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ジョーイ: Alright, Ross, look. You're feeling a lot of pain right now. You're angry. You're hurting. Can I tell you what the answer is? (よし、ロス、なぁ、お前は今、多くの痛みを感じてる。お前は怒ってる。お前は傷ついてる。(それに対しての)答えが何か、お前に言ってもいいか?)
(ROSS GESTURES HIS CONSENT)
ロスは(どうぞ、という)承諾の手ぶり(ジェスチャー)をする。
ジョーイ: Strip joints! Come on, you're single. Have some hormones. (ストリップクラブ[劇場]だよ! ほら、お前は独身だろ。ホルモン出せよ!)
ロス: See, but I don't want to be single, okay? I just, I just, I just wanna be married again. (ねぇ、でも僕は独身でいたくないんだよ。僕はただ、ただ、もう一度結婚したいんだ。)
(ENTER RACHEL IN A WET WEDDING DRESS. SHE STARTS TO SEARCH AROUND
THE ROOM)
濡れたウェディングドレスを着たレイチェルが入ってくる(注:ドレスが濡れているかどうかはよくわかりませんが、髪の毛は確かに濡れている感じに見えます)。彼女は部屋(店)をぐるっと見て(何かを)捜し始める。
チャンドラー: And I just want a million dollars! (EXTENDS HIS HAND HOPEFULLY) (そして俺はただ百万ドルが欲しい! [どうか・願わくは、という感じで、自分の手を伸ばす])
モニカ: Rachel? (レイチェル?)
レイチェル: Oh, God, Monica! Hi! Thank God! I just went to your building and you weren't there and then this guy with a big hammer said that you might be here, and you are, you are. (あぁ、モニカ! はーい! ありがたいわ! ちょうどあなたのビル(アパートメント)に行ってきたの、そしたらあなたはそこにいなくて、大きなハンマーを持ったある男性が、あなたはここにいるかも、って言ったのよ、そして、あなたが(実際に)ここにいる、いるわ。)
ウェイトレス: Can I get you some coffee? (コーヒーいかがですか?)
モニカ: (POINTING AT RACHEL) Decaf. (TO THE GANG) Okay, everybody, this is Rachel, another Lincoln High survivor. (TO RACHEL) This is everybody. This is Chandler and Phoebe and Joey. And you remember my brother Ross? ([レイチェルを指さして] カフェイン抜きで。[ギャング[フレンズたち]に] オッケー、みんな、こちらはレイチェルよ、もう一人の[私と同じ]リンカーン高校の卒業生なの。[レイチェルに] こちらがみんなよ。こちらがチャンドラー、フィービー、ジョーイ。そして覚えてるわよね、私の兄のロスを?)
レイチェル: Sure! (もちろん!)
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Hi. (はーい。)
(THEY GO TO HUG BUT ROSS' UMBRELLA OPENS.
二人はハグしようとするが(注:レイチェルは手を伸ばしていたので、ハグというよりは握手しようとしていたように見えます)、ロスの傘が開く。
レイチェル: Oh! (HE SITS, DEFEATED AGAIN) (まぁ! [ロスは座る、また落ち込んで])
ジョーイはロスに、「お前は多くの痛みを感じてる。怒ってる。傷ついてる」と言った後、Can I tell you what the answer is? と続けます。
直訳すると、「その答えが何か、俺がお前に話していいか?」ということで、「痛みと怒りを感じているお前が今、何をすべきかということを俺が言ってもいいか?」と言っていることになります。
strip joint は「ストリップクラブ、ストリップ劇場」。この joint は「いかがわしい場所」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
strip joint [noun, countable] : (informal) a strip club
のように、まさに「ストリップクラブ」であると説明されています。
ちなみに、LAAD はアカデミックな英英辞典で、あまりにもお下品な(笑)単語・意味だと載っていないこともあるのですが、この strip joint は普通に載っていました^^
今のロスに必要なのはこれだ! という感じで言った答えが、「ストリップクラブに行け。ストリップを見に行け」ですから、ロスもモニカも、あきれた顔をしています。
ジョーイはそんなリアクションにも構わず、Come on, you're single. Have some hormones. と言っていますね。
Come on. という言葉は会話によく登場しますが、日本人がまず頭に浮かぶのは「来い! 急げ!」のニュアンスでしょう。
それ以外のニュアンスとしては、LAAD の語義にある、以下の2種がよく登場するでしょうか。
come on! (spoken)
b) said in order to encourage someone to do something
例) Come on, guys, you can do it!
