2017年01月03日

前座のコメディアンみたいなもの フレンズ1-2改その1

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あけましておめでとうございます!
昨年末でちょうど フレンズ1-1改 が終了し、今日からは フレンズ1-2改 の解説を始めます。
本年もどうかよろしくお願い申し上げます。


シーズン1 第2話
The One With the Sonogram at the End
原題訳:最後に超音波映像がある話
邦題:ロスの大事件


0:00
PRE-INTRO SCENE: CENTRAL PERK
イントロの前。セントラルパーク。
(ALL PRESENT)
みんながいる。
モニカ: What you guys don't understand is, for us, kissing is as important as any part of it. (あなたたち男性が理解してない[わかってない]ことは、私たち女性にとって、キスすること(キスするという行為)はそれの(他の)どんな部分とも同じくらい[どんな部分にも負けないほど]重要だ、ってことよ。)
ジョーイ: Yeah, right! ...You serious? (あぁ、そうだよねぇ〜! …って、マジなの?)
フィービー: Oh, yeah! (えぇ、そうよ!)
レイチェル: Everything you need to know is in that first kiss. (あなたたち男性が知る必要のあるすべてのことは、その最初のキスの中にあるのよ。)
モニカ: Absolutely. (その通り。)
チャンドラー: Yeah, I think for us, kissing is pretty much like an opening act, y'know? I mean, it's like the stand-up comedian you have to sit through before Pink Floyd comes out. (そうだな。俺が思うに、俺たち男性にとっては、キスは、ほとんど、前座(オープニングアクト)みたいなもんだよ。つまり、ピンク・フロイドが登場する前に俺たちがずっと座って見てなきゃいけない、スタンダップ・コメディアンみたいなもんだ。)
ロス: Yeah, and, and it's not that we don't like the comedian. It's just that... that's not why we bought the ticket. (そうだよ。そして、そして、僕らはそのコメディアンが好きじゃない、ってわけじゃないんだ。ただ…ただ、コメディアンを見たくてチケットを買ったんじゃない、ってだけなんだよ。)

kissing is as important as any part of it. は、「キスすることは、それ(it)のどんな部分とも同じくらい重要である」。
kissing は「キス」というよりは、「キスすること」という行為を語っている感覚ですね。
キスすることを、「それのどんな部分」とも同じくらい重要、と比較していることから、キスするという行為も、it の部分の一つであることが想像されます。
この場合は、it はエッチを指していることになるでしょう。

ドラマでの会話シーンは、「ある程度、会話が進んでいる段階で、その会話の途中から新たなシーンが始まっている」という形を取っていることも多いですよね。
今回もそのパターンで、any part of it といきなり言われても、it が何を指すかはよくわからないわけですが、kissing を it の他のパートと比較しているというモニカのセリフから、it の中には、kissing などの行為が含まれている→ it は kissing を含む、エッチの一連の行為を指している、とわかる仕組みになるでしょう。

guy は単数では「男の人」を指しますが、guys と複数になった場合は、女性を含むことができます。
そのため、フレンズたちが、Hey, you guys! と挨拶を交わす場合には、女性陣も含まれています。
ただ、このモニカのセリフの場合は、you guys と us が対照的に使われていて、you guys は「あなたたち男性」、us は「私たち女性」を指しています。

Yeah, right! は直訳すると、「はい、その通り!」となりますが、このジョーイのセリフでは、それが反語的ニュアンスで使われています。
ジョーイがばかにしたように笑いながら言っていることからも、全くそれを信じていない状態で、Yeah, right! という言葉を言っているのがわかりますね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
yeah, right : used to say you do not believe what someone has just told you
例) "She's just trying to help you." "Yeah, right."

つまり、「誰かがたった今自分に話したことを、自分は信じられないと言うために使われる」。例文は、「彼女はただ君を助けようとしてるんだ」「(皮肉っぽく)あぁ、そうだろうねぇ」

yeah や right は相手の言ったことを肯定する単語なので、もちろん、ただの相槌としての軽い意味の「あぁ、そうだね」という意味で Yeah, right. が使われることもありますが、ロングマンに「相手の言ったことが信じられない場合に使われる」と出ているように、Yeah, right. は、言葉通りの意味ではない、そういう使われ方をすることが多いということになるでしょう。

「ほ〜んと、全くその通りだよねぇ〜」と大袈裟に言ってみせることで皮肉感を出して、その発言を軽くかわし笑い飛ばしてみたところ、女性陣が冗談で言ったのではないのに気づいて、「え、今の発言は真剣だったの? マジだったの?」と聞き返しているということです。

