2016年06月13日

まるで前に来たことあるみたいに フレンズ10-13その3

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[Scene: Green's mansion. Rachel's Room. Rachel's is combing her hair; Ross's coming into the room]
グリーン家の邸宅。レイチェルの部屋。レイチェルは髪の毛をとかしている。ロスがその部屋に入ってくる。
ロス: Hey! (やぁ!)
レイチェル: Hi! (はーい。)
ロス: I was gonna make us some dinner but all I found in your dad's fridge was bacon and heavy cream. (pause) I think we solved the mystery of the heart attack. (夕食を作ろうと思ったんだけど、君のパパの冷蔵庫で見つけたものは、ベーコンとヘビークリーム(ホイップクリームよりも脂肪分が多いもの)だったよ。[間があって] 心臓発作の謎が解けた気がするね。)
レイチェル: Uh. (pause) Did you call your parents? (えぇ。[間があって] ご両親に電話した?)
ロス: Oh, yeah. Emma's doing great. (あぁ。エマはいい子にしてる、って。)
レイチェル: Oh, good. (あぁ、良かった。)
ロス: Wow. (ワォ。)
レイチェル: What? (何?)
ロス: Just can't believe I'm in Rachel Green's room. (ただ信じられないんだよ、僕がレイチェル・グリーンの部屋にいるなんてね。)
レイチェル: What do you mean? You've been in my room before! (何言ってるの? あなた、前にも私の部屋に来たことあるでしょ?)
ロス: Yeah, sure, right! Like I'd ever been in Rachel Green's room. ([皮肉っぽく] あぁ、そうだよねぇ! まるで、前に僕がレイチェル・グリーンの部屋に来たことあったみたいに(言うんだね)。)

画面には、邸宅という感じのレイチェルの実家の外観が映り、その後、レイチェルの部屋が映ります。
ト書きに、Green's mansion とありますが、マンションというのは、日本語のマンションのイメージとは異なり、「(大)邸宅、館(やかた)」のことですね。(日本の「マンション」は、フレンズでよく登場するように、apartment になります)。

レイチェルが子供時代に使っていたままの状態で保存されている感じで、ドア近くに貼ってあるポスターのデザインも、その時代を思わせるものになっています。
このポスターには、Shaun Cassidy Under Wraps と書いてありますが、ショーン・キャシディという人のアルバム Under Wraps のジャケットと同じ絵柄のポスターです。
Amazon では、import 版で、このCDがありました。ポスターと同じ絵柄であることがわかるように、CDジャケットの画像も大きめに載せておきます^^

Amazon.co.jp: Under Wraps (Shaun Cassidy)
Under Wraps

ショーン・キャシディについて、詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Shaun Cassidy
一番の当たり役は、ハーディー・ボーイズという作品の弟役で、ウィキペディアに載っている写真もその作品のものです。
過去記事、ハーディー・ボーイズ フレンズ3-5その9 で、レイチェルが「寝ても良い(と恋人が許可する)5人の有名人リスト」の中に、パーカー・スティーヴンソンの名前を挙げていました。
その人は、ハーディー・ボーイズに出ていた俳優さんで、その記事で、弟役はショーン・キャシディ だと説明したのですが、その弟役の俳優さんが、今回レイチェルの部屋のポスターで登場したわけですね。
レイチェルは、ハーディー・ボーイズの兄弟、両方のファンだったことがわかる、ということになるでしょう。

ロスは「僕たちに夕食を作ろうと思ったけど」と言っています。
パパのお見舞いで精神的に参っているレイチェルのために、僕ら二人が夕食として何か食べられるものを作ろうとした、ということですね。
その後、逆接で、「でも、君のパパの冷蔵庫で見つけたものは〜だけだった」という文章が続き、中に入っていたのはベーコンと heavy cream だったことがわかります。
heavy は「重い」ですが、ここでは「濃厚な」という意味。
研究社 新英和中辞典には、
heavy=〈クリームが〉濃厚な
heavy cream ヘビークリーム 《乳脂肪の多いクリーム》

