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(CUT TO THE GANG AT MONICA + RACHEL'S, SITTING ROUND A TABLE. ON THE TABLE ARE RACHEL'S CREDIT CARDS AND A PAIR OF SCISSORS)
モニカとレイチェルの部屋にいるギャング(フレンズたち)に画面がカット。みんなはテーブルの周りに座っている。テーブルの上にはレイチェルのクレジットカードとハサミが置いてある。
モニカ: C'mon, you can't live off your parents your whole life. (ねぇ、一生、自分の両親に頼って生きることはできないのよ。)
レイチェル: I know that. That's why I was getting married. (そんなことわかってるわ。だから、私は結婚しようとしたのよ。)
フィービー: Give her a break, it's hard being on your own for the first time. (レイチェルを大目に見てやってよ、初めて自活するってことは大変なのよ。)
レイチェル: Thank you. (ありがとう。)
フィービー: You're welcome. I remember when I first came to this city. I was 14. My mom had just killed herself and my stepdad was back in prison. And I got here, and I didn't know anybody. And I ended up living with this albino guy who was, like, cleaning windshields outside port authority. And then he killed himself. And then I found aromatherapy. So believe me, I know exactly how you feel. (どういたしまして。私がこの街に初めて来た時のことを思い出すわ。私は14歳だった。私のママが自殺した直後で、育ての父は刑務所に逆戻り。そして私はここ(この街)に来たの。知ってる人は誰もいなかった。そして私はアルビノの彼と暮らすことになったの。その人は、港湾管理局(2016.12.21 訂正→ポート・オーソリティ・バスターミナル)の外で、自動車の窓(フロントガラス)を拭いていたわ。それから、彼は自殺した。それから、私はアロマセラピーを見つけたの[アロマセラピーに出会ったの]。だから信じて、私にはあなたの気持ちがよくわかるのよ。)
live off は「〜で暮らし・生計を立てる、〜のすねをかじる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
live off (of) somebody : (disapproving) to get the money that you need to live from someone else, especially instead of earning it yourself
例) Dave's been living off his girlfriend for a year.
つまり、「(非難の[非難めいた]言葉) 生活するために必要な金を他の人から得ること、特にそれを自分で稼ぐことなしに」。例文は「デイブは1年間、自分の彼女(恋人)の金で暮らしていた」。
語義説明の disapproving は、「非難する」ニュアンスで使われるという意味で、つまりは悪口として使われる言葉ということですね。
モニカは「一生、親に頼って生きて行くことはできないのよ」と言うことで、「親から離れて暮らすことにしたのに、そうやっていつまでも親が払うことになるクレジットカードで買い物しまくっててもいいの?」とレイチェルに反省を促しています。
そのように言われた後の、レイチェルのセリフが面白いです。
That's why は「それが〜の理由である、そんなわけで〜だ、だから〜だ」。
ここでは、「親に一生頼れないってことはわかってる。それが自分が結婚しようとした理由だ」という意味。
一生、親のすねをかじって生きることはできないってわかってるから、今度は親に代わって頼るべき人(=夫)と結婚しようとしたのよ、と言っていることになり、依存の別の形として、生きて行くためのお金を得るため、結婚しようとしたのだと言っていることになります。
give someone a break は「人を勘弁してやる、大目に見てやる」。
Give me a break. なら「助けてくれよ、勘弁してくれよ」という意味でよく使われます。
on one's own は「自力で、独力で」で、be on one's own は「自活する、自立する」。
その後、フィービーは自分の身の上話をしています。
stepdad は stepfather のことで、「継父、義父、育ての父」。ママがその男性と再婚したことで、その人は私のパパになった、ということで、血縁関係のないパパです。
ママは自殺、継父は牢屋に逆戻りと言っていますが、逆戻り、ということは、以前にも刑務所に入っていたことがある、ということを示唆していますので、何度も刑務所に入るような人が育ての父親だったという壮絶な話ですね。
back in prison という言葉が出た後、モニカは口では微笑みながら、目は伏し目がちになっています。
end up with は「結局…するようになる」で、知り合いがいなかったんだけど、結局、ある男性と暮らすことになった、ということ。
albino は「アルビノ、先天的に皮膚などの色素が欠けている人」。
LAAD では、
