2016年08月17日

今、笑ってるのは誰かな? フレンズ10-17その1

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シーズン10 第17話
The Last One - Part 1 (グランド・フィナーレ - part 1)
原題は「最後の話 パート1」


前回のエピソードの最後で、レイチェルはロスに「あなたにさよならが言えなかったのは、言うのがあまりにもつらすぎたから。あなたのことが誰よりも大事だったから」と告げます。
それを聞いたロスはレイチェルにキスをし、レイチェルもそのキスに応える、、というところでエンドクレジットになっていました。
その続きとなるシーン。
[Scene: Ross's bedroom. Rachel is putting on her shoes as Ross shows up from underneath the covers.]
ロスの寝室。レイチェルは靴を履いている。するとロスがベッドカバーの下から顔を出す。
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Shh.. Go back to sleep. I have to go home. (シー…。眠りに戻って[もう一度寝て]。私、家に帰らないと。)
ロス: Oh, God. This was amazing. (あぁ。素晴らしかったよ。)
レイチェル: It really was. You've learned some new moves! (ほんとにそうだったわね。あなた、新しい技(動き、動作、テク)、覚えたのね!)
ロス: Yeah, well, this guy at work gave me Sex for Dummies as a joke. (あぁ、職場のやつが僕に”バカのためのエッチ(バカでもできるエッチ)”(って本)を冗談で僕にくれたんだよ。)
レイチェル: Ah. (まぁ。)
ロス: Who's laughing now? (今、笑ってるのは誰かな?)
レイチェル: I know. (そうね。)(注:このセリフ、I am. と表記されているものもあります。詳しくは以下の解説にて)
(They kiss.)
二人はキスする。

前回のエピソードのラストでキスした二人は一体どうなったのか、、? とみんながハラハラする中、画面にはベッドに腰掛けて靴を履いているレイチェルと、ベッドカバーの下から顔を出すロスの姿が映ります。
顔を出したロスにレイチェルは「シー」と言って、「(あなたは)もう一度寝て。私は家に帰らないといけないから」と言います。
二人が愛し合っているシーンそのものは全く見せずに、その後の二人の雰囲気と様子だけの描写に留めていますが、普通の恋人同士のような穏やかな様子で自然に会話している二人の姿を見ると、お互いへの愛を再確認する素敵な時間を過ごせたんだな、ということがわかりますね。

"This was amazing." と言ったロスに、"It really was." とレイチェルが同意した後、レイチェルは急に何かを思い出したように、トーンを上げて、You've learned some new moves! と言っています。
この moves は「動き、動作」ということで、エッチにおける動作の話ですから、「新しい動作」→「新しい技、新しいテク」のようなことを指していることになるでしょう。
過去記事、コーヒーのだしがらをこぼさないと思うけど フレンズ7-12その5 でも、
チャンドラー: I was giving you some of my best moves, and you missed it. So please wake up so we can do it right! (俺は君に俺の最高のテクを行なおうとしてたんだ。で君はそれを逃した。だから、それをちゃんとできるように、お願いだからもう一回起きてよ。)
というセリフで moves が使われていました。
ロスとレイチェルがエッチしたのは、エマができた時のエッチ以来ですから、「あれから、あなた、新しい技覚えたのね!」と感心したように言ったことになります。

ロスは、職場のやつがジョークとして、僕に Sex for Dummies をくれた、と言っています。
DVD英語字幕でイタリック表記になっていることから、本のタイトルであることが想像できます。
dummy は「ダミー」として「替え玉」のような意味がありますが、ここでは「ばか、間抜け、とんま」のような意味。
「バカのためのエッチ」ということですから、本のタイトルとしてありがちな感じにすると、「バカにもわかる、バカでもわかる、バカでもできる(エッチ)」という雰囲気のタイトルだということですね。

その後、ロスはちょっと得意気な顔で、Who's laughing now? と言っています。
「今、笑ってるのは誰?」というのは、「同僚は(冗談とは言え)僕をバカにしてそんな本をくれたけど、その本を読んでからエッチして、相手の女性を喜ばせた僕の方が、今は笑う番じゃないかなぁ? 僕の方が勝者じゃないかなぁ?」という意味になるでしょう。
DVD日本語字幕では「バカはどっち?」と訳されていましたがまさにそういうところで、「こういう結果になったから、バカだったのは”僕をバカにして本をくれた”あいつの方だよね」「あいつは僕のことをバカにして笑っていたけど、今は僕が彼のことをバカにして笑う番だよね」という意味で言っていることになります。

