2016年12月31日

作ったの?それとも注いでるだけ? フレンズ1-1改その39

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21:36
(EXIT RACHEL TO HER BEDROOM. ENTER MONICA IN DRESSING GOWN, AS ROSS IS LEAVING)
レイチェルは自分の寝室へと退場。ガウンを着たモニカが登場、その時、ロスは部屋を出て行こうとしている。
モニカ: See ya. Wait, wait. Hey, what's with you? (じゃあね。待って、待って。ねぇ、どうしたの?)
ロス: I just grabbed a spoon. (EXIT ROSS) (たった今、スプーンを掴んだんだ。[ロス退場])

レイチェルが寝室に行った後、ロスは微笑み、口にクッキーを入れ、立ち上がります。
元気が漲(みなぎ)ってきた、というような歩き方をしていて、ドアに向かうそのロスの後ろ姿に、寝室から出てきたモニカが声を掛けます。
What's with you? は「どうしたの?」ということで、出て行った元妻キャロルのことでどんより暗かったはずのロスの顔に微笑みが浮かんでいるのを見て、「どうしたの? 何か(いいことでも)あったの?」のように言ったことになるでしょう。

I just grabbed a spoon. は「僕はたった今、スプーンを掴(つか)んだ」ということですが、これは過去記事、結婚したの、8歳くらいだっけ? フレンズ1-1改その22 に出てきた、
ジョーイ: Welcome back to the world. Grab a spoon! ((現実の)世界によく戻ってきた! スプーンを掴めよ!)
のセリフを受けてのものですね。
ジョーイは女性をアイスクリームのフレーバーに例え、「アイスクリームにたくさんのフレーバーがあるように、世間には女性がたくさんいる。スプーンを掴んで、アイスクリームで好きなフレーバーを選ぶように、女性を自分の目で選んでみろよ、女性を誘ってみろよ」という意味で「スプーンを掴め!」と言ったのですが、その後、悲しみのヒーロー Billy Don't Be a Hero フレンズ1-1改その26 で、
ロス: "Grab a spoon." (中略) Even if I could get it together enough to- to ask a woman out... who am I gonna ask? (「スプーンを掴め」って? (中略) 僕が、ある女性をデートに誘えるほどの気持ちになったとしても[誘えるほどに気持ちが落ち着いても]… 僕は誰を誘うことになるの?[誰を誘えばいいの?] )
と言っていました。
そのロスのセリフは、「キャロルのことから立ち直ったとしても、誰を誘えばいいのかわからない。僕にはそんな人はいない」ということだったわけですが、レイチェルと二人きりになった時に、「いつか君をデートに誘うよ」と言ってオッケーをもらったことで、ロスには「誘いたいと思う人ができた」わけで、そのことを「僕は今、スプーンを掴んだんだ」と表現したことになります。
ロスがチャンドラーとジョーイに「誰を誘えばいいの?」と言っていたシーンでは、その直後に窓の外を見るレイチェルの姿が映っていました。
「妻に去られた男」のロスと、「結婚式を逃げ出してきた女」のレイチェルは、それぞれ今は一人きり、という描写で、「相手と別れた男女が出会う」というシチュエーションは、映画でもドラマでもよくあるパターンですが、それぞれ今は一人となった、ロスとレイチェルを順番に映すことで、この二人の間にこの先何か起こりそうかも、、と予感させるようなシーンになっていました。
その二人がエピソードの最後の方のシーンで「何かいい感じ」になるというのが、「こういう作品だと知ってもらうためのパイロット版」として、完成された形になっていると思います。

手で掴むしぐさを見せるロスに対し、モニカは笑顔ながらも、ロスが言っている意味はよくわからないけど、、という表情をしています。
女性をアイスクリームのフレーバーに例える話は、男性陣だけの間で交わされていたことなので、モニカは「スプーンを掴んだ」と言われても何のことかわからないわけですが、ロスの様子から、ロスが少し元気を取り戻した、前向きになったことは感じられたということですね。


