映画「The Valley of Gwanji」で、「恐竜グワンジ」という邦題もついています。
Wikipedia 日本語版: 恐竜グワンジ
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Amazon.co.jp: 恐竜グワンジ 特別版 [DVD]
アマゾンの「商品の説明」にあるように、「ストップモーション・アニメの魔術師レイ・ハリーハウゼン」が手がけた作品なんですね。
ハリーハウゼンさんは、俳優と人形を合成させる際の「ダイナメーション(dynamation)」という手法で有名な方。
ロスは1967年生まれなので、69年のこの映画なら、彼は小さい頃に何度も見たことでしょう。
テレビをつけた後、さらに音量を上げて、子供のような顔で目をキラキラさせて見ていますが、恐竜オタクのロスが見ている映画としては、うってつけなわけですね。
パパが目を覚ましてしまったので、ロスは Did the TV wake you? と言っています。
直訳すると、「そのテレビがあなたを起こし(てしまい)ましたか?」ということで、「テレビの音で目が覚めちゃいましたか?」と言っていることになります。
パパは「テレビじゃない」と否定した後、「君が私のベッドに君の足を置いた時に、君が私の catheter を tug したんだ」と説明します。
catheter は英語の発音では「キャサター」という感じですが、綴りを見ると何となく想像できる通り、これは医療用管状器具の「カテーテル」のことですね。
tug は「(力をこめて・急に)(ぐいと)引く」というニュアンスなので、「君がベッドに足を置いたせいで、カテーテルがぐっと引っ張られてしまって、それで起きた」と言っていることになります。
「お前のせいで目が覚めてしまった」ことと同時に、「病人である私のベッドに偉そうに足なんか置きやがって」的な非難の意味も込められているのがわかるので、立場が悪いロスは、Ouchy. と言っています。
Ouch! 「アウチ!」というのは、日本語の「痛い!」の意味の間投詞。
それに -y をつけて、「アウチぃ」と言った場合、日本語にすると「いてて。あいたたた」のような、ちょっとふざけた、とぼけた感じになるでしょうか。
この居心地悪い空気をなごます感じで、かわいこぶって言ってみせたことになるでしょうね。
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