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レイチェルがラルフ・ローレンをクビになり、ビルから荷物を運び出している時、マークが後ろから声を掛けます。
「ルイ・ヴィトンの仕事を紹介してあげられるかも」と言われ、大喜びのレイチェル。
ディナーを食べながら詳しい話をしよう、と約束し、マークが去って行った後、
ロス: See? I told you something good would come along. And he seemed really nice. I've met him before? (ほらね? 何かいいことがやってくるって、僕は君に言ったろ。それに彼はすごくいい人みたいだった。僕、前に彼に会ったことあるかな?)
レイチェル: Ross, that's Mark. From Bloomingdale's? You were insanely jealous of him. (ロス、今のはマークよ。ブルーミングデールズの。あなたは病的に彼にヤキモチ妬いてたじゃない。)
ロス: (realizing) That is Mark? ([気づいて] 今のはマーク?)
レイチェル: Yes. (そうよ。)
ロス: I hate that guy. (僕はあいつが嫌いだ。)
レイチェル: Oh. (まぁ。)
ロス: No, no, no. You cannot go to dinner with him. (だめだめだめ。レイチェルは彼とディナーに行っちゃだめだよ。)
レイチェル: What? You don't want me to get a job? (何ですって? 私に仕事をゲットして欲しくないの?)
ロス: Oh, yeah, I'm sure he's gonna give you a job. Maybe make you his "sex-cretary." (あぁ、そうだね。僕にはわかるよ、彼は君にある仕事をくれるだろうって。多分、君を、彼の「セクス・リタリー」にするだろうね。)
レイチェル: Ugh. (あぁ。)
ロス: I'm serious. I just don't trust that guy, okay? (僕は真面目に言ってるんだよ。僕はただ、あの男を信用してないんだ、いい?)
レイチェル: Ross, you know what--? (looks over to the door and sees security staring at them) Okay, let's talk about it later. There comes security. (Takes her box and leaves. Ross follows her and then returns for the chair. He stands for a moment, then pushes it quickly in the general direction Rachel went into, and out of the camera's view, and then nonchalantly walks away) (ロス、ねぇ。[ドアの方に目をやると、警備員が二人を見つめているのを見る] いいわ、その件は後で話しましょう。警備員が来るわ。[自分の箱を持って去る。ロスはレイチェルの後に続き、それから椅子のために戻ってくる。ロスはしばらく立っていて、それから、レイチェルが向かった方向に、そしてカメラの映る範囲外に、椅子を素早く押す。それから何気ない風で歩き去る])
喜ぶレイチェルを見て、ロスも嬉しそうに、「ほらね。何かいいことが起こるって僕は言ったろ?」のように言った後、マークについて、「彼はすごくいい人みたいだった。僕は以前に彼に会ったことあるかな?」と尋ねています。
その発言を聞いて、レイチェルは驚いた様子で、「あれはマークよ、ブルーミングデールズの」と言って、「あなたは病的に彼にヤキモチ妬いてたじゃない」と続けます。
insane は「正気でない」という意味ですから、「正気でないほど・常軌を逸しているほど、彼に嫉妬していた」という感覚ですね。
マークとの浮気を心配し、自分が彼氏であることをアピールするために職場に押し掛けたりしていたことを、そのように表現していることになります。
ロスがマークのことを覚えていないことについては、レイチェルもあきれた様子でそう言っていますが、「ロスがマークのことを覚えていない」というのは、いくらコメディとは言っても、ちょっと無理がある気はしますね^^
「あのマーク」だと気付いた途端、ロスは、レイチェルがマークと会うのを必死に止めようとし始めます。
You cannot... は「君は〜しちゃだめだ」というニュアンス。
さっきまで「新しい仕事が見つかりそうで、良かったじゃん!」と大喜びしていたのに、そんなことを言い始めるので、レイチェルは「あなたは私が仕事をゲットすることを望まないの? あなたは私に仕事をゲットして欲しくないと思ってるの?」のように言い返します。
「仕事を得る、ゲットする」という表現を受けて、ロスは「あぁ、僕は確信してるよ、彼が君にある仕事を与えてくれるだろうって」と言った後、Maybe make you his "sex-cretary." と続けます。
「君に仕事を与える」という内容を言い換え、「多分、(彼は)君を彼の "sex-cretary" にするだろうね」と言っていることになりますね。
このセリフの最後の部分、DVD 英語字幕では、his "sex-cretary." と表記され、ネットスクリプトでは、his SEXretary. と書かれていました。
どちらの書き方でも、sex の部分が強調されて書かれていることから、secretary 「秘書」という単語に sex という言葉を合体させた造語であることがわかりますね。
実際のロスの発音は「セクスリタリー」みたいな感じで、ネットの表記の方が実際の発音に近い綴りになっているように思います。
secretary をカタカナで書くと「セクリタリー」になりますので、文字の間に一文字「ス」を入れることで、秘書という職業に「性(的な)」という言葉を含ませた感覚になります。
こんな造語を使う機会はないでしょうが(笑)、「言葉を少しもじって、いやらしい意味に変える」造語の作り方としては、シンプルでわかりやすいものになっているなぁ、とちょっと感心してしまいました^^
「秘書は秘書でも、エッチ方面でお仕えする仕事かなぁ」みたいに、またヤキモチモードの皮肉を言われたので、レイチェルは嫌そうな顔をするのですが、ロスは「冗談じゃなくて、本気で言ってるんだ。僕はあの男は信頼できないんだよ」と主張します。
せっかく仕事を紹介してくれそうなマークのことを、「あの男は信用ならない」と言われ、レイチェルは言い返そうとするのですが、ト書きにあるように、ビルの警備員がレイチェルとロスの方をじっと見ているのに気づき、「いいわ、それについては後で話しましょう。警備員が来るわ」と言って、ここで議論を続けることはあきらめ、レイチェルは先に荷物を持って、その場を去ります。
残されたロスはレイチェルに続こうとするのですが、自分が運ばなければいけないことになっている椅子のことに気づき、まずはレイチェルが去って行った方向に椅子を思い切り(カメラに映っているエリアの外まで)押し出して、その後、しらーん顔をして、ゆっくりビルの前から歩き去ります。
ロスというキャラはこんな風に、「何かしらの行動をした後、知らん顔をして去って行く」というしぐさをすることがよくありますね。
そういう描写には、ト書きに使われている nonchalantly という副詞がよく合っていますね。
nonchalantly は「無頓着に、無関心に、何気なさそうに、何食わぬ顔で」という意味。
フランス語が語源の単語だそうで、「ナンシャラントリー」という発音も、おフランスな感じがします。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
nonchalant [adjective] : behaving calmly and not seeming interested in anything or worried about anything
つまり、「穏やかに振る舞って、何かに興味があるとか何かについて心配しているようには見えない」。
今回のロスの行動のような、特徴のある振る舞いがあった場合には、そのト書きに使われている動詞や副詞などを理解する、良いチャンスだと言える気がします。
この nonchalantly という副詞については、過去記事、ゲットオーバーできない フレンズ8-9その3 のト書きにも出てきました。
ブラピ演じるウィルという男性を紹介された時のフィービーのリアクションに関するト書きで、以下のようになっていました。
フィービー: (nonchalantly glancing) Hey. (Turns back around.) Wow! ([無関心そうに、ちらっと見る] はい。[元の方に顔を向ける] ワオ!)
「なにげにちらっと見ただけだったけど、今の人、すっごくかっこ良かったじゃん!と気づいた顔の描写だったわけですが、「無関心な感じで、一瞥する」という表現として、nonchalantly glancing という表現も同時に覚えておいていただければ、と思います。
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