そして、ロスの Who's laughing now? に対するレイチェルのセリフですが、この部分、I am. と表記されているものと、I know. と書かれているものがあります。
話の流れや、聞いた音の感じとイントネーションから、私は "I know." が正しいと思うのですが、それについて以下に説明させていただきますね。

まず、DVDの英語字幕では "I am." となっており、2012年発売のブルーレイの英語字幕でも、"I am." となっていました。
ですが、Netflix の英語字幕には、"I know." と書いてあります。

まずは、話の流れと意味から考えてみたいと思います。
DVDとブルーレイでの表記である、"I am." だとすると、ロスが「今、笑ってるのは誰?(勝者は僕だよね?)」と言ったことに対して、「勝者はあなたじゃなく、この私よ(I am laughing now.)」とレイチェルが言っていることになるでしょう。
その場合には「ロスの同僚がロスにそんな本をあげた結果、最終的な勝者は私よ」と言っていることになりますが、それだと「ロスのテクで最高の気分になれた私が勝者ね」みたいに言っていると考えられます。
"I know." だとした場合は、ロスのセリフが結局は「バカにした同僚よりも僕の方が勝者だよね」という意味であることを受けて、素直に「そうね」と認めた流れになりますね。

「僕の勝ちだよね」と言ったことに対して、「本当の勝者は私よ」と言えば、「一番得したのは私よ」的なニュアンスで、さっきのエッチが私にとってはとても素敵なものだった、すごく気持ちいいものだった、と言っていることになりますので、話の流れとしては I am. も可能だろうと思います。
ただ、もしそういう意味であれば、「おぉ〜、レイチェルそこまで言う?!」的な発言になるので、観客からも歓声が上がるとか、ロスの発言の後、さらにもう一度笑いが起こる、というような反応があるように思うのですが、観客の笑いの反応を見ると、レイチェルの発言に対して新たなリアクションがあるような感じはありません。

そして一番の決め手になると思われる、実際のレイチェルの発音ですが、私には I know. と言っているように聞こえました。
これがもし、"Who's laughing now?" "I am." ということだと、Who? という問いに対しての「答え」なので、「笑ってるのは(他でもないこの)私よ」というニュアンスから、I am. という単語2語ともが、「アイ・アム」とはっきり発音されると思うのです。
また「本当の勝者は私よ」という意味ならば、ロスの発言を否定して「あなたじゃなく私よ」と言っていることになるので、レイチェルはちょっと勝ち誇った感じの得意気でいたずらっぽいような顔で、そのセリフを言うように思うのですね。

実際のこのシーンのレイチェルのセリフでは、I ***. の部分をさらっと言っており、「誰が笑ってるの?」という「問いに対しての答え」というよりは、「誰が笑ってるの?」=「バカにしてた同僚より僕の方が勝者だよね」というロスの勝利宣言に対して、「そうね、ロスの言う通りね」と軽く返した感じの I know. の方が、今回のレイチェルのさらっとした感じの I ***. に近いと思うのです。

ロスの発言に対して、さらに笑いを取る意味での "I am." であったなら、レイチェル自身の言い方も、笑いを取るためにもう少しはっきり発音するでしょうし、カメラもレイチェルの顔をもう少しはっきり映すと思います。
実際の映像では、ロスの "Who's laughing now?" に対する笑いが起きたという流れのまま、レイチェルが軽く I ***. と言って、すぐにさらっとオープニングに繋がっていますので、このレイチェルの発言は、ジョークとして笑いを取ったり、観客に「おぉ!」と思わせるような内容ではなく、単なる相槌である I know. だという気が私にはする、ということです。

I know. か I am. かについて、「DVD/Blu-ray と Netflix とで字幕が違っていた→その場合、2つは意味が大きく異なってしまう」ということが興味深かったので長々語ってしまいました^^


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posted by Rach at 15:03| Comment(4) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、おはようございます。

いよいよグランドフィナーレに入りましたね。

私、1巡目の時は先が知りたくてどんどん見ていきましたが、2巡目はシーズン1の1話〜12話の間を
行ったり来たりしています。
音声をウォークマンに入れて毎日聞いていますが、聞き流しになっているので残念ながら学習効果は
それほど得られていないようですが、そのうち腰を据えてRach方式はしょる3段階をやってみます。

