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ロス: (CLUTCHING A BEER CAN AND SNIFFING) This was Carol's favorite beer. She always drank it out of the can. I should have known. ([ビールの缶を握りながら、鼻をすすって] これはキャロルのお気に入りのビールだった。キャロルはいつも缶から(直接)ビールを飲んでた。僕は気づくべきだったのに。)
ジョーイ: Ross, let me ask you a question. She got the furniture, the stereo, the good TV. What did you get? (ロス、ひとつ質問させて。キャロルは家具、ステレオ、いいテレビをゲットした[取った、手に入れた]。お前は何をゲットしたの?)
ロス: You guys. (君たち。)
チャンドラー: Oh, man. (あぁ、なんてこった。)
ジョーイ: You got screwed. ((だまされて)巻き上げられたな。)
チャンドラー: Oh, my God. (なんてこった。)
ロスは缶ビールを指さして、泣きそうな顔で鼻をすすりながら、「これはキャロルの好きなビールだった」と言っています。
drink ... out of the can は「〜を缶から飲む」。
グラスに入れて飲むのではなく、「缶に口をつけて、缶から直接飲む」というニュアンスのようです。
out of は「〜の外に」なので、「缶から出して(グラスに注いで)飲む」のように解釈できそうな気もしますが、英英辞典の Macmillan Dictionary の drink の項目に、以下の表現が出ていました。
drink from/out of : Rosie drank thirstily from a can of cola.
つまり、drink from と drink out of は同じ意味で、例文は「ロージーはコーラの缶から、(喉が渇いている様子で)ごくごくと飲んだ」という感じになるでしょうか。
drink from だと「缶から(直接)飲む」ニュアンスを素直に感じることができますが、スラッシュで並べられていることから、drink out of も drink from と同じニュアンスで使われる、と言えるように思います。
また、フレンズの他のエピソードでの使用例を調べてみたところ、この フレンズ1-1 よりは後のエピソードになってしまいますが、フレンズ2-22 に似たような表現が出てきます。
ネタバレしない程度に、セリフを抜粋して簡単に説明しますと、ある女性が、ある男性に対して怒っているセリフで、
女性: He always ridiculed my pottery classes. (彼はいつも私の陶芸教室をバカにしてたの。)
女性: But when all is said and done, he still drinks out of the mugs. (でも、結局、彼はいまだに、そのマグカップから飲んでいるのよ。)
「まだ(いまだに)そのマグカップから飲む」というのは、「私が陶芸をやっていることをバカにしていたくせに、今でも飲み物を飲む時は、私が陶芸教室で作ったマグカップを使って飲んでいる」ということだと考えられますので、drink out of the mugs は「マグを使って(マグから直接)飲み物を飲んでいる」という表現になるだろうと思います。
from は「〜から」という起点の感覚で、out of は「〜の中から外へ、〜から出て」というニュアンスになりますが、どちらも「缶から外に出る形で飲む」ということになり、2つの表現は同じように「缶から直接飲む、缶で飲む」というような意味になるようですね。
I should have known. の should+have+過去分詞形は「…すべきだったのに(実際はしなかった)」という意味なので、「僕は気づくべきだった(のに実際には気づくことができなかった)」というニュアンスになるでしょう。
「グラスに移さずに、缶から直接ビールを飲むしぐさ」とは、恐らく「男っぽいしぐさ」のイメージで、ある時期からそんな風に飲むようになった、そこに誰か別の人の影響を見て取るべきだった、ということなのかなと思います。
ジョーイは let me ask you a question 「俺に一つ質問させて」と言った後、「キャロルは、家具、ステレオ、いいテレビをゲットした(それらを持って、出て行った)」と言っています。
ロスが新しい家具を組み立てているのは、キャロルがたくさんの家具を持って行ってしまったからで、この状況に合った説明になるでしょう。
What did you get? 「(あれこれキャロルに持ってかれて)お前は何をゲットしたの?(お前が得たもの、持ってるものは何?)」と聞かれたロスは、You guys. 「君たち」と答えます。
金目(かねめ)のものは何もない、君ら以外に僕に残されたものはないよ、みたいな、寂しさ漂う返事ですね。
チャンドラーは、Oh, man. と言っていますが、この man は「なんとまぁ、なんてこった」というニュアンスの間投詞。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
man [interjection]
oh, man : used when you are disappointed, annoyed, or surprised, in order to emphasize what you are saying
例) Oh, man, it's snowing.
つまり、「(間投詞)oh, man の形で:失望したり、うんざりしたり、驚いたりした時に使われる、自分が言っていることを強調するために」。例文は「なんてこった、雪が降ってる」。
You got screwed. について。
研究社 新英和中辞典では、以下の語義が出ています。
screw=《俗》
1 〈人を〉だます (注:しばしば受身で用いる)
He was completely screwed. 彼はすっかりだまされた。
2 〔+目+out of+【(代)名】〕〈人を〉だまして〔…を〕巻き上げる (注:しばしば受身で用いる)
I was screwed out of 50 dollars. だまされて50ドル巻き上げられた。
つまり、got screwed で「だまされた」、got screwed out of の形では「だまされて(〜を)巻き上げられた」という意味になるということですね。
LAAD では、
screw
5. screw somebody also screw somebody over :
(slang) to cheat someone or treat them in a dishonest or unfair way (SYN) cheat
6. be screwed : (slang) to be in a lot of trouble or in a very difficult situation
つまり、5. の意味は、「誰かをだます、あるいは、誰かを不正な、不公平なやりかたで扱うこと」
6. の be screwed は、「多くのトラブルの中にある、または、非常に難しい状況にいる」
Macmillan Dictionary では、
screw:
[TRANSITIVE] VERY INFORMAL to cheat someone, or to treat someone in an unfair way
screw someone out of something: We were just screwed out of £20!
つまり、「(非常にインフォーマル) 人を騙すこと、または人を不公平な・不当なやり方で扱うこと」。例文は「我々はだまされて20ポンドを巻き上げられたんだ!」
キャロルに家財道具を全部持っていかれて、ロスに残ったものは男友達だけというこの状況。
多分、キャロルはいろいろ理屈をつけたり権利を主張したりして、持てるものを全部持って出て行ってしまったので、「お前はすっかりだまされたな」「だまされて、家財道具一式、巻き上げられちゃったな」のように言っているのでしょうね。
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2016年10月31日
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