c) said when you do not believe what someone has just said
例) Oh come on, don't lie to me!
b) は、「人に何かをするように励ますために言われる[使われる]」。例文は「さあ[ほら]、みんな、君たちならできるよ!」
c) は、「誰かがたった今言ったことが信じられない時に言われる」。例文は「あぁ、もう、私に嘘つかないで!」
Come on! の基本的な意味は「来いよ!」という感覚ですから、何かをすることにためらっている人に対して激励する、励ますニュアンスで、「さあ、ほら」という意味で使えるのは、イメージも湧きやすいですね。
c) の「そんなこと言うなんて信じられない」という意味は、反語的に使われており、口調や表情にも「もう〜、おいおい、いい加減にしろ」というあきれた感じが出ます。
Have some hormones. は「(いくらかの)ホルモンを持て」というところですが、DVDの日本語音声の「ホルモンを燃やせ〜」というような感覚でしょうね。
妻が出て行って落ち込むばかりじゃなくて、男性ホルモンをちゃんと機能させろ、というようなことでしょう。
ロスは「僕は独身ではいたくないんだよ。ただもう一度結婚したいんだ」と返すのですが、その時、コーヒーハウス(セントラルパーク)のドアが開き、ウェディングドレス姿のレイチェルが入ってきます。
彼女は誰かを捜している様子で、店内をきょろきょろ見回しています。
花嫁さんが入ってきたのを見たチャンドラーが、And I just want a million dollars! と言うのが面白いですね。
直訳すると、「そして俺は(ただ)百万ドルが欲しい!」ということ。
このシーンは、ロスが「僕は独身でいたいわけじゃなくて、もう一度結婚したいんだ」と言った直後に、ドアを開けて花嫁姿のレイチェルが入ってきたという展開になっています。
おまけにその花嫁は人を捜している様子で、まるで、ロスの願いを聞き入れた神様がここにレイチェルをよこし、その彼女は「結婚したい」と言った花婿を捜しているように見えます。
ロスが結婚したい、と言ったら、すぐに花嫁がやってきた、、という、そのあまりのタイミングの良さに、ここで口に出して願いを言えば、すぐにそれが叶うと言わんばかりに、チャンドラーは「(ロスが花嫁を願うなら)俺は百万ドルが欲しい!」と願い事を言って、レイチェルが入ってきたドアに向かって手を伸ばしたということですね。
きょろきょろしているレイチェルに気づいたモニカは、「レイチェル?」と声を掛けています。
レイチェルがモニカを見て喜んでいることからも、レイチェルが捜していたのは花婿さんではなく、このモニカだったことがわかります。
Thank God! は「ありがたい」で、何かに喜んでいる時に使われる表現。
「あなたはいなかった(過去形)」→「ここにいるかもしれないと言われた(過去形)」→「そして(実際に本当に今)あなたはここにいる!(現在形)」という時制の変化にも注目したいところです。
this guy with a big hammer の this について。
this=これ、この、という印象が強いので、this guy と来たら反射的に「この男性」と訳してしまいそうになりますが、このセリフの this は自分の近くにあるものを指す「この」という意味ではなく、何かの出来事を物語として語る時に、初めて触れる人や物につけて使われる this です。
不定冠詞の a に近いイメージで理解すると良いでしょう(なるほど英文法 p.205)
カウンターのウェイトレスが、店に入ってきたレイチェルに対し、「コーヒーはいかがですか?」と声を掛けると、モニカが「あぁ、この人はね」という感じで後ろからレイチェルの頭を指さしながら、Decaf. と言っています。
decaf とは「カフェイン抜きのコーヒー」。de- は「除去、分離」を意味する接頭辞。
レイチェルが自分で言う前にモニカが言っているところが女友達っぽいですね。この子は絶対にカフェイン抜きだって私知ってるから、という感じでしょう。
(2016.10.5 追記)
Decaf. について、コメント欄でご意見をいただきました。
これは「レイチェルが頼むものをモニカが知っていたから」ではなく、「明らかに興奮している様子のレイチェルに、興奮剤となるカフェインが入っていないもの(decaf)を、モニカが勝手に注文した」ということでした。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
ちなみに、「コーヒーいかがですか?」と声を掛けたウェイトレスさんは、Cynthia Mann (シンシア・マン)さんという女優さんで、フレンズ1-12 以降、Jasmine という役で登場します(後から登場するキャラが、先にゲストとして別の形で出ていることがフレンズには何度かあるので、説明してみました^^)
この後、モニカは、「みんな、こちらはレイチェルよ」とレイチェルを紹介しますが、「フレンズたちに(こう言う)」という意味で、ネットスクリプトのト書きには、TO THE GANG と書いてあります。
gang という単語はいわゆる「ギャング」ですが、暴力団的な一味・一団を指す以外にも、「遊び仲間」という意味もあります。
LAAD では、
gang : (informal) a group of friends, especially young people
例) She went out with Sarah and the gang.