でグランドフィナーレはRachさんの解説と同時進行で映像も見ていこうとブルーレイをセットしました。

第1印象は「皆、歳取ったなぁ」でした。(^^;)
第2巡目に戻った時に「皆若い!」と思ったのと逆です。
10年ですから当然と言えば当然ですね。

>話の流れや、聞いた音の感じとイントネーションから、私は "I know." が正しいと思うのですが、
>それについて以下に説明させていただきますね。

字幕表示は「I am.」となってましたが私も「I know.」と聞こえました。
又レイチェルの口の動きからも「I know.」と思いましたし、
「I am.」と聞こうとしても「I know.」でした。(^^)

p.s.ゴールのテープはすぐそこですね。それはそうと吉田選手、残念だったなぁ。
金取らせてあげたかった。でも卓球の石川選手が個人戦で敗退したときバス中で
吉田選手から声をかけてもらって気持ちの切り替えが出来たという記事を読んで
立派に主将の役を果たされたと思います。胸を張って帰国してもらいたいですね。

では。
Posted by aki-kiyo at 2016年08月19日 09:30
aki-kiyoさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね、気づけばもうグランドフィナーレとなりました。私のブログ解説と同時進行で見ていただけること、とても嬉しく思います。
10年も続いたシリーズですので、最初と最後ではやはりみんなの姿が随分違っていますよね^^

それから、今回の記事の I know. か I am. かの件、やっぱり I know. に聞こえますよね? 私の意見に同意していただけて良かったです♪

オリンピックは私も毎日ハラハラドキドキしながら見ています。吉田選手の試合後のインタビュー、涙なしでは見られなかったです。「ごめんなさい」なんて言わないで、、という気持ちでした。主将としての責任、金メダリストへの期待、いろんなものを背負っておられたことを考えると、吉田選手には、ただもう「ありがとう」という言葉しかないです。

卓球は、エッジボールや退場など、不運なことがいろいろあっただけに、団体銅メダル、本当に良かった! と思いました。
ずっと目指してきたオリンピックという舞台で、望んだ結果が出なかった場合に、次の試合、または4年後のオリンピックに向けての「気持ちの切り替え」について語る選手の方を多く拝見しましたが、本当に強い精神力だと思います。一流のアスリートの方々の姿から学べることは多いですね。
Posted by Rach at 2016年08月19日 16:42
Rachさんこんにちは。夏の間バタバタしてまして遅れてましたがようやく少し追いついてきました。でも本当にエンディングに近づいて来ていて、長い間お世話になった深い感謝の念に満たされるとともに徐々に寂しさがつのってきております。
Who's laughing now? のところですが、Rachさんの解説の通りだと思います。やはり I know.ですよね。そういう風に聞こえますし、もっと言うと(サイレントに近いOh) I know.と言ってるとも思います、表情もそんな感じですよね。それにしてもレイチェルって本当に魅力的で可愛らしいですね。(今更ですが・・・Rachさんが名前を借りたくらいですから。)
あと、I am.だと、もしかしたらIが高くてストレスがありamで下がるのかな、とも思いました。
前の16話から続く一連のロスとレイチェルのシーンは何回見ても飽きません。
引き続きもう少しお世話になります。ありがとうございます。
Posted by koroyakun at 2016年08月28日 10:36
koroyakunさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。
本当にエンディングに近づいてきましたよね、、、。長い間ずっと読み続けて下さった、koroyakunさんを始めとする読者の皆様のおかげで、ついにここまで来ることができましたこと、私も深い感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます<(_ _)>

それから、I know. か I am. かについて、私の意見にご賛同いただきありがとうございます。I am. ならこういう音の上がり下がりになるのでは、というご意見もその通りだと思います。流れ的にも、音的にも、表情的にもやっぱり、I know. の方がしっくりきますよね。

フィナーレに向けてのロスとレイチェルのシーンは、何度見ても、見入ってしまいます。本当にレイチェルは魅力的で可愛らしいキャラクターで、わがままで自分勝手なことを言っているような場合でも、最終的には許せてしまう、、みたいなところも多いですね。嫌な女に見えないところが、ほんとうに愛らしいキャラだと思います。こんな魅力的なキャラクターの名前をハンドルネームとして使わせてもらった上で、ここまでブログを続けさせてもらえたことも、私にとっては本当に幸せなことでした。

フィナーレに向けても良いシーンの連続で、本当にフレンズは最後までパワーが落ちないなぁ、と実感します。フレンズという作品、脚本、セリフの素晴らしさを最後まで伝え切ることができるように、引き続き頑張りますね♪
温かいお言葉、ありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2016年08月29日 14:30
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