2016年08月09日

プライドあるからそんなことできない フレンズ10-16その4

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パリに転勤するレイチェルは、フレンズ一人一人を別室に呼んでお別れの挨拶をしています。
ジョーイとの挨拶も終わり、今は挨拶をしていないのはロスだけ、となった状態。
ロス: Okay, here we go. (よし、いよいよだ。)
レイチェル: Oh... (holding Ross's shoulder) Well.... (あぁ… [ロスの肩を掴んで] えーっと…)
ロス: Yeah. (あぁ。)
レイチェル: I think I'm gonna take off. (pats Ross on his back, but he looks very surprised) (じゃあ私は行くわね。[ロスの背中を叩くが、ロスは非常に驚いた顔をしている])
ロス: Huh? (は?)
レイチェル: Oh, you guys. This was an amazing night. Thank you so much. I love you. Good night. (あぁ、みんな。今夜は素晴らしい夜だったわ。ほんとにありがとう。愛してるわ。おやすみなさい。)
(She leaves the apartment and they all stare at Ross)
レイチェルはその部屋を去り、みんなはロスを見つめる。
ロス: What?! I don't get a goodbye? (何? 僕はさよならをもらえないの?)
ジョーイ: (still very emotional) Lucky bastard! ([いまだにとても感情的な様子で] ラッキーなやつめ!)
アドブレイク
[Scene: Monica's apartment continued... Phoebe, Chandler, Monica and Joey are sitting down and Ross is pacing up and down.]
引き続き、モニカのアパートメント。フィービー、チャンドラー、モニカ、ジョーイは座っていて、ロスは行ったり来たりしている。
ロス: Unbelievable. She says goodbye to everyone but me! (信じられないよ。レイチェルは僕以外のみんなにはさよならを言うのに!)
モニカ: Well, maybe she thought that with all of your history it could be, you know, implicit. (そうねぇ、多分レイチェルは思ったのよ、あなたたちにはいろいろあったから、ほら、暗黙の了解もありかな、って[言わなくてもわかるんじゃないか、って]。)
ロス: Well, it needs to be "plicit." (はっきりしてもらう必要があるよ。)
ジョーイ: All right, let's think about this. I mean, there's gotta be an explanation. Uh... did you do anything to make her mad? (よし、この件について考えよう。ほら、何か説明があるはずだ。うーんと、お前は何かレイチェルを怒らせるようなことをしたか?)
ロス: No, I don't think so. (うーん、そうは思わないけど[そんなことしてないと思うけど]。)
フィービー: You know, maybe she was just really spent from our talk. It was pretty intense. (ほら、多分、レイチェルはただ私たちとの話で疲れちゃったのよ。かなり真剣(で強い感情を起こすよう)なものだったから。)
モニカ: Yeah, mine too. (えぇ、私の[私とレイチェルの話]もね。)
チャンドラー: Mine was a humdinger. (俺のは、すごく素晴らしいものだったよ。)
ロス: (annoyed) O-kay! I mean, don't I deserve anything? I mean, a few tears, a cursory hug? (Joey gives Ross a hug) NOT FROM YOU! (Joey lets go) ([いらいらして] わかったよ! だって、僕は何も受ける価値がないの?[何を受けるにも値しないの?] ほら、2、3粒の涙とか、ぞんざいな[通り一遍の、お義理の]ハグとか? [ジョーイはロスをハグする] 君から(のハグ)じゃないよ! [ジョーイは離れる])
フィービー: Ross, if you're this upset, you should go and talk to her. (ロス、もしあなたがこんなに怒ってるなら、レイチェルのところに行って話すべきよ。)
モニカ: And say what? "You owe me a goodbye"? I mean, he's got more pride than that. (それで何て言うの? ”君は僕にさよならを言う義務がある”って? ほら、ロスはそんなことをする以上のプライドがあるのよ[ロスにはプライドがあって、そんなことはできないわ]。)
ロス: THE HELL I DO! (あぁ、もちろん、あるともさ!)
(Ross takes big steps leaving for Joey and Rachel's apartment, where Rachel is going through her papers.)
ロスは大股でジョーイとレイチェルのアパートメントに向かう。そこではレイチェルが書類に目を通している。


