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レイチェル: C'mon, Daddy, listen to me! It's like all of my life, everyone has always told me, "You're a shoe! You're a shoe, you're a shoe, you're a shoe!" And then today I just stopped and said, "What if I don't wanna be a shoe? What if I wanna be a- a purse, y'know? Or a- or a hat?" No, I don't want you to buy me a hat, I'm saying I am a ha- It's a metaphor, Daddy! (ねぇ、パパ、私の話を聞いて! まるでこんな感じよ、私の人生ではずっと、みんながいつも私にこう言っていた、「あなたは靴(a shoe)よ! あなたは靴、あなたは靴、あなたは靴」って。そしてそれから今日、私はただ(立ち)止まって、こう言ったの。「もし私が靴になりたくないとしたら(どうなるの)? もし私が… バッグ(a purse)になりたいとしたら? もしくは帽子(a hat)になりたいとしたら(どうなるの)?」 いいえ、私はパパに帽子を買ってもらいたいんじゃないわ、私は、私が帽子だ、って言ってるの… メタファー(隠喩、暗喩、比喩)よ、パパ!)
みんながテレビで盛り上がっている中、レイチェルは電話の相手のパパに、さっきよりもさらに大きな声で話しています。
そのセリフ、It's like all of my life, everyone has always told me, "You're a shoe! ... について。
この You're a shoe! という表現とその意味については、2005年のブログ開始当初から、フレンズ1-1その1 のコメント欄 で何度も何度も話題となっています。
解釈について様々な意見が出るということは、解釈が難しい部分であるということの証でもありますので、正直、この部分は「よくわからない」と感じても、特に問題ないと思います。
ただ、何度も議論の対象になったセリフなので、シーズン1に戻ってきたこの機会に、現在の私の見解を以下に述べさせていただきますね。
見解1:単なる比喩である
まず、It's like... は「まるで〜のようだ、〜のようなものだ」という感覚。
all of my life 以下は、「私の人生ではずっと、みんながいつも私に「あなたは a shoe よ!」と言っていた」になるでしょう。
そして、You're a shoe! の a shoe とは何か? ですが、基本的な意味は「靴(の片方)」という意味ですね。
靴はペアで使うものなので、通常は shoes という複数形で使われますが、ここでは a shoe という「単数形」になっていることも、気になる点だと言えるでしょう。
聞いた瞬間によく意味がわからない場合、その単語の意味がピンと来ない場合に考えられる可能性を、以下の3つに分類してみたいと思います。
a. その単語の本来の意味として使われていて、それ以上の意味はない。本来の意味のままで、何かの例えや比喩として使われている。
b. 辞書に載っていないような特殊な意味、ネイティブにしかわからないような意味として使われている。
c. その単語を何かの象徴として使い、別の概念などをイメージさせる。
英語を理解するには、本来は「聞こえたままにイメージしていく」ことが必要ですが、とりあえず今回は、イメージが湧かない単語はその英単語のままで置いておいて、まずは文章全体の構造を理解して、何を言わんとしているのかを考えてみます。
最後の Daddy! までをとりあえず訳してみると、
まるでこんな感じよ、私の人生ではずっと、みんながいつも私にこう言っていた。
「あなたは a shoe よ!」(4回繰り返し)って。
そしてそれから今日、私はただ(立ち)止まって、こう言ったの。
「もし私が a shoe になりたくないとしたら(どうなるの)?
もし私が… a purse になりたいとしたら? もしくは a hat になりたいとしたら(どうなるの)?」
いいえ、私はパパに a hat を買ってもらいたいんじゃないわ、私は、私が a hat だと言ってるの…
メタファー(隠喩、暗喩、比喩)よ、パパ!