albino : MEDICINE a person or animal with a genetic condition that makes the skin and hair extremely pale or white
つまり、「(医学用語) 肌や髪を、きわめて色を薄く、または白くするような遺伝子状態を持つ人間または動物」。
windshields の shield は名詞で「盾(たて)」、動詞 shield A from B の形で「A を B から守る、保護する」という意味。
ですから、windshield は「風から守る、風を防ぐ」という意味の「風防」で、自動車のフロントガラスを指します(「フロントガラス」という言葉は和製英語)。
authority は「権威、権力」という名詞でまずは覚えることが多いと思うのですが、ここでは「当局」「公共事業機関」のニュアンスで使われています。
port 「港」の公共機関なので、港湾管理局のようなものに当たるでしょう。
そこで自動車の窓を拭いていた、というのは、そうすることでお金を稼いでいた、という感覚ですね。
(2016.12.21 追記)
port authority について、コメント欄でご指摘いただきました。
これは「ポート・オーソリティ・バスターミナル(Port Authority Bus Terminal)」で、NYマンハッタンにある巨大なバスターミナルのこと。
ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社(Port Authority of New York and New Jersey)が所有・運営しているため、このような名前になっているようです。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
ママが自殺した、という最初の話に続いて、ここではその彼までもが自殺した、と語るので、聞いているレイチェルも「え?」という驚きの表情を浮かべています。
そしてフィービーは、その頃、アロマセラピー(アロマテラピー)を見つけた[に出会った]と言います。
アロマセラピーはアロママッサージなどを行なったりしますので、少し前のシーンで、フィービーがモニカに「足出して」と言って足をマッサージしてあげていたことが、このアロマセラピーの話と繋がる気がしますね。
若い頃の自分の過去を語ったフィービーは、「だから信じて」と言った後、I know exactly how you feel. と言います。
exactly は「まさに」「正確に」で、I know exactly how you feel. は「あなたの感じていること、あなたの気持ちがまさに手に取るように正確にわかるわ」という感覚。
「私はこんな経験をした。だから私はあなた(レイチェル)の気持ちがよくわかるわ」と言った後、フィービーは満足そうに立ち上がり、聞いていたレイチェルの方は茫然としています。
レイチェルは苦労知らずのお金持ちのお嬢様ですから、このフィービーの境遇とは全く違った世界で育っていました。
育った環境が全然違うのに、「あなたの気持ちは完全にわかる」と言われても、、というところでしょう。
モニカに「いつまでも親に頼るつもり?」みたいに非難された後、フィービーは「初めての自活は大変なのよ」とレイチェルをかばうような発言をしていたので、レイチェルも最初は喜んだのでしょうが、想像を絶する話を聞かされて茫然とするしかないわけですね。
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Port Authorityは港湾管理局なのですが、ニューヨークが舞台なのでPort Authority=タイムズスクエア42丁目のバスターミナルのことだと思います。港湾管理局と訳すとNYの雰囲気が消えてしまいますね。ここは地下鉄の駅と繋がっているので人通りの激しい所で、たぶんアルビノの彼はホームレスで信号待ちで止まった自家用車のフロントガラスを汚いタオルで拭いて金をせびっていたのでしょう。(今でも東南アジアでストリートチルドレンがやっているのを見かけます)
また、ニューヨークに行きたくなってきました!
コメントありがとうございます。いつも楽しみにして下さっているとのこと、とても光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
それから Port Authority についての貴重なご指摘ありがとうございます! バスターミナルのことだったのですね! port authority で Google検索したら、たくさんヒットし、日本語版ウィキペディアにもありました。
Wikipedia 日本語版: ポート・オーソリティ・バスターミナル
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%BD%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%BB%E3%83%90%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%8A%E3%83%AB
Wikipedia の最初の部分だけを引用させていただくと、
ポート・オーソリティ・バスターミナル (Port Authority Bus Terminal : PABT) はアメリカ合衆国ニューヨーク市マンハッタン区ヘルズ・キッチン地区にあるバスターミナルである。単にポートオーソリティとも、ポート・オーソリティ・ターミナルとも呼ばれる。
上の説明に「単にポートオーソリティとも呼ばれる」とあるように、port authority だけでそのバスターミナルだとわかるわけですね。
ウィキペディアの「概要」に以下の記述がありました。
このバスターミナルはニューヨーク・ニュージャージー港湾公社 (Port Authority of New York and New Jersey : PANYNJ) によって所有・運営されている。