ついにレイチェルからの挨拶はロスを残すだけとなり、ロスもいよいよだと覚悟を決めるのですが、レイチェルは、I think I'm gonna take off. と言った後、ロスの背中をパンパンと叩いて、そのままスタスタと歩いて行くので、ロスは Huh? と言って驚いた顔をしています。
ドアの前で、今日のお別れパーティーのお礼をみんなに言って、そのまま部屋を去って行ってしまったので、フレンズたちも驚いてロスをじっと見つめます。
I don't get a goodbye? を直訳すると、「僕は(ひとつの)さよならもゲットしないの?」というところですね。
ロス以外のみんなは、個室に呼ばれ、それぞれさよならの言葉をもらえたのに、僕にはさよならの一言さえ言ってもらえないの? という気持ちです。
ロスだけ無視されたような形になってしまい、フレンズたちも何とも言えない顔でロスの方を見ていますが、その中でジョーイだけが、泣きながら恨みがましい目でロスを見て、Lucky bastard! と言っています。
bastard は「ひどい人、いやなやつ」、あるいは単に「やつ、野郎」という意味でも使われる言葉。
研究社 新英和中辞典では、
bastard=《俗》 【C】 ひどい人[もの], いやな人[もの]; 運の悪いやつ; やつ, 野郎
a lucky bastard 運のいいやつ
You bastard! この野郎

のように出ています。
憎々しげに You bastard! と言うと、「この野郎」という意味になるわけですが、a lucky bastard だと「運のいいやつ」という意味になるということで、今回のジョーイのセリフも、ロスに対して「お前は運のいいやつだな! ラッキーなやつめ」と言っていることになります。
この前のシーンで、レイチェルはバルコニーでジョーイにさよならを言っていましたが、挨拶が終わった後、ジョーイはバルコニーを乗り越え飛び降りようとするしぐさをして、慌ててレイチェルに止められていました。
ジョーイにとってはそれくらい、レイチェルの別れの挨拶がショックで悲しいものだった、ということで、それを経験しないで済んだロスのことを、「あんな辛くて悲しい思いをしなくて済んだお前は、ラッキーだったな」と言ってみせたわけですね。

アドブレイクで暗転の後、先ほどのシーンの続き。
ロスは「信じられないよ」と言って、She says goodbye to everyone but me! と言っています。
この but は「〜以外に、〜を除いて」という前置詞で、everyone but me で「僕以外のみんな」という意味になります。

次のモニカの maybe she thought that with all of your history it could be, you know, implicit. について。
with all of your history の with は「〜と一緒に(ある)」という感覚ですから、「〜が原因で、〜のために、〜のせいで」のような意味になるでしょう。
「あなたたちの歴史のすべてのせいで」→「あなたたちには二人の間にいろいろあった、という歴史があるから、そういうもののせいで、そういうものが原因で」というところですね。
it could be, you know, implicit. の implicit は「暗黙の、無言の、暗に示された」。
対義語は、explicit 「明白な、はっきりした」。
ですから、このモニカのセリフは、「あなたたちにはいろいろ(な歴史・経緯が)あったから、暗黙の了解となることが可能(かもしれない)とレイチェルは思ったのかもしれないわ」と言っていることになるでしょう。
お互いいろいろあって、もう言わなくてもお互いの気持ちはわかるから、あえて言葉では言わなかったんじゃない? ということですね。

それを聞いたロスは、it needs to be "plicit." と言っています。
plicit という単語は存在しませんし、わざわざ引用符でくくってあることからも、これは造語的に使っていることがわかります。
implicit という単語をモニカが使ったことに対して、ロスは im- を除いた形の「plicit である必要がある」と答えたことになりますね。
implicit という単語の成り立ち自体は、plicit という単語が存在しないことからもわかるように、「plicit という単語に im- という否定の接頭辞が付いたものではない」わけですが、今回のロスのセリフは、im- という接頭辞に「無、不」という not の意味があることを踏まえて、not のように見える im- を取り除くことで、「implicit ではない状態」を表したことになるでしょう。
ここで、not の意味の否定の接頭辞について少し説明しておきますと、通常は、in- になりますが(例:incredible=信じられない)、b, m, p の前では im- になります。
m の場合では immoral 「不道徳な」、今回のような p の場合だと、impossible 「不可能な」、impatient 「耐えられない、我慢できない」などがありますね。

上でも説明しましたように、implicit の対義語は explicit ですから、it needs to be explicit. のように表現すれば、「(暗黙の了解じゃなくて)明白に・はっきりする必要がある」という、ごく普通の表現になるわけですが、あえてその一般的な対義語を使わずに、ちょうど im- という「否定の接頭辞に見える部分」を取り除くことで、対義語っぽく表現したという面白さになるでしょう。

