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ジョーイ: This is the best thing that ever happened to you! You got married. You were, like, what? 8? Welcome back to the world. Grab a spoon! (このこと[今回のキャロルとの別れ]は、ロスにこれまで起こった出来事の中で、最高の出来事なんだぞ! ロスは結婚した、その時、ロスは、ほら、8歳くらいだったっけ? (現実の)世界によく戻ってきた! スプーンを掴めよ!)
ロス: I honestly don't know if I'm hungry or horny. (正直言ってわからないよ、僕は(今)空腹なのか、それとも(性的に)ムラムラしてるのか。)
チャンドラー: Stay out of my freezer. (俺のフリーザー(冷凍庫)から離れとけ。)
This is the best thing that ever happened to you! は、「これ(このこと)は、お前に今までに起こった(中で)最高のことだ」という意味。
「お前は結婚した」の後、You were, like, what? 8? と言っていますが、この 8 は「8歳」のこと。
どんなに若く結婚していたとしても、「8歳で結婚した」ということはないのですが、そのくらい世間を知らない若い間に結婚してしまった、他のいろいろな女性のことを知らずに、「この人が僕のたった一人の人だ」と信じて結婚した、というニュアンスで言っているのでしょう。
「8歳」は、日本だと小学校低学年(小2〜小3)くらいなので、You were, like, what? 8? は「お前は小2だったっけ?」みたいなニュアンス。
「フレンズ」の他のエピソードでも「小さな子供」の例えで、8歳という数字がよく使われています。
参考までに、フレンズ1-1 以外のエピソード番号だけ挙げておくと、フレンズ1-5, 2-5, 5-9、10-14 で「8歳」という表現が登場します。
上に「お前は小2か!?」みたいなニュアンスだと書きましたが、フレンズ6-10 では、「8歳」ではなく「小2」(second grade)を使ったセリフも出てきます。
この「8歳」(eight)というのは、フレンズ特有のものではなくて、他の作品でも eight という数字が使われていました。
参考までに、作品名と eight のセリフを以下に簡単にご紹介しておきます。
映画「鉄ワン・アンダードッグ」(原題:Underdog)
ジャック(息子): I told you I've wanted a dog since I was, like, eight. (僕は犬がずっと欲しかった、って言ったんだよ、ほら、8歳の頃からね。)
海外ドラマ「The O.C.」のシーズン1第5話「アウトサイダー」(原題:The Outsider)
その1話の中に2回、eight という言葉が登場します。
1つ目。
セス: I have an extra ticket to the IMAX, Donnie. A shark movie, hammerheads, very violent. (IMAX シアターのチケットが1枚余ってるんだ。サメの映画だ、ハンマーヘッド(シュモクザメ)の。すっごく凶暴なんだよ。)
ドニー: What are you, like, 8? (お前は子供か?)
The O.C. での2つ目の例。
ジュリー: Which means I've been jealous of you since I was 8. (それはつまりこういうことよ、私は8歳の頃からあなたをずっと妬(ねた)んでいたの。)
上に挙げた例の eight 「8歳」という言葉はそれぞれ、「お前はガキか?」的にバカにしたセリフであったり、「小さな子供の頃から」というニュアンスで使われています。
「ガキ、小さな子供」というニュアンスで 8(eight)という年齢を使う例はフレンズ以外にもある、ということですから、「子供」という意味で eight を使っても、ネイティブには問題なく意味が通じると考えて良いでしょう。
ついでに、「どうして 7歳(seven)や9歳(nine)ではなくて、8歳(eight)なのか?」については、あくまで私見ではありますが、これらの単語の中では、eight が一番発音しやすい、発音がラクだからかなぁと思います。
seven だと v の音を発音する時に、「前歯を下唇に乗せる、当てる」という口の動きが必要です。
また、nine の n- は日本人が考えるよりもずっと力の強い音で、「鼻に抜く」音ですよね。
