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レイチェルのパパ(ドクター・グリーン)が心臓発作で入院しているので、レイチェルとロスの二人は病院にお見舞いに来ています。
レイチェルが席を外している時に、ドクター・グリーンが目を覚ましてしまい、レイチェルパパが苦手なロスは、パパと気まずい会話を続けています。
ドクター・グリーン: What are you doing here, Geller? (お前はここで何してるんだ[なぜお前がここにいるんだ]、ゲラー。)
ロス: Well, I came with Rachel, who should be back any second! (pause) So what's new? (えーっと、僕はレイチェルと一緒に来たんです、レイチェルはすぐに戻るはずです! [間があって] それで、最近どうですか?)
ドクター・グリーン: Ooh, I have a little heart attack. (あぁ、ちょっとした心臓発作があってね。)
ロス: Right. Is it painful? (そうですね。それって痛みます?[苦痛ですか?])
ドクター・グリーン: What, the heart attack or sitting here talking to you? (ん? (苦痛、っていうのは)その心臓発作がか? それともここに座ってお前と話してることがか?)
ロス: (he buzzes for the nurse) Let's see if we can get that Rachel back in here. ([ロスはナースコールのブザーを押す] (このブザーで)あのレイチェルがここに呼び戻せるかどうか試しましょう。)
ドクター・グリーン: So, what's new with you, uh? Knocked up any more of my daughters lately? (それで、君の方は最近どうなんだ? 最近、さらに(他の)私の娘を妊娠させたか?)
ロス: Nope. Just the one. RACH! (いいえ。一人だけです。[早く来てくれ、と助けを呼ぶように] レイチェル!)
What are you doing here を直訳すると、「お前はここで何をしてるんだ?」ですが、これは、病院で目が覚めたら、いきなり隣にロスだけがいるのを見てびっくりし、「何でお前がここにいるんだ?」と言っている感覚。
I came with Rachel, who should be back any second! は、「僕はレイチェルと一緒に来たんです。そのレイチェルはすぐに戻るはずです」ということで、with Rachel, and she should と言う代わりに、関係代名詞 who を使った表現になります。
ロスは何とか世間話で間を持たせようとしたのか、So what's new? と尋ねています。
What's new? = What is new? は「何が新しいですか? 新しいことは何ですか?」なので、挨拶として「最近、何か(私が知らないような、新しいこと)あった?」と近況を尋ねるフレーズですね。
それに対してパパが、Ooh, I have a little heart attack. と答えるのが面白いです。
「あぁ、そうだなぁ、ちょっとした心臓発作があるんだよ[起きてるんだよ]」みたいな感じで、パパにしてみたら、「重病人に向かって、最近何かありました? みたいな質問をしてどうする! 私は今、心臓発作で入院中なんだよ!」と言いたい気持ちなわけですね。
「最近の出来事と言えば、見ての通り、心臓発作だよ」と言われてしまったので、とりあえず Right. 「そうですよね」と肯定した後、その方面で話を続けようとして、Is it painful? 「それって痛いですか? それって痛みます?」のように尋ねています。
「痛くて苦しいに決まってるのに、そんな質問するか?」とでもパパは思って、ムッとしたのでしょうか、またパパっぽい皮肉な感じの返答をしています。
パパの答えは、What, the heart attack or sitting here talking to you? で、「お前が今、「それって painful ですか?」って尋ねたのは、この心臓発作のことかな? それとも、今ここでお前とこうして話をしていることかな?」と言っていることになります。
painful は物理的に「痛い、苦痛を与える」以外にも、精神的に「つらい、苦しい、骨の折れる」という意味もあるので、「どっちのことを言ってるのかな?」と言ってみせたことで、「お前とここでこうしてしゃべってることも、心臓発作と同じくらいの苦痛だよ」と言ったことになります。
嫌味や皮肉の連続で、ロスは早くレイチェルに戻ってきて欲しいと願い、ナースコールのボタンをカチカチと押しながら、Let's see if we can get that Rachel back in here. 「僕たちが(ナースコールを押すことで)ここにレイチェルを呼び戻せるかどうか、見て(試して)みましょう」と言います。
なかなかレイチェルが来ないのでロスは焦るばかりですが、今度はパパの方がさっきのロスと同じ質問 So, what's new with you, uh? 「それで、君の方は最近どうなんだ?」を返します。
そして、ロスが答える前に、「最近、こういうことをしたりしたか?」というように、Knocked up any more of my daughters lately? と言っていますね。
よく文法問題で問われますが、「最近」を意味する、lately と recently の違いとして、「recently は現在完了形と過去形で使えるが、lately は現在完了形でしか使えない(過去形では使用不可)」という事柄が挙げられますね。
この文章も、いきなり Knocked up という、見た目は「過去形か過去分詞形のどちらか」の形で始まっていますが、厳密に言うと、最後に lately がついていることから、これは You've knocked up...? の You have が省略された形(または、Have you knocked up...? の Have youが省略された形)の現在完了形ということになるでしょう。
knock up は過去のフレンズに何度か登場しましたが、「(女性を)妊娠させる、はらませる」という俗語。
はらませる対象となる目的語の部分は、any more of my daughters のように、daughters が複数形になっていますので、直訳すると、「私の娘たちのさらに多くの人を」「いっそう多くの私の娘たちを」になるでしょう。
レイチェルには下に二人の妹がいるので、レイチェルのパパであるドクター・グリーンには娘が3人いることになるわけですが、このセリフ全体では、「最近、お前はさらに多くの私の娘たちを妊娠させたか」→「最近、私の娘たちのうち、さらにまた誰かを妊娠させたか?」のように言っていることになるでしょう。
パパはロスのことをあまり気に入っていないので、ロスがレイチェルを妊娠させたことについてもよく思っていません。
「娘をはらませた男」という視点でロスを見た上で、「女に手の早いお前は、レイチェルだけではなく、また私の別の娘にも手を出して妊娠させた、とかそんなことはないだろうな?」みたいなイヤミを言っているわけですね。
ドクター・グリーンの娘であるレイチェルを、knock up してしまったことは事実なので、それを否定することはできませんから、「いいえ(他の娘さんにはそんなことしてません)」と否定した後、Just the one. 「あなたの娘さん(daughters)のうち、knock up したのは、ただ一人だけです」と答えたことになるわけですね。
DVDの日本語訳では、「この頃は、娘を妊娠させてないか?」「一度きりです」のように訳されていましたが、厳密に言うと、「一度きり」(only once)ではなく(つまり、「レイチェルを妊娠させたのはエマの時だけで、あれ以降妊娠させていません、あの一回だけです」という意味ではなく)、of your daughters 「あなたの娘さんのうちの」 just the one 「ただ一人(の娘さん)だけです」という意味の、Just the one. ということだと思います。
もし「エマを身ごもって出産した後、またレイチェルを妊娠させた、とかはないだろうな?」と言いたい場合なら、Have you knocked her up more/again lately? みたいになるでしょうか?
パパの「最近(また)娘を妊娠させてないか?」は、any more of my daughters という複数形が使われていることから、レイチェル一人だけのことを言っているのではなく、「レイチェル以外の他の二人も妊娠させた、とかはないだろうな?」→「他の娘にまで手を出してないだろうな」のように、「お前は女に対してだらしない男だ」的な意味を込めて言ったという皮肉、「レイチェルをまた妊娠させてないだろうな?」よりもさらに手厳しいセリフを言ったということになるわけですね。
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