つまり、「(インフォーマル) 友達(フレンズ)のグループ、特に若い人の」。例文は「彼女はサラとその友達[仲間たち]と一緒に出かけた」。
語義の通り、gang = a group of friends という意味で、gang は「フレンズ」を指しているわけですね。
「フレンズ」を言及する言葉として、今後もト書きなどで使われることがあるので説明させていただきました。
みんなにレイチェルを紹介した後、another Lincoln High survivor だと説明しています。
another 「もう一人の」というのは、自分以外のもう一人というニュアンスで、「私と一緒でこの子もそうなの」というところですね。
survivor という単語は「死なずに生き残った人、生存者」みたいな意味ですが、恐らくそこまで大袈裟なニュアンスではなく、「高校で苦楽を共にし、一緒に卒業した人」というようなニュアンスで使っているのだろうと思います。
有名な大統領リンカーンの名前がついた学校は、アメリカにいくつもありますが、ニューヨークのブルックリンに、「ブルックリン・リンカーン・ハイスクール(Brooklyn's Lincoln High School)」という高校が実在しますので、恐らくそこを卒業したという設定でしょう。
みんなを紹介しつつ、最後にロスのことを「覚えてるわよね、私の兄のロスを」と紹介しています。
レイチェルは「もちろん!」と言って、ロスと握手しようとするのですが、運悪く、ロスが持っていた傘が開いてしまい、レイチェルがびっくりして後ろに引いてしまうことになります。
「僕はまた結婚したいんだ」と言った時に、花嫁姿のレイチェルが入ってきて、何かいいこと起こりそう? みたいな良い前兆だっただろうのに、その人と挨拶する時に運悪く傘が開いてしまう、という己の運の悪さに、またどんより感がぶり返す、かわいそうなロスでした。
ちなみに、フレンズたちがたむろしていて、フレンズの主な舞台の一つであるコーヒーハウスの名前は「セントラルパーク(Central Perk)」といいます。
店の名前はセリフの中ではまだ出てきていませんが、第1話のオープニング後の冒頭シーンで、お店の窓に、コーヒーカップの絵柄の CENTRAL PERK というロゴが映っていましたので、忘れないうちに、その名前について説明しておきます。
NYに「セントラルパーク」(Central Park)という有名な公園がありますが、このコーヒーハウスの名前はそれをもじったもの。
店の名前の方は、Perk という綴りになっていて、perk とは「パーコレーター(percolator:ろか装置付きコーヒー沸かし器)で(コーヒーを)いれる」という意味の percolate の短縮形。
park (公園)を perk という単語に置き換えることで、コーヒーハウスであることを示唆し、近くにある有名な公園の名前もかけていることになります。
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何を、唐突に関係ないことをと思っていました。
コメントありがとうございます。
このセリフは、このセリフそのものの意味で笑わせるのではなく、「流れ」で笑わせるタイプのジョークですね。
ロス: I just wanna be married again.
チャンドラー: And I just want a million dollars!
