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新聞の訃報欄で、ジョーイのエージェントのエステルが死んだことを知った、フィービー、チャンドラー、モニカたちですが、今、周りでいろんなことが起こっていて動揺しているジョーイにこれ以上のショックを与えまいと、ジョーイにはエステルが亡くなったことをしばらく黙っていることに決めました。
そのことを知らないジョーイが、セントラルパークに入ってきて、「俺にピッタリの役があったのに、エステルがその話を持ってこなかった」と愚痴ります。
何か理由があるのか聞きたいと言って、ジョーイがエステルに電話しようとするので、フィービーは「電話するのはちょっと待って」と言い残し、セントラルパークの外に出ます。
(Phoebe is outside, taking her cell phone out of her bag and making a call. Joey is inside, and his mobile phone starts ringing).
フィービーは外にいる、バッグから携帯を取り出して、電話をかける。ジョーイは中にいて、彼の携帯が鳴り始める。
ジョーイ: Hello? (もしもし?)
フィービー (doing Estelle): Joey, it's Estelle. ([エステルの真似をしながら] ジョーイ、エステルよ。)
ジョーイ: I was just gonna call you! That's weird. (ちょうど電話しようとしてたところなんだ!それって妙だよね。)
フィービー・エステル(Phoebe-Estelle、エステルの真似をしているフィービー): It's a little coincidental, but believable. (Joey nods in agreement) Listen, I'm sure you're wondering why I didn't get you an audition for that TV movie. (ちょっとした偶然の一致だけど、信じられないことじゃないわ。[ジョーイは同意してうなずく] ねぇ、例のテレビ映画のオーディションを私があなたに用意しなかったのはなぜかって、思ってるでしょう。)
ジョーイ: Yeah, actually I am! (あぁ、実はどうしてかな、って思ってるよ。)
フィービー・エステル: I guess I dropped the ball there. Whoopsie! (思うに、私はその件で、へましちゃったのよねぇ。おっととと!)
ジョーイ: That's it? You know, it seems like all you do lately is drop the ball. (それだけ? ほら、最近のあんたのやることは全部、へまばかりな気がするよ。)
フィービー・エステル: Don't take that tone with me. Who you think you are? Alan Lemon, the first black man to fly solo across the Atlantic? (私にそんな口調で話さないでよ[私にそんな口きかないでよ]。自分を誰[何様]だと思ってんの? アラン・レモン、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人だとでも思ってんの?)
ジョーイ: No, no, look, all I'm saying is you're my agent, okay? And you're not getting me into any auditions and I'm tired of it. (いや、いや、ねぇ、俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ。そしてあんたは俺にどんなオーディションも用意しないから、俺はもううんざりなんだよ。)
フィービー・エステル: What are you saying? (何言ってるの?[何が言いたいの?])
ジョーイ: I'm saying that... (pause) This isn't working for me anymore, okay, Estelle? You're fired. Goodbye. (he hangs up the phone). (俺が言ってるのは… [間があって] もうこんなのは俺のためになってないよ、エステル。あんたはクビだ。さよなら。[ジョーイは電話を切る])
フィービー: Man, tough week for Estelle! (まぁ、エステルにとっては辛い週ね!)
ジョーイが自分からエステルに電話しようとするので、フィービーはエステルのふりをしてジョーイに電話をかけます。
ト書きに、doing Estelle とあるように、エステルの真似をしながら、開口一番、Joey, it's Estelle. と言っていますが、これが特徴的なエステルの喋り方によく似ているので、思わず笑ってしまいました^^
「ちょうど電話しようと思ってたところなのに、そっちから電話がかかってくるなんて妙だなぁ」みたいに言われたフィービーは、エステルの真似をしながら、「何となくエステルならそう返すかも」的なセリフを言っているのも面白いです。
エステルは、ちょっと常識とは感覚のズレた人で、話し相手を唖然とさせるところがあるのですが、It's a little coincidental, but believable. を直訳すると、「ちょっと偶然の一致だけど、信じられる」になりますね。
「かけようと思っていた相手からかかってくるなんて、何て偶然!って感じはするけど、信じられないことではない、ありえないことではない」と言っていることになります。
「かけようと思っていたまさにその時にかかってきた」なんて、まさにジョーイの言う通り、weird な話ですが、「偶然だな、とは思うけど、信じられないレベルの話じゃない」みたいに言いくるめられてしまった感じで、ジョーイもその説明に納得した様子でうなずいています。
I'm sure 以下のセリフは、「そのテレビ映画へのオーディションを、私があなたに get しなかっのはなぜかなぁ? ってあなたは今、間違いなく思ってるところよね」というところ。
「get+人+もの・こと」は「人に〜をあげる、用意する」という感覚なので、ここでは「エージェントとして俳優のあなたにオーディションを用意しなかった、オーディションの連絡をしなかった、オーディションを受けさせなかった」と言っていることになります。
Yeah, actually I am! は、actually I am wondering why... ということで、エステルが you're wondering why と現在進行形を使ったことを受けて、「あなたが今言った通り、俺は実際、まさに今、そんな風に思ってるところだよ」と返したことになります。
I guess I dropped the ball there. を直訳すると、「思うに、私はそこでボールを落とした」。
drop the ball は「へまをする、大失敗する」。
「ボールを落とす」という言葉がそういうイメージに繋がるのは、理解しやすいですよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
drop the ball : to not do a job that you are expected to do, especially because you make mistakes
例) Investigators dropped the ball in the murder investigation.
