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10:24
(CUT TO MONICA AND PAUL EATING IN A RESTAURANT)
モニカとポールがあるレストラン(日本料理店らしい)で食事をしている場面にカット。
モニカ: Oh, my God. (まぁ、なんてこと!)
ポール: I know, I know, I'm such an idiot. I guess I should've caught on when she started going to the dentist four and five times a week. I mean, how clean can teeth get? (そうなんだよ。僕は何てバカなんだ。彼女が週に4、5回も歯医者に通い始めた時に、気づくべきだったのに、って思うよ。ほら、(そんなに通ったら)歯がどれほどきれいになるか?[きれいになりすぎちゃうだろ?])
モニカ: My brother's going through that right now. He's such a mess. How did you get through it? (私の兄も、今まさにそういうことを経験しているところなの。兄は本当にボロボロよ。あなたはどうやってそれを乗り切ったの?)
ポール: Well, he might try accidentally breaking something valuable of hers. Say her-- (そうだな。彼(君の兄さん)は、彼女(妻)の持ち物で価値のあるものを「ついうっかり」 break してみてもいいかも。例えば彼女の…)
モニカ: Leg? (脚を break するの?[脚を骨折させるの?])
ポール: (LAUGHING) That's one way of going through it. Me, I- I went for the watch. ([笑いながら]それも一つのやり方だね! 僕の場合は…僕は腕時計にしてみたよ。)
モニカ: You actually broke her watch? (実際に彼女の腕時計を壊したの?)
直前のロスの部屋でのシーンの最後にチャンドラーが、Oh, my God. と言っていましたが、次のモニカとポールのシーンの冒頭でも、モニカが同じセリフ、Oh, my God. と言っています。
あるシーンの最後のセリフと、次のシーンの最初のセリフが同じセリフになる、というような演出は日本の作品にもよくありますね。
あっちでもこっちでも、つまり、全然違う場所で別の人が同じセリフを言っている面白さと、同じセリフを連続させることで、シーンをスムーズに繋げるという効果もあるでしょう。
レストランのシーンが始まった途端にモニカが「なんてこと!」と言っていることから、その前に何か驚くような話をポールがしていたことが想像されますね。
次のポールのセリフを聞くことで、その内容がだんだんわかってくるという仕組みです。
idiot は「ばか、まぬけ」。
自分自身に対して「僕は何てバカなんだ」と嘆く時に、この "I'm such an idiot." がよく使われます。
catch on は「わかる、理解する、…の意味を悟る」。
catch は「捕まえる」で on という接触を表す前置詞が使われているので、on 以下のものに「手が届く」感じが出ていますよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
catch on : to begin to understand or realize something
つまり、「何かを理解したり、気づいたり[悟ったり]し始めること」。
should+have+過去分詞形は「〜すべきだったのに(実際はしなかった)」ということですから、I should have caught on は「僕は気づくべきだった」と言っていることになります。
when 以下で「どんな時に僕は気づくべきだったか」を語っていますが、その内容は、「彼女が1週間に4、5回も歯医者に通い始めた時」。
how clean can teeth get? は「歯がどれほど(どれだけ)きれいになることができるか」ですから、「歯のクリーニングのために歯科医に週に4、5回も通ったら、歯がきれいになりすぎる」→「歯のクリーニングに通うにしては、回数が多すぎる」ということを言っていることになります。
ちなみに、歯のクリーニングに週4、5回通うという話を聞くと、私は アリー my Love(Ally McBeal)3-17 での「週3回の歯のクリーニング」の話を思い出してしまいます。
過去記事でも触れたことがあるのですが、ここでもまた参考までにそのやりとりを挙げておきますね。
アリーが新しい弁護士マークの部屋を訪ねると、歯医者さんに置いてあるような椅子の上で、マークが歯科衛生士に歯をクリーニングしてもらっている。
驚くアリーに、
マーク: I get my teeth cleaned three times a week. Having the chair just saves time. I let the hygienist make house calls. (僕は週に3回、歯をクリーニングしてもらってるんだ。その(歯医者にあるような)椅子を自分で持っていたら時間の節約になるんだよ。(歯科)衛生士に往診してもらってる。)
アリー: Three times a week? (1週間に3回も?)
