2016年12月05日

私たちはそうやって物を買う フレンズ1-1改その29

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15:19
チャンドラー: All right, kids, I gotta get to work. If I don't input those numbers... it doesn't make much of a difference. (よーし、君たち[子供たち]、俺は仕事に行かないと。もし俺があの数字を入力しないと… 大して違い[影響]はないけどな。)
レイチェル: So, like, you guys all have jobs? (それで、ほら、あなたたちはみんな仕事を持ってるの?)
モニカ: Yeah, we all have jobs. See, that's how we buy stuff. (えぇ、私たちはみんな仕事を持ってるわよ。ほら、そうやって私たちはものを買うの。)
ジョーイ: Yeah, I'm an actor. (そうさ、俺は俳優だ。)
レイチェル: Wow. Would I have seen you in anything? (まぁ。(俳優としての)あなたを私どこかで見たことあったりしたかしら?)
ジョーイ: I doubt it. Mostly regional work. (どうかな[見たことないと思うよ]。ほとんど地域の仕事だから。)

All right, kids, I gotta get to work. の gotta は、gotta = got to = have got to = have to で、「〜しなければならない」。
フレンズに対して kids と呼び掛けているのは、「大人の俺は今から仕事に行かないといけないんだ」のように、自分が大人で、残っているフレンズたちを子供扱いしているように呼んでいる感覚になるでしょう。

If I don't input those numbers は「もし俺があれらの(あの)数字をインプット(入力)しないと」という仮定。
仕事に行くと言った後、「俺が数字を入力しないと」と言っていることから、何やら数字を入力する仕事をしているだろうことが想像できます。

make a difference は「違いをもたらす」という感覚ですから、つまりは「影響を及ぼす、効果を生じる、重要である」という意味。
チャンドラーは気取った格好でこのセリフを言っているので、ちょっと偉そうに「俺が数字を入力しなかったら、会社は動かないんだよ。たくさんの人が困るんだよ」とでも続きそうな雰囲気なのですが、実際のセリフは「別に俺が数字を入力したところで、何も大きな違いは生まれないんだけどね。俺の仕事が会社にとってそんなに重要なわけでもないんだけどね。まぁ、とりあえず行ってきますわ」みたいな感じの、拍子抜けで自虐的なオチになっていることになるでしょう。

So, like, you guys all have jobs? の like は「ほら、その」という感じのつなぎ言葉。
you guys は「あなたたち、君たち、君ら」という複数を指します。
guy という単語の基本的な意味は「男、男の人」という意味で、今回のエピソード フレンズ1-1 でも、Paul, the wine guy 「ワイン担当(の男性)のポール」という意味で使われていました。
そのように単数だと「男性」を指しますが、guys と複数形にすると、男性だけではなく、女性が混ざっていても、また女性だけの場合でも使うことができます。
フレンズでは、家に帰って来た時、コーヒーハウスのセントラルパークに入ってきた時のセリフとして、"Hey, guys." 「はーい、みんな」という感じでよく出てくる言葉です。

you guys all have jobs? の you guys all は「あなたたちはみんな」。
この all の用法については、以下の研究社 新英和中辞典の説明がわかりやすいと思います。
all=【代】[複数扱い][同格にも用いて] だれも、みな (注:通例代名詞の場合に用いる)
We all have to go.=All of us have to go. 我々はみな行かねばならない。


つまり、wel all = all of us ということですから、今回のセリフだと you guys all = all of you guys ということになりますね。

チャンドラーが仕事に出かけるのを見て、レイチェルは「(チャンドラーだけではなく)あなたたちはみんな、仕事を持ってるの?」と尋ねたことになりますが、その質問に対してモニカは、Yeah, we all have jobs. と答えています。
「みんな、仕事持ってるの?」と聞かれた場合、Yeah. / Yes. のように簡単に肯定だけしてもいいし、Yes, we do. 「ええ、そうよ」のように答えてもいいわけですが、ここでモニカが、レイチェルのセリフの代名詞だけを you guys から we に入れ替える形で、ほとんど同じ文章を「わざわざ」繰り返しているのは、「ええ、”もちろん、当然” 私たちはみんな仕事を持ってるわよ」という風に強調している感覚になるでしょう。
相手が問うてきた疑問文とほぼ同じ内容を、わざわざ文章として繰り返して言うのは、「もちろんそうだ、当然だ」というニュアンスが込められていて、そんな当たり前のことを尋ねた相手に対して、多少あきれた気持ちを持っていることがうかがえます。
親と離れて生活しているのだから仕事しているのは当然なのに、お嬢様育ちのレイチェルにはそういう感覚がないわけで、そういう「世間離れした質問」をしたことに対して、「もちろん、私たちは全員、仕事を持ってるわよ」と答えた感覚になる、ということですね。

See, that's how we buy stuff. の See は「ほら」いうニュアンス。
that's how we buy stuff. をとことん直訳すると、「それ(仕事を持っていること)が、どのようにして私たちがものを買うかである」、つまり、「私たちがものを買う方法はそれである」→「私たちは仕事を持つこと(仕事をすること)で、ものを買っている」と言っていることになります。
「それが〜する方法である」という意味であることから、「そうやって・そんな風にして〜する」のように訳すこともできますので、今回のセリフも、「私たちはそうやって・そんな風にして(仕事を持つこと・働くことで)ものを買う」と訳すこともできるでしょう。