22:07
(CLOSING CREDITS)
エンドクレジット
CREDITS SCENE: CENTRAL PERK
クレジットのシーン:セントラルパーク
ジョーイ: I can't believe what I'm hearing here. (ここで聞いてること、信じられないよ。)
フィービー: (SINGS) I can't believe what I'm hearing here. ([歌って] ♪ ここで聞いてること、信じられないよ ♪)
モニカ: What? I-I said you had a.... (何? 私が言ったのはあなたが…)
フィービー: (SINGS) What I said you had a.... ([歌って] ♪ 何? 私が言ったのはあなたが… ♪)
モニカ: (TO PHOEBE) Would you stop? ([フィービーに] やめてくれる?)
フィービー: Oh, was I doing it again? (まぁ、私またやってた?)
みんな: Yes! (ああ!)
レイチェル: (WALKS UP WITH A POT OF COFFEE) Would anybody like more coffee? ([コーヒーのポットを持ちながら近づいてきて] 誰かコーヒーのおかわり、いかがですか?)
チャンドラー: Did you make it, or are you just serving it? (君がそれ(コーヒー)を作ったの[いれたの]? それともただ給仕してる[飲み物を注いでる]だけ?)
レイチェル: I'm just serving it. (ただ注いでるだけよ。)
みんな Yeah. Yeah, I'll have a cup of coffee. (よし、よし。コーヒーを一杯もらうよ。)
チャンドラー: Kids, new dream. I'm in Las Vegas. I'm Liza Minnelli. (君たち、新しい夢(の話)だ。俺はラス・ベガスにいる。俺はライザ・ミネリだ。)

セントラルパークで、ジョーイとモニカが話している時、フィービーは、彼らが言ったセリフに変な節(ふし)をつけて、歌うような感じで繰り返しています。
「やめてくれる?」と言われたフィービーが「私、またやってた?」と答えると、みんなが Yes! と答えるので、他人が何か言った後、歌うように繰り返すという行為を、これまでも何度もしたことがあって、それがみんなの癇に障っていただろうことがわかります。

would like は want の丁寧な言い方。
このエピソードの中で、レイチェルが人生で初めて入れたコーヒーが非常にまずかったので、レイチェルが作った[いれた]コーヒーか、別人が作ったコーヒーかをチャンドラーは尋ねています。
コーヒーを作ったとしたらそれは少し前なので make の文は過去形(Did を使った疑問文)、今、コーヒーを給仕しているところなので serve は現在進行形になっている、という時制の違いにも注目したいところです。

チャンドラーは最後に、新しい夢の話をしています。
これは、普段は電話してこない フレンズ1-1改その2 で、「高校の時、カフェテリアの真ん中で真っ裸で立っていると、電話がかかってきて、、」という夢の話をしていたことがあったので、また今回は別の新しい夢の話をしようとしているということです。

Liza Minnelli (ライザ・ミネリ)は、1972年の映画「キャバレー」でアカデミー主演女優賞を受賞した、有名な女優さんですね。
ライザ・ミネリの母親は、映画「オズの魔法使」(原題:The Wizard of Oz)で主役のドロシーを演じたジュディ・ガーランド。
「夢の中で、俺はラスベガスにいて、俺はライザ・ミネリになってる」と話し始めたところで、フレンズ1-1 は終了となります。
また「わけのわからないナンセンスな夢の話」が続くんだろうなと思わせる終わり方ですね。


(Rach からの年末のご挨拶)
今日の記事が、2016年最後の記事になります。
この記事でちょうど フレンズ1-1 の解説が終わったので、キリが良い形で、新年から フレンズ1-2 の解説を始めることができます♪

今年9月に、このブログはファイナルに到達し、その後、「シーズン1改」を始めました。
フレンズの解説としては「2周目」になりますので、1周目の時には飛ばしてしまっていた部分を、じっくり丁寧に解説することができるように心がけました。
結果として、「フレンズ1-1改その39」の記事まで書くことになりましたが、20分強のドラマ1話分(DVD の時間では 22:48)のセリフの中に、様々な文法事項と使える英語表現がたくさん詰まっていたことを実感していただけたら、と思っています。

ファイナルが終わった後、こうして再び シーズン1 の最初に戻って解説を書き始めることについて、多くの方のご賛同と応援をいただけたことは、私にとって本当に大きな励みとなりました。
フレンズで英語を学ぼうと思った方がまず最初にご覧になるのはやはり第1話だろうと思いますので、フレンズ1-1 をご存知の方はかなりの数おられるように感じます。
実際、ファイナルシーズンのシーズン10 を解説していた頃よりもブログのアクセス数は増えており、私の解説がどなたかの英語学習のお役に立てていることを実感することができています。

また年末のお礼となってしまいましたが、私が記事中で綴りミス(タイポ)をした際、タイポのご指摘を下さった皆様、本当にありがとうございました。
(非公開コメントにてのご指摘という温かいお気遣いもありがとうございました。今後ご指摘いただける際には、公開コメントでも大丈夫です! 、、、というより、来年はタイポしないように気をつけます!^^ )