最初に、It's like... 「まるで〜のようだ」と言った上で、a shoe, a purse, a hat の話を出し、最後に a metaphor だと説明しています。
「まるで〜のようだ」という表現に注目すると、それ以下の「私はこんな風に言われてきた」というのは単なる例えであって、実際にそんな風に言われたわけではない、と考えられるように思います。
その場合は、「まるで〜のようだ」の「〜」に当たる比喩部分が、all of my life から or a hat? までの全部になる、ということですね。
「今まで周りから言われた通りに生きてきたけど、自分が望むことがそれと違うと気づいたら?」というような話を、「まるで、”あなたは靴だ”ってずっと言われてきたけど、例えば帽子になりたいと思ったとしたらどうなるの? みたいな感じよ」のように例えた、つまり「レイチェルは比喩・例えとして、この3つの単語を出しただけで、それぞれの単語には「靴、ハンドバッグ、帽子」の意味しかない(それ以上の意味はない)」という解釈がまずは成り立つと思います。
3つの分類で言うと、a. 本来の意味のままで、比喩として使われている、ということですね。
ちなみに、日本語で「パース」と言うと、口金付きの財布、小銭入れのイメージが強いですが、英語ではそういう意味もありつつ、フレンズではもっぱら「ハンドバッグ」という意味で使われることが多いです。
フレンズ1-1その1 のコメント欄 で、a shoe について多くの意見をいただいたのですが、その中で、複数のアメリカ人の方の意見として、「軽い意味。ファッションが好きだから、その系統のもの羅列したんだろう」というものがありました。
それはつまり、ネイティブが聞いても、You're a shoe. は「あなたは靴よ」でしかなかった、それ以上の何か特別な意味が a shoe という言葉にあるわけではなかった、ということになりますね。
その過去記事のコメント欄では、「調べてみたら、a shoe にはこんな意味がありました」という結果を多くの方が教えて下さっていて、例えば「ヘマをする人、ダメな人」「ビシッと決めたやつ」「なんでも相手の言う通りにする人」「(特に white shoe の形で)アイビーリーグの大学生(または裕福な上流階級のイメージ)」などの意味が挙げられています。
そんな風にいろいろな意味で使われることがある中で、じゃあ、このシーンで、You're a shoe! というセリフが出てきた時に、ネイティブは何を連想するか? どんな意味だと捉えるか? という部分に私は大変興味があったのですね。
3つの分類の b. 辞書に載っていないような特殊な意味、ネイティブにしかわからないような意味、のうちのどれに該当するんだろう? と私も考えたのですが、「この場合は、特殊な意味、深い意味はなく、単に文字通りの”靴”という意味で使っている」とネイティブが受け止めたのだとしたら、私はそれに非常に納得するものを感じるのです。
この You're a shoe! の a shoe について、ネイティブが10人いたら10人とも「(靴以外の)この意味だと断定」するわけではないとしたら、「それはこういう意味だよ」とネイティブ全員が一致する確固たるイメージがないとしたら、a shoe の意味をそれ以上掘り下げる必要もまたない、と言える気がするのですね。
ネイティブが深い意味はないと考えたのであれば、それは文字通り「靴」という意味でしかなく、It's like という表現を使って「靴」を比喩のアイテムとして使っただけ、ということになるでしょう。
見解2:実際にレイチェルがそう言われていたと仮定した場合
It's like... で始まっていて、a metaphor だと説明している流れから、「ただの比喩」だという解釈は十分可能だと思いますが、ただ、ちょっと気になるのは、You're a shoe! を4回も(!)連呼していることですね。
レイチェルは興奮気味にしゃべっていますが、It's like... で始まっているとは言え、all of my life, everyone has always told me のように、「自分の人生では、みんながいつも私にこう言っていた」と表現していますし、You're a shoe! を大声で連呼しているのも、「いっつもいっつもこう言われてた、みんなにこう言われ続けてた」という「事実」を述べている感じもします。
「あなたは靴よ、って言われてた。でももし靴になりたくなかったら?」というのが、単に「人から言われていたものとは別のものになりたかったら?」という例えに過ぎないのなら、もっとさらっと言ってもいいように思う、あんなに興奮して4回も繰り返す必要はない気もするのですね。
もちろん、「例えばこんな感じよ」という「比喩」を、自分が実際にそんな風に言われたとして、臨場感たっぷりにリアルに表現したという可能性もありますが。
この It's like という部分、音声では間違いなく It's like と言っているのですが、DVD や Netflix の英語字幕では、It's like が省略されて、All of my life からセリフが始まっています。
DVD などの字幕は、実際のセリフより省略されていることがありますが、細かいニュアンスはともかく、「基本的に大意は変わらない程度に省略される」のが常です。