その後、「あなたたち(男性)が知る必要のあるすべてのことは、その最初のキスの中にある」と言って、女性陣は最初のキスの大切さを主張します。

for us 「私たち女性にとって」と言って、キスの大切さを主張した女性陣に対し、チャンドラーは、I think for us, kissing is... 「俺たち男性にとって、キスすることは…だと思う」と男性陣の捉え方を語っています。
pretty much は「ほとんど、だいたい」なので、「キスするという行為は、男にとっては、ほとんど前座みたいなもんだ」と言っていることになります。
その後、I mean 「つまり俺が言いたいのは」と言葉を変えて、「前座みたいなもの」という内容について、さらに具体例を出して説明を続けています。
前座について、チャンドラーは、「ピンク・フロイドが出てくる前に、俺たちが(観客として)ずっと座って(見て)いないといけないスタンダップ・コメディアン」のようなものと表現しています。
ピンク・フロイド(Pink Floyd)は「狂気」「ザ・ウォール」などで有名なイギリス出身のロックバンドですね。
Wikipedia 日本語版: ピンク・フロイド

スタンダップ・コメディアンは、観客を前にした舞台に一人で立ち、面白いことを言って観客を笑わせるコメディアン。
アメリカではお笑いのメジャーな形態で、ドラマのキャラクターの職業がスタンダップ・コメディアンということも多いです。
シットコムの「フルハウス」(原題:Full House)に出てくるジョーイ(ジョゼフ・グラッドストーン)や、シットコム「となりのサインフェルド」(原題: Seinfeld)の主人公ジェリー・サインフェルドは、職業がスタンダップ・コメディアンで、ドラマの中でもスタンダップ・コメディアンのネタを披露しているシーンが出てきます。
俳優のエディ・マーフィやジム・キャリーも、スタンダップ・コメディアン出身のようですね。

メインのアーティストが出てくる前に、場を盛り上げるために前座として登場するのがスタンダップ・コメディアンで、「キスすること=前座のスタンダップ・コメディアン」「エッチをすること=コンサートの主役ピンク・フロイド」だとチャンドラーは言っていることになります。

チャンドラーが「エッチ」の例えとして、数あるバンドの中で特にピンク・フロイドを挙げたのは、ウィキペディアの記載にもあるような「サイケデリック」「浮遊感・倦怠感・幻想的なサウンド」「緊張感と高揚」のようなイメージが、エッチにおける「激しくハイになる」イメージと繋がるからかなぁ、と思ったりします。
女性なら、ロマンティックな曲や歌手を挙げそうな気がするのですが、そういう激しいものをイメージとして挙げたところに、「雰囲気、ムード」よりも「行為」のイメージが先行する男性っぽいところが出ているような気がしました^^

その「男はこう考える」という話に、ロスは同意する形で続けています。
it's not that は「〜っていうわけじゃないんだ」、it's just that は「ただ〜なだけなんだ」。
「君たちが考えているような理由じゃないんだ。ただ、こういう理由なんだよ」と、相手が気を悪くするかもしれない理由を違うと否定し、ただ、こういう理由があるだけなんだと、「理由は君たちが考えているのとは違うところにある」ことを説明する感覚になります(なるほど英文法 p.323)。

That's why は、That is the reason why の the reason という先行詞が省略されたと考えるとわかりやすいでしょう。
関係副詞の why だけで「〜する理由」という名詞節を作ります。
not を使わない肯定文の、That's why we bought the ticket. だと、「それ(その前に述べたことなど)が僕らがチケットを買った理由だ」ということになり、「そんなわけで[それが理由で]チケットを買ったんだ」「だからチケットを買ったんだ」という意味になります。
今回のロスのセリフには、否定語 not が入っていますので、「それがチケットを買った理由じゃない」ということになります。
「別にコメディアンが嫌いってわけじゃないけど、コメディアンがチケットを買った理由じゃない」「コメディアンを見たかったから、チケットを買ったわけじゃない」「お金を出してチケットを買った目的は別にある」というニュアンスになるわけですね。


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posted by Rach at 13:14| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

画像がリニューアルされてますね。

ちょっとびっくりしました。お正月バージョンでしょうか?

ちょっぴり浪速のお姉さまフレイバーが加味されたような・・・(殴)

かわいくてとっても素敵です。(^^)

では。
Posted by aki-kiyo at 2017年01月03日 21:05
aki-kiyoさんへ
あけましておめでとうございます。温かい新年のメッセージ、そして「お正月バージョン」の画像に気づいて下さってありがとうございます。「浪速のお姉さまフレイバー」という表現、、 確かにそんな雰囲気が漂ってますねぇ〜。今にも大阪弁をしゃべり出しそうな感じです(笑)。

お正月に和装のプロフィール写真に変えてみたいなぁ〜と前から思っていたのですが、無事ファイナルに到達した後、こうしてお正月を迎えられたことが自分としては「めでたい」ことだったのと、私は酉年生まれで今年は年女ということもあり、思いきってやってみました。
2月始めの京都セミナーに向けて京都気分を高める意味も込めて(セミナー当日に着物は着ませんがw)、京都セミナーが終わるまではこの画像にしておこうかなと思っています。

「かわいくてとっても素敵です」と言っていただけて、画像をアップした甲斐がありました。本当にありがとうございます♪

こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。
嬉しいコメントありがとうございました!(^^)
Posted by Rach at 2017年01月05日 12:11
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