ファイナルに到達した後、このブログをどうするか? というのは今年の大きなテーマでした。
私がファイナル到達後に始めようとしていることを読者の皆様が受け入れて下さるかどうかもわかりませんでしたので、正直、このブログで新しいお正月を迎えることができるのかな? という不安があったのですが、こうして無事、年内に フレンズ1-1改 を終わることができて、新年から フレンズ1-2 を始めることができることになって、嬉しく幸せな気持ちでいっぱいです。
これまでは「ファイナルまで頑張ります!」が合言葉のようになっていましたが、シーズン1改に戻った今は、「どこまで」とは言わずに、フレンズのセリフの面白さと、フレンズで英語を学ぶ楽しさを伝えられるよう、一つ一つの記事を充実させていきたいと思っています。

今年は、上に書いた「ファイナル到達」以外の出来事としては、4月に著書3冊目となる「海外ドラマDVD英語学習法」(CCCメディアハウス)を出版、7月には枚方T-SITE でセミナーも開催しました。
そして、来年、2017年2月5日(日)には、京都でセミナーを開催します。
(セミナー告知記事:京都でセミナー開催します!

今年も私にとって充実した一年でした。
来年もまた良い年にできればいいなと思っています。

今年一年、皆様本当にありがとうございました。
来年も、どうかよろしくお願いいたします。
皆様も、どうか良いお年をお迎え下さいませ♪


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posted by Rach at 14:06| Comment(4) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、こんばんは。

1週間前くらいにひょっとして大晦日にシーズン1-1を終わらせようと目論まれてるかも
と思っていたのですが、たまたまですか?(笑)とても切りがいいですね。

それでついでにこのペースで行くとファイナルまでどのくらいかかるか勘定してみたら
約68年でした。(^^;)

まさにライフワークですね。

セリフももれなく解説していただいてとてもありがたいです。

来年もRachさんにとってより良い年となりますように、引き続き頑張ってください。

では。
Posted by aki-kiyo at 2016年12月31日 20:58
aki-kiyoさんへ
こんばんは。コメントありがとうございます。
シーズン1改 を始めてからは、「どのくらいのペースで、いつまでにエピソードを終えて」というのは全く意識しなくなって、とにかくセリフをもれなく解説するようにだけ努めていたのですが、そうですね、私も2週間くらい前に、「このペースなら今年中にちょうど終わるんじゃない?!」と気づきました。それまで全然意識しておらず、全くのたまたまだったのですが、シーズン1改を始めて、年内にちょうど第1話を終えることができたことは、本当にとてもきりのいいことで、非常にラッキーだったと思っています。

また、「このペースで行くと」を勘定していただき、ありがとうございます。このペースでファイナル到達できたとしたら、その時には日本最高齢になってますね^^ まぁファイナルは無理にしても、自分としては行けるところまで行きたいなぁと思っています。本当にフレンズのセリフと脚本は素晴らしく、英語教材としても作品としても最高で、実に掘り下げ甲斐があるんですよね♪

1話分をこのようなゆっくりじっくりペースで書くことができるのも、aki-kiyoさんを始めとして、記事を読んで下さる読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

来年も是非良い年にしたいと思っています。精一杯頑張りますね!
来年もどうかよろしくお願いします。温かいコメントありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2016年12月31日 21:49
こんにちは!ようやく1話を見終わりました。笑
形容詞で使われることしか知らなかった比較級( I was more turned on by...や an answer more sophisticated...)や、
haveの別形の省略(There has to be →There's gotta be...)など、1話だけでも本当に新しい学びがたくさんありました。こんなに丁寧に追うことができたのもこのブログのおかげです。早く全部の物語を見てみたいですが、しっかり復習しながらものにしていきたいものです…(気が遠くなります)これからも更新がんばってください!楽しみにしています。(本当に尊敬します)
Posted by モハム at 2020年07月07日 19:34
モハムさんへ
こんにちは。コメントありがとうございます。

皆さんがまず最初にご覧になるであろう第1話なので、かなり詳しめに解説しようと意気込み、結果、こんなに長くなってしまったのですが(笑)、それを順番に丁寧にお読みいただけたこと、大変光栄です。ありがとうございます。

そのように言っていただけることは本当にブログ更新の励みになります。楽しんでいただける解説がかけるよう頑張りますね!
温かいメッセージ、ありがとうございました<(_ _)>
Posted by Rach at 2020年07月09日 09:22
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