ですが今回、It's like が省略されてしまって、All of my life, everyone has always told me... ということになると、それは比喩ではなくなり、実際に「私の人生で、みんなが私にそう言っていた」という事実を述べていることになりそうですね。
その場合、It's a metaphor, Daddy! の「メタファー(比喩)よ!」という説明は主に、「私は帽子を買って欲しいんじゃなくて、私が帽子になりたい、っていう比喩よ」と説明した感じになるでしょう。
上に述べたように「レイチェルがまるで実際にそう言われたかのように、臨場感たっぷりに話している」ことと、「英語字幕で、It's like が省略されている」という2点から、「これが比喩ではなくて、実際にレイチェルがそう言われてきた」と仮定した場合の解釈を以下に考えてみます。
今、パパと電話で話していることから、everyone というのはもっぱら、レイチェルの家族(グリーン家の人々、特に両親?)のことを言っているように思えますし、実際にレイチェルが、You're a shoe! と言われ続けていたとしたら、その a shoe という言葉には「靴」以外の何らかの意味があると考えるべきでしょう。
ただその a shoe が、例えば「ダメなやつ」なのか「(上流階級の)お嬢様」なのか(はたまた別の意味なのか、、)というのは、このセリフからはわからない、グリーン家の人がどういうニュアンスでそう言っていたのかまでは、前後の文脈のないこのセリフからだけではわからない、もし実際にグリーン家で使われていたフレーズであったとしたら、それはグリーン家の人しかわからない例えである可能性もあります。
そういうことなら、「グリーン家では何か意味があるんだろう」程度の理解で済ませておいて良いレベルで、あえてその意味をここで確定させる必要もないでしょう。
「あなたは靴(a shoe)よ」と言われてた、という、ざっくりした理解のままで構わない気がする、ということですね。
「私はずっと、"You're a shoe!" って言われてきた!」と興奮気味で話すレイチェルに、フレンズたちも振り向いていますが、その言葉だけでは意味がピンと来なかったので「一体何のことを言ってるんだ?」と思って、その続きのセリフに耳を傾けた、ということかな、と。
それで、You're a shoe! って言われてた、って何の話? みたいにみんなが聞き耳を立てている中で、レイチェルは言葉を続けるのですが、「もし私が a shoe になりたくないとしたら?」と言って、a shoe 以外のものを挙げ始めます。
a purse と言う前に、a と言ってから、言葉を探して言い淀んでいるような間がありますね。
「例えば、そう、ほら、a purse とか」のように、その場の思いつきで a purse という単語を挙げたニュアンスが出ている気がします。
次の Or a- or a hat? も同じく、ちょっと考えてから単語を挙げた感じがありますよね。
a purse, a hat の例えを挙げた後、冷蔵庫のドアを閉めたロスの表情が見えますが、「レイチェルは一体何を言ってるの?」という顔をしているように思います。
そのレイチェルが出した例えの意味がわからない感じですね。
そのロスの表情からも、また、レイチェルが思いつきで言った感じからも、a purse, a hat に至っては、「バッグ、帽子」以外の深い意味は何もないことが想像されます。
単にレイチェルがファッション好きな人だから、ファッション関係のもの、ファッションアイテムを並べただけというところでしょう。
そうやってファッションアイテムを挙げた後、レイチェルが、No, I don't want you to buy me a hat, I'm saying I am a ha- 「違うわ、私はパパに帽子を買って欲しいんじゃないの、私が言ってるのは、私が帽子だってこと…」と言っていることから、電話の向こうのパパが「バッグや帽子って、、何だお前は、帽子を買って欲しいのか?」みたいな反応をしたことが想像されます。
自分がなりたいものの比喩として、ファッションアイテムを挙げることで、「それを買って欲しいのか?」とパパに誤解させるというオチが可能になったわけですね。
電話の内容を聞いていたフレンズたちは、You're a shoe. だけでは何のことかわからなくて、その意味を知りたいと思ってずっと聞いていたけれど、結局、レイチェルのセリフを最後まで聞いても You're a shoe. の意味がよくわからなかった、というのがここの笑いどころなのかもしれないと思います。
見解3:ペアで機能するものか、単体でも機能するものか
また、「ファッションアイテムを3つ挙げた」ことについてですが、a shoe と、a purse/a hat には、ある違いがあり、過去のコメント欄でも、そのことが何度も話題となりました。
それは、a shoe は shoes というペアで機能するもの、a purse と a hat はそれぞれ単体で機能するもの、という違いです。
a shoe の「ダメなやつ」という意味は、「片方の靴だけでは、靴として機能しないから」という意味から来ているように思われます。
今回は結婚の話と大きくかかわっているので、「一人では生きて行けない人、結婚してペアにならないとダメな人」みたいなニュアンスで使っている可能性もあります。
