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セリフの繋がりがあるため、前回の記事の最後のセリフを再掲しています。
ロス: No. Oh, no. No, don't. Stop cleansing my aura. No, just leave my aura alone, okay? I'll be fine, alright? Really, everyone. I hope she'll be very happy. (だめだ。だめだよ。やめてよ。僕のオーラを浄化するのはやめてよ。だめだ、ただ僕のオーラはほっといてよ、いい? 僕は大丈夫だよ。本当だ、みんな。彼女(キャロル)がすごく幸せになるのを願ってる。)
モニカ: No, you don't. (いいえ、あなたは(そんなこと)願ってないわ。)
ロス: No, I don't. To hell with her. She left me! (あぁ、願ってないさ。彼女がどうなろうと知ったことか。彼女は僕を捨てて出て行ったんだ!)
ジョーイ: And you never knew she was a lesbian. (で、お前は彼女がレズビアンだってこと、全然知らなかったのか。)
ロス: No! Okay?! Why does everyone keep fixating on that? She didn't know. How should I know? ((あぁ)知らなかったよ! いいか? どうしてみんな、そのことにこだわり続けるんだ? 彼女が(自分がレズビアンだってことを)知らなかったんだ。僕にわかるわけないだろ?)
チャンドラー: Sometimes I wish I was a lesbian. (THE OTHERS STARE AT HIM) Did I say that out loud? (時々、俺がレズビアンだったらなぁ〜って思うよ。[みんなが彼を見つめる] 俺、今の(発言)、(みんなに聞こえるくらい)声に出して言ってた?)
「僕は大丈夫だ。キャロルが幸せになるのを願ってる」とロスが言うと、モニカが、No, you don't. と言い、ロスは即座に、No, I don't. と返しています。
モニカの No, you don't. は、その前にロスが言ったセリフを受けての発言で、No, you don't hope she'll be very happy. 「あなたは彼女が幸せになるのを願ってない」、ロスの No, I don't. も「僕は彼女が幸せになるのを願ってない」と言っていることになります。
ついさっき自分で「キャロルには幸せになって欲しいと思ってるよ」と言っておきながら、「あなた、そんなことちっとも思ってないでしょ」と言われ、「ああ、そうさ、そんなこと僕はちっとも思ってない」と返したセリフ、自分がさっき言ったことを完全否定したことになります。
To hell with...! は「〜など知ったことか! 〜などくたばれ!」という人をののしる言葉。
Macmillan Dictionary では、
to hell with : used for showing that you are angry with someone or something and do not care about them any more
つまり、「自分が誰かや何かに怒っていて、その誰かや何かのことはもうどうでもいいと思っていることを示すために使われる」。
ちなみに、to hell というのは、Go to hell! 「地獄に落ちろ! くたばれ!」のニュアンスの「地獄へ」という感覚ですね。
To hell with... の with の用法について、過去記事でご質問をいただいたことがあるのですが、その当時の回答をまとめる形で、今回の記事の最後に説明します。
一応、友人がいる手前(笑)、「出て行った妻の幸せを願ってる」ときれいごとを言ってみたけれど、「そんなこと思ってないでしょ」とつっこまれて、「あぁ、そうさ。そんなこと思ってるわけない。あんなやつのことなんか知ったことか! どうなっても構うもんか!」と彼女に対しての怒りの気持ちを表しているセリフということになりますね。
leave は「〜を残して(立ち)去る」「(人やものを)見捨てる」なので、She left me! は「彼女は僕を見捨てたんだ。僕を捨てて出て行ったんだ」というニュアンスになります。
そうやって怒りをあらわにしているロスを見て、ジョーイは、「で、お前は彼女がレズビアンだってことを全然知らなかったのか」とあきれたように言っています。
そのジョーイのセリフを聞いて、観客や視聴者は初めて、「ロスの妻が家を出て行った理由は、彼女がレズビアンだったから」だとわかるわけですね。
you never knew 「お前は全然知らなかった(のか)」と言われたロスは、まずは大声で、No! と叫んでいます。
ジョーイの you never knew は、never という否定語が使われているので、you didn't know のような否定文。
それに答えるロスの No! は、No, I didn't know she was a lesbian. という否定文が続くことを示唆します。
日本語の「はい/いいえ」は相手の発言を肯定するか否定するかで決まりますが、英語の「Yes/No」は、その後に続く文章が肯定文であれば Yes、否定文であれば No になります。
この場合も、英語ではロスが No. と言うだけで、「僕は知らなかった」という否定文の意味を表すことになります。
ロスの No! を日本語の感覚で捉えてしまって、ジョーイの発言を否定した「いいや!(知ってたよ)」という意味だと誤解しないように注意しましょう(なるほど英文法 p.207)
fixate on は「…にこだわる、執着する、固執する」で、keep fixating on... は「…にこだわり続ける」。fixate は、fix 「固定する」の派生語。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fixate [verb] fixate on somebody/something [phrasal verb]
to always think or talk about one particular person or thing
つまり、「いつも、特定の一人や一つの事柄について考えたり話したりすること」。
このロスのセリフで、みんなが二言目には「逃げた妻はレズビアンだった」という話ばかり持ち出すことがわかります。
How should I know? の should は「〜するのが当然だ、当然〜する」という意味で使われますので、そのニュアンスで直訳すると、「どのようにして、僕が(そのことを)当然知っているんだ?」のようになるでしょう。
つまりは、「どうしたら、僕がそれを知って当然、ってことになるんだ?」「どうして僕がそれを知ってるはずなんだ?」ということですね。
このような形の should については、研究社 新英和中辞典の、以下の語義が当てはまると思います。
should=[why, how などとともに用いて、当然の意を強調して] …しなければならない、…して悪いはずがない
Why should he go for you? どうして彼が君の代わりに行かねばならないのか。
今回のロスも「妻がレズビアンだったこと、夫のお前は知らなかったのかよ」みたいに言われたことに対して、She didn't know. 「妻自身も(自分がレズビアンであることを)知らなかった、自分自身でも気づいてなかった」んだから、「どうして僕が知ってて当然ってことになるんだよ。本人が知らなかったことを僕が知ってるはずないじゃないか」という気持ちで、そのセリフを言ったことになりますね。
I wish I was a lesbian. の was という過去形は、現実とは反対の仮定を表す「仮定法過去」。
I wish+主語+過去形で、現実には不可能な願望を表します(なるほど英文法 p.131)。
チャンドラーは男性なので、どんなに強く願っても(笑)レズビアンにはなれないから、仮定法が使われているのですね。
(say) ... out loud は、LAAD では、以下のように出ています。
read/shout etc. something out (loud) : to say something in a voice that is loud enough for others to hear
例) What does it say? Read it out loud.