と説明されています。

冷蔵庫の中身が、ベーコンとヘビークリームしかなくて、健康的な食事をしている様子がないので、心臓発作を起こしたのも無理ないね、という意味で、「(パパの)心臓発作の謎が解けた」と言っていることになります。

レイチェルが、「(ロスの)ご両親に電話した?」「エマはいい子にしてるって」という会話から、レイチェルのパパのお見舞いに二人が行っている間、二人の娘でまだ赤ちゃんのエマの面倒を、祖父母にあたるロスの両親がみていることがわかります。

一通りの会話があった後、ロスは感動したように、Wow. と言っています。
何? と言われたロスは、「(僕は)ただ信じられないんだよ、僕がレイチェル・グリーンの部屋にいるなんてね」と言っています。
それを聞いたレイチェルは、「どういう意味?[何言ってるの?]」と言って、You've been in my room before! と言います。
直訳すると、「あなたは以前に、私の部屋にいたことがある」ですから、「あなたは前に、(この)私の部屋に来たことあるでしょ」と言っていることになります。
「今回が初めてでもないのに、そんなに珍しそうに言わないでよ」とレイチェルは言いたいわけですが、その次のロスのセリフから、「ロスは前にこの私の部屋に来たことがある」というのはレイチェルの思い違いで、ロスが言うように、本当にレイチェルの部屋に入るのは今回が初めてであることがわかる、という仕組みです。

ロスのセリフを、前から順番に見て行くと、まず、Yeah, sure, right! というのは、文字通り訳すと、「あぁ、もちろん、そうだよね!」ということになりますが、この時のロスの表情と大袈裟な言い方から、「あぁ、全く君の言う通りだよねぇ〜」と言っている感覚になり、実際の意味は、「(君はそんな風に言うけど)そんなわけないじゃないか!」と言っていることになります。
Yeah, right. と言った場合には、本当に文字通りの、「あぁ、そうだよね」という同意の相槌になることももちろんありますが、「そんなわけあるかよ」という顔で、やたらと大袈裟に言っている場合はたいてい、こちらの皮肉っぽいニュアンスになります。
今回のロスも、「何をばかなことを」と言わんばかりに、プフッと息を吹き出す仕草も見せていますよね。

その次の、Like I'd ever been in Rachel Green's room. を直訳すると、「僕がこれまで、レイチェル・グリーンの部屋に来たことがあったみたいに」になるでしょう。
文頭にこのように、Like がつく場合は、「まるで(文)みたいに(君は言うんだね)」→「そんなことあるわけないじゃないか」という反語的なニュアンスになります。
「僕がこの部屋に過去に来たことがあるとでも(君は言うのかい)?」というような感覚です。
実際、DVDの日本語訳も、「前にも来たことあるでしょう?」「あるわけないじゃん」と訳されています。

このような、Like+文、については、拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.339 に「Like+文/As if+文」として解説してありますので、参考にしていただければ幸いです。

ロスとレイチェルの関係については、「ロスは学生の頃からレイチェルにずっと片想いしていた」という事実があり、最終的にレイチェルがロスと付き合うことになったのも、「ロスが自分のことをどれほど想ってくれていたか」を知ったからでした。
ですから、特に過去のことについては、レイチェルの方は概して記憶があいまいで、ロスはレイチェルに関することは全て覚えている、みたいな状況だと言えるでしょう。
今回のやりとり、「レイチェルの部屋にいるなんて!」「前にも来たことあるでしょう?」「来たことなんてあるわけない」というのも、その二人の関係をよく表しているように思います。
この部屋にロスが来たことあったとしたら、そのことをロスが忘れているはずはない、「ロスが来てないと言ったら、それは絶対に来てないということ」なわけですね。


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posted by Rach at 19:12| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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