a shoe という単語を聞いて、すぐに「独身では生きていけない人」みたいな意味が浮かぶわけでもないと思うのですが、英語というのは単複に厳しい言語なので、(a pair of) shoes ではない a shoe だと、「片方の靴」というイメージが強く出るため、「あなたは結婚しないとダメなのよ!」的なニュアンスで、a shoe という「単数形」を使っていたという可能性も否定できない気はします。
レイチェルが思いつきで挙げた感じの a purse, a hat ではありますが、a shoe と比較すると、「ペアではなく単体で機能するもの」なのは明らかで、「結婚しなきゃダメよ」と言われ続けていたけれど、「一人でも生きていけるかも」という意味で、a purse, a hat を挙げたという可能性もある気がするわけですね。
その場合は、3つの分類の c. その単語を何かの象徴として使い、別の概念などをイメージさせる、になります。
ただ、そういう意味を込めて、a shoe, a purse, a hat という順番で挙げたとすると、結婚式から逃げてきた、世間知らずっぽいお嬢様キャラのレイチェルにしては、ちょっと「セリフとして出来過ぎ、練られ過ぎ、冴え過ぎ、うまいこと言い過ぎ」な気もするのですね。
それを言ったレイチェルが、そこまで洒落たセリフを言えるようなキャラ設定ではない、と言いますか(笑)。
周りのフレンズたちの反応を見ると、「その比喩の意味がよくわからない」という感じでしたし、電話相手のパパも、「何だ、帽子を買って欲しいのか?」みたいに言っているらしいことから、仮にそういうニュアンスで言っていたとしても、その比喩の深い意味を周りの人がくみ取っている様子でもありません。
セリフそのものの意味としては、そこまでの深い意味は持たせていないかもしれないけれども、脚本家はそういう意味を、暗にこっそり込めた、という可能性はある気がします。
「単数と複数、単体とペア」の対比を使った比喩は、結婚の比喩として大いにあり得る気がしますし、これがポエムとかならそういう深読みは十分できそうだし、そういう比喩ならセンスあるなぁと思うし、単複の違いに鈍感な日本人(笑)としては、そういう単複のニュアンスを利用した表現であってくれたら嬉しいなぁ、という思いもあるのです。
また、これは後のシーンに絡んでくるセリフですが、「北米版DVDにはあって、日本版DVDではカットされているセリフ」の中に、The whole, 'hat' thing. という一文が出てきます。
これはまた、そのシーンの時に説明しようと思いますが、「独立、独り立ち」に関する言葉の続きに、このフレーズが使われていて、hat を「単体でも機能するもの」の象徴として使っているようにも思えるのですね。
まとめますと、
1. レイチェルは比喩・例えとして、靴、バッグ、帽子という単語を出しただけで、それ以上の深い意味はなさそう。
2. ただ、「私はこれまで "You're a shoe!" といつも言われていた」というレイチェルの表現から、実際にそういう言葉を家庭内(グリーン家)で言われてきたようにも思える。その場合は、グリーン家の中で使われる a shoe という言葉に、単なる「靴」以外の何か他の意味があると思われるが、それはここではわからない(し、ここではその意味がわからなくても問題ない)。
3. 結婚に絡めて、「ペアで機能するものと、単体で機能するもの」を挙げている可能性もあるが、バッグ、帽子の例えになった時に、みんな「わかんない」という顔をしていることから、脚本家がその意味をこっそり込めた程度で、セリフそのものがそういう意味で解釈されることを期待してはいない。
になるでしょうか。
過去記事のコメント欄で何度も議論されたことを、今回の記事ですっきりまとめようと思ったのですが、やっぱり長くなってしまいました。すみません<(_ _)>
(2016.10.11 追記)
コメント欄で貴重なご意見をいただきましたので、次の記事、続「あなたは靴よ!」 フレンズ1-1改その10 で、再び、You're a shoe. についての見解を述べています。
併せてお読みいただけると幸いです。
(追記はここまで)
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今回も楽しませていただき、ありがとうございました。
レイチさんのお蔭で英語に興味を持ちましたので、感無量です。
コメント欄を読むのが特に楽しくて、今回は以前から謎だったこの話題に飛びついてしまいました。
このshoeについては私も何とかわかりたいと思って、いろいろと海外のサイトを検索していたのですが、やっと今日、自分なりの結論に達したので長いですが書いてみます。
要するに、上の山田さんのご友人がおっしゃったように、何も意味がないという結論です。参考にしたのは以下の2か所です。
1.ユーチューブで、Rachel - You're a Shoe (S01E01) で検索すると
1分41秒の「Friends Clips」さんの「Rachel - You're a Shoe (S01E01)」というタイトルの動画が見つかります。(ユーチューブのリンクはNGワードのようでして、エラーが出るので貼り付けられません)
このコメント欄に、以下のような質問と回答がありました。(英語を勝手に和訳)
質問:誰か You're a shoe の意味教えて。なぜここに靴が出てくるの?
