2016年08月04日

ブロー・ア・ラズベリー フレンズ10-16その3

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パリに転勤になるレイチェルは、フレンズ一人一人を別室に呼んでお別れの挨拶をしています。次はチャンドラーの番。
[Scene: The guest bedroom. Chandler and Rachel.]
客用寝室。チャンドラーとレイチェル。
レイチェル: Oh, honey.... (あぁ、ハニー…)
チャンドラー: Let me just say something because once we get into this, I'm gonna get all uncomfortable and probably make some stupid joke. I just want to say that I-- I love you. And I'm gonna miss you. And I'm so sad that you're leaving. (俺に一言言わせて、だってこのことにいったん入ったら(この別れの挨拶を始めちゃったら)、俺はすっかり居心地悪くなって、多分、バカなジョークを言っちゃうだろうと思うから。ただこう言わせて、君を愛してる。そして君がいなくなったら寂しくなる。そして君が行っちゃうのは俺はすごく悲しいよ。)
レイチェル: (all mushy) Oh, you know what? Let's not say anything else. I love you. (they hug) ([すっかり感傷的になって] あぁ、ねぇ。他には何も言わないようにしましょう。私もあなたを愛してるわ。[二人はハグする])
チャンドラー: Ooh, not so tight. (blows raspberry, and the hug ends) I'm sorry, just give me one more chance. (おぉ、そんなにきつく(ハグ)しないで。[口でおならの音真似をする。そしてハグが終わる] ごめんよ、もう一度チャンスをちょうだい。)
レイチェル: Okay. Oh... (わかったわ、あぁ…)
(Chandler blows raspberry again)
チャンドラーはまた、口でおならの音真似をする。
レイチェル: Oh! (まぁ!)
チャンドラー: I'm sor-- Just go. Just go. I can't. I can't. (ごめん… もう行って、行って。俺には無理、無理だよ。)

レイチェルは別室でチャンドラーにお別れの言葉を述べようとするのですが、チャンドラーはレイチェルがそれを言う前に、Let me just say something because... のセリフを言います。
最初から直訳すると、「俺に一言言わせて。その理由は、いったん俺たちがこれに入り込むと、俺はすっかり居心地悪くなって、そして多分、バカなジョークを言うだろう(からだ)」になりますね。
get into this というのは、レイチェルがこれからやろうとしている「チャンドラー一人に対してお別れの言葉を述べること」に入ったら、その挨拶が始まっちゃったら、という感覚ですね。
シリアスで真剣なやりとりが始まってしまったら、俺は落ち着いてられなくて、ついくだらない冗談言っちゃいそうだから、、と言っていることになるでしょう。
レイチェルの言葉に対して、おバカなジョークを返しそうになる前に、まず俺の方から君に言いたいことを言わせてくれ、ということで、その後チャンドラーは冗談を交えることなく、「君を愛してる。(君が去ってしまった後)君がいなくなって寂しいと思う。君が(NYを)去ることは俺はとっても悲しい」
と素直な気持ちを語ります。
すぐにジョークでごまかしたがるチャンドラーが、レイチェルがいなくなる悲しみを素直に語ってくれたことで、レイチェルは感動した様子で、「他には何も言わないようにしましょう。私も愛してるわ」と言ってチャンドラーとハグします。
レイチェルがハグすると、チャンドラーは「そんなにきつく(ハグ)しないで」と言った後、口から舌を出して、ブーとおならを真似た音を出しています。
ト書きにある、blows raspberry がまさにその動作を表す表現で、ぎゅ〜っ! とされたことで、まるでブーブークッションのように音を出してみたことになります。(ちなみに後で説明しますが、blow a raspberry のように a がつく形が一般的なようです)

その blow a raspberry について。
raspberry はジャムなどに使われる「キイチゴ、ラズベリー」のことですが、研究社 新英和中辞典では、キイチゴ以外の意味として、以下のものが出ています。
raspberry=【名】【C】《俗》 舌を両唇にはさんで震動させるやじ 《軽蔑・冷笑を表わす》
get the [a] raspberry 嘲笑(ちょうしょう)[嫌悪(など)]される
give a person the [a] raspberry 人を嘲笑[嫌悪]する


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
raspberry :
2 (informal) an impolite sound made by putting your tongue out and blowing (SYN: Bronx cheer)
つまり、「(インフォーマル) 舌を突き出して息を吐き出すことによって出される無礼な音。同義語: Bronx cheer)


Macmillan Dictionary では、以下のように blow a raspberry の形で出ていました。(このことから、raspberry に a の付く形が一般的だと思われます)
blow (someone) a raspberry : to make a rude sound by putting your tongue through your lips and blowing

一般的な英英辞典では、「rude, impolite な音」という説明がされていますが、「おならの音」としての説明では、Urban Dictionary の以下の説明がわかりやすいように思います。
Urban Dictionary : Raspberry
Raspberry
2: Rhyming slang, meaning to make a fart sound with the mouth. Usually this is done on the stomach of a child.
Raspberry Tart rhymes with fart. Tart was dropped, leaving the less conspicuous, less gross sounding 'Raspberry'.