みんな仕事を持ってるわよ、の話の続きとして、ジョーイは、「あぁ(俺も仕事を持ってる)、俺は俳優だ」と説明します。
レイチェルは Wow. と驚いて、「(俳優なんだったら)私はあなたを何かで(どこかで)見たことあったりしたかしら?」のように尋ねます。

I doubt it. の doubt の基本的な意味は「疑う」。
このニュアンスについては、以下の研究社 新英和中辞典で、同じく「疑う」という訳語がある suspect との比較での説明がわかりやすいと思います。
doubt=疑う (類語:doubt は確信またははっきりした証拠がないために「…ではない」という疑いを抱く。suspect は疑いを抱かせるような点があるために「…であるらしい」という疑いをもつ)

「〜ではないという疑いを抱く」という点がポイントですね。
I doubt it. の it は、ここで焦点となっている「レイチェルが俳優のジョーイをどこかで見た」を指していますので、「見ていないという疑いを抱く」→「レイチェルは俳優のジョーイ(俺)を見たことないと思う」とジョーイが言っていることになるでしょう。
I doubt it. をそのまま訳すとすると、「それはどうかなと思うよ。それはないと思うよ。そうじゃないと思うよ」のように it の内容について否定的な見解を述べていることになりますね。

Mostly regional work. は「たいていは[主に]、地域の[局地的な]仕事」。
俳優と言ってもテレビに出ている全国区じゃなくて、その地方・地域で活動しているようなのがほとんどだから、と言っていることになるでしょう。


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posted by Rach at 16:49| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさま

こんにちは!
フレンズのシーズン1の1話目を見た後に、こちらのブログを発見して、今日からエクセルにデータベースを作り始めました。
今日は一日中、Rachさんの解説をみたり、英文をコピペして、オンラインの英英辞典で意味を調べたりして、一文一文、文法や構造を解釈しながら進めています。
JOEYが俳優だと聞いたRachelが、
Would I have seen you in anything?
と聞きます。
これは、仮定法過去完了だと思うのですが、現在完了Have I seen〜?とならずに、Would I Have〜?となっているということは、Rachelは、自分が見たことがないとわかりきっているので(答えがNoだろうと予想して)言っているんでしょうか?どこかで見ていたらよかったのに(無名だから見ていない)。といった感じでしょうか?

これと同じような状況で、ネイティブはWould I 〜と仮定法過去完了の疑問文で聞けるんでしょうか?仮定法過去完了はとっさに口に出てくるのは、ノンネイティブには難しいなと思います。この状況でスラッと仮定法過去完了が出てくるには、相当の状況インプットが必要かなと思いました。
もしよろしければ、なぜ仮定法過去完了になるのか、もしくは、仮定法過去完了ではなく、他の文法になるでしょうか?ご教示お願いいたします。
Posted by maimain at 2017年10月06日 21:56
maimainさんへ
こんにちは。フレンズ学習に合わせて拙ブログの解説をお読みいただいていること、とても光栄です。ありがとうございます。

それではいただいたご質問について。
ご指摘の通り、そのセリフは、Have I seen...? ではなく、Would I have seen...? のように would が使われていますよね。

まずはそのニュアンスを理解するために、疑問文ではなく、平叙文に直してみると、
I would have seen you in anything(something).
になるでしょうか。
日本語に訳すと、「私はあなたをどこかで見たことがあっただろう」のように、過去にそういう経験をしたことがあっただろうと推量している感覚になるように思います。
今回はそれが疑問文になっているので、「私はあなたをどこかで見たことがあっただろうかしら?」というニュアンスになると思います。

相手に対して「〜したことある?」と尋ねる場合だと、シンプルな現在形の Have you (ever) seen...? の形で良いと思うのですが、今回のレイチェルのセリフでは「自分自身が見たことあるかどうかについて語っている」ことになりますね。
自分自身がそれを経験したかどうかは、本来「経験した自分」ならわかっているはずで、そういう意味で、Have I (ever) seen...? 「私〜したことある?」というのは、独り言のような自問自答以外では、少しナンセンスに聞こえてしまうのかな、という気がします。

「私はあなたをどこかで見た?」というダイレクトな言い方ではなく「私はあなたをどこかで見たことあっただろうかしら?」のように言うことで、「自分としては覚えがないんだけれど、あなたが俳優だというのなら、あなたを見たってこともあり得るかしらね?」のようなニュアンスが出て、ジョーイの方から「こういう作品もやってるからそれなら君も見ただろうね(見たかもね)」とか、実際のジョーイの返答のように「地域の仕事が多いから君は見てないだろうと思うよ」という方向に話が進むのかなと私は思いました。

このような would のニュアンスはノンネイティブには理解するのが本当に難しいですよね。ましてや自分から would を使ってこのように表現できるようになるのは、さらに難しいと思います。
Posted by Rach at 2017年10月08日 16:35
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