回答:これはレイチェルが言うようにメタファーなんですよ。
レイチェルの両親は彼女にある特定の人生(靴になる)を送ってほしいと思っていたが、
彼女は他の人生(財布になるとか)を歩みたいと思っていたんですよ。
この回答から「靴というのがすでに例えである」と私には思えました。
2.https://www.fanfiction.net/s/11016118/1/I-ll-be-there-for-you
不思議なサイトを発見しまして、これ中身はフレンズじゃなさそうなんですが、You're a shoeのくだりがそっくりなんです。難しくて私にはすべて読めないので、なぜフレンズの文章と同じなのかわかりませんが、真ん中より少し下にYou're a shoeを含むレイチェルの文章とそっくりな部分があります。登場人物の名前が異なりますが、内容はほぼ同じ(違いは、what if が may になっているぐらい)
ここで興味深いのは、a shoe が初めて出てくるとき、「a...a shoe!」と、一瞬つっかえているところです。フレンズでは、レイチェルは a shoe をすんなり言いましたが、ここではわざわざ a...a を付けているのです。そこで、shoe はすんなり出た言葉ではなく、何かに例えようとして、たまたま思いついた言葉を使ったのではないかと考えました。
この2点から想像したのですが、メタファーはshoeからすでに始まっていて、shoeでなくてもなんでもよかった。(むしろ何も意味のないものにしたかった)そして単に思い付きで shoe にしてしまいっため、他の例を靴に合わせて、財布や帽子にした。だから笑いが起きた。
「みんな私に○○であれと言い続けてきたけど、私は□□とか△△になりたかったかもよ」
「みんな私に赤色であれと言い続けてきたけど、私は黄色とか青色になりたかったかもよ」
「みんな私にアイウであれと言い続けてきたけど、私はカキクとかサシスになりたかったかもよ」
「みんな私にチクワであれと言い続けてきたけど、私はシラタキとかガンモになりたかったかもよ」
「違うわダディ、ガンモドキが食べたいんじゃないの。物のたとえよ!」
ぐらいの意味じゃないかなって。
これだと、It's like省略でもおかしくないし、チクワを4回言うのも変じゃないように思います。
そして、メタファーのチョイスが、靴から始まるのがレイチェルらしくて笑いをさそっているのかなと…
そうなると、ネイティブさんに聞いて「特に意味がない」と言われた方のお話も納得できます。
いかがでしょう(長くなってスミマセン!!)
これ、ちょっと違いました。
メタファー(隠喩)というのは、意味の通じるたとえでしたね。別のものに言い換えるのですものね。
私が書きたかったのは shoe が意味のないたとえであるということなので、メタファーではないですね。
つまり比喩ではない。
何にも意味のない「靴」を持ち出して、あたかも何かの比喩のように言うのがおかしさだと思ったのです。最後の、チクワやガンモのように。
「パパたちみんな私にチクワであれ、チクワ、チクワのような人であれと言ってたわよね」
ここで仲間たちは
「ん?チクワのような人であれって何だろう。何か意味があるのかな。何事にもまっすぐであれということか?それともチクワの穴のように風通しのいい人間であれという意味?何、何?」
という思いで続く発言に耳を傾けます。
で、シラタキやガンモが続くので、「なーんだ。適当にチクワって言ってただけか。ガクッ」
靴に置き換えると、
レイチェル「みんな私に、え〜、なんだその…、あ、靴。靴。靴のような人であれって言ってたわよね」
仲間 「ん?靴?靴のような人であれ、って何だろう。何か意味があるのかな。人に合わせろとか?