のように、ロスと同じ I just want という表現をチャンドラーは使っているのですが、チャンドラーの発音は、and "I" just want... のように、主語の I を強調しています。
「”俺は”百万ドル欲しい、”俺には”百万ドルちょうだい!」みたいに、「ロスの願いを聞いてくれたのなら、俺の願いも聞いて」と言ってみせたわけで、自分が願ったものもそこからやってくるかのように、花嫁が入ってきたドアに手を伸ばすしぐさも楽しいですね(^^)
>ロスが結婚したい、と言ったら、すぐに花嫁がやってきた、、という、
>そのあまりのタイミングの良さに、
>ここで口に出して願いを言えば、すぐにそれが叶うと言わんばかりに、
>チャンドラーは「(ロスが花嫁を願うなら)俺は百万ドルが欲しい!」と願い事を言って、
>レイチェルが入ってきたドアに向かって手を伸ばしたということですね。
なるほど、そういうことですか。
字幕は「俺は100万ドル欲しい」
吹替は「そんなあなたにこんなの出ました」
でしたがどちらにしてもピンと来ず、特に吹替が元と全然違うし意訳にしてももう一つすっきりした
納得感を得られずでした。
Rachさんの解説でようやくすっきりしました。(^^)
では。
こんばんは。コメントありがとうございます。
私も一番最初に見た時は、ピンと来なかった気がします。「結婚したい」とロスが言った後に「花嫁」が入ってきた、という流れに気づいたのは、何回か見た後でしたね。
そういう流れだとわかった上で、DVDの日本語訳を見てみると、
(字幕)「僕はまた結婚したい」「俺は100万ドル欲しい」
のように、「僕は」「俺は」という「対比」の形になっていました。
(音声)「もう一度早く結婚したいよ」「そんなあなたにこんなの出ました」
は、「結婚したいと言った君に、花嫁がやってきたよ」ということを言っていたわけですね。
この「100万ドル欲しい」については、不思議と過去記事でご質問をいただいたことがなかったので、読者の皆さんも既に私と同じような解釈をして納得しておられるのかなぁ? どうなのかなぁ? と思っていました。今回、この解釈をご披露できて、そうだったのか! と思って下さった方が二人も(!)いて下さったので、「シーズン1に戻ってきて良かった♪」と思っています。すっきりしていただけて良かったです(^^)
Friendsは興味があったのですが、またシーズン1から改めて解説してくださるということで、更新される前に該当のシーンを見て、Rachさんのブログ記事で答え合わせをするようにし始めました(笑)。
1つ質問があります。
"Decaf."とモニカが言うシーンですが、ウエディングドレスという非日常の姿で現れ、かなりテンパっているような話しぶりのレイチェルの様子を見て、もうこれ以上興奮しては困るので「カフェイン抜きのやつをお願い」という意味で勝手に注文したのかと思っていました。そのため、
>レイチェルが自分で言う前にモニカが言っているところが女友達っぽいですね。この子は絶対にカフェイン抜きだって私知ってるから、という感じでしょう。
というRachさんの解説を読み、ちょっと戸惑ってしまいました。ですが、Rachさんはファイナルまですでに視聴済みなので、この後レイチェルとカフェインにまつわるエピソードがあって、それでこう解説されているのかもしれないと思ったのですが?! もしそうだったら教えていただけたらうれしいです。
はじめまして。コメントありがとうございます。
拙著を全部(!)お買い上げ下さったとのこと、本当に光栄で嬉しいです。ありがとうございます!
拙著でおすすめしていた方法で、楽しんで下さっているのですね。シーズン1から改めて解説を始めたことがお役に立てているとしたら、とても嬉しいです。
そして、"Decaf." の件については、みちるさんのおっしゃる通りです! 上の記事で私が書いたことは、私の思い違いでした。貴重なご指摘に心より感謝です<(_ _)>
and you are, you are. のセリフなどは、本当に興奮してしゃべっている様子が出ていますよね。カフェインは興奮剤なので、カフェイン抜きにしてと頼んだ、というのは間違いないですね。
モニカは、レイチェルからは見えない角度で、後ろからレイチェルの頭を指さしながら、ウェイトレスに Decaf. と言っていました。今思うと、「この人、見てわかるようにこんな感じで、かなりテンパってるから、カフェイン抜きにして」という感じの指さしだったようですね。レイチェルが言う前に言ったのも、レイチェルならそう言うだろうってわかるから、ではなくて、「お願いだからカフェイン抜いといてね」と「勝手に注文した」から、ということですね。
後のエピソードでカフェインにまつわるエピソードが出てくることはなかったです^^ なぜか私は、この decaf と(その後すぐに出てくる)Sweet'N Low とを同じ類のものと捉え、「美容健康に気を遣っているような、細かいオーダーをするところが女子っぽい」と思ってしまったようです。
ご指摘のおかげで、「花嫁姿で入ってきたレイチェルが、興奮してしゃべってる」→「興奮剤のカフェインは抜きで」という流れが非常にしっくりきます。
貴重なご意見、本当にありがとうございました!