つまり、「他の人が聞くのに十分な大きさの声で何かを言うこと」。例文は「それ、何て書いてあるの? (私に聞こえるように)声に出して読んでよ」。
今回のチャンドラーのセリフは、「俺もレズビアンだったらな」という発言をして、みんなににらまれたので、「あれ、心の中の声を、俺、今、声に出してしゃべっちゃってた?」と言ってみせたわけですね。
(To hell with... の with の用法)
この with の説明を記事の最後に回したのは、この用法が頻出項目ではなく、理解できなくても特には困らない、と思ったからです。
ですから、「ややこしそう」と思う方は飛ばして下さって結構ですし、「読んだけど結局よくわからない」という場合も、そのままにしておいていただいて結構かと思います。
今後、これと同じ用法の with が出てきた場合には、こちらの記事にリンクをはりたいと思っています。
似た用法の実例に何度か触れることで、そのニュアンスをつかんでいただければいいな、と思います。
To hell with... の with については、研究社 新英和中辞典の with の語義に以下のものがありました。
with=[方向の副詞に伴い、動詞なしで目的語とともに命令文的に用いて] …を[は]
Away with him! 彼を追っ払え!
Down with the aristocracy! 貴族を打倒せよ!
Off with you! 行ってしまえ!
Up with it! それを持ち上げろ!
To hell with… (hell 参照)
LAAD では、
with [preposition] : (spoken) used in some phrases to show the object of a strong wish or command
例) Down with racism!
つまり、「(話し言葉) 強い願望や命令の対象を示すために、いくつかのフレーズで使われる」。
例文は「人種差別を打倒せよ!」。
研究社の英和辞典で To hell with がその例として挙げられているので、これがその with のニュアンスであることは間違いないと思います。
「方向の副詞に伴い、動詞なしで目的語とともに命令文的に用いて」というのは、例えば、「追い払う」が send someone away だとすると、Send him away! と言う代わりに、Away with him! と表現する、ということですね。
方向の副詞= away 、「動詞なしで」というのが「send を使わない」ということ、him は本来あるべき動詞 send の目的語に当たる、ということです。
To hell with... の場合は、to hell が方向の副詞句 「地獄へ」になるでしょう。
ここでも、send 「送る」という動詞を使ってみるとすると、Send her to hell 「彼女を地獄に送れ!」という代わりに、To hell with her! と言っている、という感じになるでしょうか。
方向の副詞が示す動きの対象となるものを with 以下で述べている形になります。
away や to hell という副詞(句)がほとんど動詞のような働きをする、つまり「そういう副詞(句)が指す方向に動かす」という他動詞のようになっているのですが、実際は動詞でないために、away him などとすると文として成立しなくなるので、away や to hell のように「ある方向へ動く」、その対象物であることを明確にするために with がついている、ということになるでしょう。
with someone という形を見ると、「(人)と一緒に」という風に訳してしまいそうになりますが、To hell with someone. というのは、「(人)と一緒に地獄に(行く)」ということではなくて、「(人)を地獄に行かせろ、地獄に送れ」というように、to hell の方向へ移動させる「目的語」を、with someone の形で表現しているということになるわけですね。
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フレンズは英語の勉強になるよ!!
と、友達に勧められていたのですが、
まだ見たことはありません。
でも、これだけ詳しく説明してくれていたら、
勉強になりますね。
また訪問させていただきます。
応援完了しました。
初めまして。コメントありがとうございます。
拙ブログでの説明を「勉強になります」と言っていただき光栄です。また、応援もしていただけたとのこと、誠にありがとうございます!
英語学習の参考にしていただけるような詳しくわかりやすい解説が書けるように頑張ります。
コメントありがとうございました!