それとも地面をしっかり歩けとか?何の含蓄があるんだ?」
仲間たち、電話の内容に耳を傾ける。
レイチェル「じゃ、もし私が、えっとその……財布になりたかったら?」
仲間「……ん?靴に続いて財布?(少し笑う)」
レイチェル「それとも帽子になりたかったとしたら?違う違う、帽子が欲しいんじゃなくて比喩よ」
仲間「は、なんだ、それ。靴に何も意味はなかったのか。やっぱレイチェルだわ」→笑い
と言った、不条理ネタではなかったかということです。
不条理ネタだと、確かに何も意味はないですよね。
コメントありがとうございます。
お二人から貴重なご意見をいただいた後、私もさらに考えて、頭を整理してみました。
この You're a shoe. は、フレンズ1-1 をご覧になる方のほとんど全員が(笑)、引っかかる、気になる部分だと思いますので、上の3つの見解を、さらに整理した形で、明日(10/11)に記事として投稿したいと思っています。
コメントとしてご反応いただけたおかげで、私もさらに考えを練ろうという気持ちになれましたこと、心より感謝しております。ありがとうございました<(_ _)>
以下、個別のお返事になります。
山田昌宏さんへ
この You're a shoe. については多くの方にたくさんの意見を頂戴し、私にとっても非常に思い出深いセリフだったので、今回最新記事として自分の現在の見解を書けたことは、とても嬉しいことでした。
>当時、知り合いのネイティブには「深い意味はない、考えすぎ!」と切り捨てられましたが
貴重な情報ありがとうございます! やはりネイティブの方はそういう見解になるのですね。今の私は「深い意味はない、というネイティブの意見」が、最も納得できる気がします。
私の3つの見解についても、「すべてあり」だと思っていただけたこと、とても嬉しいです。単語の選び方は脚本家のセンスの見せどころだと思うのですが、特に「ペアで機能するもの、単体でも機能するもの」というイメージをそれらの単語に込めたかどうかについては、是非とも脚本家にお尋ねしたいところです。
そういう入試問題が出た場合、私の上の回答では「長すぎて減点」になりかねませんが(笑)、どういう根拠で、何を見て、どう判断したか、という考察の流れをどんな風に評価されるか、興味ありますね(^^)
私があれやこれやと考察したことを「今回も楽しませていただき」と言っていただけることは、本当に光栄で嬉しく思います。こういうことを一緒に楽しんで下さる方がいるからこそ、こういう形のブログが続けられているわけで、この楽しみを共有できる幸せをしみじみ感じさせていただいています。
温かいコメント、ありがとうございました!(^^)
keikoさんへ
再スタートについてのお祝いのお言葉ありがとうございます。「レイチさんのお蔭で英語に興味を持ちました」「コメント欄を読むのが特に楽しくて」と言っていただけて、こちらこそ感無量です。
また、参考となる情報のご提供と、解釈についての貴重なご意見、ありがとうございます。
その YouTube のコメントにあるように、やはりネイティブの見解は「例え・メタファーに過ぎない」というのが一般的なようですね。
また、2.のサイトですが、これは FanFiction、つまり「ファンが書いたフィクション」で、好きな作品の二次創作、パロディ的なものみたいですね。
フレンズ1-1 の a shoe のセリフがやはり印象的だったので、創作でもそれと似たセリフを言わせているということなのでしょう。ご指摘の通り、この創作では、a shoe の前に「一瞬つっかえて」いますね。その「一瞬の間」はやはり「たまたま思いついた」感じが出ていると私も感じます。
考え過ぎて夢にまで見た(笑)という、その最新のコメントのご意見、大変参考になります。ありがとうございます。
「靴のような人であれ、って何だろう。何か意味があるのかな」→「靴に何も意味はなかったのか」という流れ、、、 そのコメントを読ませていただいて、まさにそうなんだろう、と私も思いました。
「なんだ、靴には何も意味はなかったのか」というオチにする、という流れを踏まえて、改めてこのシーンを見直すと、それぞれのキャラの行動の一つひとつが、非常に納得のいくものに見えてきました。
改めて考え直してみた見解を、明日、ブログ記事として投稿させていただきますね。
貴重なご意見、ありがとうございました!(^^)
メタファーというのは、ある言葉に本来の意味とは違う別の意味をもたせて、その違う意味を文脈から聞き手に悟らせる表現法、と私は解釈しています。いろいろな含意があるように思えて、なかなか収束しないのは本質的にしかたがないとも言えます。
"You are a shoe." を引用している米国人が書いたブログを読むと、多くは「周囲が決めつけた自分」のメタファーとして使っています。おもしろいと思うのは、これが Friends 由来の言い回しと認識されていることです。つまり、1994年よりも前には誰も使わなかったけれども、現在は Rachel Green の有名な言葉として定着しているわけです。
もうひとつ興味をひくことは、Rachel を演じた Jennifer Aniston 自身が、自分に依頼される役柄の偏りを嘆いて「周囲が決めつけた自分」のメタファーとして使っているらしいことです。俳優は脚本家の近くにいたわけですから、この意味が脚本家が意図したものである可能性は高いと思います。
Rachel が選んだ shoe, purse, hat は奇抜でヒューモラスですが、all of my life から or a hat まで聞けば、何を言おうとしているかは何となくわかります。Monica は、Rachel が発明したこのメタファーを理解して、hat を「自分がなりたい自分」のメタファーとして the whole hat thing と言ったのではないでしょうか。