(強い音だからこそ、not, no などの否定語に使われているのだろうと思いますし、would と wouldn't の聞き分けも、n- が聞こえるか聞こえないかで判断することができる、ということだと私は思っています。)
それに比べると、eight の発音は、語尾の -t という破裂音は消失してしまうので、日本人がカタカナで書く「エイト」ではなく、「エィ」のような発音になります。
そのように発音を比較しても、「エィ」が断然ラクだと思えますから、それでやたらと eight が使われることになるのかなぁ、と。
「なぜ”8歳”なのか?」を追求すること自体はあまり意味のないことかもしれませんが、「ガキ、小さな子供の年齢として、英語ではよく eight という数字を使う」ということを知ることには意味があると思っています。
自分の知り合いのネイティブがたまたま eight と言っただけであれば、その人の言い回しの癖みたいなものである可能性もありますが、Friends, Underdog, The O.C. と、それぞれ監督も脚本家も違う作品で、eight が同じニュアンスで使われていたということであれば、「英語ではそういう言い回しをするんだな」と判断しても構わないと思うのですね。
Welcome back to the world. は「(現実の)この世界にようこそ! よく戻ってきた」という感覚。
ロスは若くして結婚したけれど、それが今回離婚することになって、再びフリーになった。アイスクリームのフレーバーをいろいろ吟味して選べるように、今は素敵な女性を選べる立場になったんだぞ、という意味で、「この世界によくぞ戻ってきたな。お帰り」と言っているわけですね。
Grab a spoon! は「スプーンを掴(つか)め!」。
スプーンを掴んで、アイスクリームで好きなフレーバーを選ぶように、女性を自分の目で選んでみろよ、と言っているのです。
好きなものを物色して食べる準備をしろよ、というところで、女性に対する話だと「さぁ、ガールハントの準備はいいか?」という感じですね。
いかにもプレイボーイのジョーイの言いそうなセリフです。
ちなみに、ジョーイが、eight? と言い、チャンドラーが「何ばかなこと言ってんだよ」という感じで首を横に振っている後ろに、The SPEED RACER Show のポスターがはってあります。
これは日本アニメ「マッハGoGoGo」で、アメリカでは Speed Racerというタイトルで放映されて、結構人気だったそうです。
アメリカで人気の作品ということで、フレンズ1-13 では、チャンドラーがこのアニメの絵柄のTシャツを着ていますし、フレンズ2-18 では、セリフの中に Speed Racer guy (「スピードレーサー」の男(主人公))という言葉も出てきます。
2008年にはアメリカで Speed Racer というタイトルで実写映画化もされました。
I honestly don't know if... は、「正直(に言って)、〜なのかどうなのか僕にはわからない」。
そして、自分は hungry (空腹)なのか horny なのかわからない、と言っています。
horny は「性的に興奮した、ムラムラしている、エッチしたがっている」という意味。
horn は「角(つの)」で、horny だと「角の、角のように(硬い)」。
身体のある部位(笑)が horn 「角(つの)」のようになっていることからきた表現です。
アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には載っていませんでしたが、Macmillan Dictionary では以下のように出ています。
horny : VERY INFORMAL sexually excited
つまり、「(非常にインフォーマル) 性的に興奮している」。
LAAD に載っていなくて、マクミランでも「非常にインフォーマル」と書いてあることから、かなり露骨な表現だと言えるでしょう。
お腹がすいてきたんだかガールハントをしたいんだか(食欲の話だか性欲の話だか)よくわからなくなってきた、「アイスのフレーバーの話をされた後に、スプーンを掴んでさあ食べろ、みたいに言われたら、アイスを食べなきゃ、って思っちゃいそうだよね」みたいなことでしょう。
Stay out of は「〜の外にステイする、とどまる、いる」ということですから、「〜から距離を取る、離れる、離れておく」という感覚。
freezer は「フリーザー、冷凍庫」で、アイスクリームが入っている場所というイメージ。
チャンドラーは MY freezer のように、マイを強調して言っていますが、「空腹なのか、ムラムラしてるのかわからないや」と言ったロスに、「俺の冷凍庫には近づくなよ。アイスが食べたくなったからって、”俺の”アイスには手を出すなよ」と言ったことになるわけですね。