マーク: It's the little things that win trials, Ally. Fresh breath, clean teeth. (小さなことが裁判の勝敗を分けるんだよ、アリー。さわやかな息、きれいな歯。)
アリー: What planet are you from? (あなたはどこの惑星の出身なの?)
椅子まで持ち込んで往診してもらっていることに加え、週3回も? という部分でもかなり驚いているので、それを考えると、ポールが言っている週4、5回というのはやはり多すぎるのは間違いないですね。
ポールは she という代名詞を使って説明していますが、「彼女が歯科医に週4、5回も通うようになった時に、気づかなかった僕がバカだった」と言っていること、モニカとポールが今デート中であることを考えると、ポールは「別れた妻が浮気していた時の話」をしていることが想像できますね。
「私の兄も、今まさにそういうことを経験しているところなの」というモニカのセリフも、「ポールは妻と離婚した」ことを、さらにはっきりさせています。
go through は「体験する、経験する」。
フレンズ シーズン1改、始めます フレンズ1-1改その1 のフィービーのセリフ "I don't want her to go through what I went through with Carl." にも出てきました。
前のシーンと今回のシーンを繋ぐ部分で、Oh, my God. というセリフが連続して出てきた効果については既に語りましたが、前のシーンのロスも、今回のポールも、「妻の浮気の兆候があったことに、僕は気づくべきだったのに」(ロス: I should have known/ポール: I should've caught on)と同じようなセリフを言っていることも、ポイントになるでしょう。
I should have p.p. (過去分詞)の「〜すべきだった(のに実際には〜しなかった)」という後悔のニュアンスを掴むのにも良い例ですね。
mess は名詞で「混乱、めちゃくちゃ」という意味で、そこから「考えや見かけなどが乱れている人」という意味にもなります。
LAAD では、
be a mess : to be in a bad emotional or mental state
例) She's a mess when she drinks.
つまり、「感情や心がひどい状態にあること」。例文は「彼女は飲むと、感情が乱れる」。
get through は「(困難を)乗り切る、切り抜ける」。
try accidentally breaking について。
まず、try breaking、つまり、try ...ing 形になっていることに注目してみましょう。
壊そうとする(try to break)のではなく、実際に壊してみる(try breaking)ことを勧めているのですね。
try の後に動名詞(-ing 形)が続くか、to 不定詞が続くかは、try to kill (殺そうとする。未遂)と try killing (試しに殺してみる。既遂)ほどの差が出ます(なるほど英文法 p.191)。
accidentally は「偶然に、ついうっかり」。
この単語の基本的な意味は、計画されたり意図されたりすることなく起こることで、「そんなつもりはないのに(たまたまそうなっちゃった)」というニュアンス。
上のセリフでは、「偶然に」というのを意味ありげに使っていて、本当は「偶然を装った風にして、偶然ってことにして」という意味になります。
わざと壊したんじゃないんだ、偶然落として、偶然何かに当たって…などと後で言い訳できるように、ですね。
そういうニュアンスをはっきり表す、accidentally on purpose 「偶然を装っているが、実際は故意に」というフレーズも存在しますが、ここではポールは「そういう意味だってわかるよね」という感じで、あえて、accidentally だけで止めているわけです。
breaking something valuable of hers と言ったところ、モニカが break her leg? と尋ねるのが面白いですね。
break には「…の骨を折る」という意味もあり、break her leg なら「彼女の脚(の骨)を折る、脚を骨折させる」ということ。
彼女の大事なものを break する、と聞いて、モニカは間髪入れずに真面目な顔で、「脚を折るの?」と返しますが、さすがにそこまではしないよ、という意味でポールは笑っているのですね。
日本語では、時計を「壊す」、骨を「折る」、と別の動詞を使いますのでしっくり来ませんが、英語ではどちらも break なので、自然な流れのジョークになるわけです。
go for は「…に向かって進む、…を求める」で、「…を試みる、試してみる、やってみる」という意味。
actually は「本当に、実際に」それを実行に移したの? というニュアンスになります。
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2016年11月02日
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