keiko さんの「ガンモドキが食べたいんじゃないの。」には笑ってしまいました。秀逸な例だと思います。
こんにちは。コメントありがとうございます。
米国人の多くが、そして Jennifer Aniston 自身が「周囲が決めつけた自分」のメタファーとして使っているらしい、との情報、ありがとうございます。
Friends 由来の言い回しと認識されている、というのも、人気ドラマならではな感じで、非常に興味深いですね。
ドラマの中でそういう意味として使われたフレーズだから、ということで、そういうメタファーとして一般的にも使われているということだとは思うのですが、脚本家がそういう意味をイメージして、a shoe という単語を選んだ、という可能性は大いにありそうですよね。
後に、the whole hat thing が登場するシーンがやってくるので、またその時に、今回の a shoe の話を蒸し返す(笑)ことになりますが、「単にそういう比喩で使われたから」なのか、「その単語に込められたメタファーを汲んでいる」のかは、なかなか判断が難しいですよね。
コメディをあまり深読みし過ぎると、それこそネイティブに「ただのコメディなんだから、考えすぎ」としかられてしまいそうではありますが、言葉の選択は脚本家のセンスなので、そういう部分に注目するのは楽しいな、と感じています。
keikoさんのチクワ、ガンモの例え、面白かったですよね。
「チクワの穴のように風通しのいい人間であれ」が、私には、味しみ大根のように心にしみました^^
レイチェルのメタファー選びは、ギフトカタログから商品を選ぶことと似ています。帽子一つ、財布一つ、靴の片方一つというわけですが、商品名を選ぶ段階で、靴だけ指定が細かいのはなにかレベルが揃っていない感じがします。しかも役に立ちません。私たちはこの点にひっかかりを感じて、「靴は片方では機能しないから結婚との関係を暗示している」といった深読みを展開したわけです。
私は最近レイチェルの a shoe が左右揃っている靴を指している可能性があることに気がつきました (フレンズ1-8改その15に That's really a day shoe. という台詞があります)。レイチェルはとっさの思いつきで a shoe と言ったので、「なんでもいいけど、とにかく、ある種の靴」と解釈してよいと思います。
多くのネイティブが「深い意味はない」と即答するというお話がありました。今にして思えば、ネイティブたちはこの台詞の a shoe を「片方」とは受け取っていないのかもしれません。身近にネイティブがいて質問できる方は、「この a shoe はなぜ単数形なのか?」という聞き方ではなくて、「この a shoe は片方なのか両方なのか」という聞き方をされたらよいと思います。
いまの私は、レイチェルのメタファーは、むしろ 3 つとも商品名のレベルで揃っているはずのように思われ、レイチェルの a shoe を一足の靴と感じています。「靴はペアでないと機能しない、帽子は単体でも機能するという含意があるから選ばれている」という説を捨てきれないでモヤモヤしている人に、それを解消してもらう支援材料になることを期待しています。
こんにちは。コメントありがとうございます。
That's really a day shoe. というセリフがあった、という情報、ありがとうございます。記事を書いた時、それが単数形であることを私は全く意識していませんでした。
That's really a day shoe. の a shoe は、明らかに1セットの a pair of shoes のニュアンスですよね。
フレンズのスクリプトで "a shoe" を調べてみたところ、セリフに出てきたのは 3-25, 6-5 でどちらも「靴の片方」を指していました(他に、1-3 のマザーグースの lived in a shoe などもありましたが)。
他はもっぱらト書きですが、どれも「片方の靴」を指していました。
ですから、一般的には a shoe は「片方の靴」を指すことにはなりそうですが、今回のセリフについては、おっしゃる通り「3 つとも商品名のレベルで揃っている」という捉え方で、商品・アイテムを挙げる流れで全てが単数形になっている、ということなのでしょうね。
「あなたは靴よ、と言われてきたけど、なりたいものが帽子だったら?」のように、「これまで言われてきたみんなのイメージ」を象徴する言葉として a shoe という単語が選ばれていたために「含意」ではないかと勘繰ることにもなったわけですが、ネイティブの方々が「深い意味はない」と受け止めたということも考慮すると、やはり「たまたまそこに a shoe が来ただけ」だったと考えるのが自然なのかもしれませんね。
自分の3年前のコメントを見つけてびっくり!
レイチさんのブログは、大昔のコメントに新しいコメントがついて再び日の目を
見ることがよくあるので、英語の復習にはもってこいですね。
(忘却曲線を利用した長期記憶に結びついている?!)
mqさんの「a shoe を一足の靴と感じています」というご意見に賛成!
"Buy a shoe plant a tree"
というプロジェクトがあるらしく、この中のa shoe は1足の靴のようです。
「2011年よりスタートしたETNIESのプロジェクト“Buy a shoe plant a tree”は、
ETNIESの対象モデルが1足売れる度にコスタリカの亜熱帯に1本の木が植えられる
というプロジェクトだ」と書かれていました。
mqさんがおっしゃるように、どなたかネイティブのお知り合いの方に、
レイチェルの「a shoe」は靴が両方あるのか聞いてほしいです。
Rachさん、海外ドラマ英和辞典の出版おめでとうございます。
素敵な色合いの表紙ですねー
Rachさん、とうとう Sherlock ご覧になったのですね!