つまり、「することを期待された仕事をしないこと、特に間違えるなどの理由で」。例文は、「捜査当局は、殺人捜査でへまをした」。
there は離れた場所を指す言葉ですから、ここでは「ジョーイにオーディションを紹介するしないの件」という少し前の出来事を there で表現していることになるでしょう。
「私、その件で、へましちゃったみたいね」と言った後、「ウプシー」みたいな言葉を付け足しています。
DVD英語字幕ではこの部分は表記されていませんが、ネットスクリプトでは、Whoopsie! と書かれています。
音やその文字から想像できる通り、Whoops! / Oops! 「ウープス! おっとー! しまった!」の変形バージョンですね。
一般的な Whoops! ではなく、ちょっと語尾を変な風に言ってみせることで、エステルの独特のしゃべり方っぽい雰囲気を出しているのでしょう。
もっともな理由を言ってくれるのかと思ったら、「へましちゃったみたいなのよ。おっとー!」としか言わなかったので、ジョーイは「それだけ?」と言った後、it seems like all you do lately is drop the ball. と言っています。
直訳すると、「あなたが最近することのすべては、へまをすることである、みたいに見える」というところで、「あなたは最近、へましてばっかりみたいに見えますよ」ということですね。
Don't take that tone with me. の tone は「口調、語気、口のききかた」なので、「私にそんな口のきき方をするな」ということ。
かなりの年長でもあり、仕事を紹介するエージェントでもある私に、「あんたは最近、へまばっかじゃないすか」みたいな、ものの言い方するんじゃないわよ、と注意した感じですね。
その次の、Who you think you are? は、「あなたは自分を誰だと思ってるの?」で、これは言葉や態度が偉そうな相手に対して、「あんた、自分を何様だと思ってんの?」と言う時の決まり文句となります。
そのフレーズで終わる場合もありますし、続いて「自分が〜であるみたいなつもりでいるの?」と、人の形容や固有名詞を出したりする場合もありますが、今回はそれが、Alan Lemon という固有名詞になっています。
Alan Lemon と出てきて、「誰それ?」となった後、同格で、「(それは)〜の人である」のように説明が続くのですが、それが「大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性」であるところが、笑いのポイントですね。
過去記事、スヌーピーが言わない限り大丈夫 フレンズ10-15その2 で、エステルのことを別の訃報記事と間違えて、「エステルって、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性だったのねぇ」と、フィービーがトンチンカンなことを言うセリフがあったのですが、忘れた頃にそのネタを持ち出してくる、「そう言えばそんな話、このエピソードで出て来てたよな」と笑えるジョークなわけですね。
新聞の訃報欄を見て最初に言及されたシーンでは、その黒人男性の名前は語られませんでしたが、今回のシーンではまずその名前を先に出し、観客に「それって誰だろう?」と思わせた上で、「それってあの新聞に載っていた単独横断飛行の男性」だったとわかるオチで笑える仕組みとなっているということです。
ジョーイは、何でその人物の名前が出て来たのか全くわからなかったでしょうが、そこはさらっと流して、「俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ」と言い、「エージェントなのに、俺をどこかのオーディションに入れてくれることもしないから、俺はもうそのことにうんざりなんだ」と言います。
get me into any auditions は「俺をどれかのオーディションの中に入れる」という感覚ですから、オーディションを受けるようにセッティングするようなニュアンスになるでしょう。
「何を言ってるの? あなたは何が言いたいの?」のように言われたジョーイは、「俺が言ってるのはこういうことだ…」のように少し間を置いた後、this isn't working for me anymore と続けます。
work for は「〜の役に立つ、〜に有効である」ということで、this isn't working for me anymore は、「こんなこと(あなたが俺のエージェントをやっていること)は、俺にはもはや役に立っていない、有効に機能していない」と言っていることになります。
「オーディションも用意してくれないようなエージェントなら、何も俺の役に立ってくれてない」というところですね。
「役に立ってない」とまで言ってしまったジョーイは、その勢いで、You're fired. 「あんたはクビだ」と言い、冷たく Goodbye. と言い放ち、電話を切ります。
エステルのふりをして電話を聞いていたフィービーは、Man, tough week for Estelle! と言っています。
tough は「辛い(つらい)」なので、「なんてこと、(今週は)エステルにとって辛い週ね!」と言ったことになります。
解雇されたと言っても、当のエステルは亡くなってしまっていて、フィービー演じる、にせエステルを解雇しただけではありますが、「少し前にエステルが亡くなり、今はこうしてジョーイに解雇されてしまった」ことを、「エステルにとっては、踏んだり蹴ったりの週ね」みたいに言ったわけですね。
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