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シーズン10 第16話
The One With Rachel's Going Away Party (Good-Bye レイチェル)
原題は「レイチェルのさよならパーティーの話」
[Scene: Joey's place. Rachel and Joey are talking]
ジョーイの家。レイチェルとジョーイが話をしている。
ジョーイ: All right, all right, all right, let's play one more time, okay? And remember, if I win, you do not move to Paris. (よしよしよし、もう1回やろうよ、な? で、覚えてるよな、もし俺が勝てば、レイチェルはパリには行かない、って。)
レイチェル: Okay! Can't believe I'm risking this again, but you're on! All right, Joe, you remember the rules! Heads, I win. Tails, you lose. (いいわよ! もう一度こんなリスクを冒すなんて信じられないけど、でも受けて立つわ! いいわね、ジョーイ、ルール覚えてるわよね? 表なら私の勝ちで、裏ならあなたの負けよ。)
ジョーイ: Just flip! ((つべこべ言わずに)さっさと投げろよ!)
レイチェル: (she flips the coin): Ha, tails! ([レイチェルはコインを投げる] あは、裏よ!)
ジョーイ: Damn it! (くそっ!)
(Chandler and Monica enter the room)
チャンドラーとモニカが部屋に入ってくる。
チャンドラー: Hey! (やあ!)
ジョーイ: Hey! (よお!)
チャンドラー: So we thought we'd throw you a little going-away party around 7. (7時くらいに、レイチェルにちょっとしたさよならパーティーを開こうと思ってたんだけど。)
レイチェル: Oh, that sounds good! (あぁ、それって素敵ね。)
モニカ: Hey, Rach, you're leaving tomorrow. Shouldn't you be packing? (ねぇ、レイチェル、あなたは明日発つのよね。荷造りしなくていいの?)
レイチェル: It's all done! (全部済んでるわ!)
モニカ: Oh, yeah, right! And after I took a shower this morning, I just threw my towel on the floor! Oh God, it hurts to even joke about it. (あーぁ、[皮肉っぽく]そうよねぇ〜! それで私は今朝、シャワーを浴びた後に、床にタオルを投げ捨てた! あぁ、ジョークを言うだけでも胸が痛むわ。)
レイチェル: I know. Honey, seriously, I did it all. (そうよね。(でも)ハニー、真面目な話、私は荷造りを全部済ませたのよ。)
ジョーイはレイチェルに向かって、「もう一回プレイしよう」と言った後、「で、覚えてるよな、もし俺が勝てば、君(レイチェル)はパリに行かない、って」と言っています。
レイチェルのパリ行きを阻止するために、ジョーイが何かしらのゲームで勝とうとしていることがわかりますね。
Can't believe I'm risking this again は、主語の I が省略されていて、直訳すると、「もう一度、私がこの件を賭けようとしているのは[この件でリスクを冒そうとしているのは](自分でも)信じられないけど」という感覚になるでしょう。
「ゲームに負けたら、パリ行きはとりやめ、なんてリスキーなことをしようとしてる自分が信じられないけど」ということですね。
you're on は、過去記事、けがに悩まされた1年 フレンズ6-6その4 にも出てきました。
お金を賭けてフーズボールをしようというやりとりの中で、
チャンドラー: What do you say to $50? (50ドル(賭ける)ってのはどう?)
ジョーイ: Okay, you're on. (オッケー、受けて立つよ。)
チャンドラー: Okay, let's play! (オッケー、じゃあプレーしよう!)
You're on. は「お前はオンだ、オンの状態だ」という感じですが、この on については、研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。
on =【副】《口語》 賛成して、喜んで参加して
I'm on! よしきた, 賛成だ。
You're on! (取引・賭けで)ようし承知した。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
you're on! : (spoken, informal) used to accept something such as a bet or an offer.
例) "I bet you $20 he won't come." "You're on!"
つまり、「賭けや申し出のような何かを受け入れる時に使われる」。
例文は、「彼は来ないって(方に)20ドル賭けるよ」「(その賭け)受けて立つよ」。
その後、レイチェルは、「ジョーイ、あなた、ルールは覚えてるわよね」と言って、Heads, I win. Tails, you lose. と続けます。
コイン投げのゲームにおいては、heads は「表」、tails は「裏」ですね。
ですから、レイチェルが言ったルールは、「表なら私の勝ち。裏ならあなたの負け」と言ったことになります。
ジョーイは、「そんなこと言われなくてもわかってるさ。さっさと投げろよ」というように、Just flip! と言うのですが、よくよく考えてみるとこのルールでは「表が出ても裏が出ても、ジョーイが負ける」という仕組みになっているのがポイントですね。
Tails, you win. だったら問題なかったのですが、Tails, you lose. という表現になっていたことに英語のセリフで気づけて、「どっちにしてもジョーイが負けじゃん」とわかった方は、「英語が聞き取れていた、この英語のジョークが理解できた」ということになります。
日本語でも詐欺師などがこんなルールで人を騙すことがありますが、英語でもそういうひっかけは存在するということですね。
投げたコインは裏が出て、ジョーイは負けたことにがっかりしていますが、このルールでは一生勝てないということにジョーイが全く気づいていない面白さになるでしょう。
その後、チャンドラーとモニカが入ってきて、「7時くらいにレイチェルのために、ちょっとしたパーティーを開こうと思ってた」と言います。
モニカは、ジョーイと話していたレイチェルを見て、「明日、出発する予定よね? あなた(今)荷造りをしているべきじゃないの?」→「荷造りしなくていいの?」と尋ねます。
レイチェルが誇らしげに、It's all done! 「(荷造りは)全部済んだの!」と言うと、モニカはちょっと皮肉っぽい口調で、Oh, yeah, right! と言った後、And after... 以下のセリフを言っていますね。
Yeah, right. は、単語を直訳すると「えぇ、そうね」になりますが、今回のように大袈裟に皮肉っぽく言うと、「まさか」と思っている気持ちが出ます。
And after... のセリフを直訳すると、「(あなたは荷造りが済んだ。)そして私は今朝シャワーを浴びた後、床の上にタオルを投げた[投げ捨てた]」みたいに言っていることになるでしょう。
そして次のセリフは、「あぁ、なんてこと、それについてジョークを言うことでさえ、心が痛むわ」ということですね。
「几帳面なモニカが、タオルを床に投げ捨てるなんてありえない」というのは、みんなが感じることでしょうが、it hurts... のセリフからも、それがジョークとして言ったものであることがはっきりとわかります。
モニカは、「片付けとかが苦手なレイチェルが、荷造りもう全部終わったですって?」のような驚きの気持ちを感じたので、「レイチェルがそんなことしたなんて、何だか”らしくない”わね」と言いたい気持ちを込めて、「でもそう言えば、私も今朝、”整理整頓好きで几帳面な私”っぽくないことをしたばかりなのよ」という例として、「シャワーの後、タオルを床に投げ捨てた」と言ったことになります。
モニカのその発言を聞いたレイチェルは、I know. と言った後、「ハニー、真面目な(真剣な)話、私はそれを全部やったのよ[荷造りを全部済ませたのよ]」と言っています。
「荷造り完了なんてレイチェルらしくない」という意味でモニカが「床にタオル」の冗談を言ったことがレイチェルにはわかるので、「モニカが驚くのはわかるけど、真面目な話、本当に荷造りを済ませたのよ。冗談かと思ってるかもしれないけど、ほんとの話なのよ」という意味で、seriously を使っているという流れになるわけですね。
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