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Stay out of my freezer. は、 フリーザーを女性に見立てているようにも聞こえます。hungry or horny の両方を受けているところがこの台詞の Friends 的なおかしさかと思います。
Rach さんの記事と重複しているかもしれません。補足として読んでいただければと思います。
こんにちは。コメントありがとうございます。
Stay out of my freezer. 「俺の冷凍庫から離れとけ」→「俺のアイスには手を出すな」と表現することで、アイスで例えていた女性のことも示唆している、ということですよね。
ご意見ありがとうございました。
こんにちは(*・д・)ノ
なぜ8歳なのか、長らく疑問でしたがようやく解決できました。ありがとうございました‼
後のエピソードで、今度はチャンドラーがジョーイに8歳か!と言われるシーンが出てきてハテナでしたが、フレンズ特有ではないことも分かりスッキリです。
実は私の娘が今8歳です。
Eightが発音しやすいのも理由のひとつかもしれませんが、8歳というと、知恵は確かに付いてきている、けれど時々凄くちっぽけなことでいつまでも笑ってる、等々、幼稚さも抜けてないので、大人を子供に例える上では適した年齢かもしれません(笑)
そして、このエピソードとは外れてしまうのですが、Rachさんは、英語学習の際、文法の細かいルール、例えばこの単語は自動詞だから〜等、整理して覚えていますか?それとも、何回かその単語に出会って徐々に覚えていくようにしていますか?
以前頂いたお返事のなかで、フレンズに沿って勉強するうえでは、量が膨大なのでノートはとらないと書かれていた記憶があります。
私は下の子もいるので、なんとなく子供の前で長時間スマホやタブレットを見ないようにしていて、ペーパーベースの方が自分的にも子供の前でも家事の合間に眺められるなーなんて考えてました。
同じくお子さんをお持ちのRachさんのご意見お聞きかせ下さると嬉しいです(^^)
こんにちは。コメントありがとうございます。お返事が遅くなってしまい誠に申し訳ありません。
なぜ8歳なのかの記事に対し、そのように言っていただけてとても光栄です。8歳というのは、まさに Nickさんがおっしゃる通りのイメージですよね。しっかりしてきたようでまだまだ子供の部分もあって、愛らしい年齢だと思います(^^)
それから、いただいたご質問につきまして。
文法の細かいルールは、辞書や文法本で調べたりした際に「そうなんだ〜」と意識するようにはしていますが、それを整理して覚えるということは特にはしないですね。何度も出てくる単語や文法事項がいわゆる「頻出」で「覚えるべきもの」だと思いますので、おっしゃる通り「何回かその単語に出会って徐々に覚えていく」という方法が自然であり、正しい方向性だと私も思っています。
子供の前で長時間スマホなどを見ないようにする、というお話には納得です。それを考えるとペーパーベースの方が良いということになるのですが、私自身、学習を始めた頃、ワードで書いていたメモを紙に印刷していた時期があったのですが、結局それを読み返すことなく終わってしまったという経験がありました。それ以降、印刷するとかノートに手書きするとかは一切しておらず、エクセルなどにデータベースとして保存するのみになったのですが、そうすることで、ある表現が出て来た時に「前にもこんな表現あったよな」と検索できたり、自分が英語でアウトプットする際にキーワードで検索して適切なフレーズを探せたりするようになりました。もしこれを手書きのノートで行っていたならば検索も難しかったのかなと思います。
上に書いたようなことを私は行っていましたが、やはり大切なのは学習されるご本人に合った学習法を選ぶことだと思いますので、Nickさんがご自分に合うと思われる方法を是非選んで下さいね。
これがいいと思われた場合にはそれをとりあえずやってみる、そして少し続けてみる、その上で自分に合ってそう、効果がありそうだと思えばそのまま続けられたらいいし、時間と手間をかけたほど効果が出ていないなと思われた場合はまた別の方法にトライしてみる、など、ご自分に合う方法にどんどんカスタマイズして行かれることをお勧めします。
私の場合も「紙に印刷はしてみたけれど結局読み直すことをしなかった。紙だと前に調べたはずのことを探すのが大変だった」という経験をした上で今のノートを取らないという形に落ち着いたので、Nickさんもまずはご自分がいいと判断されたことから始められたらよいのでは、と思います(^^)