大ファンとしては嬉しい限りです。本屋に行ってきます!わくわく。
コメントありがとうございます。
「大昔のコメントに新しいコメントがついて再び日の目を見ることがよくある」と表現していただきありがとうございます。
忘却曲線と長期記憶^^ まさにそんな感じで、昔の記事が埋もれてしまわないことは本当にありがたいことだなぁと思っています。
そして、"Buy a shoe plant a tree" プロジェクトの情報、ありがとうございます。
これはまさにおっしゃる通りの a shoe=一足の靴 ですよね。
このような表現が普通に通用しているのであれば、文脈によって a shoe = a pair of shoes と問題なく解釈されうるということになりそうです。
それから、新刊出版についてのお祝いのお言葉、誠にありがとうございます<(_ _)>
前著の「リアルな英語の9割は〜」という本でも、Sherlock のセリフをいくつか使わせていただいたのですが、新刊ではさらに多くのセリフを例文として掲載させていただくことができ、とてもありがたく嬉しく思っております。
昔からコナン・ドイルの原作が大好きだったので、Sherlock のセリフの解説では、原作との類似点や相違点(使われている単語が違う、など)も盛り込みました。
本当に Sherlock は面白いですよね。見始めたら私もどっぷりハマってしまいました。
本屋さんを覗いて下さるとのこともありがとうございます! Sherlock 大ファンの keikoさんに拙著を楽しんでいただければとても嬉しいです♪
温かいお言葉ありがとうございました。
実は……、長らく英語の勉強から遠ざかっておりまして、
Rachさんのこちらのサイトにも来ていなかったんです(反省!)
久しぶりに勉強を再開しようと、先日English Journal 10月号を買ったら、
なんとRachさんがお出になっているではありませんか!
あわててこちらに参った次第です。
順序としたら、こっちが先です。
こちらの御本を先に買いに行ってきます〜
お返事ありがとうございます。
「リアルな英語の9割は〜」をお買い上げ下さると言っていただき、誠にありがとうございます。何だか拙著の押し売りみたいになってしまって申し訳ありません<(_ _)>
Sherlock のイラストも載っていますので、大ファンの keikoさんに楽しんでいただけたらいいなぁと思っています。
購入された English Journalさんに私が載っていたというのは嬉しい偶然で、素敵なご縁に感謝です。こうしてブログを訪れて下さったこと、光栄で嬉しく思います。
温かいコメント、ありがとうございました!(^^)
あらためて、できるだけシンプルな解釈を考えてみました。
It's like は「私が言いたいことを喩え話で置き換えると」という前置きとも考えられます。とすると、レイチェルが設定しようとしている 2 つの類型は「愛していない男性と結婚する自分」と「愛する男性を見つけて結婚する自分」です。
結局父親には話が通じなかった後、レイチェルは親の意向に沿わないことに負い目を感じて、もう経済的に親には頼らないと言ってしまいます。このとき、「愛する男性を見つけて結婚する自分」に自立の意味合いが加わります。
モニカと他の 4 人は、すでにセントラルパークでレイチェルから説明を聞いているので、メタファーの意味を最初から理解しているでしょう。北米版のモニカの台詞 the whole hat thing は、レイチェルがメタファーの品物をペアか単体かという観点で選んでいないのに、モニカが hat に「自立」の意味を込めているようにも見えるところが不思議だったわけですが、モニカが hat に自立の意味合いが加わったことを把握している点に着目すれば納得できます。
ちなみに、父親が電話の向こうで「結婚に愛なんて関係ないだろ?」と言っているらしいことに加え、3-6その11 でレイチェルとモニカが "He's a doctor." "Just like you always wanted." という会話をかわしています。グリーン家では「裕福な男性と結婚すること」が最優先で、レイチェル自身もそう思い込んでいたことになります。
こんにちは。コメントありがとうございます。
It's like は「私が言いたいことを喩え話で置き換えると」という前置き
というご意見、私もそうだと思います。
the whole hat thing の hat は「一つで成立するアイテム」という「アイテムが持つ機能」としての例えではなくて、「私がなりたいものがハットだったら?」という「なりたいものの例え」だったということですね。
医者と聞いて俄然やる気を出すこともありましたし、レイチェルにとっては「裕福な男性との結婚」=生活の安定がすべてだったということでしょうね。