つまり、「口で fart (おなら)の音を出す、という意味の、押韻スラング。これ(この行為)はたいてい、子供のお腹の上で行われる。
Raspberry Tart(ラズベリー・タルト)は、fart (おなら)と韻を踏んでいる。(ラズベリー・タルトの)タルトが落ちて[省略されて]、(結果として)より目立たない、より下品でない”ラズベリー”の音が残った」。

すなわち、上の説明では、fart (ファート)と tart (英語読みではタート)の音が韻を踏んでいるという繋がりから、
fart → tart → raspberry tart → raspberry
と変化し、fart を連想させる tart ではない方の raspberry が残った、ということで、言葉の変遷として納得のいくものであると思えます。

ロングマンやマクミランの英英辞典では、「舌を出して息を出す」という表現にとどまっていますが、アーバンにあるような「子供のお腹の上でブーの音を出す」というのもイメージ湧きやすいですね。
お腹の上に口を当ててブーッ! とされたら、子供はその音とこちょばい(笑)のとでキャッキャ言って喜びますが、あれも raspberry だということです。
今回のチャンドラーのしぐさも、英和にあったような「軽蔑」のニュアンスというよりは、「ブーブークッションみたいなおならの音の真似」ということになるでしょう。

ちなみに「ラズベリー」と言えば、アカデミー賞とは対照的な「最低の映画(worst in film)を選ぶアメリカの映画賞」である「ゴールデンラズベリー賞(Golden Raspberry Award)」(別名:ラジー賞(Razzies)」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
Wikipedia 日本語版: ゴールデンラズベリー賞:名称 の項目で説明されているように、やはり上で紹介したような raspberry の意味と関係があるようです。

Wikipedia 英語版: Golden Raspberry Awards には、金色のラズベリーがデザインされたトロフィーの画像もあります。
その英語版の説明にも、
The term raspberry in the name is used in its irreverent sense, as in "blowing a raspberry".
つまり、「名称の中の raspberry という言葉は、blowing a raspberry に見られるような、不敬・不遜な意味で使われている」
とありますので、やはり、blowing a raspberry と関係あるということですね。

ラジー賞(Razzies)の razz は「冷笑(する)」という意味で、LAAD では、
razz : (informal) to make jokes that insult or embarrass someone
Etymology (Word Origin) : 1900-2000 raspberry 2

つまり、「人を侮辱したり、人に恥ずかしい思いをさせるようなジョークを言うこと。語源:raspberry 2」。
このロングマンの説明によると、raspberry が razz の語源である、ということになります。

ラズベリーの説明が長くなってしまいましたが、別れるのが寂しいと言ってハグしている時に、「そんなにギューってしたら、俺ブーって鳴っちゃうよ」とチャンドラーがまるで子供のようなリアクションをしたことで、いったんはハグが中断するのですが、「(ふざけて)ごめん。もう1回チャンスをちょうだい」と言うので、レイチェルも気を取り直して再びハグしたところ、またこの雰囲気に耐えられないチャンドラーは、二回目のブー!音を出してしまった、というオチになります。
「ただ(もう黙って)行って。俺には無理だよ(できないよ)」とチャンドラーは言い、これで二人だけの挨拶は終わりとなりますが、この悲しみにどう対処していいかわからなくて、つい笑いに逃げてしまう、というのがいかにもチャンドラーらしいところですね。
最初に自分で言っていたように、「シリアスな挨拶が始まってしまうと、俺、バカなことをやっちゃいそうだから」というのが当たっていたということで、そうなる前に自分の素直な気持ち(レイチェルがいなくなることは本当に悲しくて寂しい)をきちんと伝えておいて良かったね、というところですが、脚本的に言うと、「この後、俺、バカなジョーク言っちゃいそうだから」とわざわざ言った上で真面目な発言をした後にはまず間違いなく、「チャンドラーがこの空気に耐えかねてやってしまいそうなジョーク」が出てくることが想定されますよね。
悲しい別れのシーンに、あまり辛辣な言葉でのジョークもそぐわないので、そういう意味では「ブーブークッションの真似」のような子供っぽいジョークがこの状況には一番合っていたのかなぁ、という気がしました。


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posted by Rach at 14:20| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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