NY と NJ の港湾公社(Port Authority)が運営しているから、その名前がついているのですね。私も訳した時に port 「港湾」という言葉に、NY とはそぐわない何かしらの違和感を感じたのですが、その地域の人のみが知っているようなローカル・マイナーな施設・建物の名前を出すというマニアックな面白さなのかな、と思ったようで、それ以上調べてみることはしませんでした。貴重な情報を教えていただけたことに心より感謝です<(_ _)>
おっしゃる通り、「人通りの激しい所」のようですね。ウィキペディアにも「このターミナルはアメリカで最大の大きさであり、世界で最も交通量が多く」と説明されています。
それから「フロントガラスを汚いタオルで拭いて金をせびっていた」というお話も、まさにそういうことなんだろうと思います。「自動車の窓を拭くのが仕事」ではなくて、「頼まれもしないのに勝手に窓を拭いて、金を請求した」ということなんですね。そう表現することで、彼はホームレスだったんだろうなと想像できてしまう、という流れだったのですね。
この outside port authority の部分は、DVD英語字幕では省略されていて、そのためDVDの日本語訳にも port authority の訳は出てきません。日本語音声(吹替)では「車の窓拭きやって小遣いかせいでる男」と訳されていて、「勝手に窓を拭いて金をせびっている」ニュアンスは出ている感じがします。
ネットスクリプトや Netflix では、outside port authority と表記されているので、「そのままなんとなく」訳してしまったのですが、このフレーズがこのセリフに重要なイメージを与えていたことが、よくわかりました。
私もこういうブログを書いているので、聖地巡礼のようにフレンズに出てきた場所をいつか訪ねてみたいなと常々思っていたのですが、私も今すぐ行きたくなってきました!^^
ニューヨークを実体験としてご存知の方の情報は、本当に貴重でありがたいです。おかげさまで、このセリフの意味と面白さが実にはっきりしました。
貴重なご指摘と情報、本当にありがとうございました!(^^)
YouTubeに動画がありましたので、紹介します。
この動画の方は丁寧に洗浄液とスクイジーを使っています。「汚いタオルで拭いて」は失礼でした(笑)
The Saint Of Fort Washington (1993) Trailer (High Quality VHS Rip)でYoutube内検索してください。(リンクを貼るとエラーになって投稿できませんでした。)
映画「聖者の眠る街」(1993年制作)の予告編のようで、フレンズ(1994年〜)と場所、時代背景が似ているかもしれません。この映画、Netflixにあればいいのに。
貴重な情報ありがとうございます! その Trailer、早速、見させていただきました。
ほんとに「Netflixにあればいいのに」という映画ですねぇ〜。
検索してみたところ、なかなか評価の高い作品のようですし、場所と時代背景がフレンズに似ているようなのも大変参考になりそうです。
allcinema の作品情報の解説
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=12345#1
にも、「車の窓拭きの“仕事”にも精を出していた」という記述があります。この表現にも「勝手に拭いてお金をもらっていた」感じが出ていますよね。
おっしゃる通り「洗浄液とスクイジーを使って」いますし、窓を拭いた後にお金をもらっているシーンも出てきますから、非常にわかりやすいです。こういうことをしている人がいるという知識があれば、cleaning windshields というフレーズですぐにピンと来るわけですね。
Trailer を見て、観てみたくなったので、レンタルで借りてみようかなと思っています(TSUTAYA DISCAS にあったので^^)。
わかりやすい情報をご提供いただき、本当にありがとうございました<(_ _)>
毎日、ブログを見て英語の勉強をさせて頂いております。
本当に基本的な質問で大変申し訳ないのですが、質問させていただきます。
レイチェルの言っている
I was getting married.
というセリフなのですが、少しニュアンスがわかりにくいので詳しく説明して頂いてもいいですか。
個人的にget marriedは結婚することになったその瞬間や結婚するという完了のイメージがあるのですが、それがwas gettingになっているのが少ししっかり来ないので質問させていただきました。。。
gotではいけなかったのでしょうか?
よろしくお願い致します。
コメントありがとうございます。
拙ブログを見て英語の勉強をされているとのこと、大変光栄で嬉しいです。ありがとうございます。
それでは早速ご質問について。
be married だと「結婚している」という状態を指し、get married だと「結婚している状態になる」ということから、おっしゃる通り「結婚する」という行為を指しますよね。
今回のセリフが That's why I got married. になっていたとすると、「だから私は結婚したのよ」という意味になります。
レイチェルの場合は、「結婚式の日、逃げ出した」ので実際には結婚していない、ですから、I got married 「結婚した」とは表現できないわけですね。
I was getting married. という過去進行形は、「私は結婚しようとしていた」という「予定」を表しています。
be doing という進行形は「〜している(ところだ)」のように、進行中の行為を表現することができますが、それ以外に「近い将来の(決まっている)予定」を表すこともできます。
現在進行形の We're getting married! だと「私たち、結婚します[近々結婚する予定です]!」という意味になります。
そして今回のような過去進行形だと、過去の時点から見た近い将来の予定を語っている感覚で「私は結婚しようとしていた、結婚する予定だった」という意味になるわけですね。