次にジョーイは、「この件について考えてみよう。(レイチェルがそういう行動を取ったことには)何か説明があるはずだ。何かレイチェルを怒らせるようなことしたか?」とロスに尋ねます。
何も思い当たる節がない様子のロスに、今度はフィービーが、「多分、私たちとの話でレイチェルはただ疲れちゃったのよ。かなり intense だったから」と言っています。
spent は spend の過去分詞ですが、形容詞として be spent の形で「疲れ切った」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
spent [adjective] : (literary) extremely tired
つまり、「(文語的) 極度に疲れて」。
intense は「強烈な、激しい」ですが、ここでは「真剣な、本気の、まじめな」というニュアンスが近いでしょうか。
LAAD では、
intense : serious and making you feel strong emotions or opinions
例) an intense conversation

つまり、「真剣(本気・まじめ)で、強い感情や意見を感じさせるような」。例は「真剣で強い感情を起こさせる会話」。
ちょうどロングマンの例文に conversation が使われていますが、今回のフィービーのセリフも、our talk のことを言っていますので、上の語義の「intense な会話」と同じニュアンスだと考えればよいでしょう。

モニカが「私の会話もそうだったわ」と同意すると、チャンドラーは「俺のは humdinger だった」と言っています。
humdinger は「非常に素晴らしいもの」という意味。
LAAD では、
humdinger [noun] [singular] : (informal) a very exciting or impressive game, performance, or event
つまり、「(インフォーマル) 非常にエキサイティングな、または印象的な試合、演技、イベントなど」。

ロスは一言のさよならも貰えなかったというのに、みんなが口々に、疲れちゃうほど intense だった、すごく素晴らしかった、などと言うので、ロスは怒ったように Okay! と言ってから、「僕は何かをもらうに値しないの? 2、3(粒)の涙や、cursory hug をもらう価値もないの?[もらうにふさわしくないの?]」と言います。
cursory は「ぞんざいな、急ぎの」ですから、ぎゅーっとハグしてもらえなくてもいいから、ちょっと形だけのハグさえもないわけ? と言っていることになりますね。
それを聞いたジョーイは、ロスをハグしていますが、「僕が欲しいのは君(ジョーイ)からのハグじゃない!」とロスが怒ることになります。

次のフィービーのセリフの upset は「動揺・動転して、うろたえて、取り乱して、腹を立てて、憤慨して」などいろいろな訳語が可能ですが、とにかく「尋常ではない状態」を指します。
今のロスはオロオロしているというよりは怒っているので、「怒っている、激怒している」がこの場合はふさわしいですね。
「こんなに怒ってるのなら(私たちにいろいろ言ってないで)(直接)レイチェルのところに言って話すべきよ」とフィービーはアドバイスするのですが、モニカは「それで(実際に行って)何て言うの?」と言った後、"You owe me a goodbye"? と言います。
owe は owe A B の形で、「A(人)に B(義務・恩義など)を負っている」ですから、「君は僕にさよならを言う義務を負っている」→「君は僕にさよならを言う義務がある、さよならを言うべきだ」ということですね。

he's got more pride than that. の has got = has で、「彼(ロス)はそれ(今言ったこと)以上のプライドを持っている」→「彼にはプライドがあるから、そんなことはできない」と言っていることになります。
妹のモニカにそう言われたロスは、The hell I do! と言っていますが、the hell は What the hell is that? 「一体あれは何だ?」などの形で使われる強意語ですね。
the hell を強意語として使うのは下品とされていますが、ここではそういう言葉をセリフの中で使うことで、ロスの憤りとイライラが最高潮であることを表現していることになるでしょう。

The hell I do! は、I do! を強調しているので、I have more pride than that. 「僕にはそれよりもプライドがある」を強調していることになり、「あぁ、もちろん、僕にはプライドがあるからね、”レイチェルは僕にさよならを言うべきだ”なんてことは言えないよ」と言っていることになるわけですが、そんな風に言いながらも、大股歩きで、廊下を挟んだレイチェルの部屋に向かいます。
その行動はレイチェルに対して文句を言いに行っているのが明らかで、口では「僕にだってプライドがあるから、そんなことは言えないよ」と言いながらも、やはりこのまま済ますことはできずに、結局フィービーのアドバイス通りに行動している、という面白さになるでしょうね。


